令和3年度 兵庫県立大学附属中学校第15回並びに附属高等学校第28回入学式 式辞(R3.4.8)
うららかな春の光の中、色とりどりの花が咲き誇り、春爛漫のこのよき日に、ご来賓として西播磨県民局長 渡瀬 康英 様をはじめとする地域の関係者、兵庫県立大学 学長 太田 勲 様をはじめとする大学関係者、中学校PTA会長 木下 宗彦様、高等学校PTA会長 池尾 和彦様、同窓会長 岡田 慎平様をはじめとする学校関係者の皆様にご臨席を賜り、兵庫県立大学附属中学校第15回並びに兵庫県立大学附属高等学校第28回入学式を挙行できますことに、深く感謝を申し上げます。
ただいま入学を許可されました、附属中学校70名と附属高等学校160名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。私たち教職員はもとより、在校生も皆さんを迎えることを心から嬉しく思っています。合わせて、皆さんには、今日の入学まで支えてくれたご家族、お世話になった小学校や中学校の先生をはじめ、多くの方々に対する感謝の気持ちを忘れないで欲しいと思います。
本校は、兵庫県立大学の附属学校として、また併設型中高一貫校として「科学技術における学術研究の後継者や、国際感覚豊かな創造性あふれる人材の育成」をねらいとした教育活動を展開しています。
右正面の額をご覧ください。本校の「創造と進歩の人たれ」という創立理念を表した校訓「創進」が掲げられています。本校では、「創進」の精神のもと「自ら考え、自ら学び、個性を伸ばす めざせ世界のパイオニア!」をテーマに取り組んでいます。
本校の魅力・特色は、3つあります。1つ目は、兵庫県立大学の教員や研究者を招いたり、大学を訪問したりして行われる「中高大連携教育」、2つ目は、数学や理科を重視して観察・実験を取り入れた授業や、探究活動を行う「理数教育」、3つ目は、英語スピーチコンテストや、オーストラリア、タイなどの4か国との交流活動を行う「国際理解教育」です。新型コロナウイルス感染症の影響で、今年度も本来の教育活動が制限されると思いますが、今できることを、対策を講じながら実施していきますので、楽しみにしてください。
現在、世の中は大きな変革の時期を迎え、Society 5.0の時代が訪れようとしています。Society 5.0では、インターネットによって全ての人とモノがつながり、AIによって必要な情報が必要な時に提供され、ロボット技術によって人の可能性が広がり、技術や社会の変革、イノベーションによって様々なニーズに対応できる社会が実現します。
入学生の皆さんが大学を卒業する頃には、今存在しない職業に就く人がいる一方で、現在の仕事の約半分が自動化で無くなるとも言われています。
このような時代において求められる力は、①文章や情報を正確に読み解き対話する力、②科学的に思考・吟味し活用する力、③価値を見つけ生み出す感性と力、好奇心・探究力と言われます。これらの力を育成するために、教育課程の方針を文部科学省が定めた学習指導要領が、中学校では今年度、高等学校では来年度の入学生から改訂されます。
学力も、「知識・理解」だけでなく、「思考力・判断力・表現力等」、「学びに向かう力や人間性等」の3つの柱となります。すなわち、学力は「知っていること」よりも「できるようになること」が重視されます。本校での教育活動では、Society 5.0の時代に求められる力を育成するために、新たな学力観を意識して、ICTを活用しながら、主体的・対話的で深い学びの教育活動に取り組んでいきます。
附属中学校では、兵庫県立大学と連携して実施している探究活動のプロジェクト学習等をさらに発展させ、附属高校では、新しい学習指導要領の趣旨を1年前倒しして取り入れたクリエイティブ サイエンスコースとファンダメンタル サイエンスコースの新コースを設置して、新たな探究活動や教科等横断的な学習に取り組みます。
皆さんは、本校の新たな取組や魅力・特色ある活動に希望を持ってチャレンジしてください。
人は若い時にイメージしたことが、将来の実現に繋がると言われます。漠然と頑張ろうとする学校生活ではなく、将来目指す自分のイメージや目標を持って、新たなものを「創造」し、よりよい方向へ「進歩」する「創進」の精神を持ち続けてください。
保護者の皆様、本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。お子様がこれからどのように成長していくのか、大きな期待と一抹の不安の両方を抱いておられるものと思います。
本校では、新型コロナウイルス感染症対策を徹底するなど安全を最優先にしつつ、保護者の皆様と連携して、教職員が一丸となって、お子様の成長を支えてまいります。どうか、これからの6年間、または3年間、本校に対するご理解とご支援をよろしくお願いいたします。
新入生の皆さん一人一人が、自らの思いを大切にし、何より楽しい充実した中学校生活、高校生活を送られることを祈念して、式辞といたします。
令和三年四月八日
兵庫県立大学附属学校総長 八重 真治
兵庫県立大学附属高等学校長兼附属中学校長 小倉 裕史