2025年4月の記事一覧

お祝い 令和7年度入学式式辞より

 

本校は、昨年度、創立50周年を迎えました。そして、皆さん51回生の入学とともに、51年目の、新しい半世紀の歴史を歩み始めました。新しい歴史をともに作っていく皆さんの入学を歓迎します。

  今日から皆さんは、ここ姫路別所高等学校で学ぶことになります。

「学ぶ」とは、「見習って知識・知恵・技術などを身につける。教えを受けて知識や技術を習得する」という意味です。この「学」の字を使う「学ぶ」という言葉を、昔の人は「まねぶ」と呼んでいました。意味は、今と同じ「学ぶ」という意味もありますが、「まねをする」という意味で使われる方が多かったようです。学ぶとは、真似をすることによって、自分の中になかった知識や技術を、見習い、教えを受けて自分の中に取り込むという意味のようです。

 有名アスリートも一緒です。今、アメリカ大リーグで大活躍の大谷選手は、大リーグに行ってから、打席で右足を上げなくなったそうです、他の大リーグ選手のように。足を上げるわずかな時間の分、ピッチャーが投げるボールに対してタイミングが遅れてしまうことへの対応だそうです。繰り返しかたちを真似ることによって、次第に自分の身体の動きに馴染んで自分のものになります。そのときに、理解した、体得したということができるのだと思います。

 スポーツ以外に、作文でも同じのようです。ぼる塾の田村さん推薦の『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない―自分の言葉でつくるオタク文章術』の作者三宅香帆さんは、「『お手本』を真似するのは、上達への近道」とアドバイスしています。

 高等学校生活でも同じです。先生の教えを、学校生活や部活動の先輩を真似してください。真似をしながら、「なぜそうするのか」を考えてほしい。それを繰り返していくうちに、真似したことが身につき、自然にできるようになります。

 本校は、これまで先生方と皆さんの先輩が力を合わせて学校づくりに取り組んできました。ここにしかない高校生活が待っています。明日のことを考えたり、卒業後の進路を考えたり、学校行事や授業、部活動や日常の生活の中で、「今ここ」の時間を大切にし、早く、先輩たちと同じように姫路別所高等学校になじんでほしいと願っています。

 さて、本校は、昨年10月、50周年記念式典を行いました。本校は、昭和50年に兵庫県立姫路東高等学校御国野校舎として開設され、翌年、別所町北宿のこの地において開校しました。歴史とは過去の積み重ねです。50周年の歴史と言われても、皆さんにとって実感が湧かないことでしょう。しかし歴史は、今生きている私たちが作るものです。皆さんが、51年目の今からの歴史を作るのだということをわかっておいてほしいのです。

 ですから、皆さん、「今この時」を大切にしてください。「今この時」に何をすべきかを自分でしっかり考え、行動に移していきましょう。そうすることが、きっと皆さんの未来を切り開いていくことになるはずです。また、充実した高校生活を送ることが、思い出深い、すばらしい歴史を作ることになると信じています。

 本校は、「『挨拶日本一の学校・遅刻ゼロの学校』に私たちはなる」を生活指針として、学習、生活の充実に取り組んでいます。挨拶とは、もともと中国の言葉で、相手が仲間かどうかを確認することを表しているそうです。挨拶を交わすことで、お互いの存在を確かめ合い、認め合うことができる。挨拶はお互いの心を和ませます。自分から進んで相手の心を和ませてみようではありませんか。また、遅刻ゼロの学校とは、そこで一日を過ごしたいと思える学校、充実して過ごせる学校、行きたい学校だと私は考えます。本校の校訓「友愛 責任 自立」を仰ぎ、この学び舎でともに過ごす生徒の皆さんと先生方が心を合わせ、互いを尊重しあい、力を合わせて、毎日通いたい学校、誰にも誇れる学校生活の実現に向けて取り組んでいきましょう。

 保護者の皆様、地域の皆様、子どもたちが高校での三年間を充実したものとするためには、生徒自身の努力はもちろんですが、皆様と私たち教職員がともに協力し、支え合っていくことが何よりも大切と考えます。気になること、不安なことなどございましたら、いつでもご相談ください。私ども教職員一同は、皆様の期待をしっかりと受け止め、生徒を信頼して全力で教育に当たります。どうか本校の教育方針をご理解いただき、ご協力くだいますようお願い申し上げまして、式辞といたします。