国際人間科だより
第3回GCI特別講義~関学清水教授来校
2025年3月6日(木)、2024年度第3回Global Citizenship I 特別講義が同窓会館2Fで行われ、国際人間科1,2年が参加しました。講師は、本校第1回卒業生であり関西学院大学総合政策学部清水康子教授でした。清水教授は国際協力に関するゼミ担当で、清水ゼミの生徒3名が今年度の7月と9月のGCI特別講義で「平和について」の授業をしてくれました。
今回の講演のタイトルは、「世界の平和を考える~難民支援の現場から」でした。内容は3つにわかれており、1)自己紹介 2)勤務されていた国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)での経験 3)現在の仕事と平和について でした。
まず1)の自己紹介の中では、関西学院大学経済学部在学中に「古典芸能研究部」に所属したが、小中高校で行った芸術鑑賞で歌舞伎や落語などに触れて興味を持ったことを話され、自分のバックグラウンド(日本人なら伝統的な日本のこと)に触れて知識を持っておき披露できるように、とのお話しがありました。
次に2)UNHCRで勤務した経験について話されました。最初に「難民条約に基づく定義」、「国連の定義」、「パレスチナ難民」など難民の定義を考え、「国内避難民」なども足していけば、日本人の人口と同じくらいになることを学びました。そして、ユーゴスラビアのコソボ自治州におけるコソボ紛争についての説明がありました。コソボでアルバニア人とセルビア人の対立があり、1989年にセルビア共和国がコソボを統治しアルバニア系住民を弾圧したため、1998年コソボ解放軍が政府施設を破壊し、セルビア治安当局との紛争状態となりました。そのあと、1999年3月にNATOがユーゴスラビアを空爆しため、セルビア治安部隊は激しくアルバニア系住民攻撃を攻撃し、84万人以上の人が隣国アルバニアとマケドニアへ難民として逃げていった、ということを学びました。
そのような中で、UNHCRはコソボ紛争時に緊急援助をしました。清水氏は1998年7月--12月にコソボで勤務し、現地の状況を見ました。また、1999年1月ー5月にアルバニアで勤務し、コソボから逃げてきたコソボ難民と関わりました。ウガンダでも1996--1998年、1999--2001年に勤務しました。その時に迫害から逃れる人々などと関わり、それについてのエピソードを話されました。その中で、「戦うことが平和になるのか」という問いがありました。「平和」→「攻撃」→「怒り、憎しみ」→「戦い」という連鎖で平和になるのでしょうか。
最後に「3つのメッセージ」がありました。
①選択する際に平和につながる選択をしましょう。
②笑いの効用を使いましょう。(しんどいときこそ声をだし笑おう)
③国際社会で活躍するため、日本人なら伝統的な日本の文化に興味をもち話せるようにしましょう。
(英語なら、小話をお勧めします。)
Q&Aでは、①に関して、「高校生として平和につながる選択とは何ですか」、という質問がありました。答は「選挙に行く」というお答えでした。
今回、清水先生は明石西高校の卒業生として上記のことを実践され、よきロール・モデルとなってくださいました。また、インスピレーション、動機づけを与えていただきました。ありがとうございました。国際人間科の生徒のみなさん、Global Citizenship特別講義をきっかけに①難民問題を含め世界の動きを知り、世界平和について考えましょう。また ②英語力の向上 ③自分たちの文化の紹介 に取り組み、よき'Global Citizens'になりましょう。