兵庫県立神戸高塚高等学校
令和6年度学校経営の重点
1 教育方針
生命の尊厳と人間尊重の精神を基盤として、“ひとりひとりが 生き生きと 個性の輝く学校"を目標とし、校訓(克己・信愛・創造)の実践を通して、人間として調和のとれた生徒の育成をめざす。
(1) 「克己」 豊かな自己を表現するために自律の精神を育てる。
(2) 「信愛」 誠実さを尊び、他を思いやる心を育てる。
(3) 「創造」 未来を見つめ、日々たゆまぬ努力をする強い心を育てる。
2 めざす学校像
(1) 地域の子供たちが「行きたい」と思うような地域に愛される魅力ある学校
(2) 教職員が生徒理解に努め、教職員と生徒が深い信頼関係で結ばれている学校
3 重点事項
(1) 安全・安心で教育活動に適した環境づくりを推進する。
ア 教職員は生徒の安全確保に最大限努める。
イ 主体的に美化・清掃活動に取り組む態度を培う。
ウ 自他の命の大切さを伝え、人権教育・防災教育の推進を図る。
(2) 基本的な生活習慣を身に付け、基礎的な学力を定着させ、自ら学ぶ意欲・態度を培う。
ア 教職員は、生徒の興味・関心を高める授業改善に積極的に取り組み、確かな学力を確立する。
イ 生徒の目指す進路希望の実現を図る。
ウ 生徒の家庭での学習時間を確保し、学習習慣を培う。
(3) 挨拶等将来社会人として必要な習慣・態度を育成する。
(4) 学年と部との連携を密にすることで教職員の共通理解を図り、組織力を向上させる。
(5) 学校の教育活動を積極的に発信し、保護者・地域との連携を推進する。
2 教科指導及び生徒指導(特別活動を含む)の重点
(1) 教科指導
学習指導要領に基づき、基礎的・基本的な知識・技能の定着を図り、思考力・判断力・表現力等の育成を重視する。また、ひとりひとりの能力や個性を十分把握して指導の個別化を図るとともに、生徒が自ら進んで課題を見つけ、主体的、意欲的に学ぶ資質や能力の育成を図る。
① 教育課程
生徒の適性、進路、興味関心に応じた適切な教育課程の編成をめざして、教科や学年の
意向を踏まえながら、「何をどのように学び、何ができるようになるのか」を明確にし、
教育課程の見直しを図る。
② 学習指導
ア 指導内容の精選や指導方法の改善に努めるとともに、各教科において発表や討論等の言語活動を充実させ、生徒の興味関心を引き出す授業の工夫を図る。
イ 授業において、コンピュータやタブレット等、ICTの効果的な活用を進める。
ウ 予習・復習の徹底、週末課題の実施等、家庭学習の習慣をつけさせる。
エ 英語教育については、英語を使って何ができるようになるかを重視し、「聞くこと」「読むこと」「話すこと[やり取り]」「話すこと[発表]」「書くこと」の4技能5領域を総合的に育成する。
(2) 生徒指導
人間尊重の精神を基盤に生徒との心のふれあいを大切にして、生徒の内面的理解に努め、信頼関係を深める。さらに、自主自律の精神を培い、自己を生かす能力の育成を図り、成就感や存在感を体得できるよう指導する。
① 基本的生活習慣の育成
ア 社会人の基礎となる挨拶や身だしなみに気を配り、学校生活においてマナーや規則をしっかり守れるよう指導する。
イ 校内の清掃はもとより、通学路や地域の清掃にも主体的・積極的に取り組む。
② 生徒指導体制の確立
ア 「いじめは絶対に許さない」との共通認識のもと、全教職員がいじめ未然防止に全力で取り組む。
イ 学校いじめ防止基本方針に従い、「いじめ対応チーム」の機動力を高め、生徒に関する情報を共有することで、全教職員で迅速かつ適切な対応を図る。
ウ 「生徒への指導に当たり、いかなる場合も体罰を行ってはならない」ことを認識した上で、生徒に対して毅然とした態度で指導を行う。また、社会の変化や多様な生徒の実態に応じ、カウンセリング・マインドを持って、生徒ひとりひとりの心の内面的理解に基づく多面的かつ持続的な指導を行う。
エ 生徒会活動において、「いじめの未然防止」や「タブレットやスマートフォン等のデバイスとの付き合い方」など社会的に大きな問題となっている事項について、生徒の立場から議論し考えを校内外に広く発信する。
(3) 進路指導
キャリア教育の視点のもと、生徒が自らの能力・適性等に応じて、進路目標を設定する力や自己の目標を実現する力を育て、変化の激しいこれからの社会をたくましく生き抜く力を育てる。
① 進路指導体制の確立
生徒の実態に応じた適切な進路指導年間計画を立案する。また、進路指導に関する資料の収集・整理とその活用を図るとともに、教職員の共通理解を図るため研修を行う。
② 自己理解と進路目標の設定
ホームルーム活動や総合的な探究の時間を活用し、生徒が自己の能力・適性を把握し、進路目標を設定できる力を育成する。
③ 継続的・系統的な進路指導の推進
定期的に進路説明会や進路ホームルームを設定し、進路に関する情報・資料を提供することで、自己の目標を設定するための継続的・系統的な指導を行う。また、生徒の実態を把握し、補習や個別指導を通じて学力の向上を図り進路実現に結びつける。さらに、「進路の手引き」によって、具体的な進路に関する情報を提供する。
(4) 人権教育
すべての人の自己実現と「共に生きる社会」への展望をもとに、「人権という普遍的文化」を身に付けさせる。また、共感的に他者を理解し、自他を共に尊重する態度を育てる。
① 人権教育の推進
ホームルーム活動を中心に、教科指導及び芸術鑑賞会・講演会などの特別活動、部活動を通して、人権や人権擁護に関する基本的な知識を確実に学ぶとともに、人権感覚を磨く。また、これら知的理解と人権感覚を基盤として、自他の人権擁護を実践しようとする意識、意欲、態度の向上に努める。
② 人権意識の効用及び人権感覚の体得
「人権を侵害することは、決して許さない」ことを深く認識させるとともに、SNSなどによる誹謗中傷は人権侵害であり、将来にわたり自他の幸せを奪うものであることを認識させる。また、人権尊重の理念の知的理解を図るとともに、常に自らの人権感覚を磨き続け、様々な場面や状況において、実践的な態度や行動ができるように努める。
③ 校内研修の推進
人権教育推進委員会を中心に研修を重ね、教職員の共通理解を深めるとともに指導力の向上を図る。
(5) 教育相談活動の充実
生徒ひとりひとりの内面的理解に基づく教育相談を実施することにより、生徒の心の健康の保持・増進を図る。
① 組織的な教育相談の実施
教育相談係及び学年、養護教諭、各部の連携を密にし、組織的かつ積極的な教育相談を実施する。
② 生徒理解に基づく指導法の共通理解を図る。
カウンセリング・マインドに基づいた指導の在り方について研究し、拡大学年会議等において、学年及び教科担当との共通理解を深める。
③ 校内研修の実施
生徒理解を深め、効果的な教育相談を実施するために、教育相談の在り方や事例について校内研修を行う。
(6) 福祉教育活動の推進
① ボランティア活動など福祉体験活動の充実を図ることで、社会福祉への理解と関心を高め、共に生きる心を育む。
② 特別支援教育について関係機関と連携し、情報を交換することで、生徒とともに教職員についても、多様性を尊重し、他者に配慮できる心を育む。
(7) 学年の指導目標
① 第1学年
ア いじめのない、心身ともに安心できる居場所をつくる。
イ 進路実現に向けての基礎学力の定着と充実を図る。
ウ ルールやマナーを守る習慣を身につけ、社会で活躍するための様々な能力を育てる。
エ ICT機器を効果的に活用し、情報リテラシーを育成する。
② 第2学年
ア いじめのない、心身ともに安心できる居場所をつくる。
イ 自己の適性を見きわめ、進路実現のために必要な学力を身につける。
ウ ルールやマナーを守る習慣を身につけ、社会で活躍するための様々な能力を育てる。
エ 事前学習による地域への理解を深め、修学旅行での活動を充実させる。
③ 第3学年
ア いじめのない、心身ともに安心できる居場所をつくる。
イ 面談等を通して、生徒の内面的理解を深め、生徒同士が思いやりの心を持って、安全・安心な学校生活を送ることができるようにする。
ウ 最上級生である自覚と誇りを持ち、生徒会活動・学校行事・部活動に積極的に取り組むとともに、ルールを守り、下級生をリードする姿勢が持てるようにする。
エ 将来、社会人となっていくうえで必要な習慣、態度を養う。
オ 将来を見据えた進路決定をサポートし、目標の実現に向けて資質・能力を向上させる。
カ 学年全員が力を合わせ苦難を乗り越えて、高校生活の集大成となる1年を作り上げる。
3 健康管理に関する指導の重点
(1) 健康管理
自らの健康は自らで保持していくという意識の確立に努め、生涯にわたって積極的に健康管理ができる気力と体力を培う。
(2) 体育指導
運動の楽しさや喜びを実感させることで、生涯スポーツの基礎を確立させ、生涯にわたって心身のバランスのとれた生活を送ることができる能力と態度を養う。
① 選択体育授業の充実
ア 生涯を通じて、計画的・継続的にスポーツができる能力や態度を養うように指導する。
イ 生徒自らが進んでスポーツに親しみ、主体的に活動する習慣を身に付けさせるように指導する。
② 心身の鍛練と体力向上
ア 体育の授業や体育的行事を通して心身を鍛え、「たくましく生きる」力ならびに「よりよく生きる」力を養う。
イ 体力づくりを奨励し、体育的行事への意欲を高めることにより、健康の増進と体力の向上を図る。
③ 安全管理の徹底
体育の施設・設備・用具などを充実し、その正しい活用の方法を身に付けさせるとともに、安全かつ衛生的に利用できるよう定期点検を実施する。
(3) 安全教育
自他の生命の尊重を基本理念とし、あらゆる教育活動を通して、生涯にわたって健康で安全な生活を送ることができる能力・態度・習慣などを培う。
4 研究テーマ
変化の激しい現代社会における本校の果たす役割や生徒の実態に基づく教育課題を踏まえて、特色ある学校づくりを推進するために、以下の研究テーマを設定する。
(1) 特色類型で育成する人間像を明確にし、内容の精選と改善をすすめ、さらなる充実を図るとともに効果的な中学生への情報発信についての研究
(2) 特色類型の生徒が3年間取り組む「総合的な探究の時間」のさらなる充実を図る研究
(3) 特色類型の生徒が学ぶ「ともに暮らす」「まちづくり」の充実を図る研究
(4) 生命の尊厳と人間尊重の精神に基づき、自他の命を大切にする態度を養い、他人を思いやる心に満ちた人格形成に関与する人権教育の在り方に関する研究
(5) さまざまな教育活動を通して、生徒が小さな成功体験を積み重ね、自らの将来に向けて夢を抱き、その夢の実現に積極的に取り組む生徒育成に関する研究
(6) 県立西神戸特別支援学校との交流及び共同学習の効果的な運営についての研究
5 高校生ふるさと貢献活動事業で実施する内容
地域イベントやボランティア活動等を通して積極的に地域住民と触れ合い、主体的に地域の活動に参画することで、地域の課題を発見し、地域の方々と協働して解決策を探る。そして、将来、社会の一員として地域に貢献できる人物に成長する礎を築く。
(1) 高塚クリーンアップ作戦
美賀多台ふれあいまちづくり協議会や西区青少年育成協議会などの地域の方々と協働し、1年生全員が学校周辺の公園や通学路の清掃活動を行う。
(2) 地域イベント企画・協力隊
特色類型生徒及び生徒会、運動部が中心となり全校生が自ら地域行事を企画し、実行する。また、国際ソロプチミスト神戸西や西区青少年育成協議会、美賀多台ふれあいまちづくり協議会等の地域団体の行事やイベントに参加し、企画運営に携わる。
(3) ふれあいスポーツ
レスリング部員が地域の小中学生を対象にスポーツを通した交流を行う。
(4) 地域貢献活動発表会
地域貢献活動に参加した生徒が、1年間に取り組んだ活動を発表するとともに、地域の課題を発見し、解決法について提案する。
6 高校生就業体験事業で実施する内容
(1) 就職希望者によるインターンシップの実施
就職希望者によるハローワーク就業体験及び県庁インターンシップなどに参加することで、生徒に「働くこと」の意義を理解させる。
(2) 高校生・ふれあい育児体験
家庭科専門科目「保育基礎」選択生徒が、乳幼児の発育と発達について学び、折り紙や読み聞かせの練習を繰り返したうえで、授業や夏季休業中において保育施設での体験実習を実施する。
(3) 進路・生き方を考える学習
ハローワーク学卒担当による就職講話、医療系職業に関する講話、看護体験・医療体験、企業見学、卒業生からの職場の実態や職業に関する講話を通して、生徒に適切な職業観・勤労観を身に付けさせ、将来に向けて夢を抱き、その夢を実現するための具体的な計画をたてさせる。
7 県立高校魅力アップ推進事業で実施する内容
教育目標「ひとりひとりが 生き生きと 個性の輝く学校」を実現するために、特色類型の特徴を生かした講演会や実技指導、科学実験、地域活性化の研究等に専門家を招き、生徒の興味・関心を高め、学ぶ意欲の高揚を図るとともに、生徒が自らの夢の実現に向けて踏み出す機会とする。
(1) スポーツ魅力アップデーの実施
スポーツ関係のスペシャリストを招き、スポーツ科学の様々な分野の講義を受け、将来、スポーツ科学分野で活躍するための意欲を高めるとともに、基礎知識を習得する。
(2) 西神のまちづくり活動の実施
地域創造類型生徒を対象に西区役所や美賀多台まちづくり協議会等と連携して新しい西神のまちづくりを創造する。
8 高校生キャリアノート及びキャリアパスポートの活用に関する内容
キャリア教育に関わる諸活動について、自らの学習状況やキャリア形成を振り返り、自己評
価ができるようにポートフォリオとして工夫する。