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兵庫県立小野高等学校
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令和4年度 研究発表大会及び講演会の開催(R4.12.9)
令和4年12月9日(金)、令和4年度研究発表大会及び講演会を、神戸市総合教育センターで開催し、科学部会の会員106名が参加しました。
講演は、文部科学省初等中等教育局視学官 藤枝秀樹氏にお越しいただき、「これからの高校理科教育を考える-新学習指導要領改訂のポイントと学習評価― 」について、大変丁寧に教えて頂きました。また、そのあと、8人7組の研究発表が行われ日頃の研究成果が伝えられました。素晴らしい発表だったと思います。7組の成果発表の後、県教育委員会高校教育課 北上景章指導主事と文部科学省 藤枝視学官から講評も頂きました。
01 R4科学部会研究発表大会次第.pdf ☜ 当日の次第
02 R4文部科学省視学官資料①.pdf 03 R4文部科学省視学官資料②【指導と評価の計画表】_演習用様式.pdf
☜ 文部科学省視学官の講演資料(動画のURLも参照のこと)
藤枝視学官の講演の概要は、「新学習指導要領の方向性」として、生徒が、①「何ができるようになるか」、②「何を学ぶか」、③「どのように学ぶか」で、重要なポイントは、「教師が教える」スタイルから「子供たちが学ぶ」スタイルへ変わり、主語は「子供たち」であるということで、「先生の授業を受けたら、何ができるようになるか?」と問われても答えらるかを知らされ、「何を知っているか」という学力観だけでなく「どのように問題解決を成し遂げるか」という学力観も重要であることを教えて頂きました。
また、「指導と評価の一体化」として、授業改善をせずに評価だけを変えようとしてもダメであり、理科としては 探究の過程を踏まえた授業改善の重要性が知らされました。高等学校では「探究」とつく科目が増えていますが、今なぜ「探究」か? ということについては、2030年の未来世界を想定し、予測困難な時代に日本を支える子供たちを育てませんか?という思いで、自ら考えて行動するツールとして、探究の手法を学んで解決策を見つけられ、困った問題が起こった時に解決できるツールが「探究」であるとも、後の講評で教えて頂きました。
学習評価は、①生徒の学習改善につながる、②教員の指導改善につながる の2つであり、学習評価の進め方についても教えて頂きました。また、観点別学習状況の評価で難しい「主体的に学習に取り組む態度」は、単元や授業の中で「試行錯誤した学習の状況を振り返る場面」を設定しておき、客観的に評価ができるようにワークシート等の中に振り返りの視点を入れておくことも事例を紹介いただきました。また、作成された動画も紹介いただき、校内の研修等にも活用できると思います。是非、ご活用ください。
まとめとして、「先生方に考えて頂きたいこと」として、① 生徒にどのような力を身に付けさせたいか?、② 授業の工夫や改善の余地はないか?、③ 成績をつけるだけの評価になっていないか?を意識し、授業の前に必ず意識していただきたい授業デザインのための「視点」として、① この授業の本質は何か、② この授業で身に付けさせたい能力は何か、③ その能力が育成できたかをどのように評価するのか、④ この授業は探究の過程のうち、どこを重視するのか、⑤ そのためにどのような環境づくり(問いかけ、準備、支援など)を行うのか を教えて頂きました。教師は、子供たちが「未来の創り手」となるように努めていく必要があり、教えることはもちろん、ファシリテータ―(目標達成のために計画立案し支援する人)となり伴走することが大切であると教えて頂き、教職員全員に伝えたいと思います。
研究発表頂いた内容を、会長、副会長、顧問の校長で審査して協議した結果、1位となった「物理の授業の実践報告~手作り演示教材を用いた体感する授業を目指して~」のテーマで発表頂いた県立須磨東高等学校 教諭 飯田洋祐先生 を研究協議の意見提示者として、2位であった「化学の原理法則を理解し「何ができるのか」について考える教材の開発~3Dプリンター活用編~」のテーマで発表頂いた県立大学附属高等学校 主幹教諭 那須健治 先生を研究発表者として、来年度8月2~4日に実施される全国理科教育大会和歌山大会に推薦することになりました。
研究協議のコーディネーターや研究発表の座長にも、兵庫県から5人の校長先生に協力いただきます。近畿ブロックで実施されますので、兵庫県からも協力する全国大会ですので、多くの先生方にご参加いただきたいと思っております。
最後に今回の研究発表大会で準備や当日のお世話を頂きました、神戸支部、淡路支部の先生方、ありがとうございました。今後とも、科学部会の活動へのご参加をよろしくお願いいたします。
科学部会会長(県立大学附属中学校・高等学校長) 小倉 裕史