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人と自然科 ひとはく連携セミナー2回目 生物多様性について学ぶ

 6月3日(金)人と自然科1年生「人と自然」の授業で、第2回目となるひとはく連携セミナーを受講しました。

 ひとはく連携セミナー1回目 西日本のタンポポについて学ぶに関する記事はこちら

 有馬高校人と自然科と県立人と自然の博物館の間では生徒のセミナー受講について協定を結んでおり、1年生学校設定科目「人と自然」の授業で年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の専門員から、各分野のユニークかつ専門的な講義を直接受講することができます。

 第2回目の講義は「生物多様性と私たち」をテーマに、山﨑健史研究員から講義をいただきました。山﨑先生は動物分類学がご専門で、特にクモ類研究の第一人者です。そして生物多様性に関する研究にも力を入れられており、今回は生物多様性が私たちの生活にどのように関わっているのかを中心にお話いただきました。

 まず生物多様性とは何か、地球上には3000万種とも言われる生きものが存在し、全て直接に、間接的に支えあって生きていることをいいます。さらに生物多様性を深く見てみると、一般的に言われてる種の多様性に加え、同じ種の中でも形や模様が変わる遺伝的な多様性・さらには生態系の多様性の3つの階層で成り立っています。

 次に種の多様性と生物間相互作用について学びました。生物間のつながりといえば食う・食われるの関係の食物連鎖が有名ですが、共生関係を築いている生きものもたくさん存在します。たとえば4つの胃袋を持つ牛。胃袋の中にはたくさんの微生物が存在し、栄養分をもらう代わりに消化を助けています。さらに「アリ植物」「シリアゲアリ」「カイガラムシ」の3者で、すみかの提供や天敵から身を守るなど共生関係にある例もあるそうです。

 このように多様な種があることで生態系は安定していますが、人間の活動により生態系のバランスが崩れてしまい、特に「キーストーン種」と呼ばれる影響力が大きい種が絶滅してしまうと、生態系に大きな影響が出てしまうこともたくさんあります。

 現在は「6度目の大量絶滅期」と言われており、都市化や化学農薬、肥料による送粉昆虫の絶滅、プランテーション化による熱帯動植物の絶滅、地球温暖化によるサンゴの白化をはじめとした海洋生物の危機が叫ばれています。

 私たちは生物多様性から、炭素の固定、窒素循環などの基盤サービス、食料や水、医薬品などの供給サービス、水の浄化や森林の形成などの調整サービス、自然に触れることでストレスが癒やされる文化サービスなど多くの恩恵を受けています。私たちはこの生物多様性をいつまでも守っていく必要がありますね。

 高校生にもわかりやすいユニークな講義で、ここには書き切れないたくさんの内容を学ぶことができました。山﨑先生本当にありがとうございました。

 次回のひとはくセミナーは、橋本 佳延研究員より「三田の里山と植物の多様性」をテーマに講義をいただく予定です。楽しみですね。