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校長室より

令和6年度オープンハイスクール(11/6、7)学校長挨拶

令和6年度 オープンハイスクール (11/6、7)学校長挨拶

 皆さんこんにちは。本校校長の上出正彦と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日は本校のオープンスクールに参加いただきまして、誠にありがとうございます。心より歓迎いたします。

本日は本校の魅力や学校の方針についての説明を中心にさせていただきます。短い時間ですが、高砂高校の全てをお見せしますので、進路選択の参考にしてくだされば幸いです。本校生徒会諸君が、一生懸命頑張って少しでも高砂高校をイメージできるようなものを考えています。どうぞよろしくお願いします。

 私からは高砂高校とはどんな学校か、についてお話したいと思います。

 ①本校は大正12年(1923)に創立され、昨年度100周年を迎えた県下有数の伝統校であります。

 ②敬愛・勤勉・奉仕の校訓のもと社会に有為な人材を輩出してきました。この伝統を生かしつつ、文武両道を基本にして、昨今の大学進学の希望が増えてきたことを受け、学習面においては2年時から進学クラスを新設し、卒業時の進路に向けた出口戦略を学校全体で取り組んでまいります。

また、部活動においても運動部では柔道部、野球部、バレー部、バスケットボール部など県下の強豪校として活躍し、中には近畿大会の出場も果たし、優秀な成績を収めています。

文化部でも、映画スイングガールズのモデルとなったジャズバンド部が神戸市長賞、実質的には全国一の称号を獲得するなど活発に活動しています。このように、これからも文武両道を実践していきます。

 ③また本高は、学校行事が盛んな学校です。文化祭、体育大会、芸能鑑賞会など生徒が一体となって楽しみます。こうした学校行事を通して人間関係構築力が身に付き、課題解決能力も育まれます。これからの社会では、こうした力が必要とされると本校は考えています。

 このような環境の中で、志を高くして本校をみてもらえたらと思います。

そして、皆さんと来年4月に高砂高校お会いできることを願っています。

それでは本日はどうぞよろしくお願いします。

令和6年度 芸能鑑賞会 学校長挨拶

令和6年度 芸能鑑賞会 学校長挨拶      

学校長  上出 正彦

 

生徒の皆さん。こんにちは。今日は芸能鑑賞会と言うことで上方落語の大御所である「米朝一門」の方々にお越しいただき落語を披露していただきます。

私が教員になってはじめて舞台で聞いた落語が、桂小米朝さんでした。現在の桂米團治さんです。そのとき、「お~い」と人を呼ぶにも幾通りもあって、遠くの人、近くの人それぞれに言い回しがあるとの解説をいただいたのを今でも鮮明に覚えています。そんな奥深い日本の古典芸能を本日はしっかりと堪能してください。

最後に、この鑑賞会には多くの人々の尽力があったこと、特に演奏者の方々、先生方、スタッフの方々に感謝してください。

そして観客である皆さんの聞く姿勢がこの鑑賞会を作り上げます。

素晴らしいインスピレーションを感じてください。

以上、開会の挨拶といたします。

令和6年度 体育大会 開会挨拶

令和6年度 体育大会 開会挨拶    学校長  上出 正彦

 

 おはようございます。本日は素晴らしい天気に恵まれ、第72回体育大会を開催できること大変うれしく思います。

 さて、この体育大会は、高砂高校の伝統と誇りの一部です。競技は真剣に競い合い、友を全力で応援する。しかし、競技が終わればノーサイド。お互いをリスペクトし、たたえ合う。そのような伝統を100年のながきに渡って多くの先輩方が培ってこられました。

スポーツは、単なる競技ではなく、協力、努力、忍耐、そしてフェアプレイの精神を体現するものです。今日の体育大会では、それらの価値観を全力で追求し、実践してくれるものと思います。

 しかしながら、コロナやインフルエンザまだまだ余談を許さない状況が続いています。体調が本調子でない人もいるかもしれません。もし、体調等に異変が感じられたときは決して無理することなくすぐに申し出るようにしてください。時には辞退する勇気も大切です。

 最後に、ご来場いただきました保護者の皆さま、PTA役員の皆さま、ありがとうございます。また、準備に当たってくれた皆様ありがとうございます。

 それでは、皆さん、体育大会をしっかりと楽しんでください。思い出に残る素晴らしい一日となることを期待しています。

 以上、開会の挨拶とします。

令和6年度 2学期始業式式辞

2学期始業式 学校長式辞

           高砂高等学校長   上出 正彦

 

 始業式の目的は二つです。一つは、長期休業を終えての再会の日に、元気な姿を互いに確認し合い、喜び合うこと。二つ目は、新たな学期の始まりにあって、重点的に取り組むことや大切にしたいあり方を確認し、共有することです。

 まずは、今日朝元気に登校してくる生徒諸君を見て一安心しています。この夏休み期間は大きな風紀の乱れや、生死に関わる事故もなく、皆さんきちんと規律を守ってくれていたみたいです。

 さて、夏休みはいかがでしたか。心身共にリフレッシュできたでしょうか。

 今日は2学期始業式ということで、みなさんの将来の夢や目標についてお話ししたいと思います。将来の夢や目標はありますか?と尋ねられてはっきりと答えられる人もいれば、まだ決めかねていたり、あまり明確に決まっていない人もいるのではないでしょうか。今回は夢や目標を持つ大切さや、将来成功を収めるためのヒントを教えてくれる言葉を紹介します。

「夢なき者に成功なし」です。

 この絵の人物は誰か分かりますか?幕末動乱の時代に活躍した江戸時代の思想家・教育者である吉田松陰です。そして、「夢なき者に成功なし」の言葉は、吉田松陰が遺した言葉です。

彼が教鞭をとっていた松下村塾は、高杉晋作や伊藤博文など、後の明治維新において多大な影響を与えた人物を多数輩出したことで知られています。

 では、「夢なき者に成功なし」についてみていきます。

 松陰は次のように述べています。

夢なき者に理想なし

理想なき者に計画なし

計画なき者に実行なし

実行なき者に成功なし

故に、夢なき者に成功なし。

 「自分の夢のない人には、未来に向かって、このようなふうにしたいという理想がありません。未来に向かって理想のない人には、その理想を実現する ために、自分から計画したり予定を立てたりすることはできません。そして、自分から計画できない人 に何かを実行することはできませんから、自分のこれからの成功はない。そう考えると、夢のない人には、成功はなくなってしまう。」ということです。

「夢なきものに成功なし」と言われますが、本当に夢のない人に成功はないのでしょうか? 逆に、「夢があれば、成功する」のでしょうか? いいえ、夢があっても叶えられない人は世の中にたくさんいますから、「夢があれば、成功する」とは限りません。しかし、「成功する人に夢はある」は正しいと言えるでしょう。成功した人たちはみな夢 をもっていました。全ての成功の始まりは「夢」をもつことから始まります。

  松陰の人生は、自分の信念をすぐに行動に移し、常に全力投球で突き進み続けるものでした。幕府の意向に背けば命の保証がなかった時代に、西洋文化を学び、それによって投獄や幽閉を命じられるなど、決して順風満帆であったとは言えませんが、強い意志を持って教育を推し進めた結果が明治維新に繋がりました。成し遂げたい夢・志があったからこそ、松陰は幕府の反対を押し切ってでも教鞭をとり続けられたのではないでしょうか。松陰自身は倒幕を企てた罪で、29 年の生涯に幕を閉じました。

 

 夢(目標)を達成するためには、まずは達成すべき夢(目標)を設定し、成功への道筋を計画し、実行に移すことが不可欠です。まだ夢(目標)が決まっていない人は、自分の得意なことや好きなことから掘り下げて、夢(目標)を決めてみると良いかもしれません。

 どうでしょうか。皆さんの中でも自分の夢を持って、いろいろなところで頑張っている人がいると思います。無理に自分の夢を持つ必要はありませんが、「自分はこんなことが好きだから、好きな事が大人になってできたらいいな」でもいいのです。そんな自分なりの夢を持ってほしいのです。夢は人生を 切り拓く原動力となるからだけではなく、どんな夢を持つかによってその人の「生き方」の方向性が決まるからです。夢が見つからないと言う人も、単に「やりたいこと」「興味関心のあること」を考えてみてはどうでしょうか。やりたいこと、興味関心のあることは自分の才能のありかを示し、自分に向いているからこそ「やってみたい」「面白そう」と感じるわけで、もともと自分の中に「芽」のないもの に感心さえ上がってこないからです。ただ、ここで重要なのは「夢」は必ずしも具体的な将来像すなわち職業とか職種、役割に限らなくともよいのです。抽象的なものでいいのです。自分の「夢」を大事に、この吉田松陰の「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、 計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし、故に、夢なき者に成功なし」 と言うことを思い出してほしいのです。それぞれに、人と違う良さを必ず持っています。その良さを大事に、自分の夢をみつけ、20年・30年後の日本や 世界を支える一人一人になってほしいと思います。

 また昨日9月1日は防災の日でした。南海トラフ地震の注意喚起の報道もありましたが、日頃から防災の意識も持ってください。これ生徒諸君だけではなく我々教職員にも大切なことだと再確認しているところです。

 「理想をもち計画し、実行する」決意を実行に移し、自分の夢に向かって頑張る2学期にしてほしいと思います。

以上、2学期始業式の式辞とします。

令和6年度高砂高校1学期終業式式辞

兵庫県立高砂高等学校長 上出 正彦

  1学期の始業式で、「割れ窓理論」のお話をしました。小さな割れた窓をそのまま放置していると、やがて周囲のモラルが低下して大きな割れ窓となり、周囲がすさんだ状況になっていくといったものでした。

今日は皆さんに自分自身を磨き、大きく成長した、実際にあったお話をします。それは「普通力」というものです。

 2010年全国高校野球で沖縄・興南高校は春夏連覇をしました。このチームを率いたのが監督の我喜屋優さんです。我喜屋さんは弱かったチームを、監督に就任してわずか三か月で甲子園出場、二年で全国春夏連覇に導きました。その秘訣が「普通力」なのです。

 我喜屋さんは高校卒業後、家庭の経済的事情から、社会人野球の道を選び、56歳まで選手、監督、コーチとして実業団で活躍していました。その後、母校である興南高校に請われて野球部の監督をすることになりました。のんびりとしていて時間にルーズなチームだったのですが、まず、部員たちは時間を守ることの大切さを教えられました。挨拶、身だしなみ、言葉遣い、掃除や整理整頓などの生活習慣から一から教えられました。

 監督は、部員が成長する秘訣としてこう述べています。

 

 「高校生の試合で技術の差で負けることなんてそうないよ。大抵がちょっとしたミス。それが大きな失点につながる。逆に誰でもできることをやってたら、三か月で甲子園出られちゃうんだよ。うちがいい見本でしょ、早寝早起き、朝の散歩、ゴミ拾い、それから一分間スピーチ。本当だよ。そういう小さなことができる人間は野球もできるし、大きなこともできるんだよ」

 

 我喜屋監督はこれを「普通力」と言っています。

 普通力の実践例を具体的に紹介しますと、

 

「早寝早起きをする」

「食事を残さず食べる」

「整理整頓を心がける」

「身だしなみを整える」

「大きな声で挨拶をする」

「自分の言葉で、意見を伝えるー一分間スピーチ」

「ゴミを見つけたら拾う」

「自分のユニフォームは自分で洗う」

 

 普通のことを普通にできるというのは、こうも自分自身を成長させるのだと改めて感じさせます。メジャーリーグで活躍している大谷選手にも同じような発言をしています。

 我喜屋さんは、自分の頭で考えて行動する力が必要だと言っています。皆さんは、家族の人に何でも先回りしてやってもらっていませんか。「起きる時間だよ」「宿題はやったの」とか、スケジュール管理をしてもらっていませんか。自分自身から「こうしよう」「こうしたい」と自分の思いを伝えることが必要です。

 また、我喜屋さんは、試合で負けた、仕事で負けた、という「負け」の経験は大事にしなければいけないとも述べています。

 我喜屋さんは、「負ける」ことを財産にし、どう考え、どう生まれ変わることができたかが大切だと述べています。

 以上をまとめると、自分自身を成長させるために必要なことは、普通のことを普通にやることと失敗から学ぶことなのです。

 

規則正しい生活をする。

身の回りの整理をする。

人に感謝する。

自分を振り返る。

 

 そういうことから新たな自分自身が生まれてくるのだと思います。

 平凡の積み重ねこそが非凡になるのです。

 日々着実な努力を積み重ね、自分の能力をアップさせてほしいと思います。習慣化するために、まず、このような行動を真似てみることから始めてほしいと思います。まずは二週間、できれば三か月続けてください。そうすれば、良い行動が習慣化し、自分自身の中身が変わってくるのを感じてくると思います。

 

 近代心理学の父、ウィリアム・ジェイムズはこのような言葉を残しています。

 

心が変われば行動が変わる。

行動が変われば習慣が変わる。

習慣が変われば人格が変わる。

人格が変われば運命が変わる。

運命が変われば人生が変わる。

 

 最初の「心」というのは「決心」です。今、変わろうと決心することが人生を変えることにつながります。

 すでに目標に向かって邁進している人は、今のペースを崩さずに続けてください。自分の人生の目標がまだ定まっていない人や、迷いのある人はこの夏休みをきっかけに、決心して、良い行動を習慣化してください。

 最後になりましたが、命を何よりも大切に行動してください。最近、横断歩道での事故が多くなっています。また、水難事故もニュースでよく聞きます。集団になって気が大きくなって無理な行動をすることなく、慎重に行動してください。

 二学期の始業式には元気な成長した姿で会えることを楽しみにしています。

 以上、1学期終業式の式辞とします。 

第72回高砂高等学校文化祭 学校長講評

 第72回文化祭は脱コロナを宣言できた、全校生の心が合わさった良い文化祭であったと思います。まさに新世紀、次の100年に向けてのスタートにふさわしいものでした。

 今年は体育館の関係で例年とは違ったタイムスケジュールでしたが、イベントに強い高砂高校生!うまく帳尻を合わして見事な文化祭に仕上げてくれました。今日は朝にかなりの雨が降っていましたが、天気も味方してくれたように感じました。

 1日目は模擬店、展示が中心でしたが、団結力を感じる皆さんのパワーを感じました。そして今日の朝校内を見渡しますと、昨日の事が嘘のようにきれいに撤収してくれていました。ゴミ一つない状態でした。このメリハリこそが高砂高校の伝統と強く感じました。

 二日目は場所をここ文化会館に移し、ジャズバンド部、音楽部、ダンス部、有志による発表、そして1年生の合唱、2年生のステージ発表等、昨日の様子とはまた違った雰囲気を感じ、それぞれが創意工夫をこらし、一致団結した発表を見せてくれました。また、生徒諸君の聴く姿勢も素晴らしかった。ステージは演者だけでなく、聴く人も一緒になってつくることを体現してくれました。高砂高校の文化レベルの高さを感じました。全般的に、皆さんの青春の魂が伝わる内容で、何よりも、全校生がお互いに協力し、団結を高め、成功に導けたのが大変うれしく思います。

 最後になりましたが、生徒会役員の皆さんご苦労様でした。また、陰に日向に支えてくださいましたPTAの皆さまありがとうございました。また、保護者の皆さまありがとうございました。

 今回の文化祭では皆さんの主体性、積極性、パワーを見せてもらいました。高砂高校の次の100年に向けて新たな一歩を踏み出した文化祭でした。皆さん、一人一人の努力と友情に敬意を表して、私の講評とします。2日間ありがとうございました。

令和6年度 1学期始業式(要旨)

 新学期の始まりにあたって、令和5年度の3学期に終業式で、高砂高校の生徒のについて「表情が良いな-」「明るく素敵だなー」「挨拶してくれる生徒が多いな-」というのが赴任しての第一印象ですとお話をしました。また、校外の人と出会って挨拶すると「あぁ高砂高校ですか」と安心されます。これはルールを守った行動や挨拶、思いやりを持った行動など、校外でも生徒諸君の振るまいが素晴らしいからです。改めて一言の挨拶の重要性を感じました。新入生も今日の午後に入学式を行います。高砂高校の伝統を後輩達にも是非伝えてください。よろしくお願いします。

 今日は新学期にあたって実践してほしいことをお話しします。「割れ窓理論」というものです。これは、「建物の割れた窓を放置しておくと、注意が行き届いていないというサインとなり、いずれ周囲の窓も割られる」というのが、割れ窓理論の名称の由来です。小さな問題を放置することで、モラルの低下を招き、いずれ大きな問題につながるというのが「割れ窓理論」です。1990年代のアメリカニューヨークの地下鉄は電車に落書きや汚い駅構内など、暗くすさんだ場所で犯罪の巣窟でした。それを改善しようと立ち上がったのが当時のニューヨーク市長ジュリアーニさんでした。割れた窓を一枚一枚修繕し、落書きを消し、駅を明るく清潔にしました。するとこれまであった犯罪が嘘のように姿を消し、ニューヨークの地下鉄は安全な乗り物として認知され、街全体の犯罪も大幅に減少しました。このことがきっかけで世界中にこの考え方がひろがりました。 次に、この理論を用いて成功している実例を見ていきましょう。

 

ディズニーランドのこまめな清掃・修繕

 「夢の国」ディズニーランド

 園内にはゴミが落ちておらず、施設の汚れも目立たず常にきれいなイメージを持っている方が多いことでしょう。これは、スタッフによる清掃の徹底と、傷や汚れが見つかったらその場ですぐ修繕するこまめな対応によるものです。常にきれいな状態を保つことで、来園者もゴミのポイ捨てや施設を汚す行為を行いにくくなる効果も得ています。割れ窓理論により、園と来園者が一体となって快適な環境を維持しています。

 

Apple社の企業体質改善

 iPhoneの生みの親として有名なスティーブ・ジョブズです。

Appleは、今でこそ世界をリードする企業ですが、iPodやiPhoneのヒットまでは長く低迷していました。現在でiphone15ですから単純に15年ほど前まではiphoneもなく、業績は低迷していました。ジョブズはApple創業者の一人です。経営不審で一時解任されていましたが、低迷するApple立て直しのために1997年にアップルに復帰します。当時のAppleは、遅刻の常態化やペットの持ち込みなど社内にダラけた空気が蔓延していました。ジョブズが最初に取り掛かったのは、徹底的な職場環境の改善でした。その結果、社員の意識改革により企業体質が改善され、低迷から急成長させることに成功しました。たったそれだけですが、人のやる気は大きな力を生みます。

 

皆さんに実践してほしいことは、少しの気の緩みがあとあと大きなマイナスになる、、

①ちょっとぐらいゴミすててもいいやろ。

②ちょっとぐらい遅刻してもいいやろ。

③ちょっとぐらい勉強せんでもいいやろ。

④ちょっとぐらい部活さぼってもいいやろ。

⑤ちょっとぐらいルール守らんでもいいやろ。

 

そのちょっとぐらいをプラスにすればあとあと大きな成果を生む、、、

①ちょっとぐらいならゴミもって帰ろ。

②ちょっとぐらいなら早く行こ。

③ちょっとぐらいなら勉強しよ。

④ちょっとぐらいなら部活頑張ってみよ。

⑤ちょっとぐらいならルール守ろか。

 

「ちょっとぐらい」をプラスの実践にして、成果を実感できる学期にしてください!いよいよ新入生を迎えます。

2年生は中堅学年!学校を引っ張っていく学年です。

3年生は最高学年!進路実現に向けた1年となります!

それぞれの目標に向かって努力できる1学期にしてください!

高砂高等学校 第79回入学式

高砂高等学校第79回生入学式式辞 .pdf

 新入生を歓迎するかのように校内の桜も満開を迎えた春の佳き日に、高砂高等学校第79回生の入学式が行われました。リニューアルした制服に身を包んだ新入生200名は少し緊張した表情で入学式に臨んでいました。次の100年に向けての新たな一歩の学年です。熱心な先生方や先輩達から様々なことを学んで、大きく成長してほしいと思います。高校時代の3年間はほんとに短いです。1日1日を大切にして頑張ってくれることを期待しています。

令和5年度 3学期終業式

早もので今年度もあと10日ほどになりました。先日(2月28日)第76回卒業式があり、3年生は新たなステージへと巣立っていきました。みんな良い顔して卒業していきました。春は出会いと別れの季節言いますが、ついこの前まで一緒にいた3年生がいなくなるとなんだか寂しいものですね。さて、1年を振り返って、高砂高校の第一印象を考えてみますと、「表情がいいなー」「明るく素敵だなー」というものでした。たった一言、「おはようございます!」「こんにちは!」だけのキャッチボールでの第一印象ですが、そこにこそ、皆さんがこれまで培ってこられた背景があり、それを受けての、「第一印象」です。実はこれはとても重要で、意味のあることなのです。

 

メラビアンの法則というものがあります。

メラビアンの実験によると主に第一印象における人間の意思伝達の効果は下の割合になると言われています。

視覚:55%、聴覚:38%、言語:7%

話をする際に相手に伝わる情報として、話の内容自体が7%、声の大きさやトーンに関するものが38%、そして見た目が55%を占めるとされています。

 

ただし、「話の内容よりも見た目や第一印象のほうが大事」という捉え方は誤解であり、拡大解釈です。人は3~6秒で第一印象を決めるとされています。第一印象を無意識に決めている心理にはこのメラビアンの法則は当てはまるものだと思います。

 

「笑いながら叱る」という場合受け手には、

笑う:プラスの視覚情報

叱る:マイナスの言語・聴覚情報

が与えられています。この場合人は「笑っている表情」、つまり視覚情報を優先する場合が多いです。

 

「納得いかない表情で褒める」という場合受け手には、

納得いかない表情:マイナスの視覚情報

褒める:プラスの言語・聴覚情報

が与えられています。この場合もやはり視覚情報である「納得いかない表情」が重視され、褒められていると思わない人が多い結果となりました。

 

「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」「ありがとうございます」「失礼します」「すみません」といった、たった一言、それに加えて、笑顔ですね。この互いに気持ちのいいキャッチボール、人が生活をしていく上で大事なんです。挨拶と明るい笑顔それだけで一日が充実してきます。

 高砂高校生らしく笑顔で挨拶をこれからも実践していきましょう!

4月には新入生を迎えます。笑顔で挨拶!新入生にも伝えてください。

新しい学年に向けてしっかり目標を持ち、充実した春休みを過ごしてください。

 それでは、4月に新入生を迎えて新たな気持ちで元気な皆さんとの再会を楽しみにしています。どうか、充実した時間を過ごしてください。

以上、令和5年度第3学期終業式の「式辞」とします。

 

第47回 柔道大会

第47回 柔道大会

                   令和6年3月5日(火)

  高砂市総合体育館にて、第47回柔道大会が開催されました。

  少し寒い中でしたが、試合が始まると体育館の熱気も一気に高まり、白熱した試合がくりひろげられました。この大会は体育大会に並んで高砂高校の誇りと伝統です。昨日の球技大会に引き続いて疲れの残る中でしたが、生徒諸君は真剣勝負を繰り広げ、素晴らしい盛り上がりと熱気に包まれました。

 体育館の中で1、2年生全員がそれぞれのチームを応援し、高砂高校が一体となった大会でした。

 生徒諸君も実に礼儀正しく、勝負は真剣でも、試合が終わるとそれぞれをリスペクトしていました。礼に始まり礼に終わる柔道の教えをまさに体現してくれました。

  また、開会に先立って行われたダンスコンテストも各組創意工夫をこらし、キュートなダンスを披露してくれました。ありがとうございました。

 

 

第76回 卒業証書授与式

 

第76回卒業証書授与式(学校長式辞).pdf

                令和6年2月28日(水)

 晴天に恵まれた中、第76回卒業証書授与式が行われました。

 荘厳な雰囲気の中、素晴らしい卒業式となりました。卒業生一人一人がしっかり前を向き、輝ける未来に向けて、本校を巣立っていきました。みんな良い表情をしていました。卒業生代表の答辞も3年間を振り返る内容でとても素晴らしかったです。一人一人本当に良い生徒達ばかりで、そのような人物に育っていく高砂高校の伝統の強さと、学年団をはじめとする先生方と生徒のつながりの強さを改めて感じております。

 長い人生の中で、高校時代の3年間はほんとに短い期間です。しかし、その3年間で得たものはこれからの人生で大切なものばかりです。これからもしっかり頑張ってください。

 

77回生修学旅行結団式 学校長挨拶

 皆さん、こんにちは。いよいよ明日から修学旅行です。準備の方はいかがでしょうか。体調はどうですか。インフルエンザも流行ってきています。

 さて、修学旅行はいつから始まったのかなと思い調べてみると、今から130年以上前の明治19年(1886年)に10日ぐらいかけて、数百キロを集団で歩くことがはじまりとされています。時代背景的に軍事色が強かったのかもしれませんが、その後鉄道が普及したり、観光地が発展したりと、時代と共に修学旅行も変わってきています。

 ただ、変わらないものもあります。しおりの2ページにある目的がそれに該当することと思います。特に①③です。要約すると「自主性や集団での規律を身に付ける」「豊かな心を育み見聞を広める」ことです。このことは130年以上も受け継がれてきた考えです。いろいろな経験をして一回り大きくなって帰ってきてください。

 旅行団としては感染対策には万全を期していますが、感染に対する一人一人の高い意識が重要です。無事に出発して無事に帰って来れるように事前の備えと旅行中の対策を怠らないようにしてください。

 お互いを思いやり、皆さんの生涯の思い出に残る素晴らしい修学旅行になることを願っています。

令和5年度3学期始業式学校長式辞(要旨)

令和5年度3学期始業式 学校長式辞 パワーポイントデータ.pdf

 

 皆さん、改めましてあけましておめでとうございます。

 まずはじめに、能登半島地震で犠牲になられた方に、心よりご冥福を申し上げます。

 さて、一年の計は元旦にあり。皆さんは今年の計画や目標を立てましたか。昔から言われるように年の初めに計画や目標を立てることは大切なことです。まだの人は今からでも立ててみてください。

 2学期の始業式で、防災の日にちなんで東日本大震災の話をしました。閖上地区には9メートルを超える津波が押し寄せ甚大な被害が出ました。「まさか」は起こるとの事でしたが、過去30年を振り返ってみると阪神淡路大震災、東日本大震災、九州、北海道など地震にしぼってみますと「まさか」は何度も起こっています。特に兵庫県では阪神淡路大震災を経験しています。当時私は神戸市内の高校に勤務しており、震災後約2000人の人が学校に避難されてこられました。今回の能登半島地震も直下型地震として阪神淡路大震災とよく似た印象を持っています。保護者の方に当時の様子を聞いてもらえたらと思います。

 そのような様子をみて、改めて防災に対する備えの大切さと同時に、人へのおもいやりの大切さを再認識する正月でした。

 そこで今日は人へのおもいやりについて、宮澤先生の「行為の意味」(見える気持ちに)を紹介します。

 宮澤 章二さんは高校教論を経て文筆業(詩と歌詞)に専念されます。特に「ジングルベル」の訳者として有名です。

まずは朗読を聴いてください。

 

「行為の意味」 宮澤 章二 

 

あなたの心はどんな形ですか と人に聞かれても答えようがない

自分にも他人にも心は見えない けれど本当に見えないのであろうか

確かに

 「 こころ 」は 誰にも見えない

      けれど「 こころづかい 」は見えるのだ

それは人に対する積極的な行為だから 同じように

 「 胸の中の思い 」は 見えない

      けれど「 思いやり 」は誰にでも見える

それも人に対する積極的な行為なのだから

  あたたかい心が あたたかい行為になり 

  やさしい思いが やさしい行為になるとき

 「 心 」も「 思い 」も 初めて美しく生きる

  それは 人が人として生きることだ

 

 どうですか。言っていることは心は見えないけど、心づかいは見える、、、単純なことですが、奥深さを感じます。このことを題材にしたCM動画があります。続けて見てください。

 この動画は、ACジャパンという公益社団法人が制作したものです。広告業界のボランティア団体のようなものです。東日本大震災の時に、よく流れていました。今回の動画の視聴については、ACジャパンの許諾をとっていますので見てもらうことができました。私には動画に出てくる高校生の動きが、高砂高校の生徒ダブってみえます。

 そのほかに、「寛容ラップ」などがあります。

 高砂高校生の持っている人を思いやる優しい心や気持ちを、勇気を持って積極的に行動できる3学期になったら良いですね。

 さて、いよいよ3学期がスタートします

  3年生は次のステージに向かってラストスパート

  2年生はもうすぐ最高学年に

  1年生は学校の中心に

 環境は自分で創るもの さらなる高みを目指して充実した

 3学期にしていきましょう!

  以上、3学期始業式の式辞とします。

令和5年度2学期終業式 学校長式辞(要旨)

令和5年度2学期終業式 式辞(令和5年12月22日(金))

                   学校長  上出 正彦

 早いもので今日で二学期が終わります。皆さんにとって、二学期はどんな学期でしたか。私にとってはとても良い2学期となりました。直近では100周年記念式典がありました。前にもお話ししたことかと思いますが、イベントは聴く側も一緒になって舞台をつくるものです。皆さんの聴く姿勢が良かったからこそ素晴らしい式典になったと思います。イベントに強い高砂高校の実力が発揮された瞬間でもありました。

 さて、この学校に赴任して9ヶ月。実にいろいろな事がありました。落ち込んだり、嬉しかったりの繰り返しでした。ただ、気が滅入っているときに、生徒諸君から「おはようございます」「こんにちは」と気持ちの良い挨拶をいただき何度も救われました。私だけかもしれませんが不思議なもので、メールで挨拶されてもなんとも思わない事が多いですが、皆さんと面と向かって挨拶すると嬉しい気持ちになります。改めて挨拶の大切さを君たちから教えてもらったような気がしています。そして私も元気よく挨拶をすることを心がけています。

 皆さんはどんな二学期でしたか?楽しかった、しんどかった、、、それぞれにいろいろな思いがあることと思います。

 1学期の始業式で「旅人と老人」のお話をしました。町の入り口に老人がいて・・・という話しでしたね。そのお話では環境は自分の気持ちで変えることができる。ということでした。嫌みなことばかり言って周りに迷惑をかけていれば、いずれ自分も同じ環境になる。逆に周りに気を配って他者を思いやればやがて自分も大切にされる。皆さんどうでしたか?来年もお互いを高め合えるそんな学校にしていきましょう。

 3年生の皆さん、文化祭、体育大会など最上級生として高砂高校の伝統を継承してくれました。次の進路に向けてラストスパート頑張ってください。

 2年生の皆さんは中堅学年として、3年生の後を引き継いでさまざまな活躍をしてくれました。体育大会は、コロナ明けということもありましたが、よく種目を復活させてくれました。もうすぐ最上級生になります。伝統をしっかり引き継いで、より良い学校づくりにもう少しの間、力を貸してください。

 1年生の皆さんは、高砂高校の魅力を理解してきた頃かと思います。もうすぐ学校の中心になる学年です。勉強に部活に頑張ってください。

 さて生徒諸君に2点伝えたいことがあります。

 ①  生徒用ロッカーの件

 100周年記念式典でも斎藤知事より、高校生学校応援事業があるとの話がありました。本校ではアンケートの結果、個人用ロッカーが入ることになっています。ただ、予算の関係で年度ごとにロッカーが配置されます。まずはこの冬休みに3年生のロッカーが設置されます。少し時間はかかりますが、順次設置されていきます。大切に使ってください。

 ②  校則について

 1学期の終業式でお話ししました。皆さんの窓口は生徒会となります。生徒会のみんなは高砂高校にとってより良い校則になるように一生懸命頑張ってくれています。一部の人、声の大きい人の意見だけが通ってしまうことのないように、しっかりと意見集約して進めていきましょう。私からは今ある校則はしっかり守ってくださいということです。でなければ生徒会が学校と交渉しづらくなります。(スモールステップ!何か一つでも変えていきながら、積み上げていきましょう。)みんなでより良いルール作りを考えればと思います。そのためには生徒諸君みんなの協力が必要です。私一人ぐらいルール破ってもいいやろ・・・なんてことは絶対に考えないでください。

  それでは皆さん、体調管理を含め、安全に気を付け、充実した冬休みになることを願っています。来年1月9日の始業式でお会いできることを楽しみにしています。

 以上、令和5年度2学期終業式の式辞とします。

 

 

令和5年度クリーンデー 学校長挨拶(要旨)

 みなさん、おはようございます

 本日は、年末恒例のクリーンデーですね。かなり寒くなっていますので、体調管理には十分気を付けてください。また、交通事故等にも気を付けてください。

 清掃はただ物を片付けるだけでなく、自分自身を磨き上げることと思います。大リーグで活躍している大谷選手もグラウンドにゴミが落ちていたら試合中でも拾っている姿を見たことがあると思います。

 授業やクラブ活動、部活動などで忙しい日々が続く中、今日は学校全体で一つの目標に向かって取り組む特別な日です。各クラス、各学年が協力し合って、学校内外をきれいに整え、新たな年を気持ちよく迎えられるようにしましょう

 この素晴らしい伝統行事を通じて、清潔で心地よい地域の環境を作り上げていくことができます。皆さんの協力と努力に心から感謝しています。

 感謝の気持ちを込めて、今日はよろしくお願いします。

 

(終了後の感想)

 生徒諸君、PATの皆様本当にありがとうございます。学校・地域をきれいにする・環境を良くするという同じ目標を持って生徒・PTA・職員とが一体となって取り組んでくださいました。素晴らしい伝統行事だと思います。ありがとうございました。

 

「総合的な探究の時間」合同発表会 学校長挨拶(要旨)

「総合的な探究の時間」合同発表会 あいさつ

              学校長  上出 正彦

皆さん、おはようございます。

 今日は探究発表会ということですが、この探究活動は近年注目されている教育活動の一つでもあります。正解のない問題に取り組み、仮説を立て検証して最適解を導き出していく。これまでの学校で教わったように正解を教えてもらうのではなく、様々な教科の知識を総動員して、自分で考え最適解を導き出していく。このことがこれからの未来を創り上げていく大切な力となります。また、うまくいかないことや嫌なことにも遭遇すると思います。それら失敗や困難に立ち向かう姿勢もこれからの人生の中では大切な学びになることと思います。

 今日は皆さんの柔軟な発想で未来を創る発表を期待しています。

 それでは今日は学びを深めてしっかり頑張ってください。

 以上開会の挨拶と致します。

オープンハイスクール(11/7、8)

 学校長挨拶

 皆さんこんにちは。本校校長の上出と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

  本日は本校のオープンスクールに参加いただきまして、誠にありがとうございます。心より歓迎いたします。

  本日は本校の魅力や学校の方針についての説明を中心にさせていただきます。短い時間ですが、少しでも高砂高校をイメージできるようなものを考えていますので進路選択の参考にしてくだされば幸いです。よろしくお願いします。

  高砂高校生は、文化祭や体育大会、部活動などイベントごとでは、みんなが一体となって楽しむ、素直で明るい生徒が多い学校です。

  今日はしっかりと本校をみてもらえたらと思います。

 そして、皆さんと来年4月に高砂高校お会いできることを願っています。

 それでは本日はどうぞよろしくお願いします。(完)

令和5年度 芸能鑑賞会 学校長挨拶

令和5年度 芸能鑑賞会 学校長挨拶(令和5年10月26日(木))

              学校長  上出 正彦

 

皆さん。こんにちは。今日は芸能鑑賞会と言うことで「和太鼓 松村組」さんに来ていただき、和太鼓とマリンバ、世界の民族楽器を中心に演奏していただきます。

今日の鑑賞会では、異なる文化から生まれた音楽の美しさを私たちに示してくれるものと思います。多くのインスピレーションを受け、音楽と文化の力を感じ取ってもらえたらと思います。

最後に、この鑑賞会には多くの人々の尽力があったことを忘れず、特に演奏者の方々、先生方、スタッフ、そして観客である皆さんの聞く姿勢がこの鑑賞会を作り上げます。

どうぞ、素晴らしい時間をお過ごしください。

以上、開会の挨拶といたします。

 

令和5年度 第71回体育大会 講評 

                   学校長 上出 正彦

 生徒の皆さん、お疲れ様でした。

 今年の体育祭は好天に恵まれ、ヒヤッとした場面はありましたが、大きな怪我や事故もなく、大変素晴らしい体育大会だったと思います。何よりも、競技に真剣に取組む姿や長縄跳びなど団体競技でみんなが団結している姿が特に素晴らしかったです。うらやましかったです。

 応援することの大切さと、応援されることのうれしさを感じた人が少なからずいると思います。それは真摯に体育大会に臨んだからこそ感じる感情です。一生懸命に真剣に取組んだからこそだからこそ、応援の意味が分かることと思います。

 成績発表は後日ということですが、各学年それぞれの持ち味を出しながらよく頑張ってくれました。

 最後になりましたが、昨日から準備をしてくれた体育委員をはじめ部活動生徒の皆さん、

 また、陰に日向に体育大会を支えてくれた生徒会の皆さん、

 本日お越しいただいた保護者の皆様、朝早くからお手伝いいただいたPTA役員の皆様

 そして、体育科の先生方を中心にこの体育大会に尽力いただいた方々に心から感謝を表して講評を閉じたいと思います。

 皆さん、今日は本当にお疲れ様でした。

 

PS.(講評では言えなかったですが、皆さんの活躍を見ていてこんなことも思いました)

 競技においては勝つことも負けることもあります。しかし、最も大切なのは、競技を通じて成長すること。そして、どの種目でも、チームメイトやライバルたちとの協力と友情が、勝利以上に貴重なものであったのではないかと思います。

令和5年度 第71回体育大会 開会挨拶

                 学校長 上出 正彦

 おはようございます。本日は素晴らしい天気に恵まれ、第71回体育大会を開催できること大変うれしく思います。しかしながら、今年度は、コロナやインフルエンザの影響で、予行が中止となり、競技種目を一部変更しての実施となりました。まだまだ体調が本調子でない人もいるかもしれません。もし、体調等に異変が感じられたときは決して無理することなくすぐに申し出るようにしてください。時には辞退する勇気も大切です。

 さて、この体育大会は、高砂高校の伝統と誇りの一部です。スポーツは、単なる競技ではなく、協力、努力、忍耐、そしてフェアプレイの精神を体現するものです。今日の体育大会では、それらの価値観を全力で追求し、実践してくれるものと思います。

 最後に、ご来場いただきました保護者の皆さま、PTA役員の皆さま、ありがとうございます。また、準備に当たってくれた皆様ありがとうございます。

 それでは、皆さん、体育大会をしっかりと楽しんでください。思い出に残る素晴らしい一日となることを期待しています。

 以上、開会の挨拶とします。

令和5年度2学期始業式 学校長式辞

2学期始業式 学校長式辞     高砂高等学校長 上出 正彦

 防災の日スライド.pdf

 充実した夏休みでしたか?まずは、今日朝元気に登校してくる生徒諸君を見て一安心しています。また、部活動でもジャズバンド部が神戸市長賞を受賞、柔道部は北海道で開催されたインターハイ出場に出場、野球部では県大会出場するなどめざましい活躍や、ほかの部活動も次の高みに向けて日々練習に励んでいました。何かに一生懸命に取組むことは素晴らしいことだと思います。

 1学期の終業式で、校則について2学期以降考えましょうとお話をしました。1学期末には新しい生徒会役員も決まりました。今学期からしっかりと話を進めたいと思います。

 いよいよ2学期です。3年生は進路に、2年生は学校の中心に、1年生は中堅学年に向けてスタートします。皆さんの頑張りに期待をしています。

 さて、今日9月1日は何の日かご存じでしょうか?今日は防災の日と定められています。そこで今から12年前に起こった東日本大震災を振り返り、防災にちなんだお話をしたいと思います。私はこの夏に宮城県に用事があり、仙台を訪れたのですが、その時に、東日本大震災が襲った町も訪問してきました。私が訪れたのは、名取市閖上地区という仙台空港から近いところです。

 語り部の方の案内で、現地を説明してもらいました。その時に印象に残ったのが、ここは牡鹿半島があるから津波が来ないと昔から聞いていた。しかし、強いゆれの後、約30分後に9Mを超える津波が辺り一帯に押し寄せてきた。5700人住んでいた人のうち750人がなくなられた。今でもその光景が頭から離れない。この30分で避難した人は助かったが、大丈夫と思っていた人は津波にのまれてしまった。この30分が生死を分けたといっておられました。「まさかここには津波は来ない」と語り部さん自身も思っていたそうです。「小さい頃から住んでいた町でそんなことは想像もできなかった。」幸いにも語り部さんは奥様の強いすすめで高台に避難されたそうですが、ご近所の方は残られた方も少なくなかったようです。「津波が来たときはバキバキと音を立てて迫ってきたが、津波が引くと静寂となった。」と言っておられました。日頃から防災意識を高く持ち、地震が発生したらみんなが計画的に高台へ避難できたら犠牲者はほとんど無かったと思うとおっしゃられていました。だから今、語り部をしていると、、、

我々がこの教訓から学ばなければいけないことは、

①     日頃から防災に対する意識をもつこと。

②     避難経路を把握しておくこと。

③     「まさか」は起きる。

 さて、2学期が今日からスタートします。体育大会、芸術鑑賞会、オープンハイスクール、100周年記念式典など、たくさんの行事が開催予定です。1日1日精一杯の努力をして、自分自身の成長を実感できる2学期にしてください。

 以上、夏を終えての再会を喜ぶとともに、2学期への期待を伝え、始業式の式辞とします。

令和5年度 夏季オープンハイスクール(特色類型)学校長挨拶(要旨)

令和5年度 夏季オープンハイスクール(特色類型)学校長挨拶(令和5年8月4日)

 R5オープンハイスクール(学校長スライド).pdf

 みなさんおはようございます。本校校長の上出正彦と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日は本校の夏季オープンスクールに参加してくださいまして、誠にありがとうございます。心より歓迎いたします。本日は特色類型のオープンハイスクールということで、スポーツ類型、看護医療類型についての説明を中心にさせていただきます。このあと、各類型の説明、先輩との懇談、部活動見学と続きます。短い時間ですが、高砂高校の全てをお見せしますので、進路選択の参考にしてくだされば幸いです。どうぞよろしくお願いします。

 私からは高砂高校の特徴と、高砂高校が望む生徒像をお話しします。

 まず、本高とはどんな学校か、について。

 ①本校は大正12年(1923)に創立され、本年度100周年を迎える県下有 数の伝統校であります。来年度は次の100年に向けた新たなスタートの年となります。

 部活動も活発に活動しています。高校の夏休みには全国大会であるインターハイが行われます。本年度本校では、柔道部が、個人戦ではありますが北海道で行われるインターハイに出場します。また、文化部でも、ジャズバンド部など活発に活動しています。

②敬愛・勤勉・奉仕の校訓のもと文武両道を実践し社会に有為な人材を輩出してきた。

 文武の両立を目指して努力することによって、人間力が鍛えられ、それが校訓である敬愛・勤勉・奉仕の精神を成就し、社会に貢献できる、人間性豊かな生徒の育成につながると考えています。自分のことしか考えないような、自己中心的な、協調性のない人間を育てても意味がない。様々な活動を通して、人間性を深め、人格を高めあう、それが本校の校訓にこめられた思いです。また来年度入学生より1年時に設置していた特進クラスを廃止して、2年時に進学クラスを新設し、卒業時の進路に向けた出口戦略を学校全体で取り組んでまいります。

 続いて、どのような生徒に入学してほしいか、ということをお話しします。

 まずは、とにかく意欲のある人、です。 勉強と部活、勉強とプラスαで、両立させようと頑張る人に来てほしい。勉強だけではない。文武の両立を目指して努力する人、すなわち、敬愛・勤勉・奉仕を実践してくれる人を強く望みます。また、何事にも挑戦しようとする意欲のある人に来てほしい。これから頑張る気持ちの強い人は、必ず伸びます。目標に向かってがんばる人にきてほしいと考えています。

 また本校は、学校行事(体育大会、文化祭等)も盛んです。こうした行事に積極的に参加する人に来てほしい。学校行事を通して人間関係構築力が身に付き、課題解決能力も育まれます。これからの社会では、こうした力が特に必要とされます。そうして、志を高くもって自分の道を切り開いていいってほしいと願っています。

 最後です。 残された中学校生活、目標をしっかり持って頑張ってください。色々なことに興味・ 関心をもって、内容の濃い時間を過ごしてください。世の中の大抵のものは、あなたの考え方次第で、どうにかなります。丁寧に向かえば丁寧に応えてくれます。ふざけて向かえば手痛いしっぺ返しが待っています。いつでも 積極的に前向きで物事に向かう姿勢を目指してほしいです。

 本校の現状や取組の成果を踏まえ、保護者や地域から、より一層信頼される学校づくりを目指し、次の100年に向けて一歩一歩教育活動の改善と推進に努めてまいります。

 そして、皆さんと来年4月に高砂高校お会いできることを願っています。

 それでは本日はどうぞよろしくお願いします。(完)

令和5年度1学期終業式 式辞

 

令和5年度1学期終業式式辞(スライド).pdf

県立高砂高等学校 令和5年度1学期終業式 学校長式辞(要旨)

おはようございます。

学校長の上出です。一学期の最終日にあたり、一言挨拶を述べさせていただきます。今日は自由とルールについて皆さんと考えたいと思います。

 「自由とルール」は一見相反するように見えるかもしれませんが、実は密接に関係しています。自由とは、自分の意思や行動について自らが選択し、その結果に対して責任を負うことですが、その自由を実現するためには、ある程度のルールが必要です。

 ルールとは、社会や集団の中で共通に守るべき規範や原則のことで、ルールがあることで、人々は互いの権利や利益を尊重し、公正・公平な関係を築くことができます。

 例えば道路で信号は守らなくて良い?他人のも勝手に使って良い?食堂でご飯を食べてお金払わなくて良い?もちろんダメですね。社会の秩序を維持するためには、ルールを守ることは大切ですね。大人ももちろん同じですね、車を運転していて信号無視を繰り返したら免許停止となり、自由に車を運転することができなくなります。ルールを守ってこそ自由に行動できるということですね。

 JR加古川駅にストリートピアノが設置されましたが、すぐに撤去となりました。ルール違反が原因です。一人で何時間も演奏したり、大声で歌ったり、演奏できる時間帯を守らなかったり・・・残念ですね。マナーも問われます。欧米では規範を守って運用されています。また、職員室を出たところに「ルールを守ってこそ自由になる」のポスターが貼られています。県立須磨友が丘高校の卒業生で、重量挙げでオリンピックにも出場した八木かなえさんが写っています。ポスターでは主にSNS、インターネット上でのルールについて守ろうという啓発ですが、インターネットに限らずルールを考える上では同じことです。

 では、どこでルールが決められているのでしょうか。法律は国会で決められています。校則は学校で決めています。しかし、時代と共にルールは変わっていきます。携帯電話を考えてみればわかりやすいと思います。昔は携帯電話そのものがなかったので、ルール自体も存在しなかった。携帯電話が普及すると、学校への持ち込み禁止から始まり、仮に学校へ持ってきても預かるなど厳しいルールがありました。そう考えると携帯電話の使用についてはかなり緩和されてきています。

 次にルール変更はどのようにして行うか。法律であれば国会で可決されれば変更できます。校則については生徒会と学校で話し合って変更することが可能です。しかし、今ある校則を守れない中での変更はないと思っています。今あるルール(校則)を守ってこそ新しい提案ができ、変更することができるものと考えています。高砂高校生はほとんどの人がきちんと校則(ルール)を守っています。夏季休業中も今まで通りしっかりルールを守り、充実した時間を過ごしてください。2学期からは、学校の校則(ルール)についてみんなで考えていきましょう。

 さて、明日から夏休み。格言を一つ紹介します。「水泳は冬の間に上達し、スケートは夏の間にうまくなる」これはアメリカの心理学者ウイリアムジェームスが残した格言です。今のように温水プールや人工スケート場などがある時代ではありません。夏の間にしっかりと水泳の訓練を行えば、冬にその成果が現れるということです。スケートも同じです。勉強でもスポーツでも何でも良いです、夏休みに何か一つ集中して全力で取り組んでください。急に成果は現れません。必ず冬にその成果が現れてきます。それから、先日学校整備の件でアンケートを行いましたが、結果はロッカー設置の希望が80%を超えていました。学校もその方向で検討しています。そんなに大きなロッカーではないですが、タブレットとあと少し荷物が入ります。楽しみにしておいてください。

 それでは、楽しく充実した夏休みを過ごしてください。9月1日(金)2学期始業式で会えるのを楽しみにしています。

 以上、令和5年度1学期終業式式辞とします。

 

    令和5年7月20日  県立高砂高等学校長 上出 正彦

 

第71回文化祭「やっちゃえ文化祭 ~100年の足跡とともに~ 」

 第71回文化祭は全校生の心が合わさった、誇ることのできる、本当に良い文化祭であったと思います。まさに100周年にふさわしいものでした。

 一日目の体育館では各クラスともダンス、演劇、コーラスで創意工夫をこらして、クラスが一致団結した発表を見せてくれました。また、1年生の展示、2,3年生の模擬店、ステージ企画、文化部の日々の発表も趣向を凝らした楽しい店がいっぱいで、接客の態度も良く、クラスが団結した良い模擬店でした。観客を楽しませよう、自分たちのメッセージを届けようという姿勢は、こんなにも人を楽しませてくれ、明るくさせてくれるんだと、強い感銘を受けました。

 二日目は場所を高砂市文化会館に移し、ジャズバンド部、音楽部、ダンス部、そして昨日の優秀クラスの発表があり、高砂高校の文化レベルの高さを感じました。

 全般的に、皆さんの熱意が伝わるような立派な演技、展示内容で、レベルも高かったと思います。何よりも、全校生がお互いに協力し、クラス、クラブの団結を高め、成功に導けたのが大変うれしく思います。生徒会役員の皆さんもご苦労様でした。

 今回の文化祭では皆さんの主体性、積極性、パワーを見せてもらいました。高砂高校100年の節目にふさわしい素敵な文化祭でした。皆さん一人一人の努力に敬意を表して、私の講評とします。2日間ありがとうございました。

令和五年度 兵庫県立高砂高等学校 入学式 式辞

令和五年度 兵庫県立高砂高等学校 入学式 式辞

 穏やかな春の日差しが優しく降り注ぎ、校舎を取り巻く木々の新緑が爽やかな風に揺れる、彩り豊かな季節となりました。このよき日に令和5年度の入学式を執り行うにあたり、PTA会長 髙丸 江美子 様、同窓会長 西中 亮二 様のご臨席を賜り、入学生への祝福と激励をいただけますこと、高いところからではございますが厚くお礼申し上げます。

保護者の皆様、本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。本校は、今年度創立百周年を迎えます。この百年の伝統を持つ本校での学びに信頼と期待を持ってお子様をお預けいただきますことに深く感謝申し上げます。

さて、先ほど、入学を許可いたしました、高砂高校、第78期生、200名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。高砂高校を代表し、皆さんの入学を心から歓迎いたします。

皆さんは入学者選抜を見事突破し、めでたく入学することができました。これから始まる高校生活への期待に胸を膨らませ、大きな夢を抱いていることと思います。しかし、一方で、高砂高校入学という夢を叶えることができなかった人たちがたくさんいるということを忘れないでください。

また、この日を迎えることができたのは、新入生の皆さんの努力の成果であることは言うまでもありませんが、これまで皆さんを、時には優しく見守り、時には厳しく指導してくださった、保護者をはじめ、ご家族の皆様、小学校、中学校の先生方など、多くの方々の支えがあったからです。このこともしっかりと心にとめ、「感謝の気持ち」を忘れないでください。

さて、本校は、大正12年(1923年)に創立され、今年で創立百周年を迎える歴史と伝統のある学校です。創立以来、「敬愛・勤勉・奉仕」を校訓として、文武両道を実践して、発展してまいりました。

この恵まれた教育環境のもと、本校で高校生活をスタートする皆さんに、私の期待することを述べ、歓迎の言葉にしたいと思います。

それは皆さんに、この学校で、「真のリーダー」となるための素養を身に付けてほしいということです。皆さんは将来、さらに加速していくグローバル社会において、さまざまな課題に直面することになると考えられます。その時、皆さんはどうしますか。

ある人は、課題を解決することができるリーダーが現れるのをひたすら待ちます。ある人は、評論家となって、なぜこの課題が解決できないのかを語ります。でも、そのような人たちばかりでは、問題は先送りされていくだけです。

私は皆さんに、課題に向き合い、どうすれば解決できるのかを自ら考え、課題解決に向けて行動する人になってほしいと願っています。

様々な価値観、異なる文化や慣習など、多様性が高まる中、解決策を探すことは容易ではありません。しかし、正解はなくても、その時点での最適解は必ず存在します。多様性を理解し、自らの頭で考え、未来を切り拓いていく、真のリーダーになって欲しいのです。

そのために高校生活において大切なことを三つ伝えます。

1つめは「日々の学習習慣を確立すること」です。

中学校より質も量も増える学習内容に対応するために、「予習・授業・復習」という学習習慣をしっかり身に付けてください。そして、基礎学力をしっかり身に付けてください。

2つめは「新しい自分をつくること」です。

今までは、先生や周囲の方々から示されたレールに沿って行動し、成果をあげてきた人が多いのではないでしょうか。これからは、自ら目標を設定し、自ら道筋を見つけ、自ら責任を負い、試行錯誤しながら、目標に到達する経験を積むことが重要です。その経験を通して、今までとは異なる見方や考え方を身に付け、新しい自分をつくりあげてください。

3つめは「様々な価値観を理解する」ことです。

出身中学校が異なるさまざまな仲間との出会いを通じて、切磋琢磨し、豊かな人間関係を築き、自分とは異なる、いろいろな考え、価値観があることを学んでください。

将来、社会に出て自己実現を図るだけではなく、さまざまな分野で、人の心の痛みを分かり、自らの考えで行動し、逃げないで責任を果たす、これこそが、本校の校訓に込められた思いの一つだと考えます。

新入生の皆さん、今日のこの感激の気持ち、感謝の気持ちを忘れず、高砂高校生としての高い誇りをもって、有意義で実りのある高校生活を送ってください。

保護者の皆様、我々教職員一同、校訓である「敬愛・勤勉・奉仕」の精神の涵養に努め、生涯を通し主体的に学ぶ意欲や態度・能力を身に着け、人と社会に貢献できる、こころ豊かで自立する人づくりを進めてまいります。

 

本校の教育方針にご理解いただき、ご支援、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げまして、入学式の式辞といたします。 

 

令和五年四月十日

兵庫県立高砂高等学校長 上出 正彦

 

PDFは、こちらから。

  ↓

令和五年度入学式式辞(高砂高校).pdf

 

 

令和5年度1学期始業式(令和5年4月10日) 式辞(要旨)

皆さん、おはようございます。 山根前校長先生の後任として、着任しました上出 正彦と申します。どうぞよろしくお願いします。本校は今年で創立100周年を迎えます。歴史と伝統の重みを感じながらの着任となりました。

 さて、いよいよ令和5年度の始まりです。日も長くなり、すっかり春めいてきました。新型コロナ感染症もそろそろ出口が見えてきました。みなさん春休みはどうでしたか。部活、勉強、友人との遊びなどがあったのではないかと思いますが、何よりも元気に始業式に来ていることが一番です。新しいクラスとなり、これまでとは違う環境の中での学校生活が始まります。

新年度のスタートにあたって一つお話をします。それは、イソップ物語にある一節「旅人の話」です。

 
ある町がありました。 一人の旅人がその町にやってきました。

町の入り口の門のところに一人の老人が座っていました。

旅人は聞きます。「この町はどんな町?」

おじいさんは聞きます。「あなたが今までいた町はどんな町でしたか?」

旅人は答えます。「いやあ、前にいた町は嫌な人ばかりでろくな町じゃなかったよ」

それを聞いたおじいさんは答えます。「そうですか、この町もあなたが前にいた町と同じ町です」

また別の日に旅人が来ます。「おじいさん、この町はいったいどんな町ですか?」

おじいさんは聞きます。「あなたが今までいた町はどんな町でしたか?」

旅人は、「私が今までいた町は、すばらしい町で、人々は親切で、あんなにいい町はありませんでした」

おじいさんは答えます。「そうですか、この町もあなたが前にいた町と同じ町です」

 

先に訪れた旅人には、ろくでもない町、次に訪れた旅人には、いい町とおじいさんは答えますが、2人の旅人が訪れた町は同じ町です。皆さんはこの物語から何を感じますか。

 

この物語が伝えたいことは、環境というものは「その人の心が決める」ということです。“心の持ち方” “考え方”が、いかに大切かを考えさせられるお話です。

つまり、その人がいつも周りに対して、感謝しているか。それとも、いつも不平・不満を言っているかということです。同じ環境でもあなたがどう考えるかによって、楽しく充実した日々を送るか、苦痛の中での日々となるかということです。・・・この違いを高校3年間続けると、歩む人生に大きな差が生まれてきます。

環境は人の心がつくります。皆さん、協力して仲良く、楽しいクラス、楽しい学校にしていきましょう。皆さんひとりひとりに秘められた素晴らしい能力は、誠実にそして楽しみながら取り組む中で、大きく開花します。抑圧やいがみ合いの環境下では、大きな成長は期待できません。

 

相手の気持ちを理解してこそ、自分の為すべきことが見えてきます。社会マナーやルールは、「思いやり」の精神をもつことで十分に守れるはずです。他人を思いやり、親切な行動をとれば、光が鏡に反射するように、自分にもどってくるものです。自分を大切に、他者を大切にして互いに高めあっていきましょう。

以上、令和5年度 第1学期 始業式の「式辞」とします。

令和5年4月10日

兵庫県立高砂高等学校長  上出 正彦

 

PDFは、こちらから。

  ↓

令和5年度1学期始業式式辞要旨(高砂高校).pdf

 

新校長 上出正彦が着任いたしました。

令和5年度の人事異動で、本校校長に、上出正彦(かみで  まさひこ)が着任しました。

 

ごあいさつ 

 令和5年4月、兵庫県立高砂高等学校長に着任しました上出正彦(かみで まさひこ)と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。兵庫県内有数の伝統を誇る高砂高校にご縁をいただけたことは大変光栄であり、大きな喜びを感じると同時に、本校に寄せられる生徒、保護者、同窓生、地域からの期待の大きさに身の引き締まる思いです。

 本校は、大正12年に地域の方々の期待に応えて創立されました。それから約1世紀にわたり「敬愛・勤勉・奉仕」の校訓のもと、文武両道を実践し、明るく活気に満ちた校風と、地域に愛される学校づくりをすすめ、多くの有為な卒業生を世に送り出してきました。

 さて、社会が目まぐるしく変化し、複雑で予測困難な時代を迎えている今、教育に求められていることは多岐にわたります。教育においては、どんなに社会が変化しようとも、「時代を超えて変わらない価値のあるもの」(不易)と、社会の変化を受け止め、「時代の変化とともに変えていく必要があるもの」(流行)があります。生徒たちが、将来、自己実現を図りながら、変化の激しいこれからの社会をたくましく生きていく資質や能力を育むためには、これら「不易」と「流行」を見極めつつ教育を推し進めていく必要があります。また、新型コロナウイルス感染症の流行により、教育活動も一部制限を余儀なくされてきましたが、制限の緩和により、活発な展開が期待されます。

 本校は本年度創立100周年という大きな節目の時期を迎えます。教職員一同、決意を新たにして、校訓「敬愛・勤勉・奉仕」の精神の涵養に努め、生涯を通し主体的に学ぶ意欲や態度・能力を身に着け、人と社会に貢献できる、こころ豊かで自立する人づくりを進めてまいります。

 保護者や地域の皆様方の一層のご理解とご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

 

令和5年4月

兵庫県立高砂高等学校 第30代校長 上出 正彦

令和2年度3学期終業式式辞

 式辞

 みなさん、おはようございます。月日のたつのは早いもので、今日が令和2年度の終業式となりました。1年間、命に関わるような事故が無く、このように終業式が迎えられますことをうれしく思います。 
 新型コロナウイルスの影響でいろいろなことが大きく変わった一年でした。これまで当たり前にできてきたことの有難さを本当に実感させられました。発生から一年が経過してもまだまだ予断を許さない状況です。マスクや手洗い、ソーシャルディスタンスなど、これからも十分に対策を取っていかなければなりません。
 今日は終業式ですので、この1年間を振り返り、反省すべきは反省をし、自分を褒めるべきところは褒めて、自信にして欲しいと思います。
 昭和を代表する作家の一人に吉川英治がいます。
 昭和37年に亡くなった吉川英治さんは、「宮本武蔵」「新・平家物語」「三国志」など今も多くの人たちに愛読されているすばらしい作品をたくさん残した有名な作家です。この吉川さんは小学校しか出ていません。父親が事業に失敗し貧乏のどん底に落ちてしまったため、小学校も途中でやめ、働かざるを得ませんでした。それからは、造船所の職人、行商人など、たくさんの職業を次々と変えながら、自力で勉強と修行を続け、ついに自分の進むべき道を見つけ出し、小説家となりました。
 この吉川英治さんが生き方の指針としていたことが「われ以外皆我教師」という考え方です。「自分以外は、すべてが自分の先生である」「どんな人でも、山も河も、草も木も鳥も虫も、およそこの世にあるすべてから学ぶのだ」こう考えて生きていったのです。
世の中にあるものはすべて自分の先生であると言うと、世の中には悪い人間もいる、常に人を騙して自分の利を得ようとする者、人のものを盗む者など、そういう人間も自分の先生になるのか、こんな疑問が湧いてくると思います。吉川さんはおそらく、そういう人もやはり自分の先生だと考えたのではないかと思います。そのような「反面教師」、つまり逆の意味の先生からも、こうなってはいけない、それは人間として間違っている、ダメということを身をもって教えてくれる先生だと吉川さんは受け止め、学ぶべきところを吸収していったのではないでしょうか。
 「朝の来ない夜はない」 彼が残した言葉で私が最も大事にしているものです。父親が事業に失敗した後、とても辛い時期がありました。しかしそれを乗り越えて振り返ってみたときが、人生の中で一番愉快なときであったと言っています。そして次の波がきたときも、この言葉を胸に次もきっと乗り越えてみせると自分に言い聞かせたそうです。この言葉からも、まさに逆転の発想をもって、苦境に立った時でも、そこから何かをつかみ取って、生きていくことの糧を得ようとする意気込みが感じられます。
 校内の桜が咲き始めました。まさに君たちを応援してくれています。1年生は2年生に、学校の中心になります。2年生は3年生に、最高学年として学校の顔になります。「朝の来ない夜はない、そして朝はいつも新しい」 君たちの前途に幸あれと祈念して、式辞とします。

令和2年度卒業証書授与式 式辞

 式辞
 穏やかな早春の日差しを浴びた校庭の桜の木々も日増しに蕾をふくらませ、春の訪れを感じさせる今日の良き日、保護者の皆様のご臨席を得て、ここに第七十三回兵庫県立高砂高等学校卒業証書授与式を執り行うことができますことを、深く感謝申し上げますとともに、心よりうれしく思います。
 さて、ただいま、卒業証書を手にされた卒業生二百三十六名の皆さん、改めて卒業おめでとうございます。高砂高校での三年間は皆さんにとって単なる時間の経過ではありません。特に二年生の後半からこれまで、新型コロナウイルスの影響でいろいろなことが大きく変わった一年でした。五月いっぱいまでの臨時休校、そして六月からの分散登校、何とか授業が行われるようになったのは六月の後半からでした。文化祭の中止、そして皆さんにとって最後の大会や発表会の中止。これまで当たり前にできてきたことの有難さを本当に実感させられました。発生から一年が経過してもまだまだ予断を許さない状況です。そんな状況の中でも皆さんは勉強そして部活動といろいろな制限のある中、本当によく耐えて頑張ってくれました。これは皆さんの努力はもちろんですが、支えてくれた家族や、友人、先生方の協力のお陰だと思っています。一人ではできなかったことも、支えてくれた人たちがいたから達成できた高校生活を忘れないで下さい。皆さんと一緒に行くことができた北海道への修学旅行は、私にとっても大切な思い出です。
 卒業生の皆さん、新たな旅立ちには新たな決意が必要です。このような難問山積の中で、社会の荒波に船出するみなさんに、私は餞として次の言葉を贈ります。それは、「順境におごらず、逆境にくじけず」です。

 順境の時は楽観的になり、つい調子に乗ってしまったり、強気になってしまいます。また、うまくいくと自分の力を過信し、傲慢になったり、うぬぼれや慢心にもなりやすいものです。うまくいっているのは決して自分だけの力ではありません。周囲の方々のお陰です。順境の時こそ、謙虚であるべきです。「おごるなよ 月の丸きも 一夜限り」満月も次の日からは欠けていきます。いつまでもうまくいくとは限りません。うまくいっている時ほど、決しておごらず、お陰さまという感謝の気持ちで慎むことを忘れないで下さい。  また逆境の時は悲観的になりやすいものです。辛いこ と、悲しいこと、苦しいこと、時には人生を投げ出し  たくなることもあるかもしれません。そんな時は、弱気になったり、自暴自棄になってしまいがちです。でも、そこでくじけず、じっと我慢して耐える心の強さ  を持って欲しいと思います。
 「雪に耐えて梅花麗し」これは厳しい冬の寒さ雪の冷たさに耐えて咲く、梅の花の凛とした美しさを詠ん だ西郷隆盛の詩の一節です。厳しい寒さに耐えてこそ梅の花は一層きれいに咲きます。困難は自分を成長させてくれます。逆境は自分を強くしてくれます。「明けない夜はない」「やまない雨はない」我慢して頑張り続ければ必ず光は見えてきます。
 そして順境であれ、逆境であれ、どんな時も誠実であることです。「至誠にして動かざる者、いまだこれあらざるなり」中国の孟子の言葉です。誠を尽くして人に接すれば、心を動かさない者はいない、という意味で吉田松陰も好んだ言葉です。誠実であることは信頼につながります。そして信頼はいつもあなた自身を守ってくれる、何ものにも代えがたい尊い財産になるのです。
 順境にもおごらず、逆境にもくじけず、そしてどんな時も誠実な人であって欲しいと思います。
 保護者の皆様、本日は、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。心よりお慶び申し上げます。心身ともに大きく成長した卒業生の姿を見て、頼もしく思います。この三年間、本校の教育活動にご支援、ご協力をいただき、誠にありがとうございました。今後とも本校に対する変わらぬご支援、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い致します。
 卒業生の皆さん、いよいよお別れの時が来ました。皆さんが、三年間通ったこの学び舎、三年間歌い続けた校歌、三年間心に刻んだ思い出を胸に、それぞれの道を力強く歩んでくれることを、心から期待しています。母校である高砂高校は、いつまでも皆さんを応援しています。
 新しい世界に羽ばたいていく皆さんに、幸多かれと祈念して、式辞と致します。
 令和3年2月27日
  兵庫県立高砂高等学校長 佐野 正明

   

令和3年2月4日 生徒集会でのお話です。

   「春に思うこと」
 新型コロナウィルス対策として緊急事態宣言が3月7日まで延長されることになりました。感染状況によっては短縮される可能性もあるということですので、マスク対策、手洗い、三密を避ける行動をより一層行っていかなければなりません。
 海外でも感染者の累計数が一億人を超えたりと暗いニュースが続いていますが、この封じ込めに成功した例として台湾が注目されています。中でもその対策の中心として注目されているのが、40歳のデジタル担当大臣のオードリー・タンさんです。1月30日放送の「読売テレビ」の教育・バラエティー番組である『世界一受けたい授業』にも出演されていましたので知っている人も大勢いると思います。台湾では国民全体にマスクを供給するためのマスクマップの作成や、トイレットペーパーの買い占めを防ぐための宣伝方法(誰でもお尻はひとつしかない)など様々な対策が取られ、封じ込めに成功しています。私が最もすばらしいと感じた点は「私は政府とともに働いている。政府のためにではない。」と言い切っていることです。そのためあらゆる必要な対策が取られている。ITに関しても、「ひとりも置き去りにしない」ために、マスクの供給に関してもデジタルだけではなくアナログな方法も使って、国民全体が購入できるようにしている、今話題の5Gも都市からではなく地方から進めていくことにより、ネット環境の良くない地域の学習環境や健康管理を促進する、デジタル技術も高齢者にも使いやすいように改良して、逆に使い方を覚えた高齢者が周りの人にその使い方を教えています。そして彼(彼女?)自身、自分をトランスジェンダーとカミングアウトしています。そのため男性だから、女性だからということから異なる視点で物事を考えることができる。つまりこれまでのやり方では解決が困難な問題に対しても新たな解決法のきっかけを見つけ出すことができるかもしれない。
 先が見えない今の状況だからこそ、政府の方針だけに頼るのではなく、自分ができることに進んで取り組んでいく、そして周りに発信していく。一人一人は微力だが無力ではない。同じ価値観を持ち、目指す方向への共通認識があれば、共に話し合い、協力し合うことで社会を前進させることが可能になります。暦の上ではもう春になりました。私たちもここから新たなスタートを切りたいと思います。

理科の散歩道8

理科の散歩道8

今回は、次の問題を考えてください。
【問題】
ビンの中に長さの違う2本のローソクが入っています。さて、火を付けてビンにフタをすると、どちらが先に消えるでしょう?
この問題を解くときの条件がいくつかあります。
・空気は窒素78%、酸素21%、アルゴンその他1%の混合物です。
・酸素はローソク中の炭素と燃焼して二酸化炭素に変化します。
・分子量は窒素28、酸素32、二酸化炭素44です。
さて答えは次のいずれかです。
①長い方が先に消える。
②短い方が先に消える。
③両方同時に消える。

 わかりましたか?答えは次の動画で確認して下さい

   解答(ココクリック)

令和3年1月8日 令和2年度 3学期始業式 式辞

令和2年度 3学期始業式 オンライン&校内放送にて

 皆さん、明けましておめでとうございます。いい年を迎えることができましたか。今日は3学期の始業式です。2学期の終業式でも触れましたが、「ジタバタする」ということについて話をしてみたいと思います。
 人生という長い道のりの中では、遅かれ早かれ誰もが大きな壁にぶつかります。途方もない大きな壁を前に、悩んだり、苦しんだりします。学校を卒業したばかりの新入社員を対象とした入社式などで、会社の社長や会長などがよくこんなことを言ったりします。「今日からみなさんは社会人です。いつまでも学生時代のような気分でいてもらっても困ります。社会人になると、いろいろな困難な壁、大きな壁にぶつかります。けれども、壁にぶつかっても決してくじけることなく、頑張って乗り越えていってください。」ただ頑張って乗り越えろと言われても自分の力では到底乗り越えられないこともしょっちゅう起こります。もっと言えば乗り越えられないもののことを壁というのです。では人生でも、仕事でもこれから直面するであろう大きな壁を前にしたとき、どうすればいいのでしょうか。そこにはこれが正解というものはありません。ただある人はこう答えました。「大きな壁にぶつかったときに、大切なことはただ一つ。壁の前でちゃんとウロウロ、ジタバタしていること。ちゃんとウロウロ、ジタバタしていれば、たいてい大丈夫。」
 ここで大事なのはどうしよう、どうしようと、とにかく立ち止まらずに壁の前を行ったり来たりすることです。そうすれば偶然、壁の下に小さな穴が見つかったりすることがある。その穴を一生懸命掘っていくと、わずかに通り抜けられるくらいのトンネルができたりする。そこに勇気を持ってもぐり込んでもがいているうちに壁の向こうにたどり着いたりすることがある。その穴は行動せずに立ち止まっていただけでは見つからなかったかもしれません。また何日も何日もウロウロしていたら、突然壁に亀裂が走ってガラガラと勝手に崩れてしまって壁の向こうに行くことができた。また偶然ヘリコプターがやってきて、そこからロープが降りてきて、それに必死につかまっていたらいつの間にか壁の向こう側に連れて行ってくれた。
 壁の前でちゃんとウロウロ、ジタバタしていると、いつかそんなことが起こります。ときには誰かの力をかりて試練をくぐり抜けて行くことができます。  




12月24日 令和2年度 2学期終業式 式辞

令和2年度 2学期 終業式  校内放送にて

 皆さん、おはようございます。新型コロナウイルス対応に追われた一年でしたがまだまだこれからが正念場です。正月という大事な行事を各ご家庭で迎えられることだと思いますが、十分気をつけてこれからの時期を過ごして下さい。今日は2学期の終業式です。期末考査も終わってほっとしているときだと思いますが、「勉強する意味」について話をしてみたいと思います。
 こんな質問があったそうです。「なぜ勉強しないといけないんですか。勉強して将来役に立つことが本当にあるんですか。自分には勉強する意味がわからないからする気がしない。」みなさんはどう答えるでしょう。
 「勉強することは必ず将来役に立つ。勉強することで筋道を立てて考えることができるようになれば、将来、仕事にも生活にもぜったいプラスになる。」そんなふうに答える人もいるかもしれません。
 ただある人はこう答えました。「学校で勉強していることで、社会に出てそのまま役に立つことなんてほとんどない。」私は理科の教師ですが、高校で習う数学が今解けるかというと、解けないことの方が多いと思います。漢字テストも自信がありません。世界史も日本史も覚えていません。学生時代の勉強をすっかり忘れてしまった私ですが、だからといってそのことで日々の生活で困っているわけではない。
 あまりみなさんを悩ませてもいけませんから結論からいうとこうです。「勉強していろいろなことがわかるようになるということもあるが、本当はわからないことがたくさんある。勉強はわからないということに慣れる練習をしている。」  
 学校を卒業して社会に出ると、毎日が本当にわからないことだらけです。どんなふうに仕事をすればよいのか。将来の人生設計をどうすればよいのか。悩みは尽きません。筋道を考えてよく計画し、行動しようとしても、作戦通りにいかないことがほとんどです。そもそも作戦や戦略を立てて何かをすることが成功するのは、社会の仕組みやルールがよく整備されていて、その中身を完璧に理解できているときだけです。でも社会はそれほど完璧ではない。いろいろなことが複雑に絡み合っている。筋道を立てようとしても、立てようがない。
 だとすればよくわからない社会を毎日生きる上で最も大切なことは何か。それは「わからない」ということで簡単にあきらめないことです。逃げ出さないことです。別の機会にまた話をしますが、逃げ出さないでその場でジタバタする(ウロウロする)ということです。
 「わからない」から不安だとか、つまらないとか思わない。むしろ「わからない」からおもしろいと思えるかどうかです。
私の話は以上です。

理科の散歩道7

毒 「食い合わせ」とは

 「食い合わせ」という言葉を辞書で引くと、「2種類以上の特定の食物を同時に食べて中毒を起こすこと。また、その食物のとり合わせ。」(旺文社 国語辞典)とあります。昔の人はいろいろな食い合わせを残しています。いろいろと調べてみました。代表的なものには次のようなものがあります。
  「ウナギ-梅干し」、「スイカ-天ぷら」、「ニンジン-大根」、「タコ-ワラビ」、「そば-タニシ」、「カニ-氷」、さるかに合戦からきているとは思えませんが、「カニ-柿」というのもあります。
 実に様々な組み合わせがあります。ただ、この21世紀の世の中にこれらが残っているということは何か理由があるはずです。これらの組み合わせをよく見てみると、腐りやすいものが含まれていたり、「スイカ-天ぷら」のように「水-油」といった混ざりにくいものになっている場合が多いということです。昔は冷蔵庫などもなく食品の保存状態はよくありませんでした。食品自体が腐っていたり、体力が落ちているときに混ざりにくい組み合わせのものを食べて体調を崩すことは大いに考えられます。ただ食品が新鮮で体の調子も十分なときに、これらのものを食べて「毒」ができるということはありません。
 ところが本当に毒ができる食い合わせがあります。それはジメチルアミン(漁港などでよく嗅ぐ魚の匂いのもと)と亜硝酸(野菜などに含まれる成分)の組み合わせです。これらを一緒に食べると、胃の中の酸性の条件下で、発ガン性や急性毒性の高いジメチルニトロソアミンが生成します。サンマの塩焼きと大根おろしの組み合わせを考えてみます。サンマ、大根はそれぞれジメチルアミン、亜硝酸を成分として含んでいるので大変です。しかし、このジメチルニトロソアミンの生成を止める特効薬があります。それがビタミンCです。実は生の大根にはこの成分も多く含まれており、大根おろしを食べればこの毒の生成が抑えられます。ビタミンCは果実や緑黄色野菜に多く含まれています。食事のときにこれらのものを食べることは、ガンを予防するためにも大変効果的かも知れません。

理科の散歩道6

砂金掘り ロマンを求めて
 今から約150年ほど前、アメリカ西部で次々に金鉱が発見されゴールドラッシュが起こりました。金はいつまでも変わらないその美しい輝きゆえに多くの人を引き寄せます。「金山を掘り当てて大金持ちに」とはいかなくてもその金が川で簡単に手に入るとなればどうでしょう。何だかワクワクしてきます。私も数年前に川での「砂金掘り」を教えてもらって以来、時々出かけて行くようになりました。
  ただ川ならばどこにでもというわけではありません。砂金が集まるポイントがあります。理想的な場所は大きく川が蛇行しているその内側、そして水面から基盤岩が出ているところです。そういった場所の岩の隙間や草の根っこの砂や泥の中に含まれています。理由は単純です。それは金の比重がとても大きいということです。金の比重は19.3もあります。これだけ大きいと少々のことでは流されません。大雨などで川が増水し、流速が大きくなったときにようやく移動し岩の隙間や草の根っこの中にもぐり込みます。その後、比重の軽い砂や泥はどんどん流されても砂金はしっかりとそこに残ります。それにもともと金はごく僅かしかありません。河口付近にも当然存在するはずですが、そのような場所では大量の土砂に埋もれてしまいとても見つけられません。
 「砂金堀り」は岩の隙間や草の根っこの砂や泥を集めることから始まります。集めた砂や泥はザルでこして、中に入っている小石などを除いていきます。そして残ったものを「パンニング皿」(砂金採集用の特殊な皿)に入れて、ゆすりながらていねいに軽い砂や泥を川の流れを利用して流していきます。この作業を続けていくとやがて黒い砂鉄だけが残ります。砂鉄は砂よりも比重はかなり大きい(約5~6)ですが、砂金の比重はその砂鉄の約3倍です。砂鉄を注意深く動かしていくとその中にじっとして動かない金色に光る砂金が見えてきます。
 直径は0.1mm程度もあればいい方で、長時間の作業でも数粒しかとれません。一日のアルバイト代がこれではとても生活できません。しかし普通の川でも砂金がとれるというのは「ロマン」です。以前、テレビの特番で「埋蔵金探し」をよくやっていました。あの番組のように見つければ大金持ちになるわけではありませんが、全身筋肉痛になりながらも自分で見つけた砂金にはとても愛着を感じます。 
 ただ川には危険な場所も多く存在しています。12年前の神戸市灘区の都賀川での事故のように急に増水する可能性も十分あります。天候にも十分気をつけて、また決して子供達だけで行かないようにして下さい。

理科の散歩道5

オランダの涙   簡単に出来る強化ガラス

  ガラスというと「割れやすいもの」,「壊れやすいもの」というイメージがあります。私もガラスのコップを落として割ってしまうことがよくあります。この欠点を改良して作られたものが強化ガラスです。強化ガラスには次の3種類があります。一つ目は「物理強化ガラス」です。これはガラスが軟らかくなる温度まで十分に加熱し,その後急に冷やすことにより作られます。二つ目は「化学強化ガラス」です。ガラスはその成分中にナトリウムを含んでおり,表面のナトリウムをそれよりも大きなカリウムに置き換えたものです。三つ目は「積層強化ガラス」です。これは性質の異なるガラスを重ねることにより作られています。
  ここで物理強化ガラスを作ってみましょう。材料は並ガラス(ソーダ石灰ガラス)のガラス棒(直径6mm程度)です。必要な道具はガストーチ,水の入った容器,ビニール袋,ハンマー,ペンチです。
 作り方は次の通りです。まず,ガラス棒を水平な状態に固定し,これを横からガストーチで加熱します。一定の速度でガラス棒を回転させ,溶けたガラスがすぐに落ちないようにします。そして十分加熱して真っ赤な状態になったら自然に水中に落下させます。うまくいくと直径1cm程の大きな涙状のかたまりができます。4~5cm程の長いシッポもできますが,これを折らないように十分気を付けて下さい。
 さて,この涙状のかたまりは「オランダの涙」と呼ばれています。何ともロマンチックな名前です。この「オランダの涙」が強化ガラスであるということを実験で確認してみましょう。最初にハンマーで上から叩いてみます(このとき,シッポの部分を叩かないように十分気を付けて下さい)。強化ガラスになっているためびくともしません。次にビニール袋に入れ,シッポの部分をペンチで折って下さい。突然爆発したように,粉々になります。
  この現象は流動性をもったガラスのかたまりが急に冷やされることにより,表面と中心の収縮に時間差ができるために起きます。先に冷えた表面を中心が引っ張りながら収縮するために,表面に多少傷がついても中心が強く引っ張ることにより傷が広がらず,強く割れにくくなります。
  ここで注意することは,熱したガラスは高温であるためすぐに触らないことこと。そしてできあがったガラスを叩く際,くれぐれもハンマーで手を叩かないように,またシッポは必ずビニール袋の中で折って下さい。これらの実験は学校の先生の指導を受けて行って下さい。くれぐれもケガをすることのないように十分気を付けましょう。

理科の散歩道4

硝化綿(トリニトロセルロース)
 マジシャンが炎を吹く場面がよくあります。勢いよく炎が上がると思わず見とれてしまいます。同じように科学実験番組で白衣を着た人が机の上や手の上で勢いよく炎を上げることがあります。よく見ると脱脂綿のようなものに火を付けているのですが、普通の脱脂綿ではあんなに激しく、しかも一瞬では燃えません。これは化学を専門にしている人間には馴染み深いものなのですが、一般の人にとっては不思議な現象です。もちろんこの脱脂綿は普通の脱脂綿ではなく、ある特殊な加工がしてあるものです。この脱脂綿は「硝化綿(トリニトロセルロース)」と呼ばれ、ダイナマイトの成分とよく似ています。作るための試薬は購入する際に特別の許可が必要ですので、家庭実験で簡単に作れるものではありませんが、製法は極めてシンプルです。理科の先生に指導してもらう必要がありますが、濃硝酸と濃硫酸の混合物(混酸)に脱脂綿を反応させた後、よく水洗いして乾燥させると出来上がります。少量の硝化綿でも勢いよく燃えるので、十分注意して扱えば演示実験としてはかなり迫力があります。
 さて、この硝化綿=トリニトロセルロースですが、ダイナマイトの原料の親戚筋に当たります。ダイナマイトはノーベル賞を創設したアルフレッド・ノーベルがトリニトログリセリンから製造した代表的な爆薬です。またトリニトログリセリンは狭心症(心臓病の一種)の治療薬としても使われています。これは心臓を「爆発させる」のではなく、心臓の周りの血管を「拡げる」という効果があります。昔、テレビドラマで狭心症の患者が「ニトロを飲む」というシーンがあり、子ども心に小さい爆発を起こすのかと思い込んでいました。
 毒も薬も使いようですが、ある目的で作られていたものが全く別の用途で効果を発揮することもよくあります。ただ硝化綿は火薬の一種ですので、脱脂綿としての用途には使えません。

理科の散歩道3

相生の松 雌雄同株と雌雄異株
 今は9月ですが、6月といえばジューンブライドです。結婚式と言えば,「高砂や~この浦舟に~」の謡曲「高砂」。
 謡曲発祥地の高砂市高砂神社には「相生の松」が祀られています。今の高砂神社にある相生の松は五代目で、表面をよく見ると、赤っぽいアカマツの部分と黒っぽいクロマツの部分がそれぞれの色でよくわかりますし、Y字型に分かれたところから上の部分はアカマツ、クロマツにそれぞれはっきりと分かれているのがわかります。
 この「相生の松」は、山地に生えるアカマツの種が川の流れに乗って,海辺のクロマツと出合い、たまたま同じ場所で芽を出し、成長するにつれてお互いがくっつき合い、一つの幹のように見えているものです。そして上の部分はY字型に分かれて、それぞれアカマツ、クロマツとして成長しているのです。
 マツは,雄花と雌花が同じ木に咲き、このような植物を雌雄同株といいます。枝の先端には雌花が、付け根には雄花が咲き、風によって花粉が運ばれ受精します。雌雄同株の植物にはクリやクスノキなどもあります。
 雄花と雌花が別の木に分かれて咲く植物もあります。雌雄異株と呼ばれ、イチョウやキウイフルーツなどです。秋,イチョウの木の下にギンナンが落ちていると臭いが大変ですので踏まないように注意しますが,これは雌株だけで雄株ではこの心配はありません。
 高砂の「尉と姥伝説」の伝説では、一本の根から雌雄の幹が左右に分かれた松が生えたと言われていますが,今の「相生の松」は大変珍しい偶然が作ったものですね。
自然の偶然は,夫婦仲良く相手を思い,末永く暮らすという、人と人との繋がりの大切さを私たちに教えてくれています。

理科の散歩道 浮沈子

 浮沈子
 青少年の科学の祭典が毎年各地で開かれていますが、その中で子どもたちに人気のあるコーナーの一つに「浮沈子」があります。兵庫県の物理の先生のオリジナルで魚の形をした醤油差しに重りとしてナットを付けたものがよく知られています。作り方は極めて簡単で、ペットボトルにほぼいっぱいの水を入れ、その中に沈まないように空気の量を調節した重り付き醤油差しを入れます。ペットボトルのフタを閉め、両手でギュッと横から押してやると醤油差しが沈んだり、浮いたりを繰り返し、ちょうど魚が上下して泳いでいるように見えます。小さな子どもにはとても人気があり、青少年の科学の祭典以外でもいろいろなところでよく見かけます。これは「パスカルの原理」という水の圧力に関する性質を利用したものです。水のような圧力をかけてもほとんど圧縮されない液体の場合、それが入った容器に圧力をかけると、その力は等しく全体に伝わっていきます。このため、圧力をかけたときに容器に穴が開いていると、そこから勢いよく水が飛び出していきます。おもちゃの水鉄砲もこの原理を応用したものです。「浮沈子」の場合は、圧力をかけたときに、醤油差しの中の空気が圧縮され、その分水が入って重くなるために沈んで行きます。何となく見ていると不思議な現象ですが、原理がわかってみるとなかなか面白いものです。これと似たような性質に「アルキメデスの原理」というものがあります。水の中にある重さのものを沈めるとき、それが押しのけた水と同じ重さの浮力を受けます。アルキメデスが金の王冠が本物か偽物かを調べるのに、お風呂に入っていてあふれ出したお湯からこのことを思いついたのは有名な話です。「・・・の原理」や「・・・の法則」というと何だか難しいことのように考えてしまいますが、身近な現象の中からいろいろな発見があるかもしれません。

理科の散歩道 ダイヤモンド

 いよいよ7月に入りました。タイトルにある神戸新聞日曜版の「理科の散歩道」ですが、3年生の生徒にイラストを描いてもらい先日掲載できました。それらを含めて理科に関する記事を不定期で出していきます。身近な現象に興味を持ってもらえればうれしいです。

 ダイヤモンド
 ダイヤモンドは四月の誕生石です。炭素原子から成る結晶で、地球内部の非常に高温高圧の場所で生成されます。現在ダイヤモンドが採掘されている場所はかつて高温高圧の状態であった地層が地表付近に出ているところで、ユーラシア大陸などの大陸に集中しています。ただ条件さえ合えば、日本でも採掘できる可能性はあります。例えば兵庫県の加古川中流付近は砂金の採集ができる場所として知られています。ただ一日中集めても少量しか採集できませんが、ダイヤモンドも同じように挑戦してみるのも面白いかもしれません。その採集法ですが、砂金は比重が大きいことを利用して、砂や砂鉄から分離することができます。これに対してダイヤモンドは油との親和性が大きいことから、含まれている岩石を砕いた際、油に吸収させて他の物質から分離します。商業レベルで採掘を行うのではなく、個人的な趣味として行うのならば思わぬ幸運が訪れることがあるかもしれません。
 以前「お酒からダイヤモンドを作る」ということが話題になりました。これはお酒の中に含まれるアルコール中の炭素原子を利用する方法です。これ以外にもアセチレンガスと酸素ガスから作る方法など、実験室でもある程度簡単に製造することができます。ただこのような手法で作られたダイヤモンドは、大きさも非常に小さく、黄色い色が付いてしまうために宝石として使われることはありません。
 ダイヤモンドといえば物質の中で最も硬いということがよく知られていますが、それ以外にも電気は通さないが熱の伝導性が非常に高いという性質があり、硬い物を切断するダイヤモンドカッターやレコード針、放熱材として広く利用されています。宝石として非常に大きな存在感を持っていますが、それ以外にも多くの可能性を秘めています。
 新型コロナウイルスの影響でいろいろなことに制約がかけられていますが、ダイヤモンドを自然の中から探してみたり、作ってみたりするのも面白いかもしれません。

3年生書道選択者が思いを込めて大書の製作

6月24日 3年生で書道を選択している生徒17名が、授業で1人1文字ずつ筆をとり、長さ10メートルに及ぶ大書を製作した。授業担当の中川先生が新型コロナウィルスの影響で運動部、文化部の全国大会が中止され目標を失った3年生を元気づけたいと考えた。高校野球の甲子園大会で歌われる「栄冠は君に輝く 感激をまぶたにえがけ」の歌詞17文字を生徒たちが1文字ずつ全身を使って書いていった。できあがった作品は、渡り廊下に掲示し、皆を元気づかせている。また、久しぶりの3年生の総合の授業で、琴の音色が聞こえ癒されました。
 本日、姫路工業高校で制作していただいたフェースシールドを、受け取りました。制作に携わった方々ありがとうございました。

通常授業を開始しています。

ロナ感染症対策に伴う非常事態宣言が5月25日に解除され、6月1日から分散登校、6月15日から通常の授業を行っています。