生物部会ではこんなことをしています
スポGOMI甲子園2025のご案内
今年のスポごみ甲子園兵庫県大会は、8月4日(月)10時〜、須磨海浜公園で実施するようです。
ぜひ挑戦してみてください。
iPadアプリ「iPSマスター」の紹介
iPS細胞作成時に約2万の因子の中からどうやって「4因子」を見つけたのかを体験できるゲームです。
ご興味があればダウンロードして、遊んでみてください。
https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/faq/ips-master.html
虫の集い(線虫研究者コミュニティ)HP開設
線虫を使った研究の成果や面白さを紹介する」「考える」コミュニティに関するHPが開設されました。興味のある方はぜひどうぞ。
生物部会誌のバックナンバー、寄贈のお願い
生物部会誌のバックナンバーをお持ちで、当部会に寄贈してもいいという方の情報がありましたら、生物部会事務局 県立西宮甲山高等学校 田中優至
Tel 0798-74-2460 Fax 0798-74-2461
までご連絡ください。
もしくは、お近くの生物部会役員(理事)までご連絡ください。
詳細は以下です。
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このたびISSN(国際標準逐次刊行物番号)に生物部会誌を登録するにあたり、
バックナンバーおよびバックナンバーに関わる情報を下記のとおり収集しますので、ご協力をお願いいたします。
1 目的
当部会が毎年発行している生物部会誌にある記録や活動、取り組み内容を広く周知する機会を増やすことで、当部会の活動をさらに充実発展させることに寄与する。また、部会の出版物を継続的に保存することを目的とする。
2 依頼内容
ISSNへの登録申請にあたり、生物部会部会誌のバックナンバーすべてを国立国会図書館のISSN日本センターに納本する必要がありますが、現状は事務局がバックナンバーを1部のみ保管しているだけのため予備がありません。
生物部会誌のバックナンバーをお持ちで、当部会に寄贈してもいいという方の情報がありましたら、下記問い合わせ先、またはお近くの生物部会役員(理事)までご連絡ください。詳細は、兵庫県高等学校教育研究会生物部会Webページにも掲載していますので、そちらをご覧ください。
※ ISSN (International Standard Serial Number: 国際標準逐次刊行物番号)とは、「逐次刊行物およびその他の継続資料」(以下「逐次刊行物等」)を識別するための国際的なコードです。日本では、国立国会図書館がISSN日本センターとなっています。主要な図書館の蔵書目録やデータベースでは、ISSNによる検索が可能であり、逐次刊行物等の利用に役立っています。
現代生物ゼミナール開催(報告)講演会その2
「基礎科学としての現代生態学」というテーマで、兵庫県立大学 江崎保男名誉教授にご講演いただきました。
この公演では「現代生態学」を群集や進化、他の動物との相互関係、生物多様性など様々な観点から整理していただきました。
〇下部詳細の要点
江崎教授は、現代生態学を群集や進化、相互関係、生物多様性などの観点から整理し、ダーウィンの自然淘汰概念やドーキンスの「利己的な遺伝子」など進化に関連する概念に触れました。
また、生態学の主要な対象は「群集」であり、その変動安定メカニズムについて追求しています。具体的な例や研究を交えながら、生態学の近代史も紹介されました。
最後には、コウノトリの現状と未来についての展望も述べられ、特に人工巣塔の設置場所が生態系のバランスに影響を与える可能性について懸念が表明されました。
〇講演会内容の詳細
1859年にダーウィンが「種の起源」の中で自然淘汰の概念を提唱した。その約100年後の1976年にドーキンスが「利己的な遺伝子」の中で自己犠牲的な行動は進化せず、利己主義(例えばライオンの子殺し、カマキリの共食いなど)が進化を促すことを提唱した。ダーウィンは自然淘汰を通して生物が生き残っていくことを説いているが、ドーキンスは生き続けるのは遺伝子であり、遺伝子が仕向けているという発想を生んだ。高等生物の多くは親子で行動を共にする。このように親が子を大事にするのは、遺伝子が永遠に生きるために、一時的な乗り物である「からだ」を次々に乗り換えていくためだと考えることもできる。その他にもエルトンの食物連鎖の概念の提唱やハミルトンの近縁度による自身の遺伝子を残す仕組みの提唱を例に進化に関連した生態学の近代史をまとめていただいた。
生態学のメインターゲットは「群集」であり、「群集の変動安定メカニズム(変動しながらも絶滅することなく安定すること)」を生態学では追求している。様々な生物の「群集」が被食ー捕食関係や種間競争、寄生などの生物間相互作用を形成した結果、生態系を作り出している。2007年江崎名誉教授は著書「生態系って何?」の中で、生態系をダイナミックなジグソーパズルに例えた。種の絶滅はパズルのピースがなくなることであり、外来種の導入はピースを無理やり押し込むことである。共にパズル(生態系)の崩壊の危険性を示唆した。群集の変動安定を論じるときには、生物間相互作用だけではなく、生物群集を俯瞰して見ることの重要性を説いておられた。
その他、多くの具体例や研究例をもとに現代生態学を整理していただいた。
最後に、コウノトリの現在と未来についての展望をいただいた。2005年に豊岡市のコウノトリの郷公園から試験放鳥されてから6000日以上が経ち、個体数は順調に増加している。現在、放鳥したコウノトリが巣を作るための人工巣塔は田んぼの中に立てられている。田んぼの中は捕食者に狙われにくいこともあり、捕食圧が自然状態よりも低く、個体数が著しく増加していくのではないか。その結果、昆虫やヘビなど、コウノトリの餌となる生物の個体数が減少し、生態系のバランスが崩れてしまうのではないかということを江崎名誉教授は懸念していた。例えば、人工巣塔を田んぼではなく、より自然に近い森林に設置していく方が良いかもしれないということも加えておっしゃられた。
江崎保男名誉教授にはお忙しい中大変興味深い公演をしていただきました。ありがとうございました。
また、高田先生には記事作成にご尽力いただきました。ありがとうございました。