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令和3年2月4日 生徒集会でのお話です。

   「春に思うこと」
 新型コロナウィルス対策として緊急事態宣言が3月7日まで延長されることになりました。感染状況によっては短縮される可能性もあるということですので、マスク対策、手洗い、三密を避ける行動をより一層行っていかなければなりません。
 海外でも感染者の累計数が一億人を超えたりと暗いニュースが続いていますが、この封じ込めに成功した例として台湾が注目されています。中でもその対策の中心として注目されているのが、40歳のデジタル担当大臣のオードリー・タンさんです。1月30日放送の「読売テレビ」の教育・バラエティー番組である『世界一受けたい授業』にも出演されていましたので知っている人も大勢いると思います。台湾では国民全体にマスクを供給するためのマスクマップの作成や、トイレットペーパーの買い占めを防ぐための宣伝方法(誰でもお尻はひとつしかない)など様々な対策が取られ、封じ込めに成功しています。私が最もすばらしいと感じた点は「私は政府とともに働いている。政府のためにではない。」と言い切っていることです。そのためあらゆる必要な対策が取られている。ITに関しても、「ひとりも置き去りにしない」ために、マスクの供給に関してもデジタルだけではなくアナログな方法も使って、国民全体が購入できるようにしている、今話題の5Gも都市からではなく地方から進めていくことにより、ネット環境の良くない地域の学習環境や健康管理を促進する、デジタル技術も高齢者にも使いやすいように改良して、逆に使い方を覚えた高齢者が周りの人にその使い方を教えています。そして彼(彼女?)自身、自分をトランスジェンダーとカミングアウトしています。そのため男性だから、女性だからということから異なる視点で物事を考えることができる。つまりこれまでのやり方では解決が困難な問題に対しても新たな解決法のきっかけを見つけ出すことができるかもしれない。
 先が見えない今の状況だからこそ、政府の方針だけに頼るのではなく、自分ができることに進んで取り組んでいく、そして周りに発信していく。一人一人は微力だが無力ではない。同じ価値観を持ち、目指す方向への共通認識があれば、共に話し合い、協力し合うことで社会を前進させることが可能になります。暦の上ではもう春になりました。私たちもここから新たなスタートを切りたいと思います。