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第63回入学式 式辞

 校庭の桜が春風に舞う今日の良き日に、兵庫県立宝塚高等学校 第63回入学式を挙行できますことは、私ども教職員一同にとってこの上ない喜びであります。また、ご来賓各位、多くの保護者の皆様にご臨席を賜り、厚くお礼を申し上げます。
 ただいま入学を許可しました63回生、207名の皆さん、入学おめでとうございます。教職員、在校生一同、皆さんの入学を心から歓迎いたします。今日から皆さんは、県立宝塚高等学校の生徒として高校生活を送ることになります。
 本校は、昭和38年に開校し、令和4年度に創立60周年を迎えた宝塚市内ではもっとも伝統のある公立高等学校です。2万人を越える先輩方は、地元宝塚をはじめ国内外で広く活躍されています。
 本校の校訓は「剛健中正」=身も心も健やかであれ、「誠意正心」=正しい心で何事にも一生懸命であれ、「明朗闊達」=明るく活発にリードを取れ、これらの校訓が本校教育の根幹をなす考え方です。
 また、「宝塚学」を学び、地域を愛し、地域をリードする人材の育成にも努めるなど、地域から信頼され、愛される学校として発展してきました。
 新入生の皆さんも、先輩方が築いてこられた、伝統ある県宝生としての誇りを持ち、その歴史をしっかりと紡いでいただきたいと思います。

 さて、皆さんが3年後、高校を卒業する時には、18歳で年齢的には大人であり、進学にしても就職にしても社会に出ることになります。私たちは、みなさんに、将来、苦労はあるかもしれませんが、幸せな人生を歩んでほしいと願っています。そのために、高校3年間で「自分で判断して行動できる生徒(人)」「人に感謝でき、信頼される生徒(人)」になるように意識してほしいと思っています。これは、県宝生が将来どんな人になってほしいのか、ということを先生方で話し合った時にまとまった私たちの思いです。皆さんが、将来、ありたい自分に近づき、社会で活躍するためには、自分で判断すること、自ら進んで行動できること、人に感謝できること、人から信頼されること、いずれも本当に大切なことだと考えています。では、どうすればそういう成長をすることができるのでしょうか。相田みつおさんの言葉に「体験して はじめて 身につくんだなあ」というものがあります。いまお話したような人間的な成長は机上の勉強だけでなく、体験することから学ぶことができるということです。本校での学校生活で、経験(体験)を積むことのできる場はたくさんあります。体育祭や文化祭などの学校行事、部活動、生徒会、クラス役員、普段の授業等々、そういう時に積極的に関わり、小さな事でもいいから挑戦してください。そうした中から、自然と身についていくものです。部活動にも大いに加入してください。先輩が少なければ、1年生でチームを作ればいいのです。時には失敗や挫折することがあるかもしれませんが、誰でも経験することです。そして、それも大事な経験なのです。
本校への入学は新しい自分に出会うチャンスでもあります。何かに本気で取り組み、些細なことにも感謝する気持ちを忘れずに、自ら多くの経験を積もうと心がけてください。きっと、その先には仲間が増え、楽しい高校生活が待っていると確信しています。

 保護者の皆様、お子様方のご入学を心からお祝い申し上げます。高校三年間は夢と希望に満ちていると同時に、悩みや迷いも多く、不安にかられることがあるかもしれません。そんな時に大切なことは、ご家庭と学校が一つになって、しっかりと見守り続けることだと思います。私ども教職員一同は、お預かりしたお子様方の可能性を信じ、将来への道をしっかりと切り開いていけるよう、全力を尽くす所存です。本校の教育活動にご理解いただくとともに、ご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 今日から始まる本校での日々が、新入生の皆さんにとって輝かしいものとなることを心から祈念して、式辞といたします。