令和3年度入学式 式辞
4月8日(木)午後1時30分から行われた第42回入学式で春名校長が式辞を述べられました。
『本校は、「自主自立 質実剛健 友愛協調」を校訓としています。この校訓を踏まえ、皆さんに、三年間の学校生活を送るにあたり心に留めておいてほしいことを、生徒像としてお話しします。
校訓の一つめ、「自主自立」とは、主体的に学校生活を過ごし、自ら積極的に課題を見つけ解決していく能力を身につける生徒です。
二つめの「質実剛健」とは、飾り気なく知力、体力、人間性など、自分自身の成長を目指し、真面目で、たくましくしなやかに生きる力を身につける生徒です。
三つめの「友愛協調」とは、他の者と力を合わせ、自らを大切にし他を思いやる心を豊かにしようとする生徒です。
私たちは決して自分ひとりの力で生きているのではありません。互いに助け合い磨きあって生活しています。皆さんには、校訓の「自主自立 質実剛健 友愛協調」の三つを大切に、先生、先輩、友達と交流しながら学校生活を送ってほしいと思います。
もう一つ、入学する皆さんに本校の紹介をしておきます。
本校では、「南溟」という言葉を大切にしています。本校の文化祭は「南溟祭」といい、本校の同窓会館も「南溟会館」を名付けられています。「南溟」の「南」は「みなみ」、「南溟」の「溟」は「さんずい」に空の星の一つである冥王星の「冥」と書き、「大きな海」「大海原」を意味しており、「南溟」は中国の古典『荘子』から採られた言葉ですが、「南に広がる大きな海」を表しています。『荘子』では、鳳という大きな鳥が南方に広がる大海原を雄大に飛びゆく様を表しています。本校の先輩が「南」の文字に南高等学校という意味を含め、県立高砂南高等学校の卒業生が新天地を目指してはばたき空を飛び続けるありさまを象徴して、大切にしてきた言葉です。卒業生へのはなむけの言葉にぴったりですが、私は、新しく南高生となる皆さんに伝えたいと思います。それは、何かをなすためには準備が必要だからです。例えばマラソンで、笑顔でゴールに駆け込むためには、走る力や走り方、ペース配分や苦しいときの対処法など、レースが始まる前に様々なことを身につけておかなければなりません。それと同じように、はばたき空を飛び続けるための力と準備が必要です。新入生の皆さんには、本校での学校生活に取り組む中で、未来の自分のためにしっかりとした力を身につけてもらいたいと思っています。知力、体力はもちろんのこと、私たちは決して一人では生きていけない存在ですから、人を助け、人に助けてもらう、協力するための様々な知恵や人と関わろうとする気持ちを身につけていくことが必要です。本校に入学した今日から、自らを高めようという気持ちを新たにして、学校生活に取り組んでください。授業に学校行事、そして部活動と本校の先生方の指導のもと、精一杯がんばってほしい。また本校では生徒会が主体となって行事を運営するなど、生徒が力を合わせて活動を作り上げる取組も行っています。新型コロナウイルス感染防止のため、以前と同じ活動ができるまでにはまだ時間がかかるかもわかりませんが、皆さんには常に自分には何ができるかを考えながら学校生活を送ってほしいと思っています。』