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校長室より

令和5年度2学期始業式 学校長式辞

2学期始業式 学校長式辞     高砂高等学校長 上出 正彦

 防災の日スライド.pdf

 充実した夏休みでしたか?まずは、今日朝元気に登校してくる生徒諸君を見て一安心しています。また、部活動でもジャズバンド部が神戸市長賞を受賞、柔道部は北海道で開催されたインターハイ出場に出場、野球部では県大会出場するなどめざましい活躍や、ほかの部活動も次の高みに向けて日々練習に励んでいました。何かに一生懸命に取組むことは素晴らしいことだと思います。

 1学期の終業式で、校則について2学期以降考えましょうとお話をしました。1学期末には新しい生徒会役員も決まりました。今学期からしっかりと話を進めたいと思います。

 いよいよ2学期です。3年生は進路に、2年生は学校の中心に、1年生は中堅学年に向けてスタートします。皆さんの頑張りに期待をしています。

 さて、今日9月1日は何の日かご存じでしょうか?今日は防災の日と定められています。そこで今から12年前に起こった東日本大震災を振り返り、防災にちなんだお話をしたいと思います。私はこの夏に宮城県に用事があり、仙台を訪れたのですが、その時に、東日本大震災が襲った町も訪問してきました。私が訪れたのは、名取市閖上地区という仙台空港から近いところです。

 語り部の方の案内で、現地を説明してもらいました。その時に印象に残ったのが、ここは牡鹿半島があるから津波が来ないと昔から聞いていた。しかし、強いゆれの後、約30分後に9Mを超える津波が辺り一帯に押し寄せてきた。5700人住んでいた人のうち750人がなくなられた。今でもその光景が頭から離れない。この30分で避難した人は助かったが、大丈夫と思っていた人は津波にのまれてしまった。この30分が生死を分けたといっておられました。「まさかここには津波は来ない」と語り部さん自身も思っていたそうです。「小さい頃から住んでいた町でそんなことは想像もできなかった。」幸いにも語り部さんは奥様の強いすすめで高台に避難されたそうですが、ご近所の方は残られた方も少なくなかったようです。「津波が来たときはバキバキと音を立てて迫ってきたが、津波が引くと静寂となった。」と言っておられました。日頃から防災意識を高く持ち、地震が発生したらみんなが計画的に高台へ避難できたら犠牲者はほとんど無かったと思うとおっしゃられていました。だから今、語り部をしていると、、、

我々がこの教訓から学ばなければいけないことは、

①     日頃から防災に対する意識をもつこと。

②     避難経路を把握しておくこと。

③     「まさか」は起きる。

 さて、2学期が今日からスタートします。体育大会、芸術鑑賞会、オープンハイスクール、100周年記念式典など、たくさんの行事が開催予定です。1日1日精一杯の努力をして、自分自身の成長を実感できる2学期にしてください。

 以上、夏を終えての再会を喜ぶとともに、2学期への期待を伝え、始業式の式辞とします。

令和5年度 夏季オープンハイスクール(特色類型)学校長挨拶(要旨)

令和5年度 夏季オープンハイスクール(特色類型)学校長挨拶(令和5年8月4日)

 R5オープンハイスクール(学校長スライド).pdf

 みなさんおはようございます。本校校長の上出正彦と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日は本校の夏季オープンスクールに参加してくださいまして、誠にありがとうございます。心より歓迎いたします。本日は特色類型のオープンハイスクールということで、スポーツ類型、看護医療類型についての説明を中心にさせていただきます。このあと、各類型の説明、先輩との懇談、部活動見学と続きます。短い時間ですが、高砂高校の全てをお見せしますので、進路選択の参考にしてくだされば幸いです。どうぞよろしくお願いします。

 私からは高砂高校の特徴と、高砂高校が望む生徒像をお話しします。

 まず、本高とはどんな学校か、について。

 ①本校は大正12年(1923)に創立され、本年度100周年を迎える県下有 数の伝統校であります。来年度は次の100年に向けた新たなスタートの年となります。

 部活動も活発に活動しています。高校の夏休みには全国大会であるインターハイが行われます。本年度本校では、柔道部が、個人戦ではありますが北海道で行われるインターハイに出場します。また、文化部でも、ジャズバンド部など活発に活動しています。

②敬愛・勤勉・奉仕の校訓のもと文武両道を実践し社会に有為な人材を輩出してきた。

 文武の両立を目指して努力することによって、人間力が鍛えられ、それが校訓である敬愛・勤勉・奉仕の精神を成就し、社会に貢献できる、人間性豊かな生徒の育成につながると考えています。自分のことしか考えないような、自己中心的な、協調性のない人間を育てても意味がない。様々な活動を通して、人間性を深め、人格を高めあう、それが本校の校訓にこめられた思いです。また来年度入学生より1年時に設置していた特進クラスを廃止して、2年時に進学クラスを新設し、卒業時の進路に向けた出口戦略を学校全体で取り組んでまいります。

 続いて、どのような生徒に入学してほしいか、ということをお話しします。

 まずは、とにかく意欲のある人、です。 勉強と部活、勉強とプラスαで、両立させようと頑張る人に来てほしい。勉強だけではない。文武の両立を目指して努力する人、すなわち、敬愛・勤勉・奉仕を実践してくれる人を強く望みます。また、何事にも挑戦しようとする意欲のある人に来てほしい。これから頑張る気持ちの強い人は、必ず伸びます。目標に向かってがんばる人にきてほしいと考えています。

 また本校は、学校行事(体育大会、文化祭等)も盛んです。こうした行事に積極的に参加する人に来てほしい。学校行事を通して人間関係構築力が身に付き、課題解決能力も育まれます。これからの社会では、こうした力が特に必要とされます。そうして、志を高くもって自分の道を切り開いていいってほしいと願っています。

 最後です。 残された中学校生活、目標をしっかり持って頑張ってください。色々なことに興味・ 関心をもって、内容の濃い時間を過ごしてください。世の中の大抵のものは、あなたの考え方次第で、どうにかなります。丁寧に向かえば丁寧に応えてくれます。ふざけて向かえば手痛いしっぺ返しが待っています。いつでも 積極的に前向きで物事に向かう姿勢を目指してほしいです。

 本校の現状や取組の成果を踏まえ、保護者や地域から、より一層信頼される学校づくりを目指し、次の100年に向けて一歩一歩教育活動の改善と推進に努めてまいります。

 そして、皆さんと来年4月に高砂高校お会いできることを願っています。

 それでは本日はどうぞよろしくお願いします。(完)

令和5年度1学期終業式 式辞

 

令和5年度1学期終業式式辞(スライド).pdf

県立高砂高等学校 令和5年度1学期終業式 学校長式辞(要旨)

おはようございます。

学校長の上出です。一学期の最終日にあたり、一言挨拶を述べさせていただきます。今日は自由とルールについて皆さんと考えたいと思います。

 「自由とルール」は一見相反するように見えるかもしれませんが、実は密接に関係しています。自由とは、自分の意思や行動について自らが選択し、その結果に対して責任を負うことですが、その自由を実現するためには、ある程度のルールが必要です。

 ルールとは、社会や集団の中で共通に守るべき規範や原則のことで、ルールがあることで、人々は互いの権利や利益を尊重し、公正・公平な関係を築くことができます。

 例えば道路で信号は守らなくて良い?他人のも勝手に使って良い?食堂でご飯を食べてお金払わなくて良い?もちろんダメですね。社会の秩序を維持するためには、ルールを守ることは大切ですね。大人ももちろん同じですね、車を運転していて信号無視を繰り返したら免許停止となり、自由に車を運転することができなくなります。ルールを守ってこそ自由に行動できるということですね。

 JR加古川駅にストリートピアノが設置されましたが、すぐに撤去となりました。ルール違反が原因です。一人で何時間も演奏したり、大声で歌ったり、演奏できる時間帯を守らなかったり・・・残念ですね。マナーも問われます。欧米では規範を守って運用されています。また、職員室を出たところに「ルールを守ってこそ自由になる」のポスターが貼られています。県立須磨友が丘高校の卒業生で、重量挙げでオリンピックにも出場した八木かなえさんが写っています。ポスターでは主にSNS、インターネット上でのルールについて守ろうという啓発ですが、インターネットに限らずルールを考える上では同じことです。

 では、どこでルールが決められているのでしょうか。法律は国会で決められています。校則は学校で決めています。しかし、時代と共にルールは変わっていきます。携帯電話を考えてみればわかりやすいと思います。昔は携帯電話そのものがなかったので、ルール自体も存在しなかった。携帯電話が普及すると、学校への持ち込み禁止から始まり、仮に学校へ持ってきても預かるなど厳しいルールがありました。そう考えると携帯電話の使用についてはかなり緩和されてきています。

 次にルール変更はどのようにして行うか。法律であれば国会で可決されれば変更できます。校則については生徒会と学校で話し合って変更することが可能です。しかし、今ある校則を守れない中での変更はないと思っています。今あるルール(校則)を守ってこそ新しい提案ができ、変更することができるものと考えています。高砂高校生はほとんどの人がきちんと校則(ルール)を守っています。夏季休業中も今まで通りしっかりルールを守り、充実した時間を過ごしてください。2学期からは、学校の校則(ルール)についてみんなで考えていきましょう。

 さて、明日から夏休み。格言を一つ紹介します。「水泳は冬の間に上達し、スケートは夏の間にうまくなる」これはアメリカの心理学者ウイリアムジェームスが残した格言です。今のように温水プールや人工スケート場などがある時代ではありません。夏の間にしっかりと水泳の訓練を行えば、冬にその成果が現れるということです。スケートも同じです。勉強でもスポーツでも何でも良いです、夏休みに何か一つ集中して全力で取り組んでください。急に成果は現れません。必ず冬にその成果が現れてきます。それから、先日学校整備の件でアンケートを行いましたが、結果はロッカー設置の希望が80%を超えていました。学校もその方向で検討しています。そんなに大きなロッカーではないですが、タブレットとあと少し荷物が入ります。楽しみにしておいてください。

 それでは、楽しく充実した夏休みを過ごしてください。9月1日(金)2学期始業式で会えるのを楽しみにしています。

 以上、令和5年度1学期終業式式辞とします。

 

    令和5年7月20日  県立高砂高等学校長 上出 正彦

 

第71回文化祭「やっちゃえ文化祭 ~100年の足跡とともに~ 」

 第71回文化祭は全校生の心が合わさった、誇ることのできる、本当に良い文化祭であったと思います。まさに100周年にふさわしいものでした。

 一日目の体育館では各クラスともダンス、演劇、コーラスで創意工夫をこらして、クラスが一致団結した発表を見せてくれました。また、1年生の展示、2,3年生の模擬店、ステージ企画、文化部の日々の発表も趣向を凝らした楽しい店がいっぱいで、接客の態度も良く、クラスが団結した良い模擬店でした。観客を楽しませよう、自分たちのメッセージを届けようという姿勢は、こんなにも人を楽しませてくれ、明るくさせてくれるんだと、強い感銘を受けました。

 二日目は場所を高砂市文化会館に移し、ジャズバンド部、音楽部、ダンス部、そして昨日の優秀クラスの発表があり、高砂高校の文化レベルの高さを感じました。

 全般的に、皆さんの熱意が伝わるような立派な演技、展示内容で、レベルも高かったと思います。何よりも、全校生がお互いに協力し、クラス、クラブの団結を高め、成功に導けたのが大変うれしく思います。生徒会役員の皆さんもご苦労様でした。

 今回の文化祭では皆さんの主体性、積極性、パワーを見せてもらいました。高砂高校100年の節目にふさわしい素敵な文化祭でした。皆さん一人一人の努力に敬意を表して、私の講評とします。2日間ありがとうございました。

令和五年度 兵庫県立高砂高等学校 入学式 式辞

令和五年度 兵庫県立高砂高等学校 入学式 式辞

 穏やかな春の日差しが優しく降り注ぎ、校舎を取り巻く木々の新緑が爽やかな風に揺れる、彩り豊かな季節となりました。このよき日に令和5年度の入学式を執り行うにあたり、PTA会長 髙丸 江美子 様、同窓会長 西中 亮二 様のご臨席を賜り、入学生への祝福と激励をいただけますこと、高いところからではございますが厚くお礼申し上げます。

保護者の皆様、本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。本校は、今年度創立百周年を迎えます。この百年の伝統を持つ本校での学びに信頼と期待を持ってお子様をお預けいただきますことに深く感謝申し上げます。

さて、先ほど、入学を許可いたしました、高砂高校、第78期生、200名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。高砂高校を代表し、皆さんの入学を心から歓迎いたします。

皆さんは入学者選抜を見事突破し、めでたく入学することができました。これから始まる高校生活への期待に胸を膨らませ、大きな夢を抱いていることと思います。しかし、一方で、高砂高校入学という夢を叶えることができなかった人たちがたくさんいるということを忘れないでください。

また、この日を迎えることができたのは、新入生の皆さんの努力の成果であることは言うまでもありませんが、これまで皆さんを、時には優しく見守り、時には厳しく指導してくださった、保護者をはじめ、ご家族の皆様、小学校、中学校の先生方など、多くの方々の支えがあったからです。このこともしっかりと心にとめ、「感謝の気持ち」を忘れないでください。

さて、本校は、大正12年(1923年)に創立され、今年で創立百周年を迎える歴史と伝統のある学校です。創立以来、「敬愛・勤勉・奉仕」を校訓として、文武両道を実践して、発展してまいりました。

この恵まれた教育環境のもと、本校で高校生活をスタートする皆さんに、私の期待することを述べ、歓迎の言葉にしたいと思います。

それは皆さんに、この学校で、「真のリーダー」となるための素養を身に付けてほしいということです。皆さんは将来、さらに加速していくグローバル社会において、さまざまな課題に直面することになると考えられます。その時、皆さんはどうしますか。

ある人は、課題を解決することができるリーダーが現れるのをひたすら待ちます。ある人は、評論家となって、なぜこの課題が解決できないのかを語ります。でも、そのような人たちばかりでは、問題は先送りされていくだけです。

私は皆さんに、課題に向き合い、どうすれば解決できるのかを自ら考え、課題解決に向けて行動する人になってほしいと願っています。

様々な価値観、異なる文化や慣習など、多様性が高まる中、解決策を探すことは容易ではありません。しかし、正解はなくても、その時点での最適解は必ず存在します。多様性を理解し、自らの頭で考え、未来を切り拓いていく、真のリーダーになって欲しいのです。

そのために高校生活において大切なことを三つ伝えます。

1つめは「日々の学習習慣を確立すること」です。

中学校より質も量も増える学習内容に対応するために、「予習・授業・復習」という学習習慣をしっかり身に付けてください。そして、基礎学力をしっかり身に付けてください。

2つめは「新しい自分をつくること」です。

今までは、先生や周囲の方々から示されたレールに沿って行動し、成果をあげてきた人が多いのではないでしょうか。これからは、自ら目標を設定し、自ら道筋を見つけ、自ら責任を負い、試行錯誤しながら、目標に到達する経験を積むことが重要です。その経験を通して、今までとは異なる見方や考え方を身に付け、新しい自分をつくりあげてください。

3つめは「様々な価値観を理解する」ことです。

出身中学校が異なるさまざまな仲間との出会いを通じて、切磋琢磨し、豊かな人間関係を築き、自分とは異なる、いろいろな考え、価値観があることを学んでください。

将来、社会に出て自己実現を図るだけではなく、さまざまな分野で、人の心の痛みを分かり、自らの考えで行動し、逃げないで責任を果たす、これこそが、本校の校訓に込められた思いの一つだと考えます。

新入生の皆さん、今日のこの感激の気持ち、感謝の気持ちを忘れず、高砂高校生としての高い誇りをもって、有意義で実りのある高校生活を送ってください。

保護者の皆様、我々教職員一同、校訓である「敬愛・勤勉・奉仕」の精神の涵養に努め、生涯を通し主体的に学ぶ意欲や態度・能力を身に着け、人と社会に貢献できる、こころ豊かで自立する人づくりを進めてまいります。

 

本校の教育方針にご理解いただき、ご支援、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げまして、入学式の式辞といたします。 

 

令和五年四月十日

兵庫県立高砂高等学校長 上出 正彦

 

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令和5年度1学期始業式(令和5年4月10日) 式辞(要旨)

皆さん、おはようございます。 山根前校長先生の後任として、着任しました上出 正彦と申します。どうぞよろしくお願いします。本校は今年で創立100周年を迎えます。歴史と伝統の重みを感じながらの着任となりました。

 さて、いよいよ令和5年度の始まりです。日も長くなり、すっかり春めいてきました。新型コロナ感染症もそろそろ出口が見えてきました。みなさん春休みはどうでしたか。部活、勉強、友人との遊びなどがあったのではないかと思いますが、何よりも元気に始業式に来ていることが一番です。新しいクラスとなり、これまでとは違う環境の中での学校生活が始まります。

新年度のスタートにあたって一つお話をします。それは、イソップ物語にある一節「旅人の話」です。

 
ある町がありました。 一人の旅人がその町にやってきました。

町の入り口の門のところに一人の老人が座っていました。

旅人は聞きます。「この町はどんな町?」

おじいさんは聞きます。「あなたが今までいた町はどんな町でしたか?」

旅人は答えます。「いやあ、前にいた町は嫌な人ばかりでろくな町じゃなかったよ」

それを聞いたおじいさんは答えます。「そうですか、この町もあなたが前にいた町と同じ町です」

また別の日に旅人が来ます。「おじいさん、この町はいったいどんな町ですか?」

おじいさんは聞きます。「あなたが今までいた町はどんな町でしたか?」

旅人は、「私が今までいた町は、すばらしい町で、人々は親切で、あんなにいい町はありませんでした」

おじいさんは答えます。「そうですか、この町もあなたが前にいた町と同じ町です」

 

先に訪れた旅人には、ろくでもない町、次に訪れた旅人には、いい町とおじいさんは答えますが、2人の旅人が訪れた町は同じ町です。皆さんはこの物語から何を感じますか。

 

この物語が伝えたいことは、環境というものは「その人の心が決める」ということです。“心の持ち方” “考え方”が、いかに大切かを考えさせられるお話です。

つまり、その人がいつも周りに対して、感謝しているか。それとも、いつも不平・不満を言っているかということです。同じ環境でもあなたがどう考えるかによって、楽しく充実した日々を送るか、苦痛の中での日々となるかということです。・・・この違いを高校3年間続けると、歩む人生に大きな差が生まれてきます。

環境は人の心がつくります。皆さん、協力して仲良く、楽しいクラス、楽しい学校にしていきましょう。皆さんひとりひとりに秘められた素晴らしい能力は、誠実にそして楽しみながら取り組む中で、大きく開花します。抑圧やいがみ合いの環境下では、大きな成長は期待できません。

 

相手の気持ちを理解してこそ、自分の為すべきことが見えてきます。社会マナーやルールは、「思いやり」の精神をもつことで十分に守れるはずです。他人を思いやり、親切な行動をとれば、光が鏡に反射するように、自分にもどってくるものです。自分を大切に、他者を大切にして互いに高めあっていきましょう。

以上、令和5年度 第1学期 始業式の「式辞」とします。

令和5年4月10日

兵庫県立高砂高等学校長  上出 正彦

 

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新校長 上出正彦が着任いたしました。

令和5年度の人事異動で、本校校長に、上出正彦(かみで  まさひこ)が着任しました。

 

ごあいさつ 

 令和5年4月、兵庫県立高砂高等学校長に着任しました上出正彦(かみで まさひこ)と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。兵庫県内有数の伝統を誇る高砂高校にご縁をいただけたことは大変光栄であり、大きな喜びを感じると同時に、本校に寄せられる生徒、保護者、同窓生、地域からの期待の大きさに身の引き締まる思いです。

 本校は、大正12年に地域の方々の期待に応えて創立されました。それから約1世紀にわたり「敬愛・勤勉・奉仕」の校訓のもと、文武両道を実践し、明るく活気に満ちた校風と、地域に愛される学校づくりをすすめ、多くの有為な卒業生を世に送り出してきました。

 さて、社会が目まぐるしく変化し、複雑で予測困難な時代を迎えている今、教育に求められていることは多岐にわたります。教育においては、どんなに社会が変化しようとも、「時代を超えて変わらない価値のあるもの」(不易)と、社会の変化を受け止め、「時代の変化とともに変えていく必要があるもの」(流行)があります。生徒たちが、将来、自己実現を図りながら、変化の激しいこれからの社会をたくましく生きていく資質や能力を育むためには、これら「不易」と「流行」を見極めつつ教育を推し進めていく必要があります。また、新型コロナウイルス感染症の流行により、教育活動も一部制限を余儀なくされてきましたが、制限の緩和により、活発な展開が期待されます。

 本校は本年度創立100周年という大きな節目の時期を迎えます。教職員一同、決意を新たにして、校訓「敬愛・勤勉・奉仕」の精神の涵養に努め、生涯を通し主体的に学ぶ意欲や態度・能力を身に着け、人と社会に貢献できる、こころ豊かで自立する人づくりを進めてまいります。

 保護者や地域の皆様方の一層のご理解とご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

 

令和5年4月

兵庫県立高砂高等学校 第30代校長 上出 正彦

令和2年度3学期終業式式辞

 式辞

 みなさん、おはようございます。月日のたつのは早いもので、今日が令和2年度の終業式となりました。1年間、命に関わるような事故が無く、このように終業式が迎えられますことをうれしく思います。 
 新型コロナウイルスの影響でいろいろなことが大きく変わった一年でした。これまで当たり前にできてきたことの有難さを本当に実感させられました。発生から一年が経過してもまだまだ予断を許さない状況です。マスクや手洗い、ソーシャルディスタンスなど、これからも十分に対策を取っていかなければなりません。
 今日は終業式ですので、この1年間を振り返り、反省すべきは反省をし、自分を褒めるべきところは褒めて、自信にして欲しいと思います。
 昭和を代表する作家の一人に吉川英治がいます。
 昭和37年に亡くなった吉川英治さんは、「宮本武蔵」「新・平家物語」「三国志」など今も多くの人たちに愛読されているすばらしい作品をたくさん残した有名な作家です。この吉川さんは小学校しか出ていません。父親が事業に失敗し貧乏のどん底に落ちてしまったため、小学校も途中でやめ、働かざるを得ませんでした。それからは、造船所の職人、行商人など、たくさんの職業を次々と変えながら、自力で勉強と修行を続け、ついに自分の進むべき道を見つけ出し、小説家となりました。
 この吉川英治さんが生き方の指針としていたことが「われ以外皆我教師」という考え方です。「自分以外は、すべてが自分の先生である」「どんな人でも、山も河も、草も木も鳥も虫も、およそこの世にあるすべてから学ぶのだ」こう考えて生きていったのです。
世の中にあるものはすべて自分の先生であると言うと、世の中には悪い人間もいる、常に人を騙して自分の利を得ようとする者、人のものを盗む者など、そういう人間も自分の先生になるのか、こんな疑問が湧いてくると思います。吉川さんはおそらく、そういう人もやはり自分の先生だと考えたのではないかと思います。そのような「反面教師」、つまり逆の意味の先生からも、こうなってはいけない、それは人間として間違っている、ダメということを身をもって教えてくれる先生だと吉川さんは受け止め、学ぶべきところを吸収していったのではないでしょうか。
 「朝の来ない夜はない」 彼が残した言葉で私が最も大事にしているものです。父親が事業に失敗した後、とても辛い時期がありました。しかしそれを乗り越えて振り返ってみたときが、人生の中で一番愉快なときであったと言っています。そして次の波がきたときも、この言葉を胸に次もきっと乗り越えてみせると自分に言い聞かせたそうです。この言葉からも、まさに逆転の発想をもって、苦境に立った時でも、そこから何かをつかみ取って、生きていくことの糧を得ようとする意気込みが感じられます。
 校内の桜が咲き始めました。まさに君たちを応援してくれています。1年生は2年生に、学校の中心になります。2年生は3年生に、最高学年として学校の顔になります。「朝の来ない夜はない、そして朝はいつも新しい」 君たちの前途に幸あれと祈念して、式辞とします。