探究心を刺激する生物教育に向けて
このたび、令和5年度、兵庫県高等学校教育研究会生部会会長になりました千家弘行です。
よろしくお願いします。
会員の皆様におかれましては、平素より、本会の研究活動にご理解、ご協力をいただき、心より感謝申し上げます。
さて、少子化に伴う学校統合やクラスの減少、高等学校における学び方の見直し等、これからの時代の生物教育は荒波の中にあります。そのような状況下において様々な課題が山積していますが、生物部会員の皆様と一丸となって生物教育の活性化と発展を目指して、邁進していきたいと考えています。
近年、生物教育は科学教育のなかで最も内容が変化した科目と言えると思います。生命科学に関する内容が強調される一方で、器官・組織レベルの内容は減少傾向にあります。
生物の分類や進化の取り扱われ方も変化し、生物教育の教育課程は、生物学や生命科学の影響を受けて変遷してきました。
研究の進歩は新たな知見を産み出し、生物教育の対象となる情報は増殖していきます。
当部会は、学校教育の目的に照らし合わせて、生物教育で学ぶべき本質を精選し、生徒が主体的かつ探究的に学習するための方策を提示する役割を担う必要があります。
魅力的で面白く質の高い生物教育の実践を目指して教材研究や授業研究を意欲的に行う教員を増やしていくことも部会の使命です。
部会の活動が生物教育を担う教員が楽しく学び合える場になることが大切です。
BYODをはじめとするICT教育の充実は個別最適な学習方法の新たな提案につながりますが、観察実験の機会をもち生物の実物に触れることでさらに探究心を刺激し、より学びを深めることができることもあります。
次代の生物教育をプロデュースできる教員を育成する上でも、皆様が教育研究会「生物部会」という場を最大限利用していただき、会員同士や大学等の専門家と繋がりあい、社会の変化に沿った更なる発展をとげていくことを期待しています。
生物部会がますます有意義な会となりますよう祈念し、会長の挨拶とさせていただきます。
会長 千家 弘行
(兵庫県立伊丹北高等学校校長)