〔本部事務局〕
兵庫県立小野高等学校
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酸・塩基の濃度調節
試薬名 |
市販試薬 |
モル濃度 |
調製法 | 簡易体積比 |
濃:水 | ||||
塩酸 |
濃塩酸 = 36.46 |
約12mol / L | 刺激臭 | |
6mol / L | 濃塩酸1に水を加えて全量を2倍の体積にする | 1:1 | ||
1mol / L | 濃塩酸1に水を加えて全量を12倍の体積にする | 1:11 | ||
硝酸 |
濃硝酸 = 63.01 |
約13mol / L | ||
6mol / L | 濃硝酸1に水を加えて全量を2.2倍の体積にする | 1:1.2 | ||
1mol / L | 濃硝酸1に水を加えて全量を13倍の体積にする | 1:12 | ||
硫酸 |
濃硫酸 = 98.08 |
約18mol / L | 希釈時に発熱大(必ず水に硫酸) | |
6mol / L | 濃硫酸1に水を加えて全量を3倍の体積にする | 1:2 | ||
3mol / L | 濃硫酸1に水を加えて全量を6倍の体積にする | 1:5 | ||
1mol / L | 濃硫酸1に水を加えて全量を18倍の体積にする | 1:17 | ||
酢酸 |
氷酢酸 |
約18mol / L | 氷点16.7℃ 冬場、長期保存で凍ることがある | |
6mol / L | 氷酢酸1に水を加えて全量を3倍の体積にする | 1:2 | ||
3mol / L | 氷酢酸1に水を加えて全量を6倍の体積にする | 1:5 | ||
1mol / L | 氷酢酸1に水を加えて全量を18倍の体積にする | 1:17 | ||
アンモニア水 |
濃アンモニア水 |
約15mol / L | 刺激臭 | |
6mol / L | 濃アンモニウム1に水を加えて全量を2.5倍の体積にする | 1:1.5 | ||
1mol / L | 濃アンモニウム1に水を加えて全量を15倍の体積にする | 1:14 | ||
水酸化ナトリウム |
個体 = 分子量40 |
潮解性(保存時シリコンゴム栓使用) | ||
6mol / L | 水酸化ナトリウム24gを水に溶かし100mLにする | |||
1mol / L | 水酸化ナトリウム4gを水に溶かし100mLにする |
※簡易体積比 使用上の注意
水に原液を加えると体積が減り、厳密にいうと正しい濃度ではない。特に硫酸では体積が大きく減る。しかし、高校の実験で厳密な濃度を要求されるのは、中和滴定等の定量実験に限られるので、定性実験にはこの方法で調整しても差し支えない場合が多い。
指示薬
試薬 | 調製方法 | 備考 |
フェノールフタレイン溶液 | フェノールフタレイン1gをエタノール80mLに溶かし、水を加えて100mLにする。 | 強酸と強塩基・弱酸と強塩基の中和滴定の際の指示薬 |
メチルオレンジ溶液 | メチルオレンジ0.1gを温水100mLに溶かし、冷えてからろ過して使う。 | 強酸と強塩基・強酸と弱塩基の中和滴定の際の指示薬 |
BTB(ブロムチモールブルー)溶液 | BTB 0.1gをエタノール20mLに溶かし、水を加えて100mLにする。 | 酸塩基の指示薬 |
リトマス液 |
リトマス粉末1gを温水50mLに溶かし、上澄み液を静かに取り、これに水を加えて100mLにする。 赤紫をおびている時は、微量のアンモニア水を入れると青色になる。赤色の液にする場合は、微量の塩酸を加える。 |
酸塩基の指示薬 |
万能指示薬 |
チモールブルー 5mg、メチルレッド 12.5mg、ブロムチモールブルー 50mg、フェノールフタレイン 100mgをエタノール100mLに溶かし、0.05mol / L水酸化ナトリウム液を加えて緑色にし、さらに純粋を加えて200mLにする。 | 酸塩基の指示薬 |
検出試薬
試薬 | 調製 | 備考 |
ヨウ素ヨウ化カリウム溶液(ヨウ素溶液) |
ヨウ化カリウム 1gとヨウ素 0.6gを水500mLに溶かし、褐色ビンに入れて冷暗所に保存する。 | デンプンや還元剤の検出 |
ヨウ化カリウムデンプン溶液 |
デンプン 0.1gに水 10mLを加えて、よくかき混ぜながら煮沸する(A)。ヨウ化カリウム 0.1gを水 10mLに溶かした液(B)を、(A)の液に加えてかき混ぜる。 |
塩素・過酸化水素・オゾンなどの検出 |
フェーリング溶液 |
A液:硫酸銅の結晶 7gを水に溶かして100mLの液を作る。 使用する直前にA,B両方を同体積ずつ混ぜる。 |
還元性の有機化合物の検出 |
ネスラー試薬 |
ヨウ化カリウム 5.0gを水 10mLに溶かし、塩化水銀(Ⅱ)2.5gを水 40mLに溶かした液を少しずつ加えながらかき混ぜる(1)。溶けきれなくなったら、水酸化カリウム 15gを水 30mLに溶かした液を(1)の液に加える。さらに水を加えて100mLになるようにして静置し、上澄み液を使う。 |
アンモニウムイオンの検出 使用後は、水銀化合物を含むので回収 |
シッフの試薬 | フクシン 0.2gを温水 120mLに溶かした液に、無水亜硫酸ナトリウム 2gを水 20mLに溶かした液を加えて、さらに塩酸 2mLと水を加えて全体を 200mLにする。 | アルデヒド(紫)・臭素(青紫)・炭水化物(赤)の検出 |
染色液・その他の試薬
薬品 | 調製方法 | 備考 | |
ワラップ | ワセリン 2 : ラノリン 2 : パラフィン 1 の割合に混合して溶かす。 | 永久プレパラートの作成 | |
サフラニン塩酸液 |
サフラニン 0.25gをエタノール 10mLに溶かす(A)。
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核・仁・染色体などの染色 | |
酢酸オルセイン溶液 酢酸カーミン溶液 |
氷酢酸 45mLに 1gのオルセインを加えて還流しながら湯せん加熱し、よく振り交ぜて溶かす。加熱の際、酢酸が揮発しすぎないように図のようにして還流する。
冷却後、水を加えて全体を100mLにして、よく混ぜてろ過をする。 酢酸カーミン溶液の場合も同様にして作るが、1%鉄ミョウバンを数滴加えると染色状態が向上する。 |
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核・染色体・組織の染色 |
酢酸ダーリア溶液 | 30~45%酢酸 100mLにダーリア(ホフマン紫)を0.5~0.75g溶かす。使用直前にろ過したものを使用する。 | 核の染色 | |
メチレンブルー溶液 | メチレンブルー 0.1gをエタノール 30mLに溶かし、水 100mLを加えてよく混ぜる。 | 核・骨・筋肉組織の染色 | |
フクシン亜硫酸液 |
塩基性フクシン粉末 1gを熱湯 200mLに放置冷却しながら溶かす。50℃に冷えたらろ過し、1mol / L塩酸 20mLを加える。さらに25℃まで冷えたら無水亜硫酸ナトリウム 2gを加え、よく振る。冷蔵庫に一晩保存し、透明な淡黄色なら良いが、赤色が脱色していなければ、もう 1gを追加してよく振り冷蔵庫に保存する。 (もし赤色が消えない場合は、活性炭粉末を少量加えて振りろ過する。冷蔵していても1ヶ月経過した場合は作り変えたほうが良い。) |
DNAの染色 | |
ファーマー液 |
アルコール 3 : 酢酸 1 を使用直前に混合する。 |
体細胞分裂・花粉母細胞・昆虫の染色体・発生材料の固定 | |
カルノア液 |
アルコール 6 : クロロホルム 3 : 氷酢酸 1 を使用直前に混合する。 |
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ブアン液 |
ピクリン酸飽和溶液 15 : ホルマリン 5 : 氷酢酸 1を混合する。 |
動物細胞・花粉や胚のう母細胞・胚の固定 |