校長だより

第12回卒業証書授与式が行われました

晴天の中、卒業式が行われました。

卒業式は何度経験しても感動があります。

卒業証書授与は総代 三好佑我君

皆勤賞 受賞者代表 藤本愛祐さん

翠鈴賞 きみかげ賞 受賞者代表 高橋俊徳くん

送辞 在校生代表は国島莉緒さん

答辞は卒業生代表 中村奎太くん

今年はコロナの影響で式歌は歌いませんでした。

でも校歌も歌わないはずでしたが、小さな声で

みんなが口ずさんでいました、

最後の退場ではクラスそれぞれが担任の先生に最後の

言葉を述べて退場していきました。

 

今年は卒業生の顔が見れるようにステージからビデオカメラで撮り

保護者席の前方左右にスクリーンを置いて写しました。

式辞

六甲の山々を吹き渡る風にも、暖かな春の訪れを感じさせる今日のこの佳き日、また、コロナ禍の中におかれまして、PTA会長様並びに同窓会を始め、ご来賓の皆様、保護者の方々のご臨席を賜り、ここに令和二年度兵庫県立神戸鈴蘭台高等学校卒業証書授与式が挙行できますことを、心から感謝申し上げます。

 ただ今、卒業証書を授与致しました
二六九名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、保護者の皆様をはじめ、ご家族の皆様、本日は誠におめでとうございます。
入学以来、今日に至るまで、陰になり日向になりお子様を支え続け、めでたく卒業を迎えられました。教職員一同、心よりお祝いを申し上げます。そして、ここに至るまでの本校の教育活動に賜りましたご支援に、改めて深く感謝申し上げます。

12回生の皆さん、
皆さんが過ごした高校生活は人の一生涯においても単なる時間の経過ではありません。
前身となる鈴蘭台高校と鈴蘭台西高校の2校からの伝統を引き継ぎ、自主自立の精神のもと、学習、学校行事や部活動に精一杯、そして伸び伸びと取り組んで、自らの心と体を鍛え、かけがえのない青春の時を紡いできました。
また令和2年度は新型コロナ感染拡大防止の中、当たり前のことが当たり前にできない状況が続きましたが、前向きに学校生活を送ってくれたことは誇りに思っています。
私たち教職員一同は、皆さんたちの高校生活における努力と研鑽に敬意を表するとともに、この卒業の感激を胸に、皆さんのさらなる飛躍への礎として、生かし続けてほしいものです。

「人生とは、我々が稽古をする時間もなしに、役割を演じなければならない劇である。」これはイギリスの言語学者チェンバレンの言葉です。
どのように生きても一度しかない人生。やり直しのきかない片道切符だけの人生。と、するならばできるだけ豊かな人生を、と願うのは誰も同じです。
人生とは自分の責任において作り上げていくもの。あくまで自分の責任において。
ときどき「若者には未来がある」などという大人がいますが、こんな甘い言葉の響きにごまかされてはいけません。
「未来がある」かどうかは、まさに本人の努力次第であって、若者だから「未来がある」のではないし、「豊かな人生が待っている」のでもありません。
何も勤勉一途で馬車馬のように働けといっているのではありません。
ただ自分の未来、人生に対しては自分で責任を持てということです。
決して難しいことではありません。「こうすれば上の人に点数が稼げる」とか「こうしたらあの人に誉めてもらえる」ではなく、自分に与えられた、その時どきのポジションに対して一生懸命、誠意を持って取り組むことです。
自分の評価は他人に任せて日々努力する姿勢で取り組めば、豊かな未来になることでしょう。皆さんの健闘を祈ります。

次に、これから新たな世界に羽ばたかれる12回生の皆さんに私の一番大切にしている言葉
「タンポポは落ちたところで花開く」という言葉を贈ります。
この言葉通り、タンポポの種は、落ちる場所を自分で選んでいるわけではありません。
しかしながら、風に運ばれて落ちたその場所でしっかりと根を張って、時期が来れば美しい花を咲かせます。
皆さんも同じで「今、自分がいる場所が自分を活かす場所」なのです。
生きている間には「こんなはずじゃなかった」と言いたくなるようなこと、 想定外のこと、期待外れのことがたくさんあります。
そのような状態・立場に置かれた時でも明るく前向きに生きていく。つまりそれが、落ちたところで自分しか咲かせることができない花を一生懸命に咲かせることになるのだと思います。
その時その時に置かれた状況、そこで嘆いたり悲しんだりしているだけではなく 「周りの人が悪い」とか、自分以外の他の人達が「こうなってくれればいいのに」という気持ちを持つ以上に、 自分がその場で置かれたところで咲く、前向きに生きるということを生活の中で実践してほしいと思います。咲くというのは自分が幸せになり周囲の人を幸せにすることです。
咲くということは私は幸せなんだということを周囲に示して生きることなのです。」咲くということは本当に大変なことだと思います。
皆さんはぜひ置かれたところで咲かせてください。
タンポポは美しくステキな花を咲かせた後も、可愛い種の花を咲かせます。その後は自分の意に反して風に吹かれて飛んでいきます。けれども、種が落ちた所でタンポポはまた美しく可愛く咲き、周りを明るくワクワクさせます。
「タンポポは落ちたところで花開く」
「今、自分がいる場所が自分を活かす場所」
皆さんの輝かしい前途に幸多かれと祈念してやみません。

最後になりましたが、ご来賓ならびに保護者の皆様から、本校に寄せられましたご厚情とご支援に対しまして、厚くお礼申し上げます。そして、今後とも変わらぬご協力、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、式辞といたします。

 

 令和三年三月一日
 兵庫県立神戸鈴蘭台高等学校長
        尾 原 周 治