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生物部会ではこんなことをしています

若手中堅教員のための実験研修会 その2

兵庫県立千種高等学校 筏 泰介 先生を講師としてお招きし、「アユの解剖」の研修を行いました。

アユの生態に関する豆知識や実物を用いた観察を教えていただきました。魚介類の解剖を理科学習の材料とすることには歴史があり、明治・大正時代の教科書にもイカや貝の解剖図が掲載されています。

アユは群れとして行動する個体もいれば、単独で縄張りを形成して行動する個体もいます。教科書にもその生態や体長との関連が掲載されるほど、よく調べられています。鮎釣りは揖保川が発祥の地とされていて、兵庫県との関わりも深いそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本日の研修では、アユを実際に解剖し、腎臓と耳石を観察しました。アユはあらかじめ麻酔にかけています。

   

 

参加者の先生方も写真を撮りながら、熱心に観察に取り組んでおられました。

   

魚類は何を食べるかによってエラなど微細構造が異なる場合があるそうです。腎臓や耳石だけではなく、心臓や生殖巣、脳など様々な臓器の観察にも利用できるとのことです。ぜひお試しください。

 

 

若手中堅教員のための実験研修会 その1

兵庫県立明石高等学校 薄井 芳奈 先生による「豆苗を用いた重力屈性とアミノプラストの観察」の研修を行いました。

新学習指導要領では「見出して理解する」というフレーズが多用され、実験観察の仕組みの理解に結びつける体験が以前にも増して求められています。今回は植物ホルモンの作用を確かめる実験だけでなく、「刺激を感受する仕組み」に関わる実験を取り入れて研修してくださいました。

 

① 「刺激の受容」:豆苗を用いたアミロプラストの観察

アミロプラストはデンプン粒を多く含んだ色素を含まない色素体で、根冠にある「コルメラ細胞」や茎にある内皮細胞である「デンプン鞘細胞」に含まれています。密度の大きいアミロプラストが位置を変えることで重力の向きや器官の傾きの受容に関与しています。

 今回は根冠のコルメラ細胞、茎の内皮細胞に含まれるアミノプラストをヨウ素液で染色し観察しました。薄い切片を作成するために、寒天を利用して組織を固定する方法など、様々な工夫を教えていただきました。

② 豆苗を用いた茎頂分裂組織の観察

根端分裂組織の観察はよく行われますが、茎頂分裂組織の観察はそれほど多く行われていないように思います。豆苗はその観察材料として非常に簡便に観察できるそうです。

豆苗の先端付近の膨らみを開いていくと茎頂が見えてきます。

この組織を切り出し、酢酸で固定、染色液と塩酸で解離・染色を行い、観察を行います。細胞が小さく詳細を観察するには不向きかもしれないですが、ネギ根の根端分裂組織の観察同様、非常に簡便に分裂細胞の観察を行うことができました。

こちらにも実践が載せられています。ぜひご参照ください。

「高校生物 実験教材の広場」
https://bioeve88.web.fc2.com/

また、神戸市内の施設実験室を拠点に、高校教員が集まって実験や授業の工夫を共有する会であるKOBE金曜EveLabo を主宰しており、ブログで情報発信をしておられます。ぜひご参照ください。

「KOBE金曜EveLabo」
https://bioeve88.blog.fc2.com/

 

 

 

 

研究論文、実践報告 募集中

1 生物部会誌への研究論文及び実践報告の原稿について募集中です。

2 応募方法
部会誌への掲載を希望される方やお問い合わせは、市立西宮高校(0798-74-6711)の越谷までお電話ください。

3 締め切り  令和5年2月末

4 詳細は生物部会の部会誌に掲載のものをご覧いただくか、上記までお問い合わせください。

また、ご一報いただいた方には、別途、作成様式を記したファイルと提出先をご連絡します。

生物部会誌VOL.46 研究論文及び実践報告 募集中

1 生物部会誌vol.46への研究論文及び実践報告の原稿について募集中

2 応募方法
部会誌への掲載を希望される方は、県立西宮今津高等学校 教頭 田中優至までお電話かメールでご一報ください。
   メール:Yuuji_Tanaka@pref.hyogo.lg.jp
TEL :0798-45-1941

3 締め切り  令和4年2月末

4 ご一報いただいた方には、別途、作成様式を記したファイルと提出先をご連絡します。