学校いじめ防止基本方針

多可高等学校 学校いじめ防止基本方針

1 本校の教育方針
 本校は、「福祉のこころ」を育み、自ら磨き、地域社会に貢献することを通じて自己実現を図ろうとする生徒を育てることを目標としています。「福祉のこころ」とは次の3つの心からなります。

 ・命を大切にし、自分を認め、相手を認める思いやりの心
 ・地域社会を支える共生の心
 ・豊かな福祉社会を築く自発の心

 

 この3つの心を基調として、全ての生徒が安心して学校生活を送り、有意義で充実した様々な活動に取り組むことができるよういじめ防止に向け、日常の指導体制を整備し、いじめの未然防止を図りながら、いじめの早期発見に取り組むとともに、いじめを認知した場合は適切にかつ速やかに解決するための「兵庫県立多可高等学校いじめ防止基本方針」を定める。

 

2 いじめ防止等の対策に関する基本的な理念

〇いじめは全ての生徒に関係し、全ての学校で起こり得るものである。このことを十分に認識した上で、全ての生徒が安心して学校生活を送り、様々な活動に取り組むことができるように、学校の内外を問わず、いじめが行われなくなるようにすることを旨として行う。

〇いじめは人権侵害であり、人として決して許される行為ではない。また、いじめを受けた生徒の心身に深刻な影響を及ぼす行為である。これらのことを生徒が十分理解し、全ての生徒がいじめを行わず、特に、いじめを認識しながら放置することがないようにすることを旨として行う。

〇いじめを受けた生徒の生命及び心身を保護することが特に重要であることを認識しつつ、学校、家庭、地域その他の関係者の強い連携の下、いじめ問題を克服することを目指して行う。

〇取り組み状況を学校評価に位置づけ、基本方針について、生徒、保護者、地域住民と意見交換をする機会を設ける。

 

3 具体的ないじめの態様

  ◇ 冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる

  ◇ 仲間はずれ、集団による無視をされる

  ◇ 軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする

  ◇ ひどくぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする

  ◇ 金品をたかられる

  ◇ 金品を隠されたり、盗まれたり、捨てられたり、物を壊されたりする

  ◇ 嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする

  ◇ パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷や嫌なことをされる等

  ◇ ラインやツイッター等による集団ブロックや誹謗中傷を書き込まれる

  ◇ 個人情報がネット上に流される

 

4 組織的対応

 いじめは、その子どもの将来にわたって内面を深く傷つけるものであり、子どもの健全な成長に影響を及ぼす、まさに人権に関わる重大な問題である。全教職員が、いじめはもちろん、いじめをはやし立てたり、傍観したりする行為も絶対に許さない姿勢で、どんな些細なことでも見逃さず、気がついたことは必ずいじめ対応チームに報告し、組織内で情報共有した上で早期に対応していく。そのことが、いじめ事象の発生・深刻化を防ぎ、いじめを許さない生徒の意識を育成することになる。

 学校としてあらゆる教育活動において生命や人権を大切にする精神を貫くことや、教職員自身が、生徒を一人ひとり多様な個性を持つかけがえのない存在として尊重し、生徒の人格のすこやかな発達を支援するという生徒観、指導観に立ち、指導を徹底することが重要となる。そして好ましい人間関係を築き、豊かな心を育て、「いじめを許さない土壌」を構築し、いじめの防止等を包括的に推進する。

 

5 いじめ防止等の指導体制・組織的対応等

 (1) 日常の指導体制

   いじめの防止等に関する措置を実効的に行うため、いじめは学校全体の問題として捉えることを前提とし、組織として迅速に情報の共有がなされることに重点を置く。また、日頃から地域や専門機関との連携を密にし、さまざまなところから情報収集をしながら、一貫した指導体制を確立する。

(2) 研修等

 情報モラル教育や、いじめ未然防止プログラムを活用し、正しいコミュニケーションの在り方や、集団として互いに尊重できるクラス作りに取り組む。

また、いじめは教職員や大人が気づきにくいところで行われ、潜在化しやすいことを認識し、教職員が生徒の小さな変化を敏感に察知し、いじめを見逃さず、早期発見のためのチェックリストを定める。

 

いじめ早期対応のためのチェックリスト(いじめられている者、いじめている者)

(3) 未然防止及び早期発見のための指導計画

 いじめの防止の観点から、学校教育活動全体を通じて、いじめの防止に資する多様な取組を体 系的・計画的に行うため、包括的な取組の方針、いじめの防止のための取組、早期発見の在り方、いじめへの対応に係る教職員の資質能力向上を図る校内研修など、年間の指導計画を定める。

(4) いじめ発生時の組織的対応

 いじめの疑いに関する情報を把握した場合やいじめを認知した場合は、情報の収集と記録、情 報の共有、いじめの事実確認を行い、迅速にいじめの解決に向けた組織的対応を別に定める。

5 重大事態への対応

 (1) 重大事態とは

 重大事態とは、「いじめにより生徒の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき」で、いじめを受ける生徒の状況で判断する。本校の場合、たとえば、身体に重大な傷害を負った場合、金品等に重大な被害を被った場合などのケースが想定される。
 また、「いじめにより生徒が相当の期間、学校を欠席することを余儀なくされている疑いがある場合と認めるとき」であるが、「相当の期間」については、不登校の定義を踏まえ、年間30日を目安とする。ただし、生徒が一定期間、連続して欠席しているような場合には、事案により学校が判断する。また、生徒や保護者からいじめられて重大事態に至ったという申立てがあったときは、校長が判断し、適切に対応する。

 

(2)  重大事態への対応

  校長が重大事態と判断した場合、直ちに、県教育委員会に報告するとともに、校長がリーダーシップを発揮し、学校が主体となって、いじめ対応チームに専門的知識及び経験を有する外部の専門家である保護司等を加えた組織で調査し、事態の解決に当たる。
 なお、事案によっては、県教育委員会が設置する重大事態調査のための組織に協力する。

 

6  その他の留意事項

  誰からも信頼される学校を目指している本校は、開かれた学校となるよう情報発信に努めてきた。いじめ防止等についても、地域とともに取り組む必要があるため、策定した本方針については、学校のホームページなどで公開するとともに、保護者会、三者懇談などあらゆる機会を利用して保護者や地域への情報発信に努める。

 また、いじめ防止等に実効性の高い取組を実施するため、本方針が、実情に即して効果的に機能しているかについて、「いじめ対応チーム」を中心に点検し、必要に応じて見直す。また、地域を巻き込んだ学校の基本方針になるように、保護者や地域の方からの意見を積極的に聴取するように留意する。