~在校生送辞~
校門の桜がつぼみをつけ始め、春の息吹を感じる季節となりました。本日、この長田商業高校をご卒業される卒業生の皆様、在校生を代表して心よりお祝い申し上げます。
私が先輩方と初めてお会いしたのは、2年前の対面式でした。私は、不安に感じ、とても緊張していたのですが、先輩方がとても暖かく迎えてくださいました。そのおかげで、少し高校生活の不安が薄らいだことを覚えています。また、廊下などですれ違ったときに、やさしく声をかけていただいて、とてもうれしかったです。今年度行われたクイズ大会は、生徒会に入って初めての大きな行事でした。何をしていいか分からずにおろおろしていた私に、
先輩方は優しくアドバイスをしてくださり、生徒のみんなが盛り上がれるように積極的に声を出してくださいました。そのご様子を拝見して、先輩方のイベントを成功させたいという熱い思いを感じました。専修の方々とはあまり交流する機会はありませんでしたが、ボウリング大会や文化祭でご一緒させていただきました。社会に出られてからもう一度勉強しようと入学され、遅くまで勉強に励んでおられるお姿を拝見し、私も負けていられないという気持ちになりました。
今年度は、昨年初めの新型コロナウイルス感染症流行の影響で、私たちの学校生活も大きく変化しました。本来であれば行われるはずだったボウリング大会や、文化祭などの様々な行事が中止になってしまいました。先輩方にとっては、高校生活最後になるはずだった行事でしたし、私たちにとっては、先輩方とご一緒できる最後の行事でしたので、本当に残念でなりません。来年度、行事が再開できるようになれば、先輩方が残してくださった伝統を受け継ぎながら、さらによりよい行事にしていきたいと思います。私たち生徒会が率先して、これまでの長田商業高校の伝統を絶やさないようにしていきます。来年度、文化祭が従来どおり開催されましたら、ぜひ遊びにいらしてください。
卒業後、先輩方が飛び込んでいかれる世界には数々の困難と壁が待ち受けていることと思います。ですがその時は、苦楽を共にした仲間との日々や、ここ長田商業高校での経験がきっと先輩方を支えてくれることと思います。ぜひそれぞれの道で頑張ってください。最後に、卒業生の皆様のご健康とさらなるご活躍をお祈り申し上げ、在校生代表の送辞とさせていただきます。
令和三年二月二十六日 在校生代表 秋山遥香
~卒業生答辞~
別れのことば
春の訪れが、木々の枝先のふくらみや、鳥のさえずりに感じられてきた今日、私たちは卒業式を迎えました。
新型コロナウイルスの流行の中にもかかわらず、私たちのためにこのような素晴らしい式を挙行していただき、ありがとうございます。またご多忙の中、ご臨席賜りましたご来賓の森PTA会長様や先生方、保護者の皆さまには心よりお礼を申し上げます。私にとっての長田商業高校は、自分らしく楽しく過ごせた心安らぐ学校でした。
入学式の時は、夜の学校で頑張っていけるのかと不安な気持ちでした。さらに新入生代表の宣誓をすることになり、とても焦ったことを覚えています。しかし、しばらくして学校にも慣れてきて、学校生活への不安は自然になくなりました。
私は、昼間はアルバイトをしようと決めていました。しかし、仕事で疲れた後の通学は、本当にしんどい思いをしました。夕方、ため息をつきながら自転車に乗って、心身ともにへとへとで学校へ来ていました。そんな時、友達や先生方が心配して声をかけてくれたことは、懐かしい思い出です。
私にとって大きな経験のひとつは、一年生の時の生活体験発表会でした。学校の代表に選ばれた時は、あまり実感がわきませんでしたが、本番が近づくにしたがって、今までになかった緊張感に襲われました。それでも勇気をもって発表できたのが、私にとってよい経験となりました。
二年生では、全員がインターンシップを体験させていただきました。自分たちが体験したい就業先にお願いをして、仕事のお手伝いをしました。私は、図書館で大好きな本に携わる仕事をさせていただき、楽しい体験ができました。
また私は、生徒会役員に立候補し、文化祭をはじめとした学校行事の運営に加わりました。活動成果発表会での司会をしたり、文化祭の準備で夏休みに壁画をみんなで協力して描きました。特に文化祭でのクイズ大会の企画は、行事における準備の楽しさを知りました。
この頃から高校卒業後は、大学へ行きたいという気持ちが強くなりました。それからは、積極的に授業に取り組み、先生方のアドバイスなどもいただきながら、検定取得に精力的に取り組みました。
そして最終学年になりましたが、新型コロナウイルスによって、学校生活が大きな影響を受けてしまいました。六月まで休校になった上、十一月の文化祭も中止になってしまいました。クラスの仲間と一緒に模擬店をやって、思い切り楽しもうと考えていたので、本当に残念でした。
そんな中、周囲のご尽力のおかげで、修学旅行を実施していただきました。沖縄の美しい海辺で、時間を忘れるほどみんなで楽しく遊んだことは、今も鮮明に覚えています。とにかく旅行中は、興奮の連続で宿舎では寝る時間がもったいなくて、ずっと友達とゲームや話をしていました。楽しい旅行ができて、感謝しかありません。
人生の大きなポイントになる進路決定では、オープンキャンパスが中止になるなど思った通りにはなりませんでした。また受験先が決まり、いざ小論文を書きはじめると、つまづいてしまい、心が折れそうになりました。そんな時、先生方は弱気になった背中を力強く押していただき、また家族は常に温かく見守ってくれました。ようやく進路が決まったのは、支えてくださった皆さんのおかげです。
こうしてかけがえのない方々のおかげで、私の長商での思い出は、楽しい思い出でいっぱいです。
在校生の皆さん、長商を卒業する時は、笑顔でいてください。そのためには、毎日の学校生活を、思い残すことのないように過ごしてください。
お世話になった先生方におかれましては、優しく、丁寧なご指導をいただき、心から感謝しています。先生方に胸を張れる人物になれるよう、社会へ向かって羽ばたいていきます。その様子を長商から見守っていてください。
クラスメートのみなさん、思い通りにいかない時や辛い日があっても、仲間でいてくれてありがとう。皆さんのことは、きっと忘れません。これからは別々の道を歩みますが、お互いにがんばっていきましょう。
そしてお父さん、お母さん、今までご心配をおかけしました。いつも私をそばで温かく支えてくれて、本当にありがとうございました。病気がちだった私が、長田商業高校に通っていた時は、ハラハラさせてばかりだったと思います。私がこうして卒業できたのは、お二人の助けがあったからです。すぐに恩返しがしたいけど、まだまだ至らない私です。もうしばらくの間、応援をよろしくお願いします。
最後になりましたが、本日ご臨席を賜りました皆さまのご健勝と、長田商業高等学校の益々のご発展をお祈りして、別れのことばといたします。
令和三年二月二十六日 卒業生代表 小野寺 巨樹