活躍する卒業生第21回 青木重也さん

活躍する卒業生第21回

青木重也(Sigenari Aoki)さん

2回生

兵庫県加古郡播磨町出身

 

・卒業後の進路、現在の活動(仕事)内容

 卒業後、中日本自動車短期大学に進学、在学中に二級自動車整備士資格を取得。

 大学卒業後、神戸トヨペット株式会社に入社し、25年務めるも、高校時代からの夢を諦めきれず平成28年に脱サラし起業。

 加古川市平岡町土山にて主に旧型オートバイの販売、修理を行うガレージトライシクルを開業、現在に至る。

 

・播磨南高等学校で学んだことで現在に活かされていることはありますか?

 私にとっての高校時代は、正直に言うとつまらないものでした。漠然とした将来に対する不安や、がんじがらめの校則にうんざりで、学校をいつ辞めようかと日々そればかりを考えていました。

 当時からオートバイが大好きだった私にとって、当時の「※3ナイ運動」は素直に受け入れることができず、何度も校則違反を繰り返し、かといってきっぱり学校を辞め働くこともできない半端ものでした。

 なんとかギリギリの単位で3年生を迎えた私には将来有望な就職先などあるハズもなく、進路も決まらぬままオートバイで走り回る荒れた毎日でした。しかし、そんな出来損ないの私にでさえ、当時の担任の先生は、本当に一生懸命にぶつかってきてくれました。

 退学を宣言された私に代わり、校長先生に私が学校に残れるよう深々と頭を下げてくださった姿は、一生涯忘れることはできません。

その上、「それだけオートバイが好きならこんな学校もあるぞ!」と岐阜県にある自動車整備士を養成する環境の整った短期大学まで導いていただきました。

そこには自分の求めていたもの以上のものがあり、すべてが新鮮で、高校時代にあった迷いや憂鬱などはすぐに消えていました。そして、そこで出会った仲間や経験など夢のような2年間は本当にかけがえのない人生の宝物となりました。

 自分の中では暗黒時代にさえ思えた高校時代ですが、今思えばあの時に寛大な措置を与えてくれた播磨南高校と恩師に出会っていなければ、有意義な学生生活はもちろん、今の生活もなかったでしょう。

※高校生によるオートバイ(第1種原動機付自転車を含む)ならびに自動車の運転免許証取得や車両購入、運転を禁止するため、「免許を取らせない」「買わせない」「運転させない」というスローガンを掲げた日本の社会運動のこと。
引用文献https://ja.wikipedia.org

 

・在校生・受験生へ一言お願いします。

 上記のように順風満帆とは言えない高校生活を送った私が、今現在進路や現状に悩んでいる在学生の皆さんに伝えるとするならばやはり、「今はまだ、人生の通過点でしかない」の一言に尽きます。

 小学校から高校まではそれこそ勉強を強いられます。

勉強とは読んで字の如く「勉めることを強いられること」です。しかし、大学では学問を学びました。

学問は、「自ら興味と疑問を持ち、検証しながら正解を探すために学ぶこと」であり、大学で初めて、学ぶことの楽しさを心の底から実感しました。

そこでようやく、これまでの勉強が必要だったことにも気づかされました。

 

 もう一つ、どんなに小さなことでもいいので、「夢」を持ってください。

 私が嫌々ながらもなんとか高校を卒業し、本当に厳しい整備士修行時代などを乗り越え我慢できたのは、オートバイ屋になりたいというささやかな夢があったからだと思います。

 もしかすると、今、貴方は将来の夢もなく、悩みさまよっているかもしれません。

貴方たちには若さという無限の可能性があります。

私のように、卒業後に人生が一変することがあるかもしれません。

まさに「一瞬先は光」とポジティブに考え、今を生きてほしいと思っています。

 

 私は現在、播磨南高校を卒業し32年。

夢だった大好きなオートバイに囲まれた幸せな人生を送っています。

人生を狂わされかけたのもオートバイ、その人生を助けてくれたのもまた、オートバイでした。

 もし、これを読んで少しでもこれからのことや夢について考えてくれる生徒さんが一人でもいるのであれば、あの時の恩師への恩返しになると信じ、苦手なキーボードと格闘しています。(笑)

 人生は一度きり、高校時代も一度きり、悔いのない高校生活を送ってほしいと願ってやみません。

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