学校長ブログ

今ごろ、夏休みの宿題返し!?

 1学期の終業式で、私は、次のような詩(?)を紹介しました。ネット上では、ずいぶん前から評判になっているようですが、出典は杳(よう)としてわかりません。現代版“詠み人知らず”のこの作品は、ロマンと同時に、創作欲を掻き立てるようなところがあります。

 

一年の大切さを知るには、
 落第した学生に
 聞くと善いでしょう。

一ヶ月の大切さを知るには、
 未熟児を生んだ母親に
 聞くと善いでしょう。

一時間の大切さを知るには、
 待ち合わせをしている恋人に
 聞くと善いでしょう。

一分の大切さを知るには、
 電車に乗り遅れた人に
 聞くと善いでしょう。

一秒の大切さを知るには、

たった今、事故を避けることが出来た人に
 聞くと善いでしょう。

10分の一秒の大切さを知るには、
 オリンピックで銀メダルに終わった人に
 聞くと善いでしょう。

だから、あなたの一瞬一瞬を大切にしましょう。
そして、あなたはその時を大切な誰かと
過ごしているのなら、十分に大事にしましょう。
その人は、あなたの時間を使うのに
十分ふさわしい人でしょうから。

そして、時間は誰も待ってくれないと
いうことを覚えましょう。
昨日は、もう過ぎ去ってしまいました。
明日は、まだ分からないのです。
今日は、与えられるものです。

だから、英語では
今をプレセント(present)と呼びます

 

そこで、私は、生徒たちに、次のような宿題を出しました。

( A )の大切さを知るには、( B )に聞くと善いでしょう。」

( A )には、「一年」「一ヶ月」「一時間」「一分」「一秒」「10分の一秒」の他に、「一週間」「一日」等を入れてもかまいません。ただし、「一」以外は使ってはいけません。

校長室のドアに、菓子箱を細工してこしらえた校長ポストを設置して、提出を待ちました。結果は2通。提出率にすると2/823だから0.2%。ちょっとは反響があるだろうという甘い予測は見事に裏切られたとはいうものの、原因は言いっぱなしにしていた私にあるわけで、これからもめげずにやります。

 さて、提出された数少ない貴重な作品を紹介します。

 「一瞬の大切さを知るには、一生を生きた老人に聞くと善いでしょう。」(1年)

  ※哲学の香りのする作品です。私は、生を終える一瞬には、その人の人生が凝縮していると解しました。そのとき人の脳裏には何が浮かんでいるのでしょう?

 「1ツイートの大切さを知るには、TLで見掛けたバズった人に聞くと善いでしょう。」(3年 名もなき夢高生)

  ※コメント不能。私の理解能力を超える作品です。

 「一ヶ月の大切さを知るには、夏休み明け直ぐの自分に聞くと善いでしょう。」(同上)

  ※これは、大方の共感と賛同を得る作品です。夏休みが終わるたびに自分に聞くのに、返ってくる答えにあまり進歩がないのもまた然り、トホホ・・・

だいたい、夏休みの宿題返しが17日ってどうよ!という声を聞きながら、今回はこのへんで。