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人と自然科 世界稲刈り選手権の大会運営を行いました

 9月24日(日)三田市下相野の水田にて、世界稲刈り選手権が開催され、本校人と自然科農業クラブ本部役員14名が大会の運営をお手伝いしました。

 このイベントは、子どもたちと一緒にお米作りをすることで土に親しみ、農業に興味を持ってもらうことが目的で開催されてるイベントです。有馬高校農業クラブは、授業でお米づくりを学んだ知識や技術を活用して、14年前から運営に携わっています。この日は6月に同じ田んぼで開催された、世界田植え選手権で手植えを行いすくすくと成長して収穫を迎えたイネをみんなで楽しく手刈りで収穫しました。

 6月に開催された世界田植え選手権に関する記事はこちら

 イベントの最初は恒例のラジオ体操です。1年生の生徒が前に立ち、皆で一緒に体操をします。

 体がしっかりほぐれたところでいよいよ稲刈り開始です。

 今回は比較的幼い子どもたちが中心に参加していたため、ケガしないように、手を添えながら一緒に稲刈りをしました。

 今年この田んぼで栽培したお米は『ミルキークイン』という品種です。粘り気が多く、冷めても美味しいお米です。刈り取ったイネは束にしてくくっていきます。

 ある程度刈り終えたら脱穀します。農家の方に教わりながら、安全に気をつけて、束にしたイネをコンバインに入れて籾と稲わらに分けていきます。

 あっという間に12時に。お昼ご飯です。この田んぼでとれたお米を使い、地元のお母さんが作る特性カレーライスです。ほどんど水を使わず、タマネギなどの野菜を煮詰めて作った特製カレー。付け合わせのキュウリ、ラッキョ、そして今回は新たに梅干しも登場。屋外で食べるカレーライスは最高です。

 午後からは大型機械の操作を体験させていただきました。高校の水田は小さいのでなかなか大型機械の運転実習ができません。ありがとうございます。

 まずはコンバインを使った稲刈り体験です。農家の方に教わりながら残ったイネをあっという間に刈り取りました。そして今年も稲刈りをしていたら上空にツバメの大群が登場。飛び出た昆虫を狙って集まってきました。農業は生き物と関係していますね。

 そして刈り取った後の田んぼを大型トラクタで耕うんしました。今年は新たに導入されたロボットトラクタを体験させていただきました。事前に設定しておけば、ハンドルを持たなくても勝手にタイヤが動き、凸凹の水田の中でもまっすく走行します。広い水田の場合はGPSでほ場内を走行します。まさにスマート農業ですね。

 あっという間にイベントは終了です。今日参加したみんなで記念写真を撮りました。

 

 お招きいただいた、こころ豊かな人づくり500人委員会阪神北OB会の皆様、参加された皆様、楽しい時間をありがとうございました。

人と自然科 ひとはく連携セミナー 古代湖における固有種の生態について学ぶ

 9月15日(金)人と自然科1年生学校設定科目『人と自然』の授業において、今年度第4回目となる人博連携セミナーが実施されました。人と自然科は県立人と自然の博物館と連携協定を結んでおり『人と自然』の授業で年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の研究員から自然や環境、動植物など専門的な講義を直接頂き、深く学んでいます。

 今年度3回目となるこの日は『タンガニイカ湖での調査』をテーマに、高橋 鉄美研究員から古代湖における固有種の生態について学びました。

  古代湖とは、10万年以上水を維持し続けている湖で、世界に20ほどあるといわれています。その中でもアフリカにあるタンガニイカ湖は、世界でも珍しい古代湖の一つで、高橋先生は何度も調査に訪れておられます。タンガニイカ湖はアフリカのザンビアにある大きな湖で、全長650km。その距離は三田市から仙台市と同じ距離です。

 

 高橋研究員が特に注目されているのは、湖に250種類以上生息しているカワスズメ科の魚類で、そのほとんどがここでしか見られない固有種で、総称としてシグリットと呼ばれています。

 

 生徒のレポートをみせてもらったところ、今回の講義で多くの生徒が興味を持ったのはシグリットの『適応拡散』でした。適応拡散とは、起源を同一にする生物群が種々の異なる環境に最も適応した生理的または形態的な分化を起こし、多くの系統に分かれることをいいます。要は独自の進化を起こしているということですね。シグリットが適応拡散している原因としては、口内保育による子どもの世話、そして岩住みがあげられます。これにより拡散が少なくなり、異所的種分化を起こしやすくなります。

 

 専門的な内容はまるで大学の講義のようですね。講義ではそのほかにも繁殖様式や生態系の保全などについても学ぶことができました。また、先生が研究でアフリカ各地を訪れた際に気付いた様々な日本との違いや気付きについても興味深い話を伺うことができました。このように研究員から様々なことを学んでいき、3年生での大学進学をはじめとした進路実現につなげていきます。

 

 次回の人博連携セミナーは、10月6日(金)『秋の野原の虫とりで、さわって感じる生物多様性』と題して八木剛研究員より、実際にフィールドに出て昆虫採集を通し生物多様性について学ぶ予定です。楽しみですね。

人と自然科 ブドウ販売会大盛況 購入いただいた皆さまありがとうございました

 人と自然科の生徒が授業で丹精込めて栽培したブドウ(ベリーA、ピオーネ、マスカットオブアレキサンドリア)の即売会(本校保護者、生徒限定)を9月8日(金)、11日(水)、15日(金)の3日間、各学年ごとに開催させていただき、大盛況の中無事終了しました。

 生徒が栽培しているブドウが収穫時期を迎えています・・・に関する記事はこちら

 販売に向けて、生徒自ら調整、包装、袋詰めを行いました。各日700房~800房の調整が必要となり、栽培を担当した2年生の果樹と緑、3年生のガーデニングの授業だけでなく、総合実習や他の農業科目でも少し助けてもらいながら、1年生から3年生まで手分けをして行いました。

 

 しわしわになったり、中で傷んでいたりしでいる粒がないかどうか確認し、ハサミで一粒一粒調整していきます。とがったハサミの先で実を突き刺さないように注意します。商品を販売しお金をいただくということで、みんな真剣ですね。

 

 そして調整したブドウをランク付けしていきます。有馬高校人と自然科の伝統として、粒のつまり具合で3つにランク付けし、上と中のランクのブドウをセロファンの包装紙に丁寧に包みます。そして1袋に2~3房を詰め、重さをはかり価格を決定します。

  このように調整、袋詰め、確認作業は販売直前まで行われ、そしていよいよ体育館前で販売準備です。机を並べ、トラックの両サイドにのぼりを立て、準備万端です。

 

 いよいよ販売開始。販売前からたくさんの方が集まってくれました。ほんとうにありがとうございました。

 販売は放課後の農場当番(総合実習B)の授業で販売実習として行いました。放課後の農場当番は1年生から3年生が一緒になって行います。学年を超えて連携し、販売実習を行っていました。

 

 レジでは、品種、重さを伺い、会計を行っている間に後ろで待機している生徒が商品を準備します。計算を間違えないようにゆっくりやりとりをを行いました。そして売り切れた品種、ランクを一覧表に線を引いていきます。この役割が重要です。あっという間にどんどん無くなっていきましたね。

  今年は台風などの気象災害や害獣被害もなく、さらに夏の晴天にも恵まれなかなかの出来栄え。担当者が記憶している中でも3本の指に入るくらい良い出来であったと手応えを感じています。また、ピオーネとマスカットは元々畑の面積が小さいため、予告通り数量制限をさせていただきました(初日の1年生は最も多い来場者で、ベリーAも数量制限を行わせていただきました。)が、やはり人気で、最後には売り切れてしまい、買えなかった方もいらっしゃいました。本当に申し訳ありませんでした。

 また、ブドウを購入していただいた方から、整理券番号の順番通りにレジに案内できる新たな並び方のアイデアもいただき、早速2年生の販売で改善案を試してみたところ、とてもスムーズに販売を進めることができました。 

 このように大盛況であったブドウ販売は3日間で合計329名の方に来場いただきました。栽培を担当した生徒、そして販売を担当した生徒は、喜んで買ってくださるたくさんの生徒、保護者の姿を見て、大きな自信となったとのことでした。暑い中、ご来校いただいた保護者の皆さまありがとうございました。そして購入してくれた総合学科の生徒の皆様も、本当にありがとうございました。人と自然科の学びの内容を少しでも理解してもらえたら嬉しいです。

人と自然科 ひょうごまちなみガーデンショーin明石2023 アグリハイスクールガーデンに出展しています

 9月17日(日) ~ 9月24日(日)の期間、兵庫県立明石公園にてひょうごまちなみガーデンショーin明石2023が開催されています。このイベントは花と緑に関する県民の意識の向上や、花と緑あふれるまちづくりや暮らしづくりを後押しするためのイベントで、今年で31回目の開催となります。

ひょうごまちなみガーデンショーin明石2023パンフレットはこちら.pdf

 イベントの展示の一つとして、県下の農業高校の生徒が自分たちでデザイン・施工した自慢の庭を展示する、アグリハイスクールガーデンが開催されており、有馬高校人と自然科も、3年生コンピュータ-造形を受講している生徒を中止に準備を進めてきました。

 

 夏休み前から設計、準備し、学校で何度も試作を行い、いよいよ代表の生徒3名が開催期間直前の9月16日に明石公園を訪れ、作庭を行いました。

 作庭は1.5m×2.3mの木枠の中に作成していきます。今回はアキランサス、ケイトウ、コリウス、リュウノヒゲ、ペンタス、ジニアなど10種類以上の植物を持参して植栽していき、約4時間かけて作品を完成させました。

 完成した作品はこちら。

 テーマは『四季の箱庭』です。春夏秋冬を4つの箱庭に植栽し、季節の巡りを表現した渾身の作品です。作品の右上が春→右下が夏→左下が秋→左上が冬を表現しています。

 作庭した生徒にインタビューしたところ、4つの季節の箱庭同士を完全に分離せずに、一体化させることがこだわりのポイントなのだそうです。バークチップや流木を使って、山から海に流れる川を表現し、4つの季節の箱庭を上手く融合させていますね。お見事です。

  今回作庭した作品は、9月24日(日)10:00~16:00(最終日は15: 00まで)明石公園に展示しています。(明石城公園入口の橋を渡ったあたりにあります。)

 明石公園を訪れた際は是非有馬高校人と自然科の生徒が作庭した庭を探してみて下さい。

 

人と自然科 地域自然保護 ありまふじ夢プログラム 中間発表会実施

 人と自然科3年生学校設定科目『地域自然保護』の授業では、県立有馬富士公園をフィールドとし、1年かけて公園を訪れるゲストに公園の自然を感じてもらうための体験プログラムを生徒自身が企画し、実践する授業を行っています。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 県立有馬富士公園は、公園を愛する地域の方が自分の特技を活かし、来園者に体験プログラムを提供するという取り組みを行っている全国的にも注目されているユニークな公園です。授業は4月からスタートし、今日まで公園を管理している職員から説明を受けたり、実際に公園で活躍されている夢プロ団体の皆さんから体験プログラムを受けたり、自分たちで公園内を調査したり・・・など公園を知る活動を続けてきました。

 地域自然保護 今年もスタートしました・・に関する記事はこちら

 現地フィールドワークその1 パークマネジメントについて学ぶ・・・に関する記事はこちら

  現地フィールドワークその2 天文を通したありまふじ夢プログラムを体験・・に関する記事はこちら

 現地フィールドワークその3 有馬富士公園の昆虫を捕まえる・・・に関する記事はこちら

 現地フィールドワークその4 里山管理を体験する・・・に関する記事はこちら

 現地フィールドワークその5 棚田を管理し土と触れ合う夢プログラム体験・・・に関する記事はこちら

 そして9月12日(火)これまで経験し、自分たちの足で公園内を歩き回り調査した内容を1枚の有馬富士公園巨大地図にまとめ、お世話になった皆さんの前で発表する中間発表を行いました。この日に向けて生徒は一生懸命準備してきました。

 

 そして発表直前も、原稿を手に役割分担など最終確認です。気合い入ってますね。

 

  発表にはアドバイザーとしてお世話になっている、人と自然の博物館研究員の先生方、管理者であるパークセンター職員、行政からは宝塚土木事務所の職員、そして夢プログラム体験でお世話になった夢プロの先輩方をお招きし、いよいよ発表スタートです。1班10分から15分の持ち時間で発表を行いました。

 

 発表では、自分たちで考えた班名について紹介した後、夢プログラム体験や調査して感じたこと、有馬富士公園の魅力や改善点を行政や管理者であるパークセンターの方に直接伝えることができました。

 園内に生息している植物や昆虫について説明している班や、おすすめの散策ルートを紹介する班などユニークな発表が多かったですね。

 そして最後は自分たちがホストとして提供したい夢プログラムの企画案を紹介しました。

 現時点でのアイデアは以下の通りです。

・自然学習センターでの企画展

・園内に生息している植物の標札づくり&スタンプラリー

・園内での本気鬼ごっこ

・間伐材を活かしたタワー(オブジェ)づくり

・きのこの観察会

 などなどユニークで高校生らしいアイデアばかりですね。聴衆者も評価シートを用いて、他の班の評価はもちろん、自分たちの班の発表や模造紙を自己評価しながら真剣に聞いていました。

 

 そして発表後にはアドバイザーとして来校いただいた方から、忌憚のないご意見、アドバイスを頂きました。

  各班が作成した模造紙はこちら。

 

 めくると答えが出てくる仕掛けなど、立ち止まりたくなる工夫がたくさんある力作です。これらの模造紙は、有馬富士公園パークセンターに一定期間展示させていただきます。公園を訪れた際はぜひご覧ください。

 さて中間発表も終わり、いよいよ今回の発表をもとに、実際に来園者に提供する夢プログラムを企画していきます。テーマは今回の中間発表でも生徒が問題点としてあげていた、有馬富士公園の利用が最も少ない世代である『高校生が有馬富士公園の魅力を感じることが出来る体験プログラム』です。そして12月には実際に高校2年生の後輩を有馬富士公園に招待し、企画した夢プログラムを実践します。

 昨年の先輩が企画・実施した夢プログラムに関する記事はこちら

 大変ですが楽しみながら頑張っていきましょう。最後に中間発表を聞きに来てくださいました皆様、忙しい中お越しいただきありがとうございました。