令和5年度学校経営の重点等
1 教育方針
校訓「ゆたかな情操・たゆまぬ研鑽」の精神を基調に21世紀の日本の担い手としての自覚と、豊かな創造性及び人間愛の精神を持ち、自らが主体的に判断し、行動できるこころ豊かな人材育成をめざす。
2 教育目標
(1) 基本的生活習慣の確立を図り、社会的自立に必要な自主性・社会性を育てる。
(2) お互いを思いやり、尊重し、命や人権を大切にする豊かな情操や徳性を養う。
(3) 個を生かし個を伸ばす教育を充実させ、基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着を図る。
3 学校経営の重点
(1) こころ豊かで自立する人づくりを推進する。
- 豊かな人間性と社会性を培い、自主性・自立性を育むために、役割や責任ある体験的な学びや人間的なふれあいに基づいた教育活動を推進する。
- 命と人権を大切にし、共に生きる心を育てるために、心の教育の充実を図り、一人一人の個性を尊重する多様で柔軟な教育を推進する。
(2) 未来への道を切り拓き、社会で活躍できる能力の育成を図る。
- 生徒の夢や志の実現に向け、生徒の能力・適性等、個に応じたキャリア形成を支援し、キャリア教育の組織的な充実を図る。
- 生徒の学習意欲を高め、個性や特徴を伸ばす学習指導方法の工夫を行う。また、個別指導の充実・課題探究型の学びを取り入れ、学びたいことが学べる魅力ある学校づくりを推進する。
(3) 地域社会と連携・協働した特色のある学校づくりを展開する。
- 学校・地域の相互課題を解決するため、学校教育活動及びボランティア活動を通した魅力ある学校づくりを展開する。
- ふるさと兵庫を愛するとともに異なる文化や価値観を理解し、地域社会と共に明るく元気に支え合える学校づくりを推進する。
- 本校が行う教育活動や生徒の活躍内容を保護者や地域、県民に対して幅広くわかりやすく広報する。
4 教科指導及び生徒指導(特別教育活動を含む)の重点
(1) 教科活動の重点
「魅力と特色のある学校」及び「自立した人づくり」をめざし、個をのばす教育課程、学ぶ意欲が高まり達成感が得られる教育課程、生涯にわたり自ら学び続けようとする意欲を育む教育課程を編成・運用し、次のことを実践する。
- 生きる力の基盤となる義務教育段階での学習内容の学び直しなど基礎的・基本的な知識・技能を確実に習得させ、基礎学力の定着・向上を図る。
- 主体的に学習に取り組む態度を育成し、確かな学力を身につけさせる。その土台となる「ことばの力」を育むため、全ての教科・科目で言語活動の充実を図り、思考力・判断力・表現力を養う。
- 生徒自らが課題を発見し、解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習等の視点から指導方法の工夫・改善に取り組むとともに、生徒の個性に応じたきめ細かな指導の充実を図る。
- 総合的な学習(探究)の時間を中心に、自分らしく生き、自らの人生をよりよいものとするための学習やキャリア教育を学年進行で展開する。加えて、4年生を対象に多彩な学校設定科目を提供し、体験的・ 実用的な学習の機会を充実させる。
- シラバス活用によるによる授業改善を図るとともに、授業研究を推進する。
(2) 生徒指導の重点
生徒一人一人の内面に対する共感的な理解を深め、人間的な触れ合いを通して心の絆を深めるとともに、個々の生徒が持っている良さや可能性を引き出し、それぞれの個性をより発揮できるようにする。また、教育活動全体を通じて生徒の社会性を培い、自立心や自律性の育成に努めるとともに、生きる喜びと命の大切さを実感させるようにする。
- 学校内外での体験活動を推進し、様々な人々との交流の場を設け、多様なもの、個性的なものを受け入れる寛容な心を育てる。
- 基本的生活習慣の定着を図るとともに、ホームルーム活動等特別活動を充実させ、集団活動を通して責任感や社会性を身につけさせる。
- 家庭(保護者)・職場・関係諸機関と連携し、いじめや喫煙、暴力行為、薬物乱用等の問題行動を未然防止するために、巡視をはじめ学校全体で計画的・継続的な指導に努め、早期発見・早期対応を図る。
- 生徒の内面を多元的・総合的に理解するため、家庭やキャンパスカウンセラーとの連携を強化するとともに、特別支援教育コーディネーターを中心に合理的配慮の観点に立つ教育支援や教育相談の充実に努める。
- 生徒理解を基盤とした対応能力の向上を図る。
(3) 人権教育の推進
人権教育を通じて、生徒の社会性・自律性・協調性・他者を思いやる心の育成に努めるとともに、共生社会の実現に向けて主体的に取り組もうとする意欲と態度及び自尊心を育む。
- 他者への思いやりを大切にし、互いの「違い」を認め合い、受容し合える心を育み、共に生きようとする意欲や態度を持った生徒を育てる。そのため、生徒の自立・人権意識向上につながるホームルーム活動の充実を図る。
- 大震災の教訓を生かし防災教育の充実を図ることにより、命の尊さ・人権の大切さを認識させ、生徒の「自助」の力と「共助」の心を育む。
- 自国の伝統や文化を尊重するとともに、異なる文化や歴史にも敬意をはらう多文化共生の心と態度を育成する。
- 個性を尊重し、多様な生徒への配慮や適切な関わり方を学校全体で推進する。
5 健康管理に関する指導の重点
自他の生命の尊重を基本理念として、生涯にわたって健康な生活を送るために、危険から自らを守る能力や習慣を身につけさせるとともに生徒自身の健康に対する意識の向上に努める。
(1) 規律正しい生活を心がけさせ、勤労生徒にありがちな変則的な生活習慣や食習慣の改善に努める。
(2) 健康診断や各種検診を通して健康についての関心を高め、自ら進んで健康チェックができる生徒を育てる。
(3) 生徒の心身の健康状態を把握するために、家庭や学校医、キャンパスカウンセラー等と連携を保つとともに、保健室の機能を十分に生かしながら、学校全体で適切な保健指導ができる体制を整える。
(4) 事故や災害の発生に即応できるように救急体制を整備し、生徒・教職員ともに心肺蘇生法、AEDの使い方等の応急手当の知識と技術を身につけることができるように研修を重ねる。
(5) 「心と体の健康の両立」を保持•増進するために、講演会やキャンパスカウンセリングなどを充実させる。
6 研究テーマ
(1) すべての生徒に居場所があり、生き生きと活動できる学校づくりを推進する。
- 高校生心のサポートシステムの実践・研究を発展させ、合理的配慮の視点を取り入れたコミュニケーション支援を継続し、社会人としての基礎力の育成を組織的に行う。
- 生徒会活動、ホームルーム活動をはじめ生活体験発表、ボランティア活動、部活動、高校生ふるさと貢献活動事業等への積極的参加を促し、生徒一人一人の所属意識を高める。
- 地域に開かれた学校づくりを進めることにより、生徒が地域社会に愛着や誇りを感じ、居場所を見いだせるよう後押しする。
(2) 生徒の能力・興味・関心・特性に応じた教育課程を編成する。
- 全科目のシラバスを公開し活用することにより、生徒と教員の双方が授業の成立に責任を持つとともに、授業内容の充実と評価方法の改善を図る。
- 学び直しを通して生徒の学習意欲を高めるための教材を作成する。
- 言語活動を取り入れた指導法・評価方法を工夫し、生徒の聞く力・書く力・話す力等、「ことばの力」の育成に努める。
7 推進事業
(1) 高校生ふるさと貢献・活性化事業
- 学校周辺の清掃等、奉仕活動を通して地域の一員としての自覚と自己有用感を育む。
- 地域住民とともに歳末防災夜回り活動を行う等、伝統文化に親しむとともに、住民とのつながりを実感させ、ふるさと意識を醸成する。
- ボランティア活動の意義を実感させ、神戸マラソン等生徒会を中心に対外的な活動への参加を促し、社会性・自己有用感を育む。
(2) 高校生就業体験事業~インターンシップ推進プラン~
- 地元事業所やNPOの協力を得て職業体験を実施し、好ましい職業観・勤労観を育む。
- 外部講師を招いた進路ガイダンス等を実施し、自己の将来の夢や目標に向かうキャリア計画を立案させる。
(3) 高校生キャリアノートの活用
キャリアノートを適宜活用し、生徒が次の発達課題を達成することに役立てる。
- 自己理解を深化させ自己を受容することができる。
- 選択基準としての職業観・勤労観を確立する。
- 将来設計の立案と社会的移行の準備を整える。
- 生き方や進路について現実的に吟味するとともに、就業体験等に試行的に参加する。
(4) 県立高校特色づくり推進事業~インスパイア・ハイスクール~
社会への接続を視野に入れ、生徒の「生きる力」を培うため、次のことを実践する。
- 1年生を対象に、ソーシャルスキルセミナーを開講し、コミュニケーション力を養う。
- 2年生を対象に、キャリア発達トレーニングを実施し、人生を切り拓く力を養う。
- 3年生を対象に、シティズンシップ教育を実施し、責任ある市民としての資質を育む。
- 4年生を対象に、シミンのジリツ講座を開講し、社会人としての心構えや行動規範を育み、市民としての自立と自律を促す。