県高SAKURA Projext-X 活動記録→公式ブログ「県高生活」


1 趣  旨

本校には、これまで長年取り組んできた多彩な教育活動のリソースがあります。

  1. 明治35(1902)年に創立した旧制中学校、大正10(1921)年に創立した旧制高等女学校の流れをくむ、校訓に基づいたリーダー育成や主体性教育
  2. 平成21(2009)年から設置した自然科学類型から、現在のGLiS類型へとつながる理数教育
  3. 平成27(2015)年から国の支援を受けて取り組んだスーパーグローバルハイスクール(SGH)事業による課題研究や英語教育 等

 さらに、令和2(2020)年からの2年間は、これらのリソースを統合した総合教育プログラムを実施しています。県教育委員会からひょうごスーパーハイスクール事業の指定を受けて取り組む県高SAKURAプロジェクトです。

 また、本校は令和4(2022)年に創立120周年を迎えます。加えて、同年から、全国の高等学校で新しい学習指導要領が導入・実施されるとともに、本県の県立高等学校ではBYOD(Bring Your Own Device)によるICT活用が本格化します。

 そこで、この好機をとらえ、学校としてさらに大きく飛躍するため、新たな教育方針として県高スクール・ポリシーを定め、その一環として、新しい教育活動を加えてアップデートした県高 SAKURA project-Ⅹ(クロス)に取り組みます。


2 内  容

 県高 SAKURA project-X(クロス)では、グローカル・リーダーに求められる3つの心と4つの力を育成するため、次の5つの教育活動を実施します。

(1) 探究活動

 地域や世界の課題に正対し、生涯にわたって探究を深めることができるよう、高校3年間を通して系統立てた総合的な探究の時間を行うとともに、各教科・科目で主体的・対話的で深い学びの実現を目指した探究活動を進めます。

【活動例】

〇 X探究Ⅰ(第1学年,1単位)

地域の課題研究 + 伊丹市との連携

専門家による探究入門講義 年4回 + 大学との連携

〇 X探究Ⅱ(第2学年,1単位)

日本の課題研究

専門家による探究発展講義 年3回 + 大学との連携

〇 教科での探究活動

〇 探究活動の教員研修 + 大学、中学校との連携

 地域に開かれた探究活動発表会


(2) 理数活動

 理数を学ぶ意義を実感し、理数への関心を高められるよう、グローカル・リーダーズ・イン・サイエンス(GLiS)類型を設置し、自主性を重んじた探究活動や、地域企業や大学と連携した特殊講義、研究機関訪問を行います。

【活動例】

〇 サイエンスX探究Ⅰ(第1学年,1単位)

理数系の基礎的課題研究

理数教員4人配置

on-lineアプリの活用

〇 サイエンスX探究Ⅱ(第2学年,1単位)

理数系の発展的的課題研究

理数教員5人配置

専門家による指導 年3回 + 大学との連携

〇 理数特別講義,研究機関訪問等 + 大学、企業との連携

〇 理数系外国人英語助手による専門授業

神戸大学を訪問した特別講義

 
(3) 国際活動

 世界に視野を広げ、世界の人々と協働できる資質を身に付けるよう国際交流修学旅行を実施するとともに、英語でのコミュニケーション力を活かしてグローバルな課題の解決を目指した短期の留学を伴う選択科目を設置します。

【活動例】

〇 グローバルX探究(第2学年,2単位,選択20人)

世界の課題研究

夏季短期留学2週間 + NZ高校との連携

放課後での留学事前・事後指導

〇 国際修学旅行 + 台湾の姉妹校との連携

〇 on-line交流 + 海外高校等との連携

 台湾の姉妹校を訪問した国際修学旅行

 Link:台中市立台中第二高級中等学校
 
(4) ことば文化活動

 未来を創造し、新しい価値を発信する力を育成するため、地域の社会教育施設等と連携した演劇祭等を開催するとともに、各教科・科目で自分の意見を表明する議論、観察や調査のまとめ等の言語活動を行います。

【活動例】

〇 クリエイトX探究(第3学年,1単位)

集団創造 演劇制作 演劇人指導7人 + 市立劇場

個別創造 進路に応じた小論文作成

〇 俳句作成(懸賞応募)+ 柿衞文庫との連携

〇 生徒英語授業 + 小学校との連携

県伊祭(文化祭)の演劇フェスティバル

 
(5) 自主活動

 自立した人間として他者と共によりよく生きる力を身に付けるよう、創立以来培ってきた自由自治の校風を推進するとともに、PTAや緑窓会(同窓会)、地域等との協力連携体制を確立し、生徒会活動、HR活動、部活動を行います。

【活動例】

〇 自由自治の生徒会活動 + PTA・同窓会・地域との連携

〇 相互信頼を築くホームルーム活動 + PTA・同窓会・地域との連携

〇 将来も継続可能な部活動 + PTA・同窓会・地域との連携

 小・中学生を招いたラグビー・カーニバル


3 そ の 他

(1) 推進体制

 地域と連携協働した学習活動を円滑に実施するため連携する団体の代表者から構成する運営指導委員会を設置します。

【構成員】

・学識者

・自治会の代表者

・社会教育施設の代表者

・企業の代表者

・中学校の代表者

・PTAの代表者


(2) シンボル

 平成29年(2017)に緑窓会(同窓会)が、ワシントンDCから伊丹市へ贈られた里帰り桜の苗を校門からのアプローチに植えてくださいました。

 プロジェクトの鍵となる単語の頭文字をつなげるとSAKURAとなることから、地域だけでなく海外でも花を咲かさせる里帰り桜をプロジェクトのシンボルとします。

【単語の頭文字】

Science = 理数

Autonomy = 自主

Kotobabunka = ことば文化(固有名詞)

Universe = 国際

Research = 探究

Activity = 活動

 アプローチに植えられた里帰り桜