〔本部事務局〕
兵庫県立小野高等学校
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溶液とは、2種類以上の物質が混ざり合って均一な液体になっているもの
1.溶液の分類
・(真)溶液 | ふつうの分子やイオンが溶解 | 10-8~10-7cm |
・コロイド溶液 | コロイド粒子が分散 | 10-7~10-5cm |
2.溶液の構成
溶液 = 溶媒(1) + 溶質(2)
(1) 水、エタノール、ベンゼン 等
(2) 溶質となりうるもの
A.常温における状態と構成粒子
個体 | イオン性物質 | 塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、硫酸銅、硝酸銀、炭酸ナトリウム |
分子性物質 | ブドウ糖、ショ糖、シュウ酸 | |
液体 | 分子性物質 | 塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、エタノール |
気体 | 分子性物質 | 塩素、臭素、硫化水素、アンモニア、二酸化炭素 |
B.溶解熱(物質を溶かす時に発生又は吸収される熱量)
・発熱するもの・・・硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、硫酸銅(無水)、エタノール
・吸熱するもの・・・硝酸カリウム、塩化アンモニウム、塩化ナトリウム、硝酸銀、硫酸銅(水和物)、シュウ酸(水和物)
C.溶質の安定性
・市販の固体試薬で空気中で不安定なもの
〇潮解性・・・水酸化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化リチウム、硝酸銅
〇風解性・・・硫酸ナトリウム(水和物)
〇CO2と反応・・・強塩基 水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム
・安定なもの
シュウ酸、炭酸ナトリウム 等(標準溶液を作ることができる)
D.市販の液体試薬で濃度が必ずしも正確でないもの
・吸湿性・・・硫酸
・揮発性・・・塩酸、硝酸、アンモニア水
・分解・・・・・過酸化水素水
3.溶液の濃度
(1)パーセント濃度 (単位 %)
溶液100g中に含まれる溶質の質量をg数で表したもの
(2)モル濃度(体積モル濃度) (単位 mol / L)
溶液1L中に含まれる溶質の量をmol単位で表したもの
(3)重量モル濃度 (単位 mol / kg)
溶媒1kg中に含まれる溶質の量をmol単位で表したもの
(4)規定濃度 (単位 N または 規定)
溶液1L中に含まれる溶質の量をグラム当量単位で表したもの
モル濃度と規定濃度との関係
1mol / L = 1N | 1価の酸 | HCl , CH3COOH |
1価の塩基 | NaOH , NH3 | |
1mol / L = 2N | 2価の酸 | H2SO4 , (COOH)2 |
2価の塩基 | Ba(OH)2 , Ca(OH)2 | |
1mol / L = 3N | 3価の酸 | H3PO4 |
3価の塩基 | Fe(OH)3 |
*飽和溶液とは、気体・溶質などが一定の条件下でこれ以上溶けきれなくなった状態の溶液のこと。
4.物質量の単位
(1)原子量
質量数12の炭素原子の質量を12としたとき、他の原子の相対的質量・各原子の 質量が一番軽い原子である水素原子の質量の何倍であるかを表す数。
H = 1.0 , C = 12.0 , O = 16.0 , Na = 23.0 , S = 32.0
(2)分子量 MolecUler Weight = Mol.wt. = M.W.
分子量中の原子量の総和(分子性物質について用いる。)
H2O = 18 , CO2 = 44 , H2SO4 = 98
(3)式量 FormUla Weight = F.W.
化学式中の原子量の総和
(イオン性物質について用い、実際は分子量と同様に扱ってよい。)
(組成式) NaOH = 40 , Na2CO3 = 106
(4)1molの定義
鉛筆12本 の集団を | 鉛筆1ダース と呼びその質量は | 50 gである。 | |||
原子 | 6.02×1023個の集団を | 原子 | 1molと呼びその質量は | 原子量 | gである。 |
分子 | 分子 |
分子量 |
|||
イオンの組 | イオンの組 | 式量 |
5.化学反応の量的関係
NaCO3 | + | H2SO4 | → | Na2SO4 | + | H2O | + | CO2 |
1個(組)と | 1個が反応して | 1個(組)と | 1個と | 1個ができる。 | ||||
1molと | 1molが反応して | 1molと | 1molと | 1molができる。 |