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カテゴリ:農業部

人と自然科 秋の農業祭まであと4日  今年も花の寄せ植え販売します

 有馬高校人と自然科最大イベント、秋の農業祭まであと4日となりました。収獲を前に農業と環境の授業でハクサイ・ダイコンを主体的に栽培している1年生の生徒も生育チェックです。今年は11月に入っても気温が下がらないため、害虫や病気の発生が少し心配ですが、生育は順調のようです。

 また毎年大人気のモチ米の袋詰め、ギンナンの調整、3年生の課題研究の模造紙作成・・・など、準備に大忙しです。

 

R5秋の農業祭告知ポスターはこちら.pdf

 さて3年生『ガーデニング』の授業では、毎年恒例、花の寄せ植えを今年も制作しました。毎年楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。

 

 寄せ植え制作に向け、事前に座学で色彩や明度など色が持つ性質、配色の方法、高さの組み合わせ方、花が持つ性質・・・などなど花苗の活かし方を学び、この日を迎えました。早速ハウス内ににあるビオラ・パンジー・デージー・ハボタン・アイビーなどの苗から各自で花苗を選びます。

 

 まずは鉢に培養土を入れ、選んだ花苗を鉢の中に並べていきます。一鉢にだいたい6~7ポットの花苗を配置し、位置を確定させます。

 ポイントは背丈の高い草花苗を中心、もしくは後方には位置すること、そして4日後の農業祭を想像することです。今満開の花は4日後しおれている可能性があります、一方つぼみの花は4日後に花を咲かせているかもしれません。これらを計算し、販売当日咲いた花が前を向くように配置します。そして培養土を入れて完成です。

 

 出来映えはいかがですか?納得のいく寄せ植えが出来上がりましたか?完成したら一カ所に集めましょう。

 完成した作品はこちら。なかなかの出来映えですね。

 

 今回制作した寄せ植えは、秋の農業祭 環境・果樹と緑のブースにて販売します。

R5秋の農業祭配置図はこちら.pdf

 是非お気に入りの寄せ植えをお家に連れて帰ってあげてください。皆さまのお越しをお待ちしております。

人と自然科 さんだ農業まつりにて農業クラブ意見発表を披露しました

 11月4日(土)三田市郷の音ホール駐車場を中心に開催された第49回さんだ農業まつりのステージで、人と自然科の生徒2名が意見発表を披露させていただきました。

 三田市の農業を元気にするこのイベントでは、毎年地元の農家さんが作った自慢の農産物販売や三田産の農畜産物を使用した食品バザー、三田消防署のはしご車の展示、三田牛の競り市・・・・などなど様々なブースが出展され、地元三田の農業の魅力を発信しています。そして有馬高校人と自然科は毎年このイベントにお招きいただき、農業や環境に関する意見発表を披露させていただいています。(毎年この意見発表を楽しみにしているよ・・・と言っていただける方も多く、とても嬉しく思っています。)

第49回さんだ農業まつりチラシはこちら.pdf

 意見発表は生徒が日頃の農業学習を通して学んだり考えたりしている身近な問題や将来の問題についての抱負や意見をまとめ、聴衆の前で発表するものです。今年はこの夏の農業クラブ県大会や近畿大会、全国大会に有馬高校や兵庫県、そして近畿ブロックの代表生徒として出場し、最優秀賞受賞など大活躍した2名の生徒が意見発表を披露しました。

 農業クラブ全国大会熊本大会出場に関する記事はこちら

 農業クラブ近畿大会京都大会最優秀賞受賞に関する記事はこちら

 農業クラブ県大会競技に関する記事はこちら

 農業クラブ県大会最優秀賞&優秀賞受賞に関する記事はこちら

 まずは分野Ⅰ類(生産・流通・経営)に出場した3年生 K.Yさんの発表

 タイトルは 『 これまでの経験を未来へ 』 です

 

  家族で大規模なウメ・クリを栽培しており、どのように自分が父や兄ををサポートしていくか悩んでいたとき、学校の授業や先輩農業者特別授業での学びから『経営』の面からサポートできると気づき、『半農半X』という考え方を元に発展させていきたい・・・という決意が込められた素晴らしい発表でした。

 次は 分野Ⅲ類(ヒューマンサービス) 3年生 T.Wさんの発表です。

 タイトル 『 華道の世界に新しい風を 』

 

 幼い頃から華道に取り組んできた中で、人と自然科で取り組んでいるフラワーアレンジメントに興味を抱き有馬高校に入学。授業やアレンジメント講習に関するイベントで、視覚的に教えるという手法の有効性に気付き、その手法を華道に取り入れたい・・・と提案する内容の発表でした。

 2人とも本当に素晴らしい発表で、終了後は会場からは大きな拍手を頂くことができ、生徒にとって大きな励みとなりました。終了後は恒例となりつつあるで発表の内容についてインタビュー。二人とも緊張したけどとても良い発表ができたとのことでした。

 

 意見発表を聞いてくださった皆様、本当にありがとうございました。

 ちなみに今回発表した意見発表のうちどちらか一つは、1月27日(土)に有馬高校で開催予定の学習活動発表会にて披露します。

 昨年の学習活動発表会に関する記事は→ 学習活動発表会第1部 学習活動発表会第2部 

 有馬高校保護者の皆さんはもちろん、中学生の皆さんも参加できますので是非お越し下さい(中学生の皆さんは事前申し込みが必要です。詳細は後日中学校・HPをとおしてお知らせします。)

 

人と自然科 第2回フラワータウンフェスティバルに出展しました

 11月3日(金)神戸電鉄フラワータウン駅北側~県立人と自然の博物館の空間にて、第2回フラワータウンフェスティバルが開催され、人と自然科農業クラブの本部役員生徒が花苗を中心とした農産物販売ブースを、そして農業クラブフラワーアレンジメント班の生徒がコサージづくり体験ブースを出展しました。

 昨年から始まりました「フラワータウンフェスタ」は、有馬高校から徒歩15分ほどの所にあるフラワータウンの賑わいと新たな魅力創出を目的に、民間事業者、地域住民、行政等関係機関が協力しながら持続可能なまちの構築を目指す取り組みの一環として開催されています。有馬高校人と自然科は今年度はじめて参加させていただきました。

 

 10時からのイベントスタートを前に準備にかかります。1年生の生徒は今回イベント初参加ということで先生や先輩から教わりながら準備を進めていきます。

 

 いよいよイベントスタート。農業クラブ本部役員の生徒はパンジー、ビオラ、ハボタンの花苗、朝採りキュウリ、そして有馬高校名物ギンナンを販売しました。

 

 子ども連れのご家族から年配の方まで幅広い層の方が訪れて下さり、自慢の花苗をたくさん買っていただきました。

 そしてフラワーアレンジメント班の生徒はコサージづくり体験です。

 

 長く楽しんでもらうためにアーティフィッシャルフラワーのお花を使い、ワイヤリングやテーピングの技術を教えながら作品を一緒に完成させていきます。とっても上手ですね。参加した方はみんな笑顔で帰っていかれました。

 イベントを頑張っていると・・・今回も登場してくれました。有馬高校人と自然科のマスコットキャラクター『ひとっしー』です。

 

 登場したとたんに子どもたちが集まり、ハイタッチしたり一緒に写真を撮ったり・・・大人気です。

 

 16時にイベントは無事終了。天気も良く、予想以上の方にブースを訪れていただきました。イベントをとおしてフラワータウンの魅力を再発見できたと同時に、参加した生徒自身も成長できたのはないでしょうか。

 

 有馬高校のブースを訪れて下さった皆さま、そしてこのイベントに声をかけてくださいましたフラワータウンセンター地区活性化推進実行委員会の皆さま、本当にありがとうございました。

人と自然科 高校生就農講座(農学部大学訪問)実施

 11月1日(金)人と自然科1年生の生徒を対象に、高校生就農講座 農学部大学訪問を行いました。

 

 この事業はひょうご農林機構様のご支援のもと、農業関連学科を有する上級学校を訪問し、農業の魅力や就農、農業関連学科を有する大学への進学に向けた意識付を行うことを目的に行っています。今年度は農業生産学科をはじめめとする4つの農業系学科を有する摂南大学農学部を訪問させていただきました。

 

 まずは大学の講義を実際に体験・・・模擬授業です。農学部農業生産学科園芸科学研究室所属の寺林先生より、『土を離れた野菜栽培~養液栽培そして植物工場~』をテーマに講義をいただきました。

 養液栽培の歴史、養液栽培と水耕栽培の違い、そして養液栽培の利点と欠点など、先生の研究成果も交えてお話しいただきました。特に生徒にとって印象に残ったのは、根菜類の養液栽培です。養液栽培といえば葉物野菜や果菜類のイメージですが、寺林先生はジャガイモやニンジンなどの養液栽培にも成功されておられました。講義の後にも質問が飛び交うなど充実した時間となりました。

 講義の後はお昼休み。大学の雰囲気を味わいながら移動し、実際に大学の学食を体験しました。

 有馬高校の食堂もとても美味しいですが、大学の学食も安価でボリューム満点。お腹いっぱいになりました。

  お腹いっぱいになったところで大学の入試制度について説明いただきました。大学を受験する場合の『併願』と『専願』のちがい、そして農学部系の大学にあり、人と自然科のように専門学科で学ぶ生徒を対象とした『専門高校生入試』についてなど詳しく説明いただきました。

 次は在校生を囲んで座談会です。

 『なぜ摂南大学を選んだんですか?』『どんな研究をされているんですか? 』『大学までどのようにして通学していますか?』『大学は楽しいですか?』疑問に思っていることを、直接3名の在学生に質問していました。

  ちなみに・・・就農講座を進めていく中で、私たちが大学訪問をしているという情報を聞いた有馬高校から摂南大学に進学されている2名の先輩も飛び入りで顔を出して下さいました。

 『高校在学中にしっかり勉強していた方が様々な大学から自分が学びたい大学を選べるよ』『大学受験の際は、どのような教授が在籍しているか、事前に調べておいた方が良いですよ』『農業高校から農学部に進学したら、普通科から進学してきた生徒より講義が分かりやすく受けられるメリットがあるよ』など、のアドバイスをして下さいました。

  最後は施設見学です。農場見学では先ほどの講義にもあった養液栽培の実験施設や実験農場、ドローンなどの農業機械の見学

 そして3年生から所属する研究室や実習室、ゼミ室、屋上庭園、休憩スペースや自習スペースなども案内いただき、実際に大学生がゼミ活動や研究活動を行っている様子も見ることができました

  以上で就農講座は無事終了。短い時間でしたが、『大学』というイメージが膨らんだようです。まだ1年生なので自分の進路イメージは固まっていないかもしれませんが、これから少しずつ考えていきましょう。ちなみに人と自然科の先輩方は、大学進学・短大・農業大学校・専門学校・就職・・・と幅広い進路を実現させています。

昨年度の人と自然科 進路実績はこちら.pdf

 自身の進路実現に向け、人と自然科で様々な経験を積んでいきましょうね。

 最後に、この就農講座(農学部大学訪問)にご支援いただきましたひょうご農林機構様、ご協力いただきました摂南大学農学部の先生方、学生の皆さま、本当にありがとうございました。

人と自然科 ひとはく連携セミナー 未来に残したい農業や農村の持つ魅力

  10月27日(金)人と自然科1年生学校設定科目『人と自然』の授業において、今年度第6回目となる人博連携セミナーが実施されました。

  R5入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 人と自然科は県立人と自然の博物館と連携協定を結んでおり『人と自然』の授業で年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の研究員から自然や環境、動植物など専門的な講義を直接頂き、深く学んでいます。

 第5回ひとはく連携セミナー 秋の野原の虫とりで触って感じる生物多様性 に関する記事はこちら

 第6回目となる今回は『未来に残したい農業や農村の持つ魅力』をテーマに、衛藤 彬史研究員より講義をいただきました。

 棚田などの農村特有の風景、私たちの身近にある生活文化と共にある食や行事など、農業や農村には地域に根付いた様々な魅力があります。しかし時代の移り変わりと共に、その魅力は失われつつあります。今回の講義では農業や農村の持つ魅力を次代に継承していくための工夫や取組みについて紹介していただきました。

 まず注目したのが大豆です。納豆や豆腐、味噌、醤油、煮豆、おから、油揚げ・・・・皆さんの身近にある様々な食材で大豆が使われているものは多いですよね。しかしこの大豆のほとんどはは海外から輸入されておりその自給率は6%です。そのような中でも日本では大豆の文化を守るために、量より質を高め琉工夫を行っています。たとえば兵庫県の醤油メーカーヒガシマル醤油さんでは醤油に適した新品種を開発し、美味しい醤油を生産されています。講義では実際に様々な品種の大豆を見せていただき、その違いを学ぶことができました。

  次に多様な農村景観を守る取組みです。

 以前から農業は傾斜地で行う地域がありましたが、農業就業人口が減る中で作業しにくいという点から傾斜地農業はどんどん衰退しています。その結果美しい農村景観も失われつつあります。この傾斜地農業を守る例として、放牧を傾斜地に但馬牛を放牧し雑草を飼料として活用する例や、狭い面積で高収入を目指す静岡県のわさび栽培の例など全国のユニークな取組みを紹介いただきました。

 最後に先生からの印象に残ったお話として『農業を学ぶではなく農業で学ぶ』と言う言葉です。私たち人と自然科の生徒は日々実習や授業をとおして農業を学んでいますが、『農業』を詳しく分析してみると、農作物の加工や調理で『家庭科』や『科学』を学び、生産をとおして『食育』を学び、地域のことを学ぶことで『社会・歴史』を学び、栽培をとおして『理科・生物』を学び、収量を分析することで『経済』や『数学』を学びます。このように農業とは『総合学習』であるといえますね。 

 私たちが普段から目指している『農業をとおして自身を成長させる』という人と自然科での学びの特徴や大切さを改めて理解できた時間となりました。衛藤先生、興味深い講義をありがとうございました。

 次回のひとはく連携セミナーは、『論文って面白い!~科学論文の読み方入門講座~』をテーマに、中濱 直之研究員より講義をいただく予定です。難しそうなテーマですが、論文を読むのは意外と?簡単・・とのこと。次のセミナーが楽しみですね。

人と自然科 農業クラブ全国大会熊本大会に出場 農業鑑定競技会 優秀賞受賞

 10月24日(火)~26日(木)『農業高校の甲子園』『農業高校のインターハイ』と称される、令和5年度日本学校農業クラブ全国大会令和5年度熊本大会が開催され、本校人と自然科からも意見発表会で県大会、近畿大会ともに最優秀賞を受賞した生徒が近畿ブロックの代表として、農業鑑定競技会で県大会を1位、2位通過した2名の生徒が兵庫県連盟の代表選手として出場し、農業鑑定競技会に出場した生徒が見事優秀賞を受賞しました。

第71回兵庫県学校農業クラブ連盟大会 人と自然科生徒が大活躍 前編 (競技会当日)に関する記事はこちら

第71回兵庫県学校農業クラブ連盟大会 人と自然科生徒が大活躍 後編 (大会式典)に関する記事はこちら

第71回近畿学校農業クラブ連盟大会意見発表会 最優秀賞受賞 全国大会出場決定しましたに関する記事はこちら

 競技会前日、新幹線で熊本に乗り込みます。町中くまモンに溢れていました。

 まずは意見発表会。会場は八千代座。明治43年に建設された芝居小屋で、国の重要文化財にも指定されており有名な歌舞伎役者さんも毎年訪れ公演を行う、由緒ある建物で全国大会意見発表会が開催されました。

 24日(火)は開会式とリハーサルです。全国9つのブロック大会を勝ち抜いた代表が集い、開会式では歓迎のつどいとして地元山鹿市の伝統である『山鹿灯籠踊り』が鹿本農業高等学校の生徒により披露され、生徒実行委員長から熊本県の魅力や選手への激励に関するあいさつがありました。

 

 そして明日に向けたリハーサル。マイクの音量や高さなどを確認しました。

 

 いよいよ大会二日目、本番です。早朝から河川敷で最後の調整を行いました。河川敷での朝練・・・まるでスポーツの大会前のようですね。準備万端で会場の乗り込みました。

 

 そしていよいよ本番。タイムは6分56秒。(7分を超えると減点となります)これまで数え切れないほど練習、本番を繰り返してきた中で一番素晴らしい、悔いのない発表を行うことができました。 最後にこれまで約7ヶ月間二人三脚で頑張ってきた先生と記念写真を撮りました。

 ちなみに今回の全国大会で発表した意見発表は11月4日(土)に郷の音ホール駐車場で開催されます、第49回さんだ農業まつりのステージにて聞くことができます。ぜひお越し下さい。

第49回さんだ農業まつりチラシ.pdf

  次に農業鑑定競技会です。会場は熊本県立熊本農業高等学校体育館です。この日に向け、大会運営校の熊本農業高校の生徒が、モニュメントやカウントダウンボードを作成してくれていました

 大会では校内大会、県大会を勝ち抜いた全国のクラブ員が1000人以上集まります。競技は8つの分野に分かれ競技を行います。有馬高校からは分野園芸に出場しました。選手以外は立入禁止。中の様子が全く見られないので、以下2年前に有馬高校で開催、運営した県大会の様子を参考にご覧下さい。

 2年前に有馬高校が運営した県大会農業鑑定競技会に関する記事はこちら

 競技後2人を直撃インタビュー。今年はかなり難しかったとのこと。昨年も全国大会に参加している生徒に聞いても、比べものにならないほど難易度がUPしたとのことです。でも悔いのない戦いができたとすっきりした表情でした。

 そして一晩経って・・・最終日は、全ての競技に出場した選手、引率職員約4000名が大会式典会場である熊本城ホールに集結します。

 

  やっぱり出てきました・・・特別ゲストのくまモンと一緒にくまモン体操をみんなで踊った後、各都道府県連盟記の入場、日連会長や文部科学大臣、農林水産大臣の名代の方からあいさつがあり、いよいよ結果発表です。

 

 いよいよ結果発表。最優秀賞者の名前が呼ばれ、その場にスポットライトが照らされます。結果は目標であった日本一は逃しましたが、農業鑑定競技会に出場した1名が見事優秀賞を受賞することができました。一方、意見発表会に出場した選手は惜しくも入賞を逃しました。『最優秀賞をとって熊本城ホールの大舞台で最優秀賞者発表をしたかった・・・でも最高の発表ができたので悔いはありません』とのこと。3人とも全国大会の舞台で有馬高校人と自然科の名を上げてくれました。本当にありがとう。

 そして大会旗が熊本県から次期開催県へと引き継がれ、最後はFFJの歌。全国の農業高校生が歌える歌を全員で清聴し、大きな拍手の中大会は幕をとじました。

 

 ちなみに来年度の全国大会開催県は岩手県です。1.2年生の皆さん、先輩の活躍に負けないように頑張りましょう。そして中学生の皆さん。是非人と自然科に入学して、農業高校の甲子園で全国優勝を目指してみませんか?

 人と自然科に入学してくれるのを、生徒も農場の先生も、みんなで心から待っています。

人と自然科 農業先進地見学を実施しました 後半(県農林水産技術総合センター サンパティオおの)

 10月19日(木)に人と自然科2年を対象に実施した農業先進地見学(バスセミナー)もいよいよ後半戦です。

 農業先進地見学を実施しました 前半((株)ネクストファーム見学)に関する記事はこちら

  午後最初に訪れたのは、県農林水産総合技術センターです。兵庫県の農業振興のために、品種改良や生産、加工技術の開発などに取り組んでいる、まさに兵庫県の農業拠点施設です。

 まずは施設など概要説明を全体で受けました。センターの役割の他、気候変動によりイネの品質が低下している中、兵庫県が独自に品種改良したイネの説明や病害虫の防除技術など、サンプルを見せていただきながら説明を受けました。

 そして2班に分かれ、今回は 野菜・花等施設園芸関係の研究施設と病害虫防除に関係する拠点施設の見学を行いました。

 まずは野菜・花等施設園芸関係の研究施設。技術総合センターで開発したイチゴの新品種の紹介や夏の高温などに対応したイチゴやシネラリアなどの栽培技術について説明をうけ、実際に施設も見せていただきました。実験区と対象区の生育の違いに生徒は関心を持っていました。

 そして病害虫防除に関係する拠点施設の見学では、近年整備された病害虫高度診断防除研究拠点施設を特別に見学させていただきました。県内各地の農場で発生した病害虫で、判断が付くにくい症例の場合、この施設に持ち込まれ、診断・同定されます。さらにデータベース化し、県内各地にある試験場に共有することで、早期発見、早期対応できるという役割も持っています。

 施設内にはPCR検査ができる高額機器など、最新の機材が整っており、生徒は興味を持って見学、質問を行っていました。

 兵庫県の農業の最先端技術を知ることができた素晴らしい時間でした。県立農林水産総合技術センターの皆さま、お忙しい中本当ににありがとうございました。

 そして最後の見学・研修先はサンパティオおのです。兵庫県の真ん中に位置する小野市にあり、特産品であるイチジクを中心に200件以上の農家が農産物を持ち寄る農産物直売所です。最近隣接するヒマワリの丘公園に巨大な遊具が新設され、週末大人気スポットとなっています。この日もコスモスが咲き誇り大勢の地域の方が訪れていました。

 まずは店長さんから、直売所の概要について説明いただきました。店頭に並んでいる野菜はほぼ全て市内で生産されたもの。そして特産のイチジクのジェラートやケーキなど加工品も市内産の農産物を使ったものがほとんどです。毎月様々なイベントを開催し集客を行い、阪神地域からもお客様が来店されているようで、地域の農家さんの収入増に貢献することを目的としています。

 生徒は実際に販売所を見学し、商品を手に取り、学校で販売している価格と比較したり、どのような加工品が開発されているのかを学んでいました。

 授業でも学んでいますが、これからの農業は6次産業の時代。生産だけでなく販売、加工を行い収益を上げるのがスタンダードになってきています。実際に現場で6次産業を学ぶとても良い機会となりました。サンパティオおのの皆さま、ありがとうございました。

 今回実施した先進地見学では、普段学校での座学で学んだ内容を実際に自分の目で確かめることができた、大変有意義な時間となりました。今回見学させていただき、ご説明頂いたいた施設担当者の皆さま、そして全面的にバックアップいただいた阪神農業改良普及センター様、本当にありがとうございました。

人と自然科 農業先進地見学を実施しました 前半((株)ネクストファーム見学)

 10月19日(木)人と自然科2年生を対象に農業先進地見学(バスセミナー)を実施しました。阪神農業改良普及センター様のバックアップをいただき開催したこの事業は、学校施設では学ぶことのできない先進的な農業の生産現場、農業普及の拠点のとして設置された公共施設の見学を通じて実社会と農業のかかわりなど見識を深めることを目的として行っています。

 今年度の研修先は(株)ネクストファーム、県農林水産技術総合センター、サンパティオおのの3か所です。快晴という絶好の研修日和のなか、大型バスに乗り込み出発です。

 

 最初の研修先は(株)ネクストファームです。ひょうご次世代施設園芸モデル団地として平成27年に整備されたこの施設は、敷地面積8.2ha、中玉トマト、ミニトマト合計9万本を栽培している巨大トマト生産施設です。オランダ式連棟型温室が圧巻ですね。施設概要など簡単な説明を受けた後、いよいよ施設の中に入ります。病気や害虫を持ち込まないようにエアーシャワーを浴びて入ります。


 担当の方から環境制御技術、栽培、作業管理体制、販売状況などの説明を受けました。施設はICT技術により気温、や湿度、二酸化炭素濃度、日射などを自動で制御し、作物の生育環境を最適化して生産性の向上や合理化を図っています。特に印象的だったのは二酸化炭素の制御です。通常の濃度は400ppmですが、栽培区域ではトマトの光合成により200ppmまで減ってきます。これを400ppm以上に戻し、生育促進、収量増につなげていくのだそうです。

  栽培しているゾーンの扉も特別に開けてはみせてもらいました。先が見えない光景に驚きです。8月に定植し、翌年7月まで収穫が続きます。トマトは20m40段まで成長、枝を斜めに倒しながら栽培していきます。

 収穫後の調整、袋詰めも機械化と人力を組み合わせた体制で、まるでトマト工場のように見えます。ちなみにこの施設は、適正に農業を生産している国際的な指標である『GGAP』も取得しており、食品衛生、労働安全、環境保全など全てにおいて基準を満たした取組みを行っています。。


 他にも溶液タンクや防除機などを見学し、試食もさせていただいた後は・・・

 この施設の特徴である、バイオマスエネルギー(木質チップ)を利用したボイラー施設も見学しました。燃やしてお湯を沸かし暖房に使用するのと同時に、発生した二酸化炭素は温室内に送られ、環境制御にも使用されます。ちょうど木材チップが供給されている瞬間も見ることができました。

 研修1カ所目から充実した研修となりましたね。ネクストファームの皆さまありがとうございました。

 ネクストファームを出た後、2カ所目は県農林水産技術総合センターへ向かいます。その前にお昼ご飯。センターの隣にある県立農業大学校でお昼ご飯をとらせていただきました。そしてお昼休みには学校の施設内を見学させていただきました。

 ちなみに県立農業大学校には有馬高校人と自然科からも毎年進学しており、この日も頑張っている先輩と出会うことができました。そして午後の研修前には昼食会場に先輩が訪ねてこられ、農大で開催される収穫祭の案内、さらには農業大学校の説明もして下さいました。様々な場所で先輩の活躍が見られ本当に嬉しいですね。

R4 人と自然科 進路実績はこちら.pdf

 いよいよ研修は午後のプログラムに移ります。続きは後半で報告します。

 農業先進地見学を実施しました  後半 (県農林水産総合技術センター サンパティオおの)に関する記事はこちら
 

人と自然科 令和5年度農業クラブ後期総会開催

 10月13日(金)講義棟にて人と自然科の1~3年生の生徒全員が集まり、令和5年度有馬高校農業クラブ後期総会が開催されました。

 学校農業クラブとは、全国の農業系高校で農業を学ぶ生徒が全員所属している組織で、農業を学ぶ人と自然科の生徒も全員農業クラブ員です。農業に関する授業や実習はもちろんボランティア活動や、学習の成果を競い合う競技会など、活動は多岐にわたります。また生徒会と同じように農業クラブ会長をリーダーに構成される本部役員が、人と自然科をまとめる役割を果たしています。

  前期副会長による開会のことばの後・・・

 

 まずは本日をもって農業クラブの職を終える前期会長より挨拶がありました。

 1年前、この場所で不安な気持ちとたくさんの希望をもちながら前会長から単位クラブ旗を引き継いだ時のことを思い出し、1年間県内の農業高校生との交流や校内外でのイベント運営などをとおして自分自身が成長でき、そして農業クラブと人と自然科のことを好きになれた・・・と1年間を振りかえっていました。最後にともに活動してきた役員への感謝、さらに1.2年生に向け、有馬高校農業クラブ、人と自然科がさらに盛り上がるように期待します。頑張ってください。とエールがありました。

 次に成人代表あいさつ。校長先生から、日頃の実習はもちろん、農業クラブ各種競技会やフラワーアレンジメントでの活躍に対し『皆さんをいつも誇りに思っています』という言葉をいただきました。

 第18回NFD全国高校生フラワーデザインコンテストにて文部科学大臣賞他受賞に関する記事はこちら

 農業クラブフラワーアレンジメント班 さんだチャレンジャーズアワードを受賞しましたに関する記事はこちら

 そして最後に、有馬高校は今年127年を迎えていますが、その前身は明治29年創立の有馬農業補習学校、三田農林学校であり、有高の源流は農業です。この歴史と伝統を胸に、これからの輝くそれぞれの人生を切り開いてくれることを期待します。と激励の言葉をいただきました。

 いよいよ議事に移り、新役員の承認です。

 新副会長候補から事前に立候補していた11人の新役員候補の紹介が行われ、採決の結果全会一致(大きな拍手)で承認されました。そして新たに就任した新会長より『先輩方が築いてくださった伝統や想いを受け継ぎ、有馬高校人と自然科が盛り上がるように、役員全員で頑張っていきますのでよろしくお願いします』との決意表明がありました。

 次はいよいよ単位クラブ旗の引継ぎです。70年近いの歴史があり、有馬高校農業クラブの活動を見守ってきたクラブ旗が、前会長から新会長へ『頑張ってください』の激励の言葉と共に手渡され、会場大きな拍手に包まれました。

 総会後は農業クラブ発表披露です。県大会、近畿大会に有馬高校の代表として意見発表会、プロジェクト発表会に出場した生徒の模範発表を行いました。

 第71回兵庫県学校農業クラブ連盟大会 人と自然科生徒が大活躍 前編 (競技会当日)・・・に関する記事はこちら

第71回兵庫県学校農業クラブ連盟大会 人と自然科生徒が大活躍 後編 (大会式典)・・・に関する記事はこちら

第71回近畿学校農業クラブ連盟大会意見発表会 最優秀賞受賞 全国大会出場決定しました・・・に関する記事はこちら

 まずは意見発表会(学校での学びや様々な体験を通して感じた意見を7分以内で発表する競技)に出場した2人の発表です。

 2人ともとても素晴らしい発表で会場にいる全員が聞き入ってしまいました。ちなみに2人の発表は、11月4日(土)に郷の音ホール駐車場で開催されます、第49回さんだ農業まつりのステージにて聞くことができます。(11時20分頃の出場予定です。)ぜひお越し下さい。

  続いてプロジェクト発表会(学校でのプロジェクト研究を10分以内で発表する競技)の模範発表です。

 

  素晴らしい研究内容で、1.2年生にとって大きな刺激となったようです。ちなみにこの発表は、10月28日(土)に開催予定の有馬高校オープンハイスクールの学科説明内にて発表予定です。中学生の皆さん楽しみにしておいてください。

 続いて全国大会壮行会。新本部役員事業の生徒からこの夏の大会の結果、そして10月24日から熊本県で開催される第74回日本学校農業クラブ全国大会に出場する3名の生徒と、10月27日から福井県で開催される第22回全国高校生フラワーアレンジメントコンテストに兵庫県の代表として出場する1名の生徒が紹介されました。

 そして全国大会に出場する選手代表より『今までの努力を自信に変え、全国大会で活躍できるように頑張ってきます。皆さん応援よろしくお願いします』と意気込みの言葉があり、会場全員で拍手で激励しました。

 最後はFFJの歌斉唱。全国の農業系高校で歌われる農業クラブ連盟歌です。4月に続き全員で歌いました。多くの3年生にとってはおそらく最後のFFJの歌の斉唱です。寂しいですね。

 

 そして新副会長による閉会の言葉で無事総会は終了しました。

 

 本日の総会をもって農業クラブ本部役員を引退した3年生本部役員のみなさん。人と自然科を盛り上げるために頑張ってくださりありがとうございました。そしてお疲れさまでした。1.2年生の皆さん。先輩から引き継いだ人と自然科の活躍をさらに発展させ、さらに盛り上げていきましょう。

人と自然科 ひとはく連携セミナー 秋の野原の虫とりで触って感じる生物多様性

 10月6日(金)人と自然科1年生学校設定科目『人と自然』の授業において、今年度第5回目となる人博連携セミナーが実施されました。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf 

 人と自然科は県立人と自然の博物館と連携協定を結んでおり『人と自然』の授業で年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の研究員から自然や環境、動植物など専門的な講義を直接頂き、深く学んでいます。

 前回のひとはく連携セミナー 古代湖における固有種の生態について学ぶ・・・に関する記事はこちら

 今回は昆虫研究の第一人者である八木 剛研究員より、『秋の野原の虫とりで触って感じる生物多様性』をテーマに講義、演習をいただきました。

 いつもは制服で受講している生徒ですが、この日は実習服姿ですね。今回は実際に博物館に隣接し、豊かな自然が残る深田公園で虫取りをしながら生物多様性をリアルに感じる回です。まずは虫について学びます。みなさん『昆虫』と『虫』の違いは分かりますか?皆さんも中学校の時に習ったとおり足が6本、羽が4枚あるのが『昆虫』です。(クモは足が8本あるので昆虫ではありません。)一方『虫』には定義がないので、足が6本以上あるクモやダンゴムシも含まれます。さらに定義がないのでザリガニやは虫類も虫です。今回のテーマは『虫とり』なので、あらゆる生きものを捕まえます。

 捕獲を前に虫のとり方について学びます。特に身につけておかなければいけないのが網の使い方とカゴ(捕獲袋)への入れ方。まず網の使い方ですが、飛んでいる虫は逃げるときに上に逃げていくので上から網をかけます。そして下から上に持ち上げてカゴ(捕獲袋)に入れます。一方バッタなど地上にいる虫は前の法に逃げていくので、網は前方から後方に網をかけます。そして捕獲袋に入れる時は指でつまんで入れます。

 捕獲の基礎を学んだ後はいよいよ虫とり大会です。深田公園に解き放たれました。

 全力で駆け回り捕まえます。

 何か捕まりましたか?

  見事にGETですね。

 みんな子どもに戻った表情をしていますね。八木先生のお話では、今回は高校生が捕まえたので小学生に比べてトンボなど飛んでいる虫が多く捕獲されている傾向があるとのこと。中にはスズメバチを捕まえた生徒もいました。(専門家の指導の下捕獲しておりますので、良い子はマネしないようにしてください。)さらに虫とりなのでカエルやカナヘビも捕獲しました。

 

 約1時間虫とりをした後は博物館に戻り、捕獲した虫を仲間分けしました。トンボの仲間、バッタの仲間、鎌霧の仲間、カメムシの仲間、チョウの仲間・・・・など仲間分けし、成果を共有、意見交換を行いました。

 

 結果今回は、66種類139個体を捕獲することができました。深田公園は多様性に富んだ生きもののすみかであることが分かります。さらに分類された虫を見ながら、サナギになる虫(完全変態)とならない虫(不完全変態)の違いやクモの狩りの方法の違い、虫の交雑の方法など豆知識についても教えていただきました。そして最後は捕まえた虫をみんなで自然に帰し、講義は終了です。

 

 約2時間、充実したセミナーでしたね。体験をとおして学ぶこと、そしてこの学びの成果を様々な場面に活かしていくことが人と自然科の特徴です。八木先生、ユニークな講義、演習をありがとうございました。

 次回のひとはくセミナーは衛藤 彬史研究員より『未来に残したい農業や農村の魅力』をテーマに講義をいただく予定です。農業と環境を学ぶ私たちのとって大変興味深い内容・・・今からとても楽しみですね。