生物部会ではこんなことをしています
令和7年度兵庫県高等学校教育研究会生物部会 第1回阪神支部研修会の開催のご連絡
1 日 時 令和7 年12 月12 日(金)14:30 30~16:30
2 会 場 県立武庫荘総合高等学校 生物教室
3 内 容 講演 14 3 00~16:00)
「はたらく細胞」の観察&「免疫カードゲームImmuno! 」体験
講師 神戸女子大学 講師 薄井 芳奈 氏
情報交換( 0 00~16: 3 0)
本研修会では、免疫の単元の導入に活用できる観察実験と、まとめに使えるカードゲームを組み合わせた、より実践的な内容を提供いたします。
細胞の観察では、参加者ご自身の歯肉周辺から採取した好中球を観察します。中学校で行う「ほおの内側の細胞の観察」とほぼ同様の方法で、採取部位を変更するだけですので、簡便に実施でき、驚きや発見のある内容となっています。
観察の後は、免疫の単元のまとめとして活用できるゲーム「免疫カードゲーム Immuno! 」をプレイし、ルールのアレンジや授業での活用方法についてディスカッションを行います。
4 対 象 阪神地区高等学校理科教員
5 申 込 み QR コードより11 月14 日 金 までに申し込みください。
QRコードは添付資料のほうをご参照ください。
令和7年度若手から中堅理科教員のための観察実験研修会について
令和7年10月22日(水)9:40~16:10にかけて、兵庫県立総合教育センターにて、若手から中堅理科教員のための観察実験研修会が開催されます。
参加申し込み締め切りが10月3日(金)までとなっておりますので、各校に配布されている公文書をご覧いただき、添付されている「参加申込書」に希望する研修を記入しメールにて提出してください。
日本遺伝学会第97大会 ワークショップ10のご案内
日本遺伝学会第97大会 ワークショップ10「生物選択者激減の現状と提案3~理科科目「絶滅危惧種」からの脱却~」が開催されます。
1:日時 2025年9月12日9:45~11:30
2:場所 神戸大学六甲大第2キャンパス E会場
3:概要紹介
センター試験・共通テストにおける生物選択者の激減が示すように、高校理科「生物」は、絶滅の危惧にあります。その背景には、生徒は「生物」を学びたいと思っているのに選択できない切実な事情があり、私たちはその現状を打開したいと考えています。魅力的な教科書作りは「生物」の存続を守るうえで重要なポイントの1つです。増大する教科書の内容をどのように整理・削減できるか、高校で何を学んだらよいのか。会場全体で自由に討論します!
参加の申し込みについてなどについては各校あてのメールや文書をご覧ください。
締め切りは9月5日だそうです。取り急ぎ連絡しました。
令和7年度 生物部会阪神支部研修会のお知らせ
令和7年度 生物部会阪神支部研修会(第2回淡水魚・水生昆虫の観察)が開催されます。
以下に詳細を記載します。
日時:令和7年9月23日(火・祝)9:00〜12:00
場所:実習場所 武庫川河川敷 集合場所 県立尼崎高等学校駐車場(受付 9:00〜)
内容:淡水魚・水生昆虫の観察
(川に入る実習であるため、川に入れる格好・着替えなどを準備してください。また、網などの採集用具は持参していただくか、ない場合はお貸しします。)
申込先:9月19日(金)までに各校配布の公文書に記載されているQRコードまたは以下のURLからお申し込みください。
https://forms.gle./ZeCCCM2qmQU6uhUr6
※ 駐車場には限りがあるので、できる限り公共交通機関をご利用ください。
またやむを得ず自家用車での来校を希望される場合は、申込みフォームに記入ください。
第14回高校生物情報交換会の開催について
公文書で各校回っていると思いますが、参考に掲示します。
第14回高校生物情報交換会を以下の要領で開催いたします。
目的
最新の生物学に関する話題について学び、授業における指導力の向上をはかる。また、生物部会員と神戸大学理学部生物学科教員との交流をはかる。
実施日
令和7年8月19日(火)午後2時〜4時
場所
神戸大学理学部 Z棟
生物学のトピックス
「気孔から探る植物二次代謝物のはたらき」神戸大学理学研究科生物学専攻 准教授 相原悠介 先生
ぜひご参加ください。
スポGOMI甲子園2025のご案内
今年のスポごみ甲子園兵庫県大会は、8月4日(月)10時〜、須磨海浜公園で実施するようです。
ぜひ挑戦してみてください。
iPadアプリ「iPSマスター」の紹介
iPS細胞作成時に約2万の因子の中からどうやって「4因子」を見つけたのかを体験できるゲームです。
ご興味があればダウンロードして、遊んでみてください。
https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/faq/ips-master.html
虫の集い(線虫研究者コミュニティ)HP開設
線虫を使った研究の成果や面白さを紹介する」「考える」コミュニティに関するHPが開設されました。興味のある方はぜひどうぞ。
生物部会誌のバックナンバー、寄贈のお願い
生物部会誌のバックナンバーをお持ちで、当部会に寄贈してもいいという方の情報がありましたら、生物部会事務局 県立西宮甲山高等学校 田中優至
 Tel 0798-74-2460  Fax 0798-74-2461
までご連絡ください。
もしくは、お近くの生物部会役員(理事)までご連絡ください。
詳細は以下です。
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このたびISSN(国際標準逐次刊行物番号)に生物部会誌を登録するにあたり、
バックナンバーおよびバックナンバーに関わる情報を下記のとおり収集しますので、ご協力をお願いいたします。
1 目的 
当部会が毎年発行している生物部会誌にある記録や活動、取り組み内容を広く周知する機会を増やすことで、当部会の活動をさらに充実発展させることに寄与する。また、部会の出版物を継続的に保存することを目的とする。
2 依頼内容
ISSNへの登録申請にあたり、生物部会部会誌のバックナンバーすべてを国立国会図書館のISSN日本センターに納本する必要がありますが、現状は事務局がバックナンバーを1部のみ保管しているだけのため予備がありません。
生物部会誌のバックナンバーをお持ちで、当部会に寄贈してもいいという方の情報がありましたら、下記問い合わせ先、またはお近くの生物部会役員(理事)までご連絡ください。詳細は、兵庫県高等学校教育研究会生物部会Webページにも掲載していますので、そちらをご覧ください。 
※ ISSN (International Standard Serial Number: 国際標準逐次刊行物番号)とは、「逐次刊行物およびその他の継続資料」(以下「逐次刊行物等」)を識別するための国際的なコードです。日本では、国立国会図書館がISSN日本センターとなっています。主要な図書館の蔵書目録やデータベースでは、ISSNによる検索が可能であり、逐次刊行物等の利用に役立っています。
現代生物ゼミナール開催(報告)講演会その2
「基礎科学としての現代生態学」というテーマで、兵庫県立大学 江崎保男名誉教授にご講演いただきました。
この公演では「現代生態学」を群集や進化、他の動物との相互関係、生物多様性など様々な観点から整理していただきました。
〇下部詳細の要点
江崎教授は、現代生態学を群集や進化、相互関係、生物多様性などの観点から整理し、ダーウィンの自然淘汰概念やドーキンスの「利己的な遺伝子」など進化に関連する概念に触れました。
また、生態学の主要な対象は「群集」であり、その変動安定メカニズムについて追求しています。具体的な例や研究を交えながら、生態学の近代史も紹介されました。
最後には、コウノトリの現状と未来についての展望も述べられ、特に人工巣塔の設置場所が生態系のバランスに影響を与える可能性について懸念が表明されました。
〇講演会内容の詳細
1859年にダーウィンが「種の起源」の中で自然淘汰の概念を提唱した。その約100年後の1976年にドーキンスが「利己的な遺伝子」の中で自己犠牲的な行動は進化せず、利己主義(例えばライオンの子殺し、カマキリの共食いなど)が進化を促すことを提唱した。ダーウィンは自然淘汰を通して生物が生き残っていくことを説いているが、ドーキンスは生き続けるのは遺伝子であり、遺伝子が仕向けているという発想を生んだ。高等生物の多くは親子で行動を共にする。このように親が子を大事にするのは、遺伝子が永遠に生きるために、一時的な乗り物である「からだ」を次々に乗り換えていくためだと考えることもできる。その他にもエルトンの食物連鎖の概念の提唱やハミルトンの近縁度による自身の遺伝子を残す仕組みの提唱を例に進化に関連した生態学の近代史をまとめていただいた。
生態学のメインターゲットは「群集」であり、「群集の変動安定メカニズム(変動しながらも絶滅することなく安定すること)」を生態学では追求している。様々な生物の「群集」が被食ー捕食関係や種間競争、寄生などの生物間相互作用を形成した結果、生態系を作り出している。2007年江崎名誉教授は著書「生態系って何?」の中で、生態系をダイナミックなジグソーパズルに例えた。種の絶滅はパズルのピースがなくなることであり、外来種の導入はピースを無理やり押し込むことである。共にパズル(生態系)の崩壊の危険性を示唆した。群集の変動安定を論じるときには、生物間相互作用だけではなく、生物群集を俯瞰して見ることの重要性を説いておられた。
その他、多くの具体例や研究例をもとに現代生態学を整理していただいた。
最後に、コウノトリの現在と未来についての展望をいただいた。2005年に豊岡市のコウノトリの郷公園から試験放鳥されてから6000日以上が経ち、個体数は順調に増加している。現在、放鳥したコウノトリが巣を作るための人工巣塔は田んぼの中に立てられている。田んぼの中は捕食者に狙われにくいこともあり、捕食圧が自然状態よりも低く、個体数が著しく増加していくのではないか。その結果、昆虫やヘビなど、コウノトリの餌となる生物の個体数が減少し、生態系のバランスが崩れてしまうのではないかということを江崎名誉教授は懸念していた。例えば、人工巣塔を田んぼではなく、より自然に近い森林に設置していく方が良いかもしれないということも加えておっしゃられた。
江崎保男名誉教授にはお忙しい中大変興味深い公演をしていただきました。ありがとうございました。
また、高田先生には記事作成にご尽力いただきました。ありがとうございました。