千種高等学校ブログ  Vol.Ⅱ

 本日の千種高校

酸化と還元【交流授業】

 10月に入り気温の高い日が続いていますが、少しづつ紅葉が始まり柿の実も色づき、秋の深まりを感じています。生徒の皆さん、来週からは一気に気温が下がる予報です。中間考査前に体調を崩さないように注意しましょう。
 さて、小中学校との交流授業の第2弾、本校の吉田教諭(理科)のよる出前授業が千種中学校2年生16名を対象に行われました。授業の内容は「酸化と還元」です。生徒たちは2つの実験を通して、マグネシウムや銅の酸化と還元や反応の仕組みを学んでいきます。吉田先生の指導により、実験する前にどんな変化が起こるか予想させることを重視され、「なぜそうなったか」をしっかり考させる工夫がなされていました。創造力や観察力など理科という教科の特性が非常に活かされた素晴らしい授業でした。マグネシウムリボンが二酸化炭素の酸化還元により白い光と共に激しく燃えた時には、「まぶしい!!」と歓声をあがっていました。また、銅線を加熱したり、エタノールに近づけることで、銅線の色が変化していく様子に驚いていました。
 中学2年生は、10月15日(金)に「たたら製鉄体験学習」を控えており、その事前学習としても非常に有効な学習となりました。現在、修学旅行前ですごく忙しい吉田先生、体験から学ぶ素晴らしい授業をありがとうございました。

 
 
 

お米の選別【49回生】

 先月9月24日(金)に小中高合同で稲刈りをした直後に、特別非常勤講師の田住先生が乾燥、籾摺り、選別等の調整作業をしてくださり、9月30日(木)に208kgの玄米が届きました。これは、米作りを始めて過去5年の中で最高の収量であり、児童生徒たちが愛情込めて育ててくれた証だと児童生徒と共に喜んでいます。しかし、お盆休み以降の長雨と日照不足は作物にとって致命的であり、お米の品質は決していいものでないことは届いた玄米を見ればすぐに分かりました。機械で選別された玄米の中に、不完全な玄米(青米、茶米、焼け米、乳白米、心白米など)が今年は昨年以上に多く含まれていたのです。そこで、10月8日(金)の1年生「総合的な探究の時間」では、コンテストに出品する玄米の選別を手作業で行うことにしました。最初に、私が良い玄米と悪い玄米の見分け方をレクチャーし、その後は黒と白の選別皿とピンセットを使用してひたすら異常のある玄米を取り除いていきます。2時間連続の作業にも生徒は集中を切らさず、楽しんで取組んでおり約5kgの完璧な玄米を選んでくれました。こうした作業を通して、収穫できたお米の中でも必ずしも良いものばかりではないことや農業の奥深さを体験から学んでもらえたらと思います。※後日、この体験はお米づくりに係わった小中学生にも体験してもらう予定です。
 今年は、2つのお米のコンテスト(全国農業高校お米甲子園、日本一おいしい米コンテスト)の高校生部門に出品予定で、近くこのお米をそれぞれの事務局に郵送します。児童生徒たちが育てた千種のお米が、いよいよ評価を受ける時が近づいてきました。この半年間の児童生徒たちの取組みを振り返るとまた涙が出てきそうです。

 
 
 

アユの解剖実験【交流授業】

 今年も小中高の校種の枠を越えた交流授業がスタートしました。千種高校の教員が千種小・中学校に出向いて出前授業を行う取組みで、高等学校の専門教科授業を小中生に体験してもらい、教科への興味関心や高等学校への理解を深めてもらうことを目的として長年続いています。今日は、本校の筏泰介教諭(理科)による「アユの解剖実験」で千種高校赴任以来8年連続での授業です。筏先生は、本校に来られる前は香住高校にお勤めで水産のスペシャリストでしたが、熱い熱い授業が中学1年生(13名)を対象に行われました。
 最初に、アユの一生や習性等についてプレゼンを用いて行われました。その中で「夏は何を食べているか知ってるか?」との問いに複数の生徒が「コケ!」と素早く反応、「コケの多い岩場に縄張りをつくる習性があるんです」と説明されて「ヤンキーみたい!」と子どもたちの予想外の返答があり笑いを誘います。また、「実験用のアユは麻酔をかけて眠らせている」と言うと、「麻薬?」、「麻薬とちゃうちゃう…」と中学1年生は純粋であどけなくとても可愛かったです。そして、筏先生の命の話が始まります。「私たちの学習のために、生きている命をいただくので真剣に取組んでほしい!」と力を込めて話され、生徒たちも背筋を伸ばして聞いていました。そして、解剖の実演の後、メスやハサミを用いて解剖がスタートします。生徒たちの反応は「美味しそう」「可哀そう」など様々でしたが、積極的に解剖に取り掛かりました。胃、腸、すい臓、精巣、肝臓、心臓など臓器の一つ一つが確認でき、その形や大きさ、感触や臭いを感じ取っていました。切り離されても心臓がまだヒクヒク動いている様子に、生徒たちは命の重みを感じたに違いありません。
 千種川や揖保川などアユが多く生息する地域に住む子供たちにとって、今日はアユの住む環境を守る大切さも学ぶ機会となりました。筏先生、ありがとうございました。先生の想いはきっと子供たちの心に届いていることでしょう。

 
 
 
 
 

RED BOX JAPANからの贈り物

 突然ですが、「RED BOX JAPAN」という寄付団体をご存じでしょうか?私も9月までは聞いたことありませんでしたが、赤い箱に生理用品を詰めて学校に寄付し、若者を支援することを目的としたイギリスで始まった社会活動で、日本では2019年12月に設立されました。コロナ禍で3人に1人の学生が「生理の貧困」に直面している状況下で、兵庫県の高等学校にもその支援が始まりつつあります。
 この度、県下の高等学校では2番目に本校と千種中学校が名乗りを上げて、RED BOX JAPANより生理用品の寄贈をいただきました。兵庫県でRED BOX JAPANの活動をされている土原翔吾さんにお越しいただき、両校の生徒代表に届けていただきました。土原さんは、大学卒業後に中学校理科の教員として4年間お勤めでしたが、担任をしたクラスの不登校生徒との出会いや車イスで生活される方に出会い、「違った関り(支援)がしたい」と教師を辞め、現在はNPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクト事務局長ほか幅広く地域団体に携わり活動されている方です。少し話をすると、ポジティブな物の捉え方と固定概念にとらわれない考え方に私も共感し、多くの刺激を受けました。きっと、本校の生徒も土原さんの話からたくさん得るものがあったはずです。私は、土原さんの「身体を大切にすることから他者を思いやり、地域・環境を大切にする」という言葉が印象的でした。
 受け取った生理用品は、保健委員会の中で話し合い校内の女子トイレに設置し、誰でもいつでも利用できるように活用を考えていきます。土原さん、今日は本当にありがとうございました。RED BOXには優しさや勇気、思いやりがたくさん詰まっていました。

 
 
 
 

快挙!2人が二次審査へ【49回生】

 今朝、英語科の村上先生から嬉しい報告を受けました。第24回兵庫県高校生英文エッセーコンテストの第一次審査に1年生の田口恭子さん(千種中出身)と山本実央さん(一宮北中出身)の二人が合格したと言うのです。「これってスゴイ事なんですよ!」と興奮気味な村上先生から話を聞くと、応募数は県下で31校116作品あり全体で上位20名しか二次審査に進めない中で1校から2名が合格するのはなかなかない事のようです。また、この英文エッセーの作成にあたり、ALT(外国語指導助手)からの指導助言が非常に重要なのですが、ALTが不在の本校がこうして好成績が納められたこともスゴイ事だと生徒の頑張りを讃えていました。
 実は、村上先生も高校時代にこのコンテストに応募し二次審査に出場されています。高校時代の経験が今にとても活かされており思い入れが強いコンテストだそうです。夏休み期間に作成した10名の生徒の作品をGooglemeetを通じて何度も添削し応募に踏み切りました。生徒の頑張りと村上先生の想いが実を結び、本当に嬉しく思います。
 二次審査は11月20日(土)に県立明石北高等学校で行われる予定です。2次審査では県下の選ばれし生徒が集結するだけでなく、当日にコンテスト課題が告げられて約2時間に300語~500語のエッセーに仕上げる必要があります。厳しい二次審査ですが、田口さんは「英語は得意ではないが、自分なりに精一杯頑張る」と語り、山本さんは「しっかり準備して良い文をつくりたい」と話してくれました。英語科で担任の村上先生は「すごくいい経験になる!」と勝負よりも二次審査を体験できることを喜んでいました。二人を見かけられましたら是非、声をかけてあげてください。応援よろしくお願い致します。