兵庫県立網干高等学校通信制課程いじめ防止基本方針


平成29年4月1日
兵庫県立網干高等学校 通信制課程

1 学校の方針

 本校通信制課程は、「ともに学ぶ」をスローガンに、生徒相互間や生徒教師間において共に励まし合い、支え合う環境を築き、自学自習を主体とした通信制学習を進めている。通信制課程では、登校回数が限られているが、生徒にとって、安心安全、かつ心安らぐ学習環境を整備し、学習活動に取り組むことが楽しくなるように、有意義で充実した教育活動を提供する努力をしている。
 これらのことを踏まえていじめ防止に向け、本校の教員すべてがいじめという行為やいじめ問題に取り組む基本姿勢について十分に理解し、組織的にいじめ問題に取り組むことができるよう日常の指導体制を整備し、未然防止・早期発見・早期対応の充実を図るため、この基本方針を定める。

 

2 基本的な考え方

 通信制という学習形態のため、全日制課程や定時制課程等とは異なり、生徒の登校回数が限られている。さらに生徒同士の人間関係が希薄なこともあり、いじめという行為を生じさせにくい現状がある。しかし、本校には多くの不登校経験者が在籍しており、小中学校時代にいじめを受けた生徒もいる。
 本校では「いじめはどの学校においても起こりうる」という認識の下に、いじめの未然防止・早期発見・早期対応に取り組むとともに、自他の生命を大切にする心、自尊感情や規範意識等の社会性を育成する教育の質を高めるとともに、生徒の好ましい人間関係づくりや豊かなこころを育てる教育を推進する。
 特に社会の情報化に対応したインターネットやスマートフォン等を通じて行われるいじめについては、未然防止を図りながら、適切かつ速やかに対応する。

 

3 いじめの防止等の指導体制、組織的対応等

(1) 日常の指導体制
 いじめの防止等に関する措置を実効的に行うため、管理職を含む複数の教職員、心理等に関する専門的な知識を有するその他関係者により構成される日常の教育相談体制、生徒指導体制などの校内組織及び連携する関係機関を別に定める。別紙1 校内指導体制及び関係機関
 また、いじめが教職員や大人が気づきにくいところで行われ、潜在化しやすいことを認識し、教職員が生徒の小さな変化を敏感に察知し、いじめを見逃さず、早期発見のためのチェックリストを別に定める。 別紙2 チェックリスト

(2) 未然防止等の年間指導計画
 いじめの防止の観点から、学校教育活動全体を通じて、いじめの防止に資する多様な取組を体系的・計画的に行うため、包括的な取組の方針、いじめの防止のための取組、早期発見のあり方、いじめへの対応に係る教職員の資質能力向上を図る校内研修など、年間の指導計画を別に定める。 別紙3 年間指導計画

(3) 組織的対応
 いじめの疑いに関する情報を把握した場合やいじめを認知した場合はいじめの事実確認を行い、情報の収集と記録、情報の共有、いじめの事実確認を行い、迅速にいじめの解決に向けた組織的対応を別に定める。 別紙4 組織的対応

 

4 重大事態への対応

(1) 重大事態とは
 重大事態とは、「いじめにより生徒の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき」で、いじめを受ける生徒の状況で判断する。本校の場合、たとえば、身体に重大な傷害を負う、精神性の疾患を発症するなどのケースが想定される。また、生徒や保護者からいじめられて重大事態に至ったという申立てがあったときは、校長が判断し、適切に対応する。

(2) 重大事態への対応
 校長が重大事態と判断した場合、直ちに、県教育委員会に報告するとともに、校長がリーダーシップを発揮し、学校が主体となって、いじめ対応チームに専門的知識及び経験を有する外部の専門家である保護司、及び民生児童委員等を加えた組織で調査し、事態の解決にあたる。なお、事案によっては、県教育委員会が設置する重大事態調査のための組織に協力を得、事態の解決に向けて対応する。

 

5 その他の事項

 誰からも信頼される高校をめざしている本校は、これまでも情報発信に努めてきた。いじめ防止等についても、地域とともに取り組む必要があるため、策定した学校の基本方針については、学校のホームページなどで公開するとともに、学校評議員会や保護者会、地域懇談会などあらゆる機会を利用して保護者や地域に情報発信に努める。
 また、いじめ防止等に実効性の高い取組を実施するため、学校の基本方針が実情に即して効果的に機能しているかについて、「いじめ対応チーム」を中心に点検し、必要に応じて見直す。学校の基本方針の見直しに際し、学校全体でいじめの防止等に取り組む観点から生徒の意見を取り入れるなど、いじめの防止等について生徒の主体的かつ積極的な参加が確保できるよう留意する。また、地域を包括した学校の基本方針になるように、保護者等地域からの意見を積極的に聴取するように留意する。