政治的教養をはぐくむ取り組み

 6月17日(水)6限のLHRの時間、3年生は模擬投票をおこないました。

 選挙権が18歳に引き下げられ、政治的教養を高めることが急がれる高校生。まず、1月末に「選挙」の意義を集会で説明しました。続いて、昨夏の参議院選挙を題材に模擬投票を計画しましたが、3月におこなうはずだったのがコロナウイルス感染拡大防止のための休校措置でできなくなり、このタイミングでの実施となりました。
 学校再開後の今月3日と10日、分散登校のため半分ずつの年次の生徒に、体育館で実際に流れた政見放送、実際に配布された選挙公報を資料に、候補者ごと・政策ごとのメモを取ってもらう時間を持ちました。
   
 それを受けて今週、自分で選んだ候補者に一票を投じる模擬投票をおこなったわけです。当日は、北区選挙管理委員会から本物の投票箱や記載台をお借りし、本物と同じ「材質」の投票用紙をいただくことができました。
   
 選挙結果は実際のそれと合わせて掲示しました。
    
 足を止める生徒も多く、関心の高さを感じました。事後のアンケートでもみなさんに問いましたが、「何を基準に候補者を選んだか」、また実際に選ばれた人と高校生のみなさんが選んだ人との違いの理由は何かなども、今後考えてほしいです。
   
 実は、地歴公民科を担当する私にとって、生徒諸君に政治に対する関心を持ってもらうことはずっと課題としてきたことでした。思えば教師になりたての25年ほど(!)前は、学校での政治的な問題に対する扱いは今ほどオープンでなく、現在では広く行われている、このような「実際におこなわれた選挙」を題材にすることも、先輩の先生方から止められたこともありました。アンケートからも分かりますが、やはり実際に近い形で体験することは、生徒のみなさんにも高い関心を持ってもらえたように思います。(地歴公民科 寺田)

<事後アンケートより>
●人まかせでいいと思っていたけれど、それはだめだと思った。自分にも、自分が住む地域のことを決める権利があるから、積極的に投票に行こうと思った。
●投票をするのは、思ったよりも簡単でした。
●リアルだと思った。もうすぐ自分も選挙にいく年になるから責任をもとうと思った。
●候補者の話す内容が全体的に抽象的で、内容が似たり寄ったりだったので、誰に投票すればいいのか決めるのが難しかった。政策の具体的な内容を知るためには、ネットを活用して自ら情報を得る必要があるが、政治に関心がない人からするとその作業が苦痛に感じると思う。若い人の投票率が下がっている理由が分かった気がする。
●自分達がこれから過ごしていく世の中をまとめてくれるリーダーは自分達で決めるしかなく、放置して、文句は言えないなと感じた。これからは、自分で足を運びに行きたい。
●1回やってみることによって、手順がわかったのでやってよかったです。