兵庫県立鳴尾高等学校 |
国際文化情報学科 活動の記録
帆足正規先生による特別授業
帆足 正規先生による特別授業
1月22日(木)4限および25日(月)3限に、2年8組国際文化情報学科の「国際文化」の授業の一環として、「私の進路選択(学問との出会い・西宮での戦争体験)」「能楽入門」という論題で、2回にわたり授業を受けさせていただきました。
講師は、重要無形文化財総合指定保持者で、日本能楽会会員で笛方として現在も活躍されている、帆足正規(ほあし まさのり)先生です。先生は旧制鳴尾中学校2期生で、戦時を鳴尾の地で過ごされました。昭和20年8月5日から6日にかけての西宮空襲にもあわれ、肉親を失われるなどの苦労をされつつも、勉学に励まれて戦後は京都大学に進学し在籍時に本格的に能楽の道を目ざれました。
1日目は、両親の薫陶や旧制鳴尾中学の先生の指導をきっかけにした、古典文芸との出会い、「朝日新聞」阪神地区版でも取り上げられた、鳴尾の地での戦争体験なども含め、能楽の笛方として活躍されるまでの体験についてお話をしていただきました。
生徒にとってはなじみのない「鳴尾の地での軍事訓練」や「勤労動員による農作業」 「肉親を荼毘に付されたときの思い」などを聞き、戦争の愚かさを実感していました。
2日目はご専門である「能楽入門」題して、能楽の基本的な構成や簡略な歴史などについて、能面や扇などの実物もご持参いただき説明していただきました。
「能楽」には多様な文化を基礎として現在の姿が生まれていることや、能と狂言の違い、能楽を鑑賞する心得など生徒にもわかりやすく解説していただきました。
また英語の字幕をついた名演なども、ビデオ教材を交えて説明していただきました。日本の伝統文化に対する海外での高い評価などもお話しいただき、国際文化情報学科の生徒にとって、文化を通じた海外との相互理解を考える上でも、大変印象深い講義となりました。