校長室より

上野千鶴子さんリモート講演の「ノイズ」について

R21224全校集会挨拶

 

上野千鶴子さんリモート講演の「ノイズ」について

 

生徒のみなさん、こんにちは。

11月24日に上野千鶴子さんに「これからあなたたちの待っているのはどんな社会か」と題し、リモート講演がありました。これは、講演で紹介された上野さんの著書「情報生産者になる」ちくま新書です。みなさんはもう読みましたか?

講演を思い出してください。その中に「ノイズ」の話がありました。思い出せますか?

こんな内容だったと思います。

情報とは何か?情報はノイズから生まれ、ノイズのないところに情報は生まれません。ノイズとは何か?ノイズとは違和感、もやもやするという小さな違和感、こだわり、疑問、ひっかかり・・・のことです。「前からそうだから、決まっているから・・・」などのように、あたりまえだと思って、なんの疑問も感じない環境のもとでは、ノイズは生まれません。ノイズの中から意味のある情報が生まれることがあります。情報にならずにノイズのまま終わってしまうノイズもあります。ですからできるだけたくさんのノイズが発生するような環境をつくっておくと、それだけ情報生産性が高くなるとも言えます。ノイズの発生装置を活性化するのは簡単です。自分にとってあたりまえのことがあたりまえにならないような環境に身を置くことによって得られます。そんなに難しいことではありません。例えば、①海外旅行、言葉も慣習も違う異文化に身を置くこと  また、②生い立ちや環境の違う人や障害を持った人と身近に接すればいいと。言い換えれば、情報とは、システムとシステムの境界に生まれます。複数のシステムに股をかけたり、システムの周辺に位置したりすることは、情報生産性を高めます。複数のシステムの境界に立つことです。

ノイズの話は、このような内容だったと思います。

生徒のみなさん、上野千鶴子さんのリモート講演とその後の生徒とのやりとりをみて、あのとき感じたこと、考えたことをもう一度思い出してください。冬休みに時間がある人は、最初に紹介した「情報生産者になる」ちくま新書を読んでみてください。

最後にもう一つ、上野さんからの生徒のみなさんにエールがありましたね。「安心して弱音を吐ける場を見つけ、あなた自身が生きていて良かったと思える人生を送って」と。あなた自身のために、時間を大切にして年末年始を過ごしてください。

では、新型コロナウィルスに感染しないように、手洗いの励行、マスク着用、3密を避けた生活を送り、1月に再会できることを願って、校長の話を終わります。