兵庫県立
あわじ特別支援学校
Hyogo Prefectural Special-Needs Education School
兵庫県立
あわじ特別支援学校
Hyogo Prefectural Special-Needs Education School
(1)教育方針
児童生徒一人一人のニーズに応じた教育的支援を行い、自立や社会参加に必要な能力の伸長に努める。また、特別支援学校のセンター的機能を充実させ、特別支援教育の理解・啓発を推進する。
(2)本年度の重点目標
① 研修・授業研究等を通して教職員の専門性の一層の向上を図り、保護者・地域から信頼される学校づくりを推進する。
② 淡路地区唯一の特別支援学校として、関係機関と連携し地域支援活動を充実させ、特別支援学校のセンター的機能を果たす。
③ 将来の社会的自立に向け現場実習・作業学習・体験活動の機会を充実させ、個に応じたキャリア教育を推進する。
④ 近隣校及び地域との交流及び共同学習を計画的に行い、障害のある児童生徒に対する理解を促進する。
⑤ 学校業務の改善に組織的に取り組む。業務の効率化を図ることで教職員の勤務時間の適正化をさらに進める。また、業務遂行に関して服務規律の向上に邁進する。
(3)各学部の教育目標
① 幼稚部
聴覚障害部門
遊びを通して、情緒の安定や心身の調和的発達をめざし、豊かな言語生活のために基礎的指導を行う。
② 小学部
(ア)聴覚障害部門
体験的な学習を通して基礎学力を身につけるとともに、ことばへの興味・関心を高め、一人一人に合ったコミュニケーション能力の発達を促す。
(イ)知的障害部門
いろいろな経験を通して興味・関心を広げるとともに、基本的生活習慣及び主体的なコミュニケーション能力を育てる。
③ 中学部
(ア)聴覚障害部門
自主性や社会性を伸ばし、基礎学力とコミュニケーション能力を高めるとともに、将来の自立をめざして基本的生活習慣及び社会への適応能力を育てる。
(イ)知的障害部門
自主性や社会性を伸ばし、基礎学力を高めるとともに、将来の自立をめざして基本的生活習慣及び社会への適応能力を育てる。
④ 高等部
知的障害部門
自立と社会参加に向けた意識を高め、基礎学力、基礎体力、社会への適応能力の向上を図るとともに、社会人として自立しようとする意欲及び社会性を養う。
(4)各部の重点目標
① 総務部
(ア)学校生活を快適かつ豊かにするための行事運営や環境づくり
に努める。
(イ)積極的な情報提供を行うとともに、「地域に開かれた学校づくり」、「信頼される学校づくり」をめざす取組を進める。
【総 務】
(ア)学校行事等の調整を行い、円滑な運営を図る。
(イ)随時、案内状を作成・配布し、保護者等との連携を密にする。
(ウ)綿密な行事予定表を作成し、学校運営の充実を図る。
(エ)関係機関に対して有機的な連携、報告、情報提供を行う。
(オ)「芝生グラウンドの効果的活用」
a 効果的に芝生グラウンドを活用することにより、幼児児童生徒の社会性や公共性を養い、いきいきと学校生活を送ることができる環境作りを行う。
b 地域の人々と連携した芝生の維持管理体制作りや交流を図り、幼児児童生徒の連帯感や協調性を高める取組を進める。
【儀 式】
(ア)始業式・終業式・入学式・卒業式等の儀式的行事の円滑な運営に努め、厳粛で清新な体験をとおして、新しい生活の展開への動機付けを行う。
(イ)集会における整列指導を行い、規律ある行動ができるよう育成するとともに、連帯感や共生の意識を高める。
(ウ)記念式典等を企画・立案し、円滑に実行する。
【管 理】
(ア)校地・校舎・施設の整備の充実を図り、教育内容の変化や教育方法の多様化に対応する環境の整備に努める。
(イ)定期的に校庭の芝刈り・施肥等を行い、芝生の管理を行う。
(ウ)各室における用具・物品の整備・保管を行う。
【防 災】
(ア)地震津波・火災等の災害に対する綿密な警備及び防災計画を作成する。
(イ)不審者侵入に際して、対応マニュアルに基づく適切な対応を職員に周知する。
(ウ)的確な状況の把握と行動による幼児児童生徒の安全確保を行うことができるよう、定期的な訓練を実施する。
(エ)避難時において冷静・機敏な行動をとり、自ら生命を守る態度を育てる。
【広報・渉外】
教育成果や活動状況を学校だより等で保護者や地域社会に伝え、開かれた学校づくりを進める。
【PTA】
保護者と教職員が協力してPTA活動を推進し、幼児児童生徒の理解を深め、家庭と学校と地域社会における健全な成長と福祉の増進を図る。
【同窓会】
同窓会員相互の親睦を図り、生活の向上や母校の発展に寄与する。
【スクールバス】
(ア)スクールバスの安全点検を徹底し、障害の重複・多様化に対応した安全運行に努める。
(イ)病気欠席等により幼児児童生徒が乗車しない場合の連絡方法を徹底し、円滑な運行を図る。
(ウ)運転手や添乗員との情報交換を密にし、有機的な連携を図る。
② 教務部
(ア)児童生徒の発達段階に応じ、基礎的基本的事項について指導の徹底を図る。
(イ)一人一人の障害の種類・程度・特性等をふまえた指導の充実を図る。
【教 務】
(ア)心身の発達段階や障害の種類・程度・特性に応じた指導形態・内容・方法を工夫し、個々の合理的配慮を踏まえ、個別の指導計画を立て、個に応じた指導の徹底を図る。
(イ)個別の指導計画の評価・検討をより充実し、児童生徒一人一人のニーズに反映する。
【教育課程】
児童生徒の実態に応じた教育課程を編成する。
【教科書・図書】
児童生徒の発達段階に応じた教科書の選定を行う。また、図書室の活用を図る。
【交流・共同学習】
(ア)小学部・中学部児童生徒の希望者を対象として、原則として学期に1回居住地校において交流と共同学習を実施する。
(イ)小学部・中学部及び高等部の年間計画に基づき、近隣校や県立高等学校との学校間交流を実施する。
【教育実習等】
教育実習・介護等体験の実習生の受け入れについて計画・実施する。
【授業研究】
(ア)公開授業を通して、教材研究や教材開発に取り組み、教職員の専門性を高める。
(イ)指導方法についての実践を交流し合う場を計画する。
(ウ)資格検定に向けた取組を計画・実施する。
③ 情報部
(ア)各種情報の適切な管理に努め、情報漏洩等の事故がないように情報の取り扱いについて意識の向上を図る。
(イ)情報教育やICT活用のある授業作り等情報の扱いや機器の利用等について研修を深め、活用法を探る。
【情報管理】
(ア)情報の適切な管理のため情報管理マニュアルの作成に向け研究を進める。
(イ)情報の適切な管理を進めるために職員研修に取り組む。
【機器管理】
(ア)機器の管理を適切に行うため、機器の管理表を作成する。
(イ)故障や破損に迅速に対応し、機器の不足等を招かないようにする。
【情報教育】
授業の一環として情報教育を取り入れ、児童生徒の情報スキルを高める。ICT機器の活用を図る。
④ 生活指導部
児童生徒のかけがえのない大切ないのちを守り、一人一人が他校生や地域の方々との交流・共同学習及び各種の体育・文化的な行事での活動を通して、こころ豊かな人間へと成長できるように取り組む。
【生活指導】
(ア)児童生徒一人一人の実態に応じて基本的な生活習慣の確立を図り、児童生徒のこころのケアの充実を図る。
(イ)小・中学部と高等部で交通安全教室を実施し、交通安全への意識向上を図る。また、個別指導も行い安全指導を徹底していく。
【生徒会】
高等部生徒会の生活学習・飼育栽培・体育・保健給食・美化の5つの専門委員会を中心として、生徒の可能性を引き出す活動を推進する。
【人権教育】
(ア)教職員の人権意識を徹底するための研修を実施する。
(イ)「障害者差別解消法」について、職員の理解を深める。
【いじめ問題】
児童生徒の人権意識を高め、いじめや差別を許さない学校づくりを行う。
【体育・文化的行事】
(ア)児童生徒の興味・関心を引き出しながら個々の能力の伸長を図ることができる体育・文化的行事の企画・運営に取り組む。
(イ)各種大会への参加の機会を確保し、児童生徒一人一人の可能性を発揮できるように取り組む。
【心のバリアフリー推進事業】
心のバリアフリー推進事業(体育祭、学習発表会を含む)を通して、地域社会(地域住民及び近隣の小・中・高校生等)とのふれあいを深め、教育活動の活性化を図るとともに、開かれた学校づくりを進める。
⑤ 進路指導部
児童生徒一人一人が、自分の将来の生き方への関心を深め、自分の能力・適性等の発見と開発に努める。自分の将来への展望を持ち、進路の選択・計画をし、卒業後の生活によりよく適応し、社会的・職業的自己実現を達成していくことに必要な能力の伸長を目指す。
【進路指導】
(ア)児童生徒の適性やニーズに応じた進路選択となる自立と社会参加に向けて、小学部段階から組織的・継続的な指導・支援を目指す。
(イ)児童生徒一人一人の発達段階に応じたキャリア教育、移行支援計画、進路指導等を検討し、保護者や関係機関と密に連携を図りながら、よりよい移行の実現を目指す。
(ウ)現場見学や個別現場実習をとおして働く様子や仕事のやりがいについて理解を促し、勤労意欲や作業能力、コミュニケーション能力等の向上を図る。
(エ)事業所や通所施設等の訪問を積極的に行い、本校児童生徒の実態や教育活動について正しい理解を促すことで、新たな進路先(実習先)開拓につなげる。
(オ)関係機関と必要な情報交換や協力関係を深め、本校児童生徒や保護者への情報提供、進路相談に資する。
(カ)キャリアパスポートを活用し児童生徒のキャリア形成の伸張に努める。
【キャリア教育・就労支援推進事業】
実践的段階的作業学習等や外部人材による授業検討会をとおして、将来の自立や就労を見据えた作業能力の向上や技能・態度の育成を目指す。また、生徒が主体的に取り組むための授業改善を図る。
【認定資格】
喫茶サービス部門、ビルクリーニング部門、物流・品出し部門の技能検定に取り組み、就労への意欲や技能を高める。
⑥ 保健部
自ら心と体を健やかに育もうとする児童生徒を育てる。
【保健指導】
(ア)児童生徒の健康状態の把握に努め、教職員、保護者、学校医、関係機関等と連携しながら、きめ細かい保健指導を行う。
(イ)救急救命法(AED)研修会を教職員に実施し、必要な知識と技術の習得に努める。
(ウ)健康維持のために配慮が必要な児童生徒について、その特性や配慮事項について共通理解を図り、安全な学校生活をサポートする。
(エ) 社会の動向と現状をふまえ、実態に応じた保健指導を行う。
【食育・給食】
(ア)食育に関する指導の全体計画・年間指導計画を整備する。
(イ)児童生徒が食への関心を高め、望ましい食生活を実践する意欲を育む。
(ウ)給食に関する衛生管理を徹底する。
【環境美化・安全】
(ア)学校の清掃美化や教室内の照度や換気等に留意し、学習しやすい環境整備に努める。
(イ)施設設備の安全点検を綿密に実施することにより、危険を未然に防止する。
【医療的サポート】
(ア)医療的サポートを必要とする生徒が、安全に学校生活を送れるように教育環境を整える。
(イ)適切な医療的サポートが行えるよう、教職員、看護師、保護者、学校医、医療機関等の連携を図る。
⑦ 相談支援部
教育相談活動及び公開講座を実施し、地域における特別支援学校のセンター的機能の充実を図る。
【地域支援】
(ア)淡路地区の市教育委員会主催の教育相談に相談員として協力する。
(イ)地域の障害児とその保護者や教職員に対して、適切な教育相談を行う。
(ウ)関係諸機関との連携を図り、地域支援を充実させる。
(エ)淡路地区3市の学校生活支援教員及び淡路地区の県立高等学校担当者と連携を図り、地域でのサポート体制を充実させる。
【校内支援】
(ア)年度当初に発達検査を施行し個別の指導計画、個別の教育支援計画に反映させる。
(イ)児童生徒の指導や保護者対応等に関して教職員をサポートする。
(ウ)教職員の専門性の向上を目指した研修を行う。
【聴 能】
聴力測定を実施し、聴覚障害児の早期発見と適切な支援を行う。
【自立活動】
個別の指導計画(自立)の作成において、障害の状態や発達段階を的確に把握して計画が立てられるように、情報提供を行う。
教材・教具についても相談に応じ提供する。
【センター的機能充実】
大学や専門学校教員等の専門家を招聘した職員研修会や公開講座を行い、淡路地区の特別支援教育の充実を図る。
(5)地域の特別支援教育のセンター的機能
① 本校での教育相談・サポート教室の実施
教育相談を実施し、継続支援が必要なケースに対しては直接的指導を行う。
② 地域に出向いての教育相談の実施
地域の教育委員会・健康課の依頼を受けて出向き、定期的な教育相談を実施する。
③ 特別支援学校ネットワーク会議の実施
障害種の異なる特別支援学校間の連携を図り、各専門性を活かした支援の充実を図る。
④ 淡路地区の中高連携に関する連絡協議会の実施
地域の教育委員会や教育事務所と連携し、中学校から高等学校へ教育的な支援が必要な生徒についての情報を確実につなぎ、対象生徒が高等学校入学時から適切な配慮が受けられる体制作りを行う。
⑤ 通常学級、特別支援学級等に在籍する幼児児童生徒の支援
当該保育所、幼稚園、小学校、中学校及び高等学校から依頼を受けて、本校教員が学校訪問し、関わり方や指導内容等について助言する。
⑥ 学校生活支援教員及び淡路地区の県立高等学校コーディネーターとの連携
各市の学校生活支援教員及び淡路地区の県立高等学校担当者が地域でのサポートをスムーズに行えるように、本校が定期的な連絡会の開催や専門性向上に向けた研修を実施する。
⑦ 特別支援学級担任との連携
地域にある特別支援学級担任と本校の担任間での連携が取れるような体制作りを行う。
⑧ 個別の指導計画・個別の教育支援計画の作成協力
個別の指導計画や個別の教育支援計画の作成、助言を行う。
⑨ 保育所、幼稚園、小学校、中学校及び高等学校の職員研修協力
職員研修の講師を本校から派遣する。