教頭部会では、部会の開催、ひょうご工業フェア、ひょうご高校生ロボット競技大会の運営に携わっています。また、旬な教育課題について調査研究を行っています。
令和7年度 第3回工業教頭部会 企業見学会(令和7年8月26日 )
この度、シスメックス株式会社様のご協力のもと、神戸市西区のテクノパークを訪問しました。
同社は、検体検査に必要な機器、試薬、ソフトウェアの研究開発、製造、販売、そしてサービス&サポートまでを一貫して行う企業です。特に、血液学の分析・研究を行うヘマトロジー分野では、世界をリードするトップ企業として知られています。
また、新しい技術を創出するため、コミュニケーションを促すスペースや、柔軟な発想を生み出す施設・設備が至るところに配置されています。
こちらは、光を味わう瞑想の部屋です。珪藻土の柔らかな壁に包まれた静寂の中、天井から差し込む一筋の光が天空へと誘います。その光は、ただの光ではなく、心に安らぎをもたらす色彩となって感じられます。
このモニュメントは、「不可能を可能にする」という既成概念を覆す哲学が体現されています。4tもの巨岩を人の力で動かすことは不可能に思えますが、巧妙な仕組みにより、まるで魔法のように岩が軽やかに回り始めます。これは、見方や発想を変えることで、困難な課題も乗り越えられることを示唆しています。
見学を通して感じたのは、「創造性」と「人間性」を育むことの重要性です。コミュニケーションを促進するスペースや、柔軟な発想を促すための設備は、社員一人ひとりの発想が、大きなイノベーションへとつながることを示唆されていました。また、瞑想の部屋や岩のモニュメントといったユニークな空間は、既成概念を打ち破る「遊び心」や、自分自身と向き合う「内省」の場として機能しているように感じられました。
これらの取り組みは、今後の教育において、知識の詰め込みだけでなく、生徒が自ら考え、創造し、仲間と協力する力を育むことの重要性を改めて教えてくれました。
今回の貴重な機会を与えてくださったシスメックス株式会社の皆様に、深く感謝いたします。今回の学びを、今後の活動に生かしてまいります。
(文責 兵庫県立小野工業高等学校 定時制教頭 松本康一)