2月28日(金) 72期生 総合人間類型の39名が晴れて卒業式を迎えました。
新型コロナウイルスの影響で在校生の出席が急遽出来なくなりましたが、保護者の方に沢山お集まり頂き、温かい雰囲気の卒業式となりました。
卒業式の前日に、この類型での3年間を振り返った「覚え書き」を書いてきてくれた生徒がいました。
『東京研修』や『学習成果発表会』が、コロナの影響で実施が延期になってしまった後輩の皆さんにとっても、「金言」のようなメッセージです。以下に掲載します。
☆授業編☆
「類型オリエンテーション」
とにかく緊張しまくりの時間だったけど、アイスブレイクで打ち解けていきました。知らない人ばかりで不安が多かったけど、その中で発言をして意見交流をするということは大きな経験になったと思います。(当時の感想には、「今日、全班の発表を聞いて、自分にはない考え方もたくさん見つけられて、これからは色んな角度から物事を考えられるようにしたいです」と書いていました。)
「HAP」
この行事もとにかく緊張。当日グループが発表されたけど、みんなそれぞれが個性や明るさを発揮してて、楽しむことが出来ました。「人に伝えること」の大切さを学びました。自分の意見をしっかりと味わうことが出来ました。新聞作りも、作った後、全員の新聞が見られて楽しかったです。
「講演会」
私が特に心に残っている講演は
・神戸女子大学の松崎教授の「福祉について考える」
・県立西宮病院看護師の永山さんの「防災看護について」の2つです。
講演会では毎回膨大な量のメモを取っていました。その時のメモや感想は受験の時にとても役立ちました。どんな時もそうだけど、瞬間的に思ったことは忘れないようにしっかりと書き留めておくことが大切だと思いました。毎週のように講演会だと、しんどいなと思っていたけど、今思い返すと自分のためになる知識をたくさん得られた講演会でした。
「赤十字ベーシックライフサポーター」
夏休みに資格を取りに行きました。頻繁に使う資格ではないけど、いざというときに使える資格なので取っていてよかったと思います。ただ、使い方(AED)を全部覚えているかと聞かれると怪しいので、振り返ることが大切だなと思います。できればみんな取るべき資格です。
「3年生のプレゼン見学」
自分の2年後を考えたときに、不安になりました。それぐらい印象が強かったです。話し方とか、まとめ方がすごく分かりやすくて、勉強になりました。この時から自分が3年生になった時に、下の学年の人に「こういう人になりたい!」と思って貰えるような人になりたいと思うようになりました。
「東京研修(準備も含めて)」
準備に3年生も入ってくれて、担任代行や班長リーダーが大活躍で、円滑に進んだと思います。ただ、本当に担任代行や班長リーダーは大変だったと思うし、自分も何か出来ることを進んでもっと出来たら良かったと後悔しています。当日については、携帯電話が使用禁止であったので、場所にたどり着くまでにすごく回り道をしました。携帯電話使用可となった今は、たぶんそういうロスはないと思うけど、最寄り駅だとか、どこの出口かとかは本当にしっかり調べておくべきだと思います。東京研修をきっかけに皆の仲が深まったので、思い出深い行事です。今の1年生の様子を見ていると自分の行きたい施設に行けるので、更によい研修になると思います。
「体験実習」
まず、実習前講話では自分の心を動かされました。私は「シルバーコースト甲子園」という老人ホームに参加しましたが、介護の仕事の魅力を知ることが出来ました。ただ、実習の中身として利用者の皆さんと触れあう時間が少なく感じたことが残念でした。お礼実習は「どうやったら楽しんで貰えるか」を考えることがすごく難しかったです。少ない準備時間の中でやりきることの大変さを学びました。私たちの連携が取れていなくて間延びする所も一部あったけれど、利用者の方に楽しんで貰えました。
「グアム実習」
1年生や3年生に対するプレ発表があって本当に良かったと思いました。良かった所、改善点を共に指摘し合い、より良い防災教育授業になったと思います。当日まで本当に準備も忙しく、不安もあったけど、大成功でした。私たちの班は1人1人が責任感を持って取り組んでいたので、人に任せきりにならなかったし、役割分担もできていました。大使館も色々な話を聴けて楽しかったです。(フィッシュアイより断然こっちがいいです)
「3年課題研究」
とにかく楽しかったです。自分の好きなことや気になることに焦点を当てて、調べていくことが大切だと思います。3年間の学びの集大成として、本当に力を入れました。1人1人の発表を見られなかったのが本当に心残りです。人のを見て学ぶことも沢山ありました。自分の知識も沢山増えました。3学年合同プレゼンテーションで、皆の前で発表させてもらって本当に自信が付いたし、興味を示してくれた人がいて、「何かを発信することの素晴らしさ」を改めて感じました。後輩の皆さんに何か伝わっていれば嬉しいです。
「学習成果発表会」
この行事はすごく楽しくて大好きです。1年間を振り返って色々な活動を顧みる機会です。毎年司会を任されるのは1年生でしたが、その司会っぷりや発表の姿に驚かされました。もちろん、2年生の活動報告や、自分たちで会を取り仕切る姿はかっこいいし、類型ってすごいと我ながら感じました。だからこそ、類型内だけで発表するのでは無く、学年集会や、いろんな場を設けて多くの人に聞いて欲しいです。
☆ボランティア編☆
「神戸マラソン」
ボランティアの王道という感じで多くの人に関われるとても楽しいボランティアでした。これでボランティアのやりがいや。人と関わる事の楽しさ、ありがとうと言ってもらったときの温かい喜びを知ることが出来ました。私のボランティア活動の出発点です。できればこの活動は多くの人に行って欲しいです。それぐらい色々な感情を味わいました。
「なるっこ食堂」
まず、地域にこういったコミュニティの場があるということを初めて知りました。ということは、やはり多くの人にこの情報が行き届いていないということだと思います。子ども食堂にも色々な種類(業務の内容)があるし、ニーズはありまくりです。そういったことをボランティアに行っている私たちが地域へ発信する方法はないかなと・・・ずっと考えています。地域情報紙などを類型で作れたりしたらどうかなとも思っています。
「真備ボランティア」
3回行って、本当に自分が大きく変わった気がします。(特に考え方など。)ボランティアに行くと、達成感や人のぬくもりを感じることが多いです。でも、大きな被害に遭った痕跡を目にすると、ゴミ拾いや瓦礫集めしかできなかった自分にすごくもどかしさを感じました。そういった気持ちを被災者の方は毎日感じていると思うと胸が苦しくなりました。この現状を見て、自分になにが出来るかを問いました。答えはまだでません。これからも問い続けます。真備へは機会があるならば多くの人に行って欲しいです。子どもたちの生の声には、こみあげてくるものがありました。
「幼稚園(段上)運動会ボランティア」
正直、体力的に凄くしんどかったです。教育系に進みたい人は絶対に行ってておくべきボランティアだと思います。先生の動きや子どもの様子がよくわかる1日でした。そして改めて先生を尊敬しました。
☆イベント系☆
「手話パフォーマンス甲子園」
3年間でトップレベルに楽しかった思い出です。何気なく始めたら、手話の魅力に吸い込まれていきました。日頃から仲の良い友達と出来たことも大きかったけど、チームワークは本当に凄かったと思います。ここをもっとこうしたい!とか、もっとこうしたらよくなるよ!とかを嫌みっぽく無く言い合って、それを皆が素直に受け入れていました。すごく居心地が良かったのは
関係性の築き方が良かったのかと思います。六甲颪パフォーマンスをあんなに大勢の前で披露したことを思い出すと恥ずかしすぎるけど、本当に楽しかったです。後輩達がまた全国大会に出てくれることを願っています。(盲学校と協力して一緒に出場などもありかと思いました)
「文化祭類型展示」
類型展示のリーダーを任されて、クラス展示の方との行き来で忙しかったけど、展示の方法やスタンプラリーなど、皆が時間をかけて協力してくれて楽しかったです。ただ、他のクラスの生徒が面白そうと思って足を運んでくれるような展示にはほど遠かったので、そういった工夫をもっと考えられたらよかったです。類型の活動を面白く伝えられるようにしたら、興味を持ってもらえるのかなという感じです。
「真備ボランティア参加者集会」
鳴尾高校代表として参加させて頂きました。本当に自分にとって刺激的な1日でした。他校の高校生がしているボランティア活動を知って、自分にはないものをたくさん持っている高校生がまぶしく見えました。皆それぞれに自分の意志があって、目標や夢に向かっている姿がかっこよかったです。特に近くある今津高校はハザードマップを作り、地域の人に紹介するなど、地域を巻き込んでの活動も行っています。難しいことだけど、地域に貢献することは必要だと思います。
☆類型での3年間を振り返って☆
こやって振り返ると本当に色んな経験をさせていただきましたが、どれもすごく勉強になりました。きっと将来の私はこの高校3年間が自分の「原点だ」と思うはずです。類型に行かなかったらこんなに充実した3年間を過ごせなかったです。(マジ、リア充でした)
ただ、1つ悔しいことは類型のすごさを周りに伝えられていたのかなということです。特に受験では、このような特別な活動をアピールしたAO入試や推薦入試を受験する人が多いことから、よく他の人から「類型って早く進路か決まるからいいよなあー」と言われ、あたかも楽をしているように言われがちでしたが、決して楽なことは一つもありませんでした。たくさんの活動の中で他人や自分と向き合い、自分の考えの甘さや視野の狭さに気がつき、悩み、もまれたからこそ身に付けた自分の糧。それをPRするために、膨大な推薦資料を作り、小論や面接という形で表現し、何度も何度も書き直し、練習し、同時に勉強にも早くから取り組むことは大変でした。くじけそうになることは何度もありました。それでも、がんばれたのは、類型の皆が一生懸命で、お互いに支え合えたからです。
ある先生が、授業のときにこんな事をおっしゃいました。「このクラスは後ろから回収物を集めて先生に渡すとき、絶対に『おねがいします』って言ってくれる。他のクラスではない光景です。人間性がすごいなと思います。」私は、クラスがこうして褒められることに誇りを感じました。そんなクラスでした。
どうか、鳴尾高校の総合人間類型が1人でも多くの人から良いクラスだとこれからも思われますように。私はこれから総合人間類型の卒業生として、活躍できるよう頑張っていきます。(72期生 濱岡 美月さん)