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人と自然科 地域自然保護 現地フィールドワークその2 里山管理を体験する

 人と自然科3年生学校設定科目「地域自然保護」の授業では、今年も県立有馬富士公園をフィールドとし、1年かけて有馬富士公園を訪れるゲストに公園の自然を感じてもらうための体験プログラムを生徒自身が企画し、実践する授業を行っています。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

  前回は実際に有馬富士公園で夢プログラムを実施されている地域の先輩方からプログラムを体験させていただいており、里山を存分に楽しむプログラムを体験しました。

 前回のフィールドワーク 『ありまふじ里守の会』里山を存分に楽しむ に関する記事はこちら

 そして5月14日(火)、現地フィールドワーク2回目として、有馬富士公園で里山管理活動を継続的に行い、さらにはシイタケ菌打ち体験やキノコ観察会などの体験活動を来園者に提供されている『緑の環境クラブ』の方々から夢プログラムを体験しました。まずは体験の1週間前、グループの代表の方に来校いただき事前学習を行いました。

 

 里山と人間との密接な関係や多様な生態系、そして常緑樹を中心に間伐するなど、里山管理の方法について学んだ後、安全に里山管理柄を行うための注意点について詳しく説明いただきました。特に今回は太い樹木を伐木するということで、鋸刃の入れ方やロープのかけ方など、専門的な技術をスライドを見ながら学びました。

 そして一週間が過ぎ、有馬富士公園へ。天候は快晴です。

 ヘルメットと剪定ばさみ・のこぎりを装着し、自己紹介です。今回は緑の環境クラブより10名の方にお世話になります。お忙しい中本当にありがとうございました。そして安全に実習を行うための最終確認。マダニなどから守るために肌の露出を避けること、ハチやマムシが出たときは安易に近づかず周囲に知らせることなど、けがをしないための大切な心構えを再確認しました。

  3班に分かれ、いよいよ実習地へ向かいます。

 ラジオ体操、そしてマダニ対策の虫よけスプレーをしっかり吹き付けた後、里山に入ります。

 入る直前には、触るとかぶれる可能性のあるウルシ類の植物も教えていただきました。

 まずは全員で下草刈り体験です。このように地表部を覆うネザサをノコギリや剪定ばさみで刈っていきます。

 

 『バイオネスト』という分解を促進させるためのスペースに集めていきました。さっぱりして風通しが良くなりましたね。

 

  次は間伐体験です。混み合った里山を明るくしていきます。一週間前の事前学習で教えてもらった内容を思い出しながら、ロープと滑車をかけていきます。

 今回はソヨゴやヒサカキなどの常緑樹をノコで伐採しました。太い樹木は下の写真のように受口を作り、ロープを引っ張り、意図した方向へ倒していきました。

 

 そして間伐した樹木置き場を作るために丸太を削って杭を作り、枝を使って支え、安全に杭を打ちバイオネストを作りました。

 

伐採した木は腐食し土に還りやすくするために小さく切断し、お手製のバイオネストに積んでいきました。

 木を1本間伐しただけで、上空から光がさしてきました。里山の中に光が入ると、地表面に新しい植物が芽吹き始め、多様な生態系が生まれます。

 約2時間のプログラムはあっという間に終了。最後に道具の手入れをしっかり行います。これも大切なプログラムです。

 最後に大ホールに戻って振り返りです。この日見つけた樹木の名前を復習し、

  1人ずつ本日のプログラムで気づいたことを発表しました。『木を1本切るだけで様々な技術が必要だということを学んだ』『里山管理の方法について学ぶことができた』『次回機会があれば、もっと太い木を間伐してみたい』など前向きな意見ばかりで、生徒にとって忘れられない経験となったようです。

 緑の環境クラブの皆さん、すばらしい夢プログラムをありがとうございました。

 

 この日あまりにも天気が良かったので、最後に公園のシンボルツリーの前で集合写真を撮りました。

 

 次回の現地研修は元キッピーフレンズの方から、公園の植物を活用した夢プログラムを体験する予定です。