校長室より

校長室より

令和2年度3学期終業式式辞

 式辞

 みなさん、おはようございます。月日のたつのは早いもので、今日が令和2年度の終業式となりました。1年間、命に関わるような事故が無く、このように終業式が迎えられますことをうれしく思います。 
 新型コロナウイルスの影響でいろいろなことが大きく変わった一年でした。これまで当たり前にできてきたことの有難さを本当に実感させられました。発生から一年が経過してもまだまだ予断を許さない状況です。マスクや手洗い、ソーシャルディスタンスなど、これからも十分に対策を取っていかなければなりません。
 今日は終業式ですので、この1年間を振り返り、反省すべきは反省をし、自分を褒めるべきところは褒めて、自信にして欲しいと思います。
 昭和を代表する作家の一人に吉川英治がいます。
 昭和37年に亡くなった吉川英治さんは、「宮本武蔵」「新・平家物語」「三国志」など今も多くの人たちに愛読されているすばらしい作品をたくさん残した有名な作家です。この吉川さんは小学校しか出ていません。父親が事業に失敗し貧乏のどん底に落ちてしまったため、小学校も途中でやめ、働かざるを得ませんでした。それからは、造船所の職人、行商人など、たくさんの職業を次々と変えながら、自力で勉強と修行を続け、ついに自分の進むべき道を見つけ出し、小説家となりました。
 この吉川英治さんが生き方の指針としていたことが「われ以外皆我教師」という考え方です。「自分以外は、すべてが自分の先生である」「どんな人でも、山も河も、草も木も鳥も虫も、およそこの世にあるすべてから学ぶのだ」こう考えて生きていったのです。
世の中にあるものはすべて自分の先生であると言うと、世の中には悪い人間もいる、常に人を騙して自分の利を得ようとする者、人のものを盗む者など、そういう人間も自分の先生になるのか、こんな疑問が湧いてくると思います。吉川さんはおそらく、そういう人もやはり自分の先生だと考えたのではないかと思います。そのような「反面教師」、つまり逆の意味の先生からも、こうなってはいけない、それは人間として間違っている、ダメということを身をもって教えてくれる先生だと吉川さんは受け止め、学ぶべきところを吸収していったのではないでしょうか。
 「朝の来ない夜はない」 彼が残した言葉で私が最も大事にしているものです。父親が事業に失敗した後、とても辛い時期がありました。しかしそれを乗り越えて振り返ってみたときが、人生の中で一番愉快なときであったと言っています。そして次の波がきたときも、この言葉を胸に次もきっと乗り越えてみせると自分に言い聞かせたそうです。この言葉からも、まさに逆転の発想をもって、苦境に立った時でも、そこから何かをつかみ取って、生きていくことの糧を得ようとする意気込みが感じられます。
 校内の桜が咲き始めました。まさに君たちを応援してくれています。1年生は2年生に、学校の中心になります。2年生は3年生に、最高学年として学校の顔になります。「朝の来ない夜はない、そして朝はいつも新しい」 君たちの前途に幸あれと祈念して、式辞とします。

令和2年度卒業証書授与式 式辞

 式辞
 穏やかな早春の日差しを浴びた校庭の桜の木々も日増しに蕾をふくらませ、春の訪れを感じさせる今日の良き日、保護者の皆様のご臨席を得て、ここに第七十三回兵庫県立高砂高等学校卒業証書授与式を執り行うことができますことを、深く感謝申し上げますとともに、心よりうれしく思います。
 さて、ただいま、卒業証書を手にされた卒業生二百三十六名の皆さん、改めて卒業おめでとうございます。高砂高校での三年間は皆さんにとって単なる時間の経過ではありません。特に二年生の後半からこれまで、新型コロナウイルスの影響でいろいろなことが大きく変わった一年でした。五月いっぱいまでの臨時休校、そして六月からの分散登校、何とか授業が行われるようになったのは六月の後半からでした。文化祭の中止、そして皆さんにとって最後の大会や発表会の中止。これまで当たり前にできてきたことの有難さを本当に実感させられました。発生から一年が経過してもまだまだ予断を許さない状況です。そんな状況の中でも皆さんは勉強そして部活動といろいろな制限のある中、本当によく耐えて頑張ってくれました。これは皆さんの努力はもちろんですが、支えてくれた家族や、友人、先生方の協力のお陰だと思っています。一人ではできなかったことも、支えてくれた人たちがいたから達成できた高校生活を忘れないで下さい。皆さんと一緒に行くことができた北海道への修学旅行は、私にとっても大切な思い出です。
 卒業生の皆さん、新たな旅立ちには新たな決意が必要です。このような難問山積の中で、社会の荒波に船出するみなさんに、私は餞として次の言葉を贈ります。それは、「順境におごらず、逆境にくじけず」です。

 順境の時は楽観的になり、つい調子に乗ってしまったり、強気になってしまいます。また、うまくいくと自分の力を過信し、傲慢になったり、うぬぼれや慢心にもなりやすいものです。うまくいっているのは決して自分だけの力ではありません。周囲の方々のお陰です。順境の時こそ、謙虚であるべきです。「おごるなよ 月の丸きも 一夜限り」満月も次の日からは欠けていきます。いつまでもうまくいくとは限りません。うまくいっている時ほど、決しておごらず、お陰さまという感謝の気持ちで慎むことを忘れないで下さい。  また逆境の時は悲観的になりやすいものです。辛いこ と、悲しいこと、苦しいこと、時には人生を投げ出し  たくなることもあるかもしれません。そんな時は、弱気になったり、自暴自棄になってしまいがちです。でも、そこでくじけず、じっと我慢して耐える心の強さ  を持って欲しいと思います。
 「雪に耐えて梅花麗し」これは厳しい冬の寒さ雪の冷たさに耐えて咲く、梅の花の凛とした美しさを詠ん だ西郷隆盛の詩の一節です。厳しい寒さに耐えてこそ梅の花は一層きれいに咲きます。困難は自分を成長させてくれます。逆境は自分を強くしてくれます。「明けない夜はない」「やまない雨はない」我慢して頑張り続ければ必ず光は見えてきます。
 そして順境であれ、逆境であれ、どんな時も誠実であることです。「至誠にして動かざる者、いまだこれあらざるなり」中国の孟子の言葉です。誠を尽くして人に接すれば、心を動かさない者はいない、という意味で吉田松陰も好んだ言葉です。誠実であることは信頼につながります。そして信頼はいつもあなた自身を守ってくれる、何ものにも代えがたい尊い財産になるのです。
 順境にもおごらず、逆境にもくじけず、そしてどんな時も誠実な人であって欲しいと思います。
 保護者の皆様、本日は、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。心よりお慶び申し上げます。心身ともに大きく成長した卒業生の姿を見て、頼もしく思います。この三年間、本校の教育活動にご支援、ご協力をいただき、誠にありがとうございました。今後とも本校に対する変わらぬご支援、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い致します。
 卒業生の皆さん、いよいよお別れの時が来ました。皆さんが、三年間通ったこの学び舎、三年間歌い続けた校歌、三年間心に刻んだ思い出を胸に、それぞれの道を力強く歩んでくれることを、心から期待しています。母校である高砂高校は、いつまでも皆さんを応援しています。
 新しい世界に羽ばたいていく皆さんに、幸多かれと祈念して、式辞と致します。
 令和3年2月27日
  兵庫県立高砂高等学校長 佐野 正明

   

令和3年2月4日 生徒集会でのお話です。

   「春に思うこと」
 新型コロナウィルス対策として緊急事態宣言が3月7日まで延長されることになりました。感染状況によっては短縮される可能性もあるということですので、マスク対策、手洗い、三密を避ける行動をより一層行っていかなければなりません。
 海外でも感染者の累計数が一億人を超えたりと暗いニュースが続いていますが、この封じ込めに成功した例として台湾が注目されています。中でもその対策の中心として注目されているのが、40歳のデジタル担当大臣のオードリー・タンさんです。1月30日放送の「読売テレビ」の教育・バラエティー番組である『世界一受けたい授業』にも出演されていましたので知っている人も大勢いると思います。台湾では国民全体にマスクを供給するためのマスクマップの作成や、トイレットペーパーの買い占めを防ぐための宣伝方法(誰でもお尻はひとつしかない)など様々な対策が取られ、封じ込めに成功しています。私が最もすばらしいと感じた点は「私は政府とともに働いている。政府のためにではない。」と言い切っていることです。そのためあらゆる必要な対策が取られている。ITに関しても、「ひとりも置き去りにしない」ために、マスクの供給に関してもデジタルだけではなくアナログな方法も使って、国民全体が購入できるようにしている、今話題の5Gも都市からではなく地方から進めていくことにより、ネット環境の良くない地域の学習環境や健康管理を促進する、デジタル技術も高齢者にも使いやすいように改良して、逆に使い方を覚えた高齢者が周りの人にその使い方を教えています。そして彼(彼女?)自身、自分をトランスジェンダーとカミングアウトしています。そのため男性だから、女性だからということから異なる視点で物事を考えることができる。つまりこれまでのやり方では解決が困難な問題に対しても新たな解決法のきっかけを見つけ出すことができるかもしれない。
 先が見えない今の状況だからこそ、政府の方針だけに頼るのではなく、自分ができることに進んで取り組んでいく、そして周りに発信していく。一人一人は微力だが無力ではない。同じ価値観を持ち、目指す方向への共通認識があれば、共に話し合い、協力し合うことで社会を前進させることが可能になります。暦の上ではもう春になりました。私たちもここから新たなスタートを切りたいと思います。

理科の散歩道8

理科の散歩道8

今回は、次の問題を考えてください。
【問題】
ビンの中に長さの違う2本のローソクが入っています。さて、火を付けてビンにフタをすると、どちらが先に消えるでしょう?
この問題を解くときの条件がいくつかあります。
・空気は窒素78%、酸素21%、アルゴンその他1%の混合物です。
・酸素はローソク中の炭素と燃焼して二酸化炭素に変化します。
・分子量は窒素28、酸素32、二酸化炭素44です。
さて答えは次のいずれかです。
①長い方が先に消える。
②短い方が先に消える。
③両方同時に消える。

 わかりましたか?答えは次の動画で確認して下さい

   解答(ココクリック)

令和3年1月8日 令和2年度 3学期始業式 式辞

令和2年度 3学期始業式 オンライン&校内放送にて

 皆さん、明けましておめでとうございます。いい年を迎えることができましたか。今日は3学期の始業式です。2学期の終業式でも触れましたが、「ジタバタする」ということについて話をしてみたいと思います。
 人生という長い道のりの中では、遅かれ早かれ誰もが大きな壁にぶつかります。途方もない大きな壁を前に、悩んだり、苦しんだりします。学校を卒業したばかりの新入社員を対象とした入社式などで、会社の社長や会長などがよくこんなことを言ったりします。「今日からみなさんは社会人です。いつまでも学生時代のような気分でいてもらっても困ります。社会人になると、いろいろな困難な壁、大きな壁にぶつかります。けれども、壁にぶつかっても決してくじけることなく、頑張って乗り越えていってください。」ただ頑張って乗り越えろと言われても自分の力では到底乗り越えられないこともしょっちゅう起こります。もっと言えば乗り越えられないもののことを壁というのです。では人生でも、仕事でもこれから直面するであろう大きな壁を前にしたとき、どうすればいいのでしょうか。そこにはこれが正解というものはありません。ただある人はこう答えました。「大きな壁にぶつかったときに、大切なことはただ一つ。壁の前でちゃんとウロウロ、ジタバタしていること。ちゃんとウロウロ、ジタバタしていれば、たいてい大丈夫。」
 ここで大事なのはどうしよう、どうしようと、とにかく立ち止まらずに壁の前を行ったり来たりすることです。そうすれば偶然、壁の下に小さな穴が見つかったりすることがある。その穴を一生懸命掘っていくと、わずかに通り抜けられるくらいのトンネルができたりする。そこに勇気を持ってもぐり込んでもがいているうちに壁の向こうにたどり着いたりすることがある。その穴は行動せずに立ち止まっていただけでは見つからなかったかもしれません。また何日も何日もウロウロしていたら、突然壁に亀裂が走ってガラガラと勝手に崩れてしまって壁の向こうに行くことができた。また偶然ヘリコプターがやってきて、そこからロープが降りてきて、それに必死につかまっていたらいつの間にか壁の向こう側に連れて行ってくれた。
 壁の前でちゃんとウロウロ、ジタバタしていると、いつかそんなことが起こります。ときには誰かの力をかりて試練をくぐり抜けて行くことができます。  




12月24日 令和2年度 2学期終業式 式辞

令和2年度 2学期 終業式  校内放送にて

 皆さん、おはようございます。新型コロナウイルス対応に追われた一年でしたがまだまだこれからが正念場です。正月という大事な行事を各ご家庭で迎えられることだと思いますが、十分気をつけてこれからの時期を過ごして下さい。今日は2学期の終業式です。期末考査も終わってほっとしているときだと思いますが、「勉強する意味」について話をしてみたいと思います。
 こんな質問があったそうです。「なぜ勉強しないといけないんですか。勉強して将来役に立つことが本当にあるんですか。自分には勉強する意味がわからないからする気がしない。」みなさんはどう答えるでしょう。
 「勉強することは必ず将来役に立つ。勉強することで筋道を立てて考えることができるようになれば、将来、仕事にも生活にもぜったいプラスになる。」そんなふうに答える人もいるかもしれません。
 ただある人はこう答えました。「学校で勉強していることで、社会に出てそのまま役に立つことなんてほとんどない。」私は理科の教師ですが、高校で習う数学が今解けるかというと、解けないことの方が多いと思います。漢字テストも自信がありません。世界史も日本史も覚えていません。学生時代の勉強をすっかり忘れてしまった私ですが、だからといってそのことで日々の生活で困っているわけではない。
 あまりみなさんを悩ませてもいけませんから結論からいうとこうです。「勉強していろいろなことがわかるようになるということもあるが、本当はわからないことがたくさんある。勉強はわからないということに慣れる練習をしている。」  
 学校を卒業して社会に出ると、毎日が本当にわからないことだらけです。どんなふうに仕事をすればよいのか。将来の人生設計をどうすればよいのか。悩みは尽きません。筋道を考えてよく計画し、行動しようとしても、作戦通りにいかないことがほとんどです。そもそも作戦や戦略を立てて何かをすることが成功するのは、社会の仕組みやルールがよく整備されていて、その中身を完璧に理解できているときだけです。でも社会はそれほど完璧ではない。いろいろなことが複雑に絡み合っている。筋道を立てようとしても、立てようがない。
 だとすればよくわからない社会を毎日生きる上で最も大切なことは何か。それは「わからない」ということで簡単にあきらめないことです。逃げ出さないことです。別の機会にまた話をしますが、逃げ出さないでその場でジタバタする(ウロウロする)ということです。
 「わからない」から不安だとか、つまらないとか思わない。むしろ「わからない」からおもしろいと思えるかどうかです。
私の話は以上です。

理科の散歩道7

毒 「食い合わせ」とは

 「食い合わせ」という言葉を辞書で引くと、「2種類以上の特定の食物を同時に食べて中毒を起こすこと。また、その食物のとり合わせ。」(旺文社 国語辞典)とあります。昔の人はいろいろな食い合わせを残しています。いろいろと調べてみました。代表的なものには次のようなものがあります。
  「ウナギ-梅干し」、「スイカ-天ぷら」、「ニンジン-大根」、「タコ-ワラビ」、「そば-タニシ」、「カニ-氷」、さるかに合戦からきているとは思えませんが、「カニ-柿」というのもあります。
 実に様々な組み合わせがあります。ただ、この21世紀の世の中にこれらが残っているということは何か理由があるはずです。これらの組み合わせをよく見てみると、腐りやすいものが含まれていたり、「スイカ-天ぷら」のように「水-油」といった混ざりにくいものになっている場合が多いということです。昔は冷蔵庫などもなく食品の保存状態はよくありませんでした。食品自体が腐っていたり、体力が落ちているときに混ざりにくい組み合わせのものを食べて体調を崩すことは大いに考えられます。ただ食品が新鮮で体の調子も十分なときに、これらのものを食べて「毒」ができるということはありません。
 ところが本当に毒ができる食い合わせがあります。それはジメチルアミン(漁港などでよく嗅ぐ魚の匂いのもと)と亜硝酸(野菜などに含まれる成分)の組み合わせです。これらを一緒に食べると、胃の中の酸性の条件下で、発ガン性や急性毒性の高いジメチルニトロソアミンが生成します。サンマの塩焼きと大根おろしの組み合わせを考えてみます。サンマ、大根はそれぞれジメチルアミン、亜硝酸を成分として含んでいるので大変です。しかし、このジメチルニトロソアミンの生成を止める特効薬があります。それがビタミンCです。実は生の大根にはこの成分も多く含まれており、大根おろしを食べればこの毒の生成が抑えられます。ビタミンCは果実や緑黄色野菜に多く含まれています。食事のときにこれらのものを食べることは、ガンを予防するためにも大変効果的かも知れません。

理科の散歩道6

砂金掘り ロマンを求めて
 今から約150年ほど前、アメリカ西部で次々に金鉱が発見されゴールドラッシュが起こりました。金はいつまでも変わらないその美しい輝きゆえに多くの人を引き寄せます。「金山を掘り当てて大金持ちに」とはいかなくてもその金が川で簡単に手に入るとなればどうでしょう。何だかワクワクしてきます。私も数年前に川での「砂金掘り」を教えてもらって以来、時々出かけて行くようになりました。
  ただ川ならばどこにでもというわけではありません。砂金が集まるポイントがあります。理想的な場所は大きく川が蛇行しているその内側、そして水面から基盤岩が出ているところです。そういった場所の岩の隙間や草の根っこの砂や泥の中に含まれています。理由は単純です。それは金の比重がとても大きいということです。金の比重は19.3もあります。これだけ大きいと少々のことでは流されません。大雨などで川が増水し、流速が大きくなったときにようやく移動し岩の隙間や草の根っこの中にもぐり込みます。その後、比重の軽い砂や泥はどんどん流されても砂金はしっかりとそこに残ります。それにもともと金はごく僅かしかありません。河口付近にも当然存在するはずですが、そのような場所では大量の土砂に埋もれてしまいとても見つけられません。
 「砂金堀り」は岩の隙間や草の根っこの砂や泥を集めることから始まります。集めた砂や泥はザルでこして、中に入っている小石などを除いていきます。そして残ったものを「パンニング皿」(砂金採集用の特殊な皿)に入れて、ゆすりながらていねいに軽い砂や泥を川の流れを利用して流していきます。この作業を続けていくとやがて黒い砂鉄だけが残ります。砂鉄は砂よりも比重はかなり大きい(約5~6)ですが、砂金の比重はその砂鉄の約3倍です。砂鉄を注意深く動かしていくとその中にじっとして動かない金色に光る砂金が見えてきます。
 直径は0.1mm程度もあればいい方で、長時間の作業でも数粒しかとれません。一日のアルバイト代がこれではとても生活できません。しかし普通の川でも砂金がとれるというのは「ロマン」です。以前、テレビの特番で「埋蔵金探し」をよくやっていました。あの番組のように見つければ大金持ちになるわけではありませんが、全身筋肉痛になりながらも自分で見つけた砂金にはとても愛着を感じます。 
 ただ川には危険な場所も多く存在しています。12年前の神戸市灘区の都賀川での事故のように急に増水する可能性も十分あります。天候にも十分気をつけて、また決して子供達だけで行かないようにして下さい。