兵庫県立高砂南高等学校いじめ防止基本方針

 

兵庫県立高砂南高等学校

1学校の方針

校訓「自主自立質実剛健友愛協調」にうたう建学の精神に基づき、こころ豊かな人づくりに取り組み、高い知性と優れた徳性、たくましい体を兼ね備え、広い視野をもって社会に貢献する人材を育成する。

また、全校生徒が安心して学校生活を送り、充実した学習に取り組めるよう、教職員が生徒とともに、いじめを抑止し人権を尊重する意識をはぐくみ、いじめを許さない学校づくりを推進する。

そのため、日常の指導体制を定め、いじめの未然防止を図りながら、いじめの早期発見に取り組むとともに、いじめを認知した場合は適切かつ迅速に解決するために、いじめ防止基本方針(いじめ防止全体計画)を定める。

本校では、平成29年度、いじめ防止基本方針の見直しを行い、独自に「いじめ」の状態を段階的に整理し、程度の異なる「いじめ」に対応できるようにした。さまざまな生徒が生活する学校においてはクラス行事や部活等の、コミュニケーションの中で人間関係上のトラブルが生じることはむしろ自然なことであり、生徒はその中で人間関係の修復や再構築をしながら社会性を身につけていく。しかし他者への配慮が不足した発言、行為で相手が心的負担を感じたケースの実態は把握されなければならない。事案によって指導が必要なケースも出てくる。本校では、いじめに対する問題意識を高めるために、生徒も教師も日常生活の中で相手の気持ちを思いやる態度を身に着けることを重視している。何気ない発言でも相手が傷つくことがあるということに気付かせるためには、そのような状況が発生したことを生徒が懸念なく報告できる環境を整備する必要がある。生徒が勇気を持って報告した事案が、適切に処理され解消される、あるいは指導により解決に向かうという学校への信頼が不可欠であり、その信頼があって初めてアンケートや面談、平素の会話からいじめを発見できると考えている。

以下の3段階にいじめを区分する。

レベル1加害生徒と被害生徒の間で関係修復が見込める状態で、教員の指導による解消を必要としない状態。

レベル2加害生徒と被害生徒の間では関係修復が困難で、教員の関与を要し、生徒指導上特別な指導が必要な状態。

レベル3加害生徒によって被害生徒の身体、精神の安全が侵害され加害生徒の存在により被害生徒の学校生活が脅かされる状態。

このようにいじめを区分することによって、これまで見逃してきた可能性のあるレベル1の事を

把握できるようになった。いじめの解消の第一歩はいじめを認知することだといわれる。いじめがあることが問題である前に、いじめを認知できないという大きな問題が存在する。すべてのいじめを把握し、それぞれの問題点に丁寧に向かい合うことで、本校のいじめに対する姿勢が築かれると考える。

 

 2基本的考え方

本校は、古い高砂の市街地に立地し、地域からの厚いまなざしのなか、伝統の上にさらなる発展を目指している。近郊には大手企業が隣接するも風光明媚な海岸線が残っている。

本校は、生徒指導の厳しい学校とのイメージは薄れつつあるが、規律を守る風土はしっかり受け継がれている。東日本大震災をはじめ様々なボランティア活動や地元関係機関と連携した体験活動を充実させるなどの教育活動に取り組んできた。

いじめについては、校長のリーダーシップのもと、「いじめは、どの学級にも学校にも起こり得る」

という認識をすべての教職員がもち、好ましい人間関係を築き、豊かな心を育てる「いじめを生まない土壌づくり」に取り組むために、以下の指導体制を構築し、いじめの防止等を包括的に推進する。

 

3 いじめ防止等の指導体制等

(1) 日常の指導体制

いじめの防止等に関する措置を実効的に行うため、管理職を含む複数の教職員、心理等に関する専門的な知識を有するその他関係者により構成される日常の教育相談体制、生徒指導体制などの校内組織及び連携する関係機関を別に定める。 別紙1 校内指導体制及び関係機関

また、教職員や大人が気づきにくいところで行われ、潜在化しやすいことを認識し、教職員が生徒の小さな変化を敏感に察知し、いじめを見逃さず、早期発見のためのチェックリストを別に定める。

別紙2 チェックリスト

(2) 未然防止等の年間指導計画

いじめの防止の観点から,学校教育活動全体を通じて,いじめの防止に資する多様な取組を体系的・計画的に行うため,包括的な取組の方針、いじめの防止のための取組、早期発見の在り方、いじめへの対応に係る教職員の資質能力向上を図る校内研修など、年間の指導計画を別に定める。

別紙3 年間指導計画

(3) 組織的対応

いじめの疑いに関する情報を把握した場合やいじめを認知した場合は、情報の収集と記録、情報の共有、いじめの事実確認を行い、迅速にいじめの解決に向けた組織的対応を別に定める。

 

4重大事態への対応

(1)  重大事態とは

重大事態とは、「いじめにより生徒の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき」で、いじめを受ける生徒の状況で判断する。本校の場合、たとえば、身体に重大な傷害を負った場合、精神性の疾患を発症した場合などのケースが想定される。

また、「いじめにより生徒が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがある場合と認めるとき」であるが、「相当の期間」については、不登校の定義を踏まえ、年間30日を目安とする。ただし、生徒が一定期間、連続して欠席しているような場合には、適切に調査し、校長が判断する。

また、生徒や保護者からいじめられて重大事態に至ったという申立てがあったときは、校長が判断し、適切に対応する。

(2)  重大事態への対応

校長が重大事態と判断した場合、直ちに、県教育委員会に報告するとともに、校長がリーダーシップを発揮し、学校が主体となって、いじめ対策委員会に専門的知識及び経験を有する外部の専門家である保護司、及び民生児童委員等を加えた組織で調査し、事態の解決にあたる。

なお、事案によっては、県教育委員会が設置する重大事態調査のための組織に協力し、事態の解決に向けて対応する。

 

5 その他の事項

誰からも信頼される学校をめざしている本校は、これまでも情報発信に努めてきた。いじめ防止等についても、地域とともに取り組む必要があるため、策定した学校の基本方針については,学校のホームページなどで公開するとともに、学校評議員会やPTA総会をはじめ、学年懇談会、三者懇談会、家庭訪問などあらゆる機会を利用して保護者や地域に情報発信に努める。

また、いじめ防止等に実効性の高い取組を実施するため,学校の基本方針が、実情に即して効果的に機能しているかについて、「いじめ対応委員会」を中心に点検し、必要に応じて見直す。学校

の基本方針の見直すに際し、学校全体でいじめの防止等に取り組む観点から生徒の意見を取り入れるなど、いじめの防止等について生徒の主体的かつ積極的な参加が確保できるよう留意する。また、地域を巻き込んだ学校の基本方針になるように、保護者等地域からの意見を積極的に聴取するように留意する。

(令和2年4月改訂)