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人と自然科 ブドウ栽培 ジベレリン処理頑張りました

 人と自然科では、ベリーA、ピオーネ、マスカット3種類のブドウを栽培しており、ベリーAは2年生の果樹と緑の授業(新カリキュラム)で、ピオーネとマスカットは3年生のガーデニングの授業(旧カリキュラム)で技術を学んでいます。

 現2年生からスタートしている人と自然科 新カリキュラム(教育課程表)はこちら.pdf

 ブドウ栽培は4月からスタート、5月上旬には先日は、摘穂・整房・ねん枝・誘引などの技術を学びました。

 4月、今年もブドウ栽培が始まりました・・に関する記事はこちら

 5月上旬の栽培実習(摘穂・整房・ねん枝・誘引など)に関する記事はこちら

 そして5月の下旬に入り、いよいよジベレリン処理を学びました。ジベレリンは植物ホルモンの一種。主に無核化(種なしにすること)を目的に行い栽培期間中2回実施します。

 まずは2年生によるベリーAのジベレリン処理です。

 ベリーAの場合、開花前2週間に実施します。この時期の判断方法法の一つとして、蕾の幅が約1.8mmを超えてきたた頃と言われています。この時期を逃すと全てのブドウに種が残ってしまうため、中間考査終了後、短時間残って実習を行いました。

 

 ベリーAの場合、100ppmに希釈したジベレリン液を使用します。カップに入れ、花穂(つぼみの状態の房)を一つ一つ丁寧に液に浸していきます。ポイントはカップの中で花穂をゆすり、空気を抜き、まんべんなく液が付着させること。そして花穂全体を液に浸すことです。(上部が浸されていないと、その部分だけ種が残ります。)

 

 しっかり処理できましたね。2回目は開花後訳15日後が適期です。しっかり取り組みましょう。

 その4日後・・・今度は3年生の生徒ピオーネのジベレリン処理を行いました。

 

 ピオーネの1回目の処理適期は満開約5日後。濃度は12.5ppm(12.5~25ppmと言われています)に希釈したジベレリン液を使用します。方法はベリーAと一緒です。 

 さすが3年生。1年生の時にベリーAの栽培を学んだだけあって、慣れた手つきです。液に付けた後は軽く花穂をトントンすることで、余分な液を落とします。残った液が乾燥し、ジベレリンの濃度が上がってやけどのような現象が起こる『ジベ焼け』を起こすのを防ぐ技術です。ちなみにのこの日の天気は曇り。一気に乾燥しないのでジベレリン処理には最高の天気でした。

 終了後は枝の管理です。中間考査中はでなかなかブドウ畑にこれなかったので、枝が上に伸びてしまってますね(右写真)。ねん枝(枝をひねって方向を変える技術)をして下に落として屋根の下に落としてやります。(右写真)この作業をツル落としといいます。とても上手です。

 これでこの日の実習は終了。ピオーネの2回目ジベレリン処理は1回目の10~15 日後。おいしいブドウが収穫できるように、そしてブドウを待っている皆様(有馬高校の生徒・保護者限定販売です)のために頑張ります。

 昨年度の ブドウ販売会の様子はこちら

人と自然科 今年もひとはく連携セミナースタート 西日本のタンポポについて学ぶ

 今年も人と自然科1年生「人と自然」の授業で、ひとはく連携セミナーがスタートしました。有馬高校人と自然科と県立人と自然の博物館の間では生徒のセミナー受講について協定を結んでおり、1年生学校設定科目「人と自然」の授業で年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の専門員から、各分野のユニークかつ専門的な講義を直接受講することができます。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 県立人と自然の博物館まで約2km。安全第一でみんなで歩いて向かいます。とっても楽しそうですね。

 第1回目の講義はセミナーではおなじみの名物先生、鈴木武研究員から「西日本のタンポポについて」と題し、お話をいただきました。鈴木先生は植物研究の第一人者で、中でもタンポポについて多くの資料を収集し、研究されています。また植物以外にも昆虫やは虫類など、その豊富な知識は多岐にわたります。

 まずはタンポポの基礎知識について。部位の名称を学んだ後、カンサイタンポポやセイヨウタンポポ、カントウタンポポ、シロバナタンポポなど多様な種類について説明いただきました。花弁の色はもちろん、特に外片の細かな形の違いで見分けます。近年はカンサイタンポポとセイヨウタンポポの雑種も増えているそうです。

 次にタンポポに似ている植物について教えていただきました小学生に「タンポポを摘んできて」といってよく間違われるのが『ブタナ』と呼ばれる植物で、タンポポよりも小さめの黄色い花をつけています。タンポポは一つの茎から1コしか花をつけませんが、ブタナは複数の花をつけるのが特徴です。それ以外にもノゲシやオオシシバリ、ニガナなど間違えやすい植物があります。

 そのほかにもタンポポの名前の由来や観察方法、出現率の規則性・・・など様々なタンポポに関する知識を教えていただきましたが、中でも生徒が興味を持っていたのはタンポポとメダカの分布が一致しているという説です。『メダカがタンポポの種を運ぶから?』『タンポポを食べてメダカが育つから?』『共通の理由からたまたま一致した?』など様々な理由が考えられているようですが、まだ研究中だそうです。

 最後に番外編として、鈴木先生の研究対象として飼育されている様々な生きものの実物に触れる体験をさせていただきました。ダンゴムシやトカゲ類などの生きものがいる中で一番人気だったのが・・・

 ヘラクレスオオカブトです。最大個体は全長180mm以上。世界最大のカブトムシです。よくよく観察すると全身に毛が生えており、胸や角の毛は相手を挟んだときの滑り止めの役目が、おしりの毛はダニよけなどの役割があるそうです。早速BYODで購入したタブレットで撮影し記録に残していました。

 とても楽しく充実した90分でしたね。鈴木先生本当にありがとうございました。人と自然科ではこのような経験、体験を積み重ね、3年後の進路実現につなげていきます。

 今年3月に卒業した人と自然科先輩の進路実績はこちら.pdf

 最後に今回初めてみんなで人博を訪れたと言うことで集合写真をとりました。

 今年入学した1年生も全員、農業や環境に興味があり普段の農業に関する実習や座学も意欲的で頼もしいです。この調子で頑張りましょう。

 次回のひとはくセミナーは李 忠建研究員より『種とは何か』というテーマで、生物とはどのような存在なのかにつて迫っていきます。楽しみですね。

人と自然科 農業クラブ令和5年度前期総会開催

 5月23日火曜日 講義棟に人と自然科の1年生から3年生全生徒が集まり、令和5年度農業クラブ前期総会を開催しました。

 人と自然科のように、全国の農業に関連する学科で学ぶ生徒は全員『農業クラブ』という組織に所属します。農業や環境などに関する知識や技術を習得する日頃の授業や実習も農業クラブ活動であり、習得した知識や技術を活かした地域貢献活動も農業クラブ活動です。

 直近の地域貢献活動 福祉施設花壇植え付けボランティアに関する記事はこちら

 また全国の農業高校生と交流したり、農業について学んだことを全国約9万人の農業高校生と競い合う各種競技会に挑戦したりするのも農業クラブ活動の特徴です。

 兵庫県内11校の農業クラブ員(農業高校生)と交流した県第1回理事会評議員会出席に関する記事はこちら

  昨年全国の農業高校生と競い合った農業クラブ全国大会北陸大会に関する記事はこちら

 前期書記による開会の言葉の後、まずは前期会長より挨拶がありました。クラブ員一人一人に語り掛ける口調で、立場が異なる1年生、2年生、3年生それぞれがやるべきことに一生懸命取り組むことの重要性について訴えかけるる素晴らしい挨拶でした。

 次に成人代表である校長先生より挨拶をいただきました。昨年度の農業クラブ各種競技会やコンクールなどでの大活躍に関するお褒めの言葉、そして高校で農業を学ぶことの重要性、そして最後の『有馬農林学校、兵庫県立三田農業高等学校が前身である有馬高校126年の歴史は『農業』であることに誇りを持ってほしい』という言葉が人と自然科の生徒にとって心に残る言葉でした。

  そして議長が選出された後、総会に入ります。

 執行部事業から令和4年度事業報告と令和5年度事業計画案が・・・

 執行部会計から令和4年度会計決算報告と令和5年度会計予算案、さらには監査委員から会計監査報告があり、異議もなく承認されました。

 議長解任後は昨年度の活動成績報告。昨年度は農業クラブ全国大会のみならず、全国海づくり大会作文コンクールの環境大臣賞、NFDフラワーデザインコンテストでの文部科学大臣賞など、2名の大臣賞をはじめとして様々なコンテストで優秀な成績を収めることができたことが報告され、『今年度も先輩に負けない活躍ができるように頑張りましょう。』と激励の言葉がありました。

第18回NFD全国高校生フラワーデザインコンテストにて文部科学大臣賞他受賞 に関する記事はこちら

第21回全国高校生フラワーアレンジメントコンテストに兵庫県代表として出場 奨励賞受賞に関する記事はこちら

全国豊かな海づくり大会作文コンクールにて環境大臣賞を受賞しましたに関する記事はこちら

 次は令和5年度前期有馬高校農業クラブ執行役員の紹介です。2.3年生を中心とした10名の執行部役員に加え、新たに11名の1年生を加えた21名の執行委員が紹介されました。このメンバーが人と自然科の核となり、学科を盛り上げてくれます。役員のみなさんよろしくお願いします。

 最後は恒例のFFJの歌斉唱です。FFJの歌は全国の農業高校生が歌える歌で、県大会や全国大会、農業高校生が集う会議や交流会で必ず斉唱する歌です。今回3年ぶりに全員で声を出して歌うことができましたが、1年生はもちろん、2.3年生の生徒も曲は何度も聞いていたものの、初めて声を出して歌ったということで、大合唱まではまだまだ時間がかかりそうです。

 

 前期総会も終え、農業クラブ活動はいよいよ本格的にスタート。6月には兵庫県下11校の農業高校生が集まるイベント『リーダー講習会』そして農業高校生の甲子園、インターハイとも呼ばれる『各種競技会』の予選会に突入します。人と自然科のみなさん、日々の農業学習を楽しみながら頑張りましょう。

人と自然科 ブドウ栽培頑張っています(摘穂・整房・ねん枝・誘引・・・)

 5月も後半に入り、気温も一気に上昇してきました。有馬高校人と自然科人気作物の一つ、ブドウ(ベリーA、ピオーネ、マスカットオブアレキサンドリアの3種類栽培しています)も一気に成長が進み、農場に行くたびにツルが伸び、違った姿を見せています。(ちなみに下の写真の左が5月上旬、右が1週間後の写真です。全く違う風景ですね。)

 

 そんなブドウに4月から、2年生の生徒は果樹と緑の授業で、3年生の生徒はガーデニングの授業で一生懸命向き合っています。

 4月 今年ももブドウ栽培が始まりました・・に関する記事はこちら

 この時期重点的に行う実習は、摘穂・整房・ねん枝・誘引・・・ですね。

 摘穂は1本の枝に2つ~3つついている花穂(つぼみの塊)を1つにしぼる作業です。基本は根元に近い穂を残しますが、成長が早すぎる場合は2つ目の穂をのこすこともあります。

 次に整房です。整房とは、房の形を整える作業。現在ブドウはつぼみの状態で、その数は数百個。このままではうまく実がつかなかったり、とてつもなく大きな房になってしまうので、つぼみのうちにハサミで摘みながら数を制限していきます。

 ベリーA では、最終的に1房75粒を目標とし、1房75粒を目標とし、この時期は花穂の先端を落とし、つぼみの塊(車)を15にしていきます。そしてピオーネは最終的に1房40粒を目標とし、この時期は花穂の先端を残し、つぼみの塊(車)を10にしていきます。(なかなか言葉では難しいですね。ぜひ人と自然科に入学し、学んでください。)ちなみに下の左写真がピオーネ整房前、右はピオーネ整房後の写真です。細かい作業で大変ですが、丁寧に1房1房作業をしています。

 そして上に伸び、屋根に突き当たろうとしている枝をテープナーという道具を使って針金にとめていく作業が「誘引」です。この時枝を折らないように、ねじりながら下に向ける「捻枝」という技術があり、これが難しいんですね。高度な技術が必要です。

 これらの作業が終われば、いよいよ5月下旬には種なしブドウにするためのジベレリン処理を学ぶ予定です。9月には収穫を迎え、在校生、保護者を対象としたブドウ販売会が実施されます。

 昨年度のブドウ収穫(収量調査)の様子はこちら

 昨年度の ブドウ販売会の様子はこちら

 おいしいブドウが販売できるように、技術を高め頑張ります。

人と自然科 農業クラブ 福祉施設花壇植え付けボランティア実施

 人と自然科では、日頃の授業や実習で学び、身につけた技術を活用し、様々な活動行っています。その一つとしてあげられるのが、農業クラブ本部役員を中心として取り組んでいる地域での花壇装飾活動です。今年も、人と自然科農業クラブ役員生徒10名が篠山市にある福祉施設「丹南精明園」を訪れ、花壇植え付け活動を行いました。農業クラブでは14年前からこの活動を継続して行っています。

 この日は自分たちで栽培したペチュニアやサルビア、マリーゴールド、アゲラタムなどの草花苗約1000鉢を持参しました。朝から雨が降っていて心配していましたが、到着と同時に雨もほぼ上がり安心しました。

 活動では園内5カ所の協同花壇、プランタを装飾します。今回は1年生の生徒が初めて参加。2.3年生の生徒とペアになり、先輩が考え配置した花苗を定植していく方法で進めていきました。

 色とりどりの花苗がきれいに並べられていきます。

 

 並べ終わったら早速植え付け開始です。

 コロナ渦前は施設利用者の方と一緒に植えていたのですが、今回も感染リスクを考え農業クラブの生徒だけで植え付けていきました。一緒に交流しながら植えるのはもう少し時間がかかりそうです。

 約2時間で植え付け作業は終了。完成した花壇はこちらです。

 今は少し間隔が空いていますが、これから夏になるとさらに株が張り、ボリュームが増し、花いっぱいになります。楽しみですね。

 丹南精明園を訪れた際は是非ご覧下さい。