学年・専門部

人と自然科 今年もひとはく連携セミナースタート 西日本のタンポポについて学ぶ

 今年も人と自然科1年生「人と自然」の授業で、ひとはく連携セミナーがスタートしました。有馬高校人と自然科と県立人と自然の博物館の間では生徒のセミナー受講について協定を結んでおり、1年生学校設定科目「人と自然」の授業で年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の専門員から、各分野のユニークかつ専門的な講義を直接受講することができます。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 県立人と自然の博物館まで約2km。安全第一でみんなで歩いて向かいます。とっても楽しそうですね。

 第1回目の講義はセミナーではおなじみの名物先生、鈴木武研究員から「西日本のタンポポについて」と題し、お話をいただきました。鈴木先生は植物研究の第一人者で、中でもタンポポについて多くの資料を収集し、研究されています。また植物以外にも昆虫やは虫類など、その豊富な知識は多岐にわたります。

 まずはタンポポの基礎知識について。部位の名称を学んだ後、カンサイタンポポやセイヨウタンポポ、カントウタンポポ、シロバナタンポポなど多様な種類について説明いただきました。花弁の色はもちろん、特に外片の細かな形の違いで見分けます。近年はカンサイタンポポとセイヨウタンポポの雑種も増えているそうです。

 次にタンポポに似ている植物について教えていただきました小学生に「タンポポを摘んできて」といってよく間違われるのが『ブタナ』と呼ばれる植物で、タンポポよりも小さめの黄色い花をつけています。タンポポは一つの茎から1コしか花をつけませんが、ブタナは複数の花をつけるのが特徴です。それ以外にもノゲシやオオシシバリ、ニガナなど間違えやすい植物があります。

 そのほかにもタンポポの名前の由来や観察方法、出現率の規則性・・・など様々なタンポポに関する知識を教えていただきましたが、中でも生徒が興味を持っていたのはタンポポとメダカの分布が一致しているという説です。『メダカがタンポポの種を運ぶから?』『タンポポを食べてメダカが育つから?』『共通の理由からたまたま一致した?』など様々な理由が考えられているようですが、まだ研究中だそうです。

 最後に番外編として、鈴木先生の研究対象として飼育されている様々な生きものの実物に触れる体験をさせていただきました。ダンゴムシやトカゲ類などの生きものがいる中で一番人気だったのが・・・

 ヘラクレスオオカブトです。最大個体は全長180mm以上。世界最大のカブトムシです。よくよく観察すると全身に毛が生えており、胸や角の毛は相手を挟んだときの滑り止めの役目が、おしりの毛はダニよけなどの役割があるそうです。早速BYODで購入したタブレットで撮影し記録に残していました。

 とても楽しく充実した90分でしたね。鈴木先生本当にありがとうございました。人と自然科ではこのような経験、体験を積み重ね、3年後の進路実現につなげていきます。

 今年3月に卒業した人と自然科先輩の進路実績はこちら.pdf

 最後に今回初めてみんなで人博を訪れたと言うことで集合写真をとりました。

 今年入学した1年生も全員、農業や環境に興味があり普段の農業に関する実習や座学も意欲的で頼もしいです。この調子で頑張りましょう。

 次回のひとはくセミナーは李 忠建研究員より『種とは何か』というテーマで、生物とはどのような存在なのかにつて迫っていきます。楽しみですね。