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人と自然科 夏季休業中資格取得第1弾 アーク溶接特別教育講習実施

 人と自然科では、ビジネス文書実務検定試験(ワープロ検定)や漢字検定など一般的な検定だけでなく、普通科では取得できない様々な資格取得が可能です。夏季休業中資格取得講習第1弾として、7月28日~30日の3日間アーク溶接特別教育講習を実施。希望する生徒25名が挑戦しました。

 まずは有馬高校清陵会館にて2日間の学科講習(一部実技)です。アーク溶接は造船業、建設業等をはじめとする幅広い業種において行われている、金属の溶接・溶断等を行う作業です。電気の力で鉄と鉄を融接していきます。将来ア-ク溶接機を用いて金属の溶接、溶断等の作業に従事する場合には、労働安全衛生法の規定により所定の特別教育を修了した有資格者であることが必要です。

 テキストや実物の道具、映像を使い、アーク溶接の基礎知識や電気に関する基礎知識、安全装置や作業方法、そして最も大切な災害の防止について講義をいただきました。

 溶接棒の仕組みや、ストリンガービード、ウィービングビードといった用途に合った溶接棒の動かし方など、専門的な技術はもちろん、アークの光で目を痛めないための保護めがね、保護面の使用、そして、感電や火傷を防止するための革手袋、エプロンの装着など安全についてもしっかり教えていただきました。講習3日目には実技があるため、マーカーで大切なところにラインを引きながら皆真剣に講義を受けていました。

 休憩時間にも振り返りをしている生徒も多く、教本を覗いてみるとしっかり学んでいる証が・・・。学科講習の最後に行われた確認テストも全員合格ラインを超えました。

 最終日の30日(金)はキャタピラー教習センターに移動し、実技講習です。

 まずは身だしなみから。学科講習で学んだ通り、溶接中に飛び散る高温のスラグから身を守るため、皮のエプロン、足カバー、手袋を装着。またヒュームと呼ばれる粉塵を吸い込まないように防塵マスクを装着し、最後にアーク光から目を守るために保護面を付けます。

 準備ができたら電源を入れ、いよいよ実技に入ります。感電の可能性もあるため、緊張が走ります。

 今回は鉄の板(母材)にまっすぐビード(溶接棒と鉄の溶けた跡)を作ることを目標に、基礎を身につけていきます。

 溶接棒ホルダーに溶接棒をはさみます。母材となる鉄板に溶接棒の先端をくっつけたら電機が通電しアークが発生します。初めて溶接を行う人にとっては、ここが一番難しいんですね。最初は講師の先生と一緒に実習を行い感覚を体に覚えさせます。

 溶けてだんだん短くなっていく溶接棒と母材の間隔を一定に保ちながら一直線に横に進めていくと、ビード(ストリンガービード)が完成します。

 今回受講した生徒は意欲が高く、積極的な取組みが見られました。その結果、講師の先生の手助けなしでも、うまくビードが作れるようになりました。

 また、実習を待っている生徒も積極的に見ることで技術を向上させていました。

 溶接が終わったらハンマーとブラシでスラグを除去し、ビードの完成具合を確認・・・

 完璧ですね。本当に上手です。

 実技講習は6時間以上ありましたが、あっという間に終了。キャタピラー教習センター長から受講した25名全員にライセンスが渡されました。

 最後にセンター長から、アーク溶接でも感電などで命を落とす可能性もあるため、安全最優先で取り組んでくださいとの言葉をいただき、「ご安全に!!」のかけ声で全日程が終了しました。

 来週8月2日(月)には刈払機の操作に関する安全衛生教育講習が実施されます。将来に向けスキルを向上させていきましょう。