| Aioi High School,Passport to the World ~相生高校から世界へ~ |
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皆さんおはようございます。
いよいよ令和5年度(2023年度)がスタートしました。2年生、3年生への進級おめでとうございます。3年生の皆さんは、限られた時間を有効に使えるように計画的に進路実現に向かって努力してください。2年生の皆さん は、中心学年として、学校行事等での活躍を期待しています。また、今日の午後には、1年生が入学してきて先輩になります。後輩の良きお手本として、格好いい先輩になってください。
この3年間、皆さんの学校生活に大きな影響を及ぼしてきた新型コロナウイルスも5月8日からは感染法上の分類が2類相当から5類になり、様々な制約がなくなります。すでにマスクの着用は個人の判断でということになってい ます。これからは社会も学校も段々と本来の姿に戻ってくることになります。
しかし、コロナ禍の3年間で社会は大きく変わりました。ICTの活用が急速に進み、人工知能(AI)技術も急速に進化を続けています。最近では「チャットGPT」という対話型ソフトについて、文部科学省が学校向けの取り扱い指針を作成するという話題が報道されていました。コロナ禍で外国への行き来は、止まっていましたが、ICT機器の進歩や今なお続くウクライナ戦争の影響など、世界との距離はさらに縮まり、グローバル化が進展したようにも感じます。
みなさんは、これから、こうした急速に変化し、進化する社会で生きていくことになります。社会の変化や進歩に柔軟に対応し、適応していかなければなりません。
高校の3年間は、そのための力をつけるための本当に貴重な時間なのです。日本中が盛り上がったWBCでMVPとなった大谷翔平選手は、今回の大会でMVPをとるということを高校3年生のときに目標に上げていたそうです。ただ、ただすごいとしか言いようがありませんが、皆さんも、夢を実現するために明確な目標を設定して地道に努力を重ねていけば、なりたい自分に近づいていけるはずです。
みなさんは、今、充実した高校生活を送れていますか?
明確な夢や目標は、持っていますか?
まずは夢や目標を持つことです。そして、その実現のために、今の自分が、もうちょっと頑張ればできる小さな目標を決めて、それをこつこつと続けることが大事です。
自分で決めたことをやり続けて、その成果を感じることができれば自信になります。自信がつけば楽しくなってきます。
楽しくなればさらに頑張ってみようとなって良い循環が生まれます。
そのためには、欲張りすぎない計画を立てることです。欲張り過ぎると続かなくて、自信をなくすことになってしまいます。
野菜や花など植物を栽培するときに早く大きく育てようとして肥料や水をたくさんやってもうまくいきません。最適な量を適切にやることで植物が育っていくのと似ているように思います。みなさん一人一人に自分に合った最適な努力目標の設定があると思います。それを早く見つけて自信を育ててください。
みなさんは、人生で、今がもっとも成長できるときだと思います。自分の力を信じて、あせらず、諦めず、丁寧に、たとえゆっくりでも確実に自分の成長が実感できるように努力を続けてください。
学校では、たくさんの人が一緒に生活しています。みんなが安心して過ごせる居心地のよいクラス、学校にするということを意識して、皆さん一人一人が、周りへの気配りや配慮ができる人になって欲しいと思います。一人で頑張ることはとてもしんどいことですが、みんなで頑張ることでしんどいことも乗り越えることができるようになります。
お互いが切磋琢磨しながら成長していけるようなクラス、学校になるように協力して欲しいと思います。
みんなで協力して笑顔と感謝のあふれる学校にしていきましょう。
相生高校で、皆さんが成長してゆく姿を見せてください。楽しみにしています。
みなさん、おはようございます。
WBCで日本が優勝しました。本当に感動しましたね。皆さん見ましたか?特に準決勝のメキシコ戦の勝利は、私は思わず涙しました。皆さんはどうでしたか?私の義理の母は、日頃全く野球に興味がなくルールも分からないはずなのに、泣き崩れました。単に勝利に対してその喜びが原因で涙したのではありません。観戦しているオーディエンスのほとんどが心のどこかで諦めかけていたことや、大谷選手のパフォーマンスや、全く打てなかった村上選手がサヨナラ打を打ったことなどが、心を大きく揺さぶられた原因ではないでしょうか?
このような人としての感性を大切にして欲しいと思います。もうすぐに桜が満開となります。美しいものを見て感動したり、映画を見て涙したりと・・心揺さぶられる経験をたくさんして欲しいと願っています。
さて、最初にマスクに関しての話をします。次年度より、学校生活における教育活動は、マスク無しが基本となり、通常の教育活動に戻ります。ご家族ともよく相談して個人の判断でマスク着用はお願いします。ただし、飲食を伴う実習や行事、対面で声出しを必要とするよう教育活動については、マスク着用を指示しますので、自宅からマスクを持参しておくようにしましょう。また電車やバス内で他の乗客が不快に思わないようなマナーを心掛けてください。
さて、令和4年度が終わろうとしています。この一年間、依然としてコロナ禍ではありましたが、3年振りに様々な行事などの教育活動を行うことができました。皆さんが学力的にも人間的にも大きく成長してくれたと感じています。
まず2年生ですが、各種行事の中核的学年としての責任ある行動と素晴らしい行動力を見せてもらいました。前向きな言動やマラソン大会の時に走り終わった後に関係の無い仕事にも何か手伝いましょうかと積極的に声をかけてくれた生徒もいたようですが、そんな他者への配慮を感じる言動をはじめとして、挨拶も含め礼儀的な所も本当に成長しているなあと様々な場面で感じることができ、また多くの先生方からもそのようなことをたくさん耳にしてきました。個人的に、特にうれしかったのは、一緒に行った修学旅行です。私自身、かつて、こんなに何も心配しなくても安心して引率できた修学旅行はなかったと思います。そして、旅行の解団式で言った事(修学旅行という非日常的な時間を共に過ごしているにもかかわらず、校長のところに誰も話しかけにこないという話)のすぐ後に、校長に話しかけに来てくれた生徒の皆さん。内容はともあれ、人に注意されたことや忠告されたことをすぐに実行に移すのは、とても勇気ある事でなかなかできないことだと思います。正直、だれも来ないだろうと思っていました。数人でしたが、行動を起こすことができる生徒がちゃんといるんだなあと嬉しくなりました。
次に、1年生です。先日の学習成果発表会は、実に素晴らしかったです。私が予想している以上に情報収集や分析による将来展望が描けていました。表現力もまだまだではあるが悪くなかったです。他校と比較するのはよくありませんが、時間的余裕がない中での、しかも1年生としての発表ということでは、申し分のないものでした。質問の時間をとってあげられなかったことは許してください。本当に申し訳ありませんでした。また、1年生は、学校生活が楽しい、頑張っているという前向きな回答をする生徒が多かったのは非常に嬉しいことです。
以前にも言いましたが、君たちには、十分な伸びしろがあります。それに気づいて欲しいし、自分を信じて欲しい。可能性があるのに、自分で自分の力を決めつけてしまっている人も少なからずいます。校長先生は、相生高校に来て、2年しか経っていませんが、この学校で何事に対しても、しんどくてもしっかりと取り組めば、少しずつではあるが、確実に学業(成績)を含めて人間的成長を遂げることができる学校であると確信しています。だからこそ、自分を信じて、先生方を信じて頑張って欲しい。
たとえば、経営学上の組織論でいうと、
「組織(集合体)は、化合物であり、生き物でもある。」と言われます。
一人の人間が精一杯の力を発揮して10のエネルギーを出したとして、それが2人集まれば、10+10=20が最大となるはずなのですが、集合体としての組織は、それが不思議な事に30や倍の40のエネルギーにもなることがある!というものです。まあ、当然その逆もありますが、個人が組織となることで
計り知れない大きな力を発揮することができるという理論です。WBCがまさにそれを証明してくれていますよね。
学年の皆さんのまとまりや勢いがあること、学年の先生方のまとまりや雰囲気が良いこと、そして何よりも、生徒と先生方との信頼関係が厚ければ厚いほど良い組織となり、膨れ上がるエネルギーを有する事になる。学年という言い方をしましたが、すべての生徒とすべての先生方との信頼関係を揺るぎないものにしていって欲しいと願っています。そのためにも、日頃からのコミュニケーション能力を高めてほしい。質問力を高めて欲しい。相手を思いやる心を高めて欲しい。人に助けを求めることができる人になって欲しい。人から助けを求められる人になって欲しい。喜びや感謝の心を素直に表現できる人になって欲しい。
そういった人間性や感性などの人間的成長をしていくことが、みなさんの成長の鍵となり、相生高校という組織の大きな力となっていくと確信しています。
では皆さん、春休みとなります。新学期に向けて、準備をよろしくお願いします。
厳しい寒さもようやく和らぎはじめ、相高坂にも少しずつ春の到来を感じられる今日の佳き日、兵庫県立相生高等学校第44回卒業証書授与式を、土井PTA会長様をはじめ、多くの保護者の皆様のご臨席を賜り挙行できますことは、私ども教職員にとりましてこの上ない大きな喜びでございます。本当にありがとうございます。
44回生191名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、保護者の皆様におかれましては、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。心よりお喜び申 し上げます。これまで、本校の教育活動に格別のご理解とご協力を賜りました事、 重ねて感謝申し上げます。
さて、卒業生の皆さんにとって、この3年間はまさに、苦難の3年間ではなかっ たかと拝察いたします。暗闇の中を手探りしながら、そしてもがきながら、今日のこの日まで頑張ってきてくれました。そんな皆さんを誇らしく思います。思い返せば、入学式も満足に行えず、すぐに2ヶ月に及ぶ臨時休校となり、マスク着用と手指消毒徹底の生活が始まりました。「三密の回避」という言葉のもとに、本来教育活動で重要であると思われることを全て剥ぎ取られる中での高校生活のスタートでした。勉強、部活、学校行事、全てにおいて、縮小、延期、中止という言葉に置き換わっていきました。一番申し訳なかったのは、先輩達が行ってくれるはずであった伝統的な学校行事を、一切見ることがでないまま3年生となったことです。しかし、君たちは、この多くの制約の中で、仲間と知恵を出し合い、創意工夫しながら学校、学年を盛り上げ、相高生としての団結を強めてくれました。何よりも新たな学校文化、新たな相高ブランドを生み出し、後輩につなげてくれました。相高生としての自信と誇りを見せつけてくれた学年でした。本当に感謝しています。皆さん、ありがとう。
もう一つ、個人的に想いがあるのは、皆さんと一緒に行くことができた修学旅行です。酷い爆弾低気圧により、飛行機が飛ぶかどうかもわからない、飛んでも北海道に着くかどうかわからない、着いても高速道路は全面通行止め、トマムについてもスキーができないかもしれない。という中での出発でした。しかし、何と全ての不安が飛ぶ直前、到着する直前、高速道路に乗る直前にクリアしていきました。「いやー、本当にこんなことってあるんだなあ、凄い学年だなあ、運を持っているなあ。」と感じたのを覚えています。
こうしたコロナ禍の3年間の逆境を乗り越えてきた君たちは、だからこそ強い。臨機応変に対応する力と創造力が凄い。そして運を持っている。そんな学年だったように思います。
さて、これからの社会は、人工知能AIやロボット産業が一層進展する時代(Society5.0)であると同時に、「VUCA」の時代であるともいわれます。「変動的で不確実で複雑で曖昧な」時代のことです。何が正解かわからない時代、予想できない時代、既存の価値観が否定されてしまう時代がやってくると言われています。
この劇的に変化する社会において、今後、皆さんが生き抜いていくために求められる力は、AIでは解析不可能な課題、すなわち何が正解かわからない課題を、自らあるいは他者と協働して解決していこうとする力なのです。そのためにも、自分の良さや可能性を認識するとともに、あらゆる他者、他職種を価値のある存在として尊重し、様々な立場の人の意見を傾聴し、そして協働しながら解決策を生み出して行こうとする努力をしていかねばなりません。それこそが、新時代の社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓いていく方法であると私は思っています。
最後になりましたが、卒業生の皆さん、もしかすると皆さんの中には、中学校の卒業式をできなかった人もいるのかもしれません。どうか、今日の日をこれまでの6年間の想いを込めた一日にしていただければと思います。そして同時に、これまでの相生高校での学びに関わって頂いた全ての方々への感謝の念を忘れることなく、成長した自分に自信を持ち、誇り高らかに勇ましく次のステージに進んでください。そして、共に学校生活を送り、共に苦しみ、共に泣き、共に笑い、共に支え合ってきた仲間との友情や繋がりを忘れることなく、人生の宝としてください。
どうぞ皆さんの前に広がる未来が幸多いものでありますように心より祈念し、式辞といたします。
令和5年2月28日
兵庫県立相生高等学校
校 長 栗 林 秀 忠
みなさん、おはようございます。
そして、新年明けましておめでとうございます。
皆さんの顔を見ながら話ができないのは寂しい限りですが、かわりに朝の登校時に元気な挨拶してくれる皆さんを見て、とても嬉しい気持ちになりました。
まずは、本日、体調を崩して欠席している人も数人いますが、こうして全員の無事を確認できて3学期を迎えることを嬉しく思います。
さて、新年を迎えるにあって、私が皆さんに望む生徒像を繰り返しになりますが、改めて5つ伝えます。
1つは、自ら考え問いを立てることができる生徒、まずは質問力をつけましょう。そして、自分の意見をしっかりと表現することができるようになりましょう。
2つには、人生において失敗や挫折はつきものですが、何度でも立ち上がって挑戦し続けることのできる強い心、強い精神力を養っていきましょう。
3つには、挨拶、感謝の言葉が素直に言える人になりましょう。他者の痛みや喜びを感じることができるなど、人としての豊かな人間性や感性を有する人になりましょう。
4つには、悩んだとき、困ったときに、人に助けを求めることができる人になりましょう。そのためにも、人から助けてもらえるような人になりましょう。
5つには、母校を愛し、誇りを持って学校生活を送りましょう。
さて、昨年末、経団連が発表した「企業が求める人材」像の第1位は、「コミュニケーション能力の高い」人材でした。第2位は、「意欲的」な人材でした。第1位のコミュニケーション力は、もう10年以上不動の1位です。ただ、10年前とは、その理由が少し異なってきているようです。これまでは、挨拶を中心として社内雰囲気の向上や、チームで仕事を行う関係から協調性があり、何よりも自社や他社との関係において人間関係構築ができる人材を重要視していました。もちろん現在もその意味でのコミュ力の重要性は変わってはいませんが、企業が大いに期待しているのが、「想定していない問題や課題に臨機応変にかつ柔軟に対応できる人材」「答えの無い課題に果敢にチャレンジしていこうとする人材」「多種多様な仲間と協働的にかつ発展的に課題解決に向かおうとする力を有した人材」なのだそうです。要するに「何事にも意欲的でコミュニケーション力に富んだ人材」ということです。
実は、これって、「探究活動」で得られる力なんです。高校でもこの探究活動に力を入れはじめていますが、大学は、凄まじい勢いで探究的課題研究活動を取り入れています。というか、元来大学はそういう所だと私は思いますが・・・
探究活動とは、「自ら問いを立てる(設定)→調べる(調査)→考える(分析)→考えをまとめる(創造)→発表する(表現)→振り返る(検証)」という一連の流れがあるわけです。一人でできない事が多いので、仲間とあるいは知らない他職種の人と協働していくことが必要なわけです。だから、コミュニケーション力が高まるわけです。自発的だから自主性や意欲的な活動が増えるわけです。
企業はそういう人材を欲しています。これは、君たちが社会人になったときも変わっていないと思います。企業は、探究活動に大きな成果を有している人物は、高いコミュニケーション力を有し、意欲的・活発的であると思うわけです。みなさんは、まだ社会人になるまでには時間がある人が多いですが、そういう人材になることを意識して、意欲的かつ前向きに学校生活を送って欲しいと思います。
最後になりましたが、コロナ感染対策を引き続き徹底し、この3学期を乗り切っていきましょう。そしてこの一年が、生徒のみなさん、先生方も含めて、素晴らしい一年となりますように、そして相生高校がますます発展していきますことを祈りまして、式辞といたします。
なお、共通テスト直前となった三年生の諸君への激励は、激励会で言わせていただく予定でしたが、学年通信をもって私からの激励とさせていただきます。
以上でおわります。
みなさん、おはようございます。
コロナ感染拡大防止のため、急遽、放送での終業式となりました。
今年を振り返ると、コロナ禍ではありましたが、相高祭や体育大会、宿泊研修や修学旅行、各種講演会や研修会、オープンハイスクールなど、ほとんどの教育活動を従来の規模に戻し実施することができました。完全実施に対して、不安な面もありましたが、君たちなら大丈夫だろう、きちんとルールや約束事を守ってくれるだろう、任せて大丈夫だろうという安心感が、私の気持ちを実施へと向けてくれたように思います。そして、全てにおいて見事に期待通りの、期待以上の成果を収めてくれました。本当に皆さんに感謝いたします。ありがとうございました。
さて、以前、神戸新聞に、23歳の女性で、大学を卒業して就職された方から、次のような記事が投稿されていました。
『小学校、中学校そして高校までは、何に対しても【正解】がありました。教科書の問題は解答ページに、とる べき行動は校則に、細かいことはすべて先生が答えを教えてくれました。勉強して、良い大学へ行って、素敵なパートナーを見つけることが、私にとって正しい事だと思っていました。しかし、大学や社会にでると突然、正解のない問題ばかりが降りかかってきます。何が正しいか、何が幸せなのか、自分で見極めろと言われます。私なりの正しさって何だろう?幸せって何だろう?幸せになることが人生の目標であるならば、今の私はどこに向かって歩んでいっていいかわからない。私は今、人生の【正解】が欲しいです。』
というものでした。始業式の時にも話をしましたが、これからの時代は、VUCAの時代と言われています。すなわち、「変動的で不確実で複雑で曖昧な時代」。何が正しいか分からない、正解のない時代が来ている事を表している投書のようにも思います。
高校での学習活動は、昔と大きく変わってきています。教科書の中身を丸暗記で、詰め込むだけではない学びが求められています。大学入試でも、思考力や判断力を問う問題が増え、面接では主体性や表現力が求められます。実社会では、アピール力やプレゼン力が求められます。要は、人に自分の考えを伝える力がとても重要であるということです。どんなに素晴らしい知識を有していても、それをうまく人に伝えることができなければ意味が無く、宝の持ち腐れになってしまいますからね。
要するに世の中での評価が、「インプットからアウトプット」に変化しているということなのです。教科書の内容をインプット(丸暗記)して、その内容をそのまま回答することで評価されていたこれまでの時代が終焉を迎えようとしています。これからは、基礎基本としてインプットした内容を、他の情報と絡めて、自分の頭の中で処理し、応用して、違った形や違った価値観として、どうアウトプット(表現)していくかが問われる時代になってきたということです。
そこで、皆さんに日頃から、意識して欲しいことは、
1 疑問を持つ訓練をしてください。質問力を高めて欲しいです。
講演会とかだけでなく、授業でもニュースでも、常に疑問を抱き、問いを立てる訓練をしてほしい。
2 他者との情報共有や協働を活発にして欲しいです。
恥ずかしがらずに、疑問を先生や友達、あるいは家族に伝えて情報共有する練習をしてください。また、一人では解決できない問いについて、周りの人と一緒に悩んだり解決したりするように心掛けてください。
まずはこの2つから意識してやってみてください。3学期は、探究の発表会もあります。皆さんの表現力やプレゼン力を楽しみにしています。
最後に、3年生の皆さん。いよいよ、共通テストまで1ケ月をきりました。しかし、まだ時間はあります。不安になったら負けです。自分を信じて、死に物狂いでラストスパートをかけてください。そして何より健康に留意することです。
それでは、生徒の皆さん、冬休みを怪我や事故等に巻き込まれることなく、全員が無事に新年を迎え、また元気に3学期の始業式に来てくれることを願い、式辞といたします。なお、3学期の始業式は、コロナ第8波の影響と共通テスト直前ということもあるため、今回と同じ放送での式とします。以上で終わります。
みなさんおはようございます。
長いようであっという間の夏休みでしたが、皆さん充実した生活を送れたでしょうか。
まずは、体調不良で欠席している人もいますが、こうして皆さんの全員の無事が確認できたことにホッとしています。ありがとう。
また、貴重な休みの時間にもかかわらず、コースを含め3日間実施したオープンハイに準備や運営に当たってくれた生徒の皆さんには本当に感謝します。素晴らしい対応力だったお思います。ありがとうございました。
いよいよ高校生にとってとても重要な2学期が始まります。1年生は文理選択です。そのためにも将来への目標をしっかりと持たなくてはなりません。先生、家族、先輩などとも相談して、後悔の無い選択をしてください。2年生はまずは1ケ月後の修学旅行ですね。予定通り出発するつもりです。終わったら、進路への切り替えと部活の仕上げに向けての取組になりますね。学校行事を含め中核学年としての活躍を期待します。3年生はいよいよ進路実現への取組が始まります。夏休み明けの成績が悪くても、今から充分伸びていきますので、最後まで自分を信じて取り組んでいって欲しいと思います。
さて、この前の終業式で挨拶の話をしましたが、それをしっかり受け止めてくれたのかな・・・夏休み中、本当に多くの生徒がこれまで以上に意識して、挨拶してくれていたように思います。嬉しかったのは、元進学校の校長先生が来られた際に、相生高校の生徒はなんか元気がいいなあ。気持ちの良い挨拶してくれたわ。と言ってくださいました。やっぱり、怒られるのより褒められる方が良いよね。
私が、頑張って、勇気を持って、自分から挨拶しよう!(声を出す必要は無い。会釈でも充分良い)それは、皆さんにとにかく「強い心」をつくって欲しいからです。「強い心」には、いろんな意味合いがあります。
一つには失敗から何度でも立ち上がって挑戦する強い精神を持って欲しいということです。大学を含め実社会に出てから失敗はつきものです。失敗を繰り返しながら成長をしていきます。失敗をすると人は苦しむじゃないですか・・その時の苦しみながらの再起への知恵や根性が人生の飛躍の土台となると思うんです。人間の成長には、失敗とは真逆の成功体験による達成感や栄誉や賞賛による場合もあります。これも人間の成長にはとても重要ですよね。そしてこれらは、同時に存在し、君たちの人生に降りかかってきます。でも、達成感や栄誉や賞賛によって、人が潰れることはあまりありませんよね。しかし、失敗したときは、そこから立ち上がれない人は、終わってしまいます。だからこそ、日頃より強い精神力を身につけることを意識しながら生活して欲しいと思います。
二つ目に、人に優しく思いやりを持って接して欲しい。電車やバスで席を譲れますか?これ勇気いりますよね。私は福祉の免許を持っていますが、今でも勇気いります。例えば文化祭などの学校行事で、友達を意見が合わなくて、悔しさをぐっと我慢した人やきつい言い方をされてもケンカにならないように自分の感情をぐっと押し殺した人もいるのではないですか?心が傷ついたり、我慢したりする人というのは、強い人だなあと私はいつも思います。決していじめられて我慢しなさいといっているのではないですよ。
人に対して優しく生きる!そう意識しながら生活してみてください。
三つ目に、これが一番大事だと思うのですが・・自分が困難な局面にいる時に、人に助けを求められる人になって欲しい。すごく勇気いることですが、社会ででたらこれほど重要な事はないと私は思っています。同時に、人から愛され、人から助けてもらえる人、手を差し伸べてもらえる人になって欲しいからです。
これからの時代は、ICTが一層進み2029年には人工知能の賢さがついに人間を越えると言われています。答えがあるものはすべてAIが答えてくれます。同時に「変動的で不確実で複雑で曖昧な時代」(VUCAの時代とも言われている)が来ると言われています。その時の人間の役割は「答えのない課題」を解決していくことが求められてくるわけです。そのために、「探究活動」(解決していこうとする力)が重視されているわけです。でも、だいたい答えがない課題を一人の力だけで解決することは難しくないですか?なんせ正解かどうかわからないんだから・・・だから、仲間や他職種やその他多様な人々と協働して答えを探し出していかなければならないわけです。人と協働するためには、そりゃまず挨拶や笑顔ですよね。そして、自分だけでは分からないから、助けて欲しい、教えて欲しいと言わなければなりません。挨拶もせず目も合わせず偉そうにしている人に力を貸してくれませんよ。そして、人に助けて欲しい、教えて欲しいと伝えるのも、これまた非常に勇気のいる事です。大人になったら、苦手は分野でできないことがあります。でも、どの分野にもすぐ近くに得意な人はいるものです。その周りの人の力を借りることはとても重要です。大人になればわかります。人に頼ることが如何に大事か。そして如何に勇気のいることか。
もう分かると思いますが、人に好かれ、人に愛される人は、失敗しても自然と周りに味方がいます。立ち上がれる環境にあるということです。周りに味方がいるので自然と人に対して優しくできます。
そのためにも、挨拶も含めて、真面目に実直に何事にも一生懸命に積極的に取り組んで欲しい。自分を高めていって欲しい。どうか、2学期は、いま挙げた3つを少しだけでいいので意識して過ごして欲しいと思います。
みなさんおはようございます。3年振りの全校生徒が一堂に会しての式典となります。特に3年生は入学後すぐに休校となり、ずっとコロナだったので、体育館に全生徒が入るのは初めての光景ではないかと思います。この1学期は、少しずつではありますが、教育活動がコロナ前の状態に戻すことができはじめました。皆さんにとって充実した1学期になったでしょうか?ただ、また「第7波」がやってきています。十分気を付けて夏休みを過ごしてださい。
さて、今日は「挨拶」について話します。これまでも何度か挨拶の重要性について話をしてきましたが、あまりにもショックというか、悔しい気持ちになった事がありましたので、皆さんにお伝えします。真剣に聞いてください。
6月の終わりに学校評議員会がありました。相生高校の応援団で、本校の発展を心から応援していただいている方々で、コロナもあり3年振りに開催しました。その中のお二人の方(お一人は自治会の方ですが企業の常務取締役で、お子様が相生高校出身ではじめて来校されたと言われていました。もうお一方は地元の公民館の館長さんで、長年相生市の教育に携わってこられた方でした)、このお二人から「今日ここに入ってくるまでに、生徒の誰一人、挨拶してくれなかった。会釈すらなかった」と言われました。自治会の男性の方は、卒業生の親として、また企業人としてはじめて相生高校に来られました。「はじめて訪れる相生高校ってどんな生徒がいるのか。どんな学校の雰囲気なのか・・」と、内心ドキドキしながら校門をくぐられたそうです。「もう本当にショックだった。校門をくぐった人は何らかの学校関係者のはず。それがわからない相高生はいないはず。なのに、誰一人、挨拶も会釈もしてこないことに大変なショックを受けました。」と言われました。また、館長さんは、「校門から会議室までに十数人の生徒さんにすれ違ったけれど、誰一人挨拶してくれませんでした。挨拶運動を活発にされていると記載されていますが、効果無いのではありませんか?」とのお言葉をいただきました。
どうです、みなさん・・・厳しいご指摘ですよね。
お二人の側を通った生徒は、ほんの一握りの生徒ですが、まるで全ての生徒がそうなのでは??という印象を与えてしまったかもしれません。想像してください。企業の会合や相生市教育関係の席で、
「相高生は、勉強はできるけど挨拶一つもできないみたいやで!」
といわれたらどうします? 怖くないですか?悔しくないですか?
皆さんは、大学とかに進学するから、今は関係ないわ!!と思っている人いませんか?これだけ、勉強や行事やボランティア活動に頑張っている皆さんなのに、まるで「人間性ができていない」といわれているようで、非常に悔しい気持ちになりました。でも、これが社会ですなんですよ。たかが挨拶、されど挨拶です!!
この2年間、コロナでのオンライン授業、オンライン面接、声を出して会話をしない、大きな声で挨拶しない、食事中の会話はしない等・・、大きく世の中の価値観も変わったことが原因かもしれませんが、皆さんが社会人になる時、今日の話を思い出してください。先ほどの評議員の方が、「企業人としての忠告です。」と前置きされて、「挨拶は社会人として非常に大切です。会釈でもいいんです。声を出さなくても目線を合わせて、こっくりとうなずくだけでもいいんです。その際に笑顔があればより良い!」と言われたことを覚えていてください。
今の1年生には伝えていませんが、昨年私がこの学校に来てから、「自分から挨拶をする」「小さな事だが、勇気がいる行為で強い心を育てるためのささやかな訓練」であると。また「人間性」を高めることや身体を鍛える(運動する)ことも、実は学力の向上に結びつくことが立証されていると。伝えてきました。
毎朝ではありませんが、できるときは7時40分から8時まで朝の立ち番をするようにしていますが、毎朝私は君たちに元気をもらっていました。しんどいときでも君たちの元気な笑顔と挨拶をいただくことで、私は元気になって気持ちよく仕事に臨めるようになっています。君たちの挨拶や笑顔には大きな力があります。昨年以上に挨拶をしてくれるようになっていると思いますし、立ち止まり礼やとても素敵な笑顔で挨拶や会釈をしてくれる人が多いです。これは武器です。23歳の時の武器になります。大きな声で挨拶する必要はありません。
目線を合わせて会釈でいいんです。実践してください。まずは、夏休みに家庭から。
最後に、いよいよ、夏休みです。ありきたりな言葉ですが、「夏を制する者は受験を制する」です。「文武両道」。勉強も部活動も、目標を立てて、こつこつ計画性をもって、自分を信じて目標達成に向けてしっかり頑張って欲しい。有意義な夏休みを!!
桜花爛漫。相生市そして相生湾を臨むこの閑静な高台に、力強い春の息吹を感じる今日の良き日、兵庫県立相生高等学校 第46回生の入学式を挙行するにあたり、堀内PTA会長様をはじめ、多くの保護者の皆様のご臨席を賜りましたこと、心より感謝しお礼申し上げます。ありがとうございます。
ただ今、入学を許可いたしました199名の新入生の皆さん、入学おめでとう。また、保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。
新入生の皆さんは、今、相生高校での新しい学校生活への不安が入り交じりつつも、将来の夢や期待に、心弾んでいることと思います。今日この日に至るまでに、ご家族の温かい愛情や、中学校の先生方の熱心なご指導があったことを決して忘れないでください。その感謝の心とともに、入学後も初心を忘れず、さらに努力を積み重ね、自ら考え、主体的に学ぶ意欲を持ち続け、この3年間で、一層人間的な成長を遂げて欲しいと願っています。
私ども教職員は、皆さんを心より歓迎し、皆さんが充実した学校生活を送ることができるように全力で指導にあたっていきます。
さて、本校は高度経済成長という社会背景の中、地元地域の熱い思いが実り、昭和52年に開校し、今年で創立46年目を迎えました。校訓「自律 創造 敬愛」の精神を基調として、こころ豊かな人間性の涵養、主体的に学ぼうとする意欲、激動する社会変化に柔軟に対応する力、地域社会や国際社会に貢献できる人材の育成を目指してきました。この教えの元、本校は、国内外に優れた人材を多数輩出してきました。皆さんは、この歴史と伝統ある相生高校の第46回生としての誇りを胸に、常に志しを高く持ち、夢の実現、目標の達成に向けて成長し続けて欲しいと思います。本校が掲げる「相生高校から世界へ」というスローガンのように、まずは、大きな夢と目標を持ってください。
この令和4年度以降、高校教育界は大きな変革期を迎えます。民法改正による18歳成人、新学習指導要領の実施と観点別評価の導入、皆さんにタブレットを購入して頂き実施するBYODの導入、コロナ禍に対応した対面授業とICTオンライン授業を組み合わせた教育のハイブリット化の推進、そして、文系や理系の枠にとらわれずに教科を統合的に学習していくSTEAM教育などが推進されていくことになります。これらの変革は、人工知能AIや産業ロボットの高度化など、今後のIT社会に順応した競争力のある人材に皆さんを育てていくためのものです。加えて、長く続くこのコロナ禍により、これまでにはない新たな価値観が世の中に生まれようとしています。皆さんは、こうした激動の新時代を生き抜いていかねばなりません。
そのためにも、本校の教育目標である「自ら考え、主体的に学びへの意欲を高め、探究し続けることで新しい価値を創造できる人材」になって欲しいと思います。高い学力と共に人間性や感性を大切にできる人材に育って欲しいと強く願っています。
最後になりましたが、保護者の皆様にお願いがございます。高校3年間というのは、人生の方向を決定する大事な時期であり、その一方で悩み苦しみが大きい時期でもあります。私たち教職員は、お子様が自らの生きる道を、自らの力で切り拓いていけるように、お子様の健全な成長をサポートするために全力で指導に当たっていきます。そのためには、学校と家庭の緊密な連携が欠かせません。お互いに協力し補完し合う関係をつくっていきたいと思っていますので、どうかご協力の程よろしくお願いいたします。
新入生の皆さんの学校生活が、安全で安心なもので、かつ実り多きものになることを祈念しまして、入学式の式辞といたします。
令和4年4月8日
兵庫県立相生高等学校長 栗林 秀忠
新2年生、新3年生のみなさんおはようございます。
3年生は、この4月より成人になっていく人が出てきますが、学校生活においてはほとんど何も変わりませんが、個人的な契約手続きができるようになるので、危険も伴いますから、くれぐれもトラブルに巻き込まれないようにしてください。
はじめに、まずは大きな事故や事件もなく、こうして、在籍生徒の全員の無事が確認できて始業式を迎えることに感謝いたします。また、コロナもまだまだ収まっていませんので、今後も高い警戒心と感染防止対策の徹底を継続して欲しいと願っています。
さて、今日は、新年度の始まりにあたって、皆さんに3つのお願いがあります。
1つ目は、ありきたりですが、年度当初にあたり、ちゃんと目標を設定して欲しいと言うことです。1年間を見据えた大きな目標とその目標を達成するための小さな目標(手段)も必要です。去年も紹介しましたが大リーグの大谷翔平選手の「目標達成シート」には、中心に大きな夢が書いてあり、その周りにそれを達成するために意識して行動すべき行動目標(手段)が書かれています。かれの「目標達成シート」の良いところは、目標を「見える化」することで毎日の自分の行動にモティベーションを持たせたことです。また県立高校からハーバード大学に現役合格した廣津留すみれさんは、ハーバード大学合格という大きな夢を達成するために毎日毎日、小さな目標を作って、その達成感を味わうことでモティベーションを維持できたようです。目標を達成するためには、このモティベーションの維持が重要なのです。目標設定の話でした。
2つ目は、もっともっと主体性や自主性、積極性という言葉を意識して生活して欲しい。非常に抽象的な言葉ではあるが、君たちに少し不足している資質であると感じている。何に対しても、自ら問いを立てて、情報収集して課題解決に向かって突き進める人物になってほしい。イメージとしては、何もないところへ自分の意思で思い切って突入できる人になって欲しい。一人でなくても仲間とでもいい。そして、同時に他者に対して「ものを伝える力」=表現力、アピール力、プレゼン力も高めていって欲しい。
3つ目は、当たり前のことですが、人の嫌がることをしない。昨年度いじめを含めて、あまりにもSNSなどを使用した指導事案が多かった。ほんの少し考えたら、善悪の判断がつきそうな事案ばかりだった。自分の言動が相手にどう捉えられるか、人の気持ちに立って考えることができれば、すべて防げるはず。要は、自分がされて嫌なことを他人にしないことです。
最後に、3学期の終業式でも言ったように、君たちは大きな可能性と伸びしろを持って入学してきている。その余力を出し切ってほしい。自分を信じて、先生方を信じて、自信を持って、負けへんぞ!!という気持ちでスタートを切って欲しい。
目標を持て!もっともっと主体的に!仲間と協働するためにも人の嫌がることはしない!を意識して気持ちの良いスタートを切って欲しい。
今年が意義ある一年になることを祈り式辞とします。
皆さん、おはようございます。ようやく、まん延防止措置が解除されました。こうして、皆さんの前で式辞を述べるのも、実に4月8日以来です。
この令和3年度も本当にコロナに振り回された一年でした。特にこの3学期は第6波の影響で、短縮授業など学校生活を大きく制限する事態となってしまいました。先生方やみなさんの協力のおかげで、なんとか3学期を乗り切ることができました。ありがとうございました。春休みに入りますが、引き続き感染予防に高い意識を持っての生活をお願いします。
大変な3学期でしたが、嬉しいことが4つありました。
1つは、2年生の修学旅行での事です。ホテルの支配人やスキー学校の校長先生から、「素晴らしい生徒さんたちですね。特にこの悪天候にも関わらず、5分前集合どころか、10分前、15分前には集合している。悪天候なので、そんなに早く集合されなくてもギリギリで良いですよ!」と言われました。最高の褒め言葉でした。そして、自分の時間を割いてでも、友達を気遣う人を多く目にしたのも嬉しかったです。2つ目は、ソフトテニス部の男子生徒4人が、車の接触を避けようとされたおばあさんが倒れて怪我をされたのを助けたということです。感謝をされたご主人が学校を訪ねるだけでなく警察や市役所などさまざまな所で、相生高校の生徒は素晴らしいといっていただいているようです。心が育っているなあと嬉しくなりました。3つ目は、42回生の先輩達が合格の報告にやってきてくれていますが、そのこと自体も嬉しいことなのですが、その先輩がこんな文章を寄こしてくれました。「卒業生として懐かしい母校を訪れて、在校生からすると素性も分からない人なのに、『おはようございます』と自分から挨拶してくれる生徒が多くて、また挨拶がとても素敵で、大変嬉しく感じました。社会にでたら、人間関係をつくるのに、まず挨拶から始まるので、このまま続けてください」とのメッセージを寄せてくれました。私がいつも言う「自分からの挨拶」ができているんだなあと嬉しくなりました。4つ目は、先日卒業した3年生2名がそれぞれ校長室に合格の挨拶にきてくれました。一人は、お医者さんを目指し見事に医学部に合格してくれました女子生徒で、もう一人は部活動でキャプテンをしながら国公立の経済系に合格してくれた男子生徒です。嬉しかったのは、二人とも、相生高校を選んで良かった。相生高校に来て良かったと胸を張って言ってくれたことです。一年の時はしんどくて大変だったけど、自分を信じて、そして先生方を信じて頑張ってきて本当に良かったです。と嬉し涙をこらえながらいってくれました。1年、2年の諸君、この1・2年で培ってきた基礎・基盤を基に、3年生できっと伸びる!そう自分を信じて、頑張って突き進んで欲しいと思います。
最後になりましたが、この春休みは、新学年、新学期への準備期間です。コロナ対策を怠らずに、充実した時間をお過ごし下さい。以上で式辞を終わります。
厳しい寒さもようやく和らぎはじめ、相高坂にも少しずつ春の到来を感じられる今日の佳き日、相生高等学校第43回卒業証書授与式を、堀内PTA会長様をはじめ多くの保護者の皆様のご臨席を賜り挙行できますことは、私ども教職員にとりましてこの上ない大きな喜びでございます。ありがとうございます。
第43回生184名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、保護者の皆様におかれましては、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。心よりお喜び申し上げます。これまで、本校の教育活動に格別のご理解とご協力を賜りまして誠にありがとうございました。特に、この2年間は新型コロナウィルスの影響による臨時休校期間や、さまざまな教育活動の制限や制約がある中で、子ども達の不安な心をしっかりと受け止め支えて頂きましたこと、重ねて感謝申し上げます。
卒業生の皆さんは、この3年間、校訓「自律 創造 敬愛」を基軸に、基礎学力の定着をはかるとともに、自ら課題を見つけ主体的に学び、自分の考えを表現力豊かに主張する力を付けてきました。実に、2年以上にわたるコロナ禍での学校生活においては、2ケ月以上に及ぶ臨時休校を含め、相高祭や体育大会の中止や縮小を余儀なくされました。君たちは限られた時間や多くの制約の中で、アイデアを出し合い、創意工夫しながら、学年、クラス一致団結して新たな学校文化を生み出してくれたように思います。相高生としての自信と誇りを感じさせる素晴らしい学年でした。ただ、最も楽しみにしていた修学旅行を実施できなかったことは痛恨の極みであり、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
さて、君たちが旅立とうとしているこれからの社会は、withコロナを前提としたポストコロナ新時代であり、これまでとは異なった新たな価値観が創造されていく社会になっていくことでしょう。また同時に、人工知能AIやIoT、ロボット産業の更なる発達による産業構造の高度化がますます進展する時代(Society5.0)が間近に迫ってきています。今後、正解は、全てAIが用意してくれることになってくることでしょう。十数年後には、日本の労働人口の49%がAIやロボットに代替可能になると言われています。大きく時代が変わろうとしています。
この劇的に変化する社会において、今後、皆さんが生き抜いていくために求められる力は、AIでは解析不可能な「何が正解かわからない課題を、自らあるいは他者と協働して解決していこうとする力」が求められることになるはずです。
そのためにも、皆さんは、自分の良さや可能性を認識するとともに、あらゆる他者(他職種)を価値のある存在として尊重し、様々な立場の人の意見を傾聴し、そして協働しながら解決策(新たな価値観)を生み出して行かねばなりません。それこそが、新時代の社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓いていく方法であると私は思っています。
今年、年始めの経団連の会合に出席した大企業のトップの方々の発言で、見事に共通していた事は、全員がこのコロナ禍の状況を、発想を転換するチャンスと捉えプラス成長と前向きに捉えられていたことでした。その中でも、ある東証一部上場企業のCEOの言葉が、とても印象的でしたので紹介します。
「コロナにより、何が正解で何が正しいかわからない世の中。でも、こんなときだからこそ、独創的で自由な発想が必要であることがわかった。そして何よりもスピード感を持って実行することだ。~中略~そのために絶対的に必要なことは、組織力であり、チーム力である。ベクトルを合わせ、協働していくことが重要だ。そして、その基礎となるのが、表現力であり、コミュニケーション力である。」といわれていました。ぜひ、次のステージでは、社会人となることを念頭に置き、自分自身を更に「カイゼン」しながら成長を遂げていって欲しいと思います。
最後になりましたが、卒業生の皆さん、相生高校での学びに関わって頂いた全ての方々への感謝の念を忘れることなく、本校での学びで成長した自分自身に自信を持ち、そして誇り高らかに勇ましく次のステージに進んでください。そして、共に学校生活を送り、共に苦しみ、共に泣き、共に笑い、そして共に支え合ってきた仲間との友情やその繋がりを忘れることなく、人生の宝としてください。
どうぞ皆さんの前に広がる未来が幸多いものでありますように、心より祈念し式辞と致します。
令和4年3月1日
兵庫県立相生高等学校
校 長 栗 林 秀 忠
2022.1.11
みなさん、こんにちは。
いよいよ今週末に共通テストが迫ってきました。本来は前日の激励会なのでしょうが、私の都合で急遽こうして集まって頂き申し訳ありません。
まず最初に言いたいのは、今日を入れてまだあと4日あるということです。中間考査や期末考査を思い出してもらえばわかると思いますが、一夜漬けで大量の知識を覚えてきた経験のある人も少なくないのではないでしょうか。集中して、まだやれる!!と前向きに捉えて頑張って欲しい。
そして「受験は、団体戦だ」とよくいわれます。ドラゴン桜というドラマの中でも言っていましたが・・・この言葉に違和感を持つ人がいるのも事実です。「んなーことはない!あくまで個人の頑張りだ!」「学校は合格実績をあげるためにいってる!」と。
でもこの言葉は、本校の校風にぴったりのことばです。「みんなで最後まで頑張る。みんな最後まで諦めない。」と多くの先生方から1年生時から檄を飛ばされてきたのではないでしょうか。受験は孤独なものでなく、友人、クラス、学年全員で取り組むことで、切磋琢磨し、励まし合い、支え合うことで、個人的にも大きな力となるという意味です。まさに「チーム相生」ですね。
ここには入学してから、共に頑張ってきた仲間がいます。
また皆さんを指導してきた先生方がいます。学年通信ぜひ一読してくださいね。
そして何より皆さんを暖かく見守ってこられたご家族がいます。
有り難いことです。感謝の心を持って受験に向かってください。
「受験は団体戦」・・実はこれは、安心感のことです。しんどいのは一人ではないという安心感、ドキドキしながら向かう会場には仲間が一緒という安堵感。見守り支えてくれた人たちに感謝することでの心のやすらぎ。心が落ち着き穏やかになり前向きに物事を考えることが、脳にとって最も喜ばしいことなんです!受験で最も重要なことは、記憶したことをいかに再生したり応用したりできるかです。
この再生能力の最大の敵は、脳が「不安感」(自己否定)を持つこと。不安感は脳を萎縮させます。脳を萎縮させてはいけません。緊張せずに!といわれても、当日は緊張します。当たり前です。心配しなくても会場にいる受験生は全員が緊張しています。その上で、不安がらずに緊張をコントロールというか楽しむことが大切です。校長先生は自分なりのこつを知っています。
金メダル間違いなしと言われる選手の多くが試合直前にすることは、共通しているようです。練習はもちろん継続するのですが、精神面を整えることが多いようです。たとえば、「一日一善」「笑顔で過ごす」「感謝の心を表現する」らしいです。一緒でしょ? 如何に自分の脳をうまくだましてリラックスさせるかです。
どうせ、一週間後は来る!受験の日はやってくる。なら、前向きに考える方が良いに決まっている。前向きとは、「自分を信じ切ること」です。
では、皆さんの健闘を祈ります。頑張ってください。
2022.1.11
みなさん、おはようございます。
そして、新年明けましておめでとうございます。
まずは、本日、体調を崩して欠席している人も数人いますが、こうして全員の無事を確認できて3学期を迎えることを嬉しく思います。
コロナウィルスについてですが、心配していたオミクロン株の感染拡大もあってか、1月4日に全国で1000人を越える感染者が出たと驚いたのも束の間、一週間後には8000人を越える状況となってしまいました。また県下の高校の中には、共通テスト前の3年生が陽性となるケースも出ています。十分すぎるくらいの感染対策への意識をお願いします。
さて、新年を迎えるにあって、私が皆さんに望む生徒像・人間像を、これまでの繰り返しになりますが、改めて3つ伝えたいと思います。
1つは、自ら考え、課題を見つけ、自ら意欲的に貪欲に学びに向かう生徒であり、自分の意見をしっかりと表現することができる生徒になって欲しい。更には、新たな発想、新たな価値観を生み出すことができる生徒になって欲しいと思っています。
2つ目は、人生において失敗や挫折はつきものですが、そこから自分を見つめ直し、何度でも立ち上がって挑戦し続けることができる強い心を持った生徒になって欲しいと思っています。
3つ目には、人としての豊かな感性や人間性を有する生徒になって欲しい。挨拶はもちろん、感謝や謝罪の言葉が素直に言える生徒、他者の痛みや喜びを共に感じることができる生徒、他人が嫌がることをしない生徒になって欲しいと願っています。
今、私が言ったことは、「学力」とは無関係に思えるものもあります。そんな人間性を伸ばしても学力が伸びるわけではないし、勉強することこそが重要だと思っている人が多いかもしれませんが、実はそうではないことが、近年の脳神経科学の研究でわかってきています。
「学力」これを「認知能力」というのですが、この認知能力を伸ばすためには、「非認知能力」を伸ばすことが重要であることがわかってきているのです。「非認知能力」とは、君たち自身の意欲、自主性、協調性、粘り強さ、忍耐力、想像力、コミュニケーション力などの人としての特性、いわゆる人間性や人間力を指します。
追加していうと、これまでは人間の感情とは無関係に考えられてきた物理学・数学、あるいはエンジニアリングの分野などでも、深い理解を得るためには、「人としての感情との深い繋がり」を無視することはできないと言われています。
記憶する時も、機械的に知識を覚えるのではなく、人としての感情が動き、高い関心度で学びに取り組む事が何より重要であるということです。そして感情との繋がりがあれば、その知識は「長期記憶」に残すことができるそうです。簡単にいうと「わくわくしながら勉強できたら、いいよね!」ということです。例をあげると、皆さんが小さいときに夜寝る時とかにわくわくしながら読んでもらった昔話って、試験もテストもないのに結構細部まで覚えてるでしょ?長期記憶なんですよね、あれが。寝る前の記憶は「分離」しないので記憶として残りやすいらしいですよ。
何にしても、改めて教えるプロである私たち教員側も、わくわく感のある授業実践に取り組んでいかねばならないということなのでしょう。
人間性・人間力が重要というもう一つの理由は、皆さんは、将来、学者や教授、あるいは起業して社長になる人もいるかもしれないし、高い能力を持って、何かしらの分野でリーダーやトップを務めることになるかもしれませんが、絶対的に必要なのが、その時々に、あなた方の周りにいる「人」との繋がりです。どんな素晴らしい才能や能力を持った人も、決して一人では何も成し遂げることはできないからです。成功には、必ず人との繋がり、そして人の支えがあります。人から助けてもらえる人間になってほしいと思います。助けてもらうためにはどうしたらいいのか?助けてもらうためには日頃から何が必要か、何を心掛けておればいいのか?簡単なことです。私が最初に言った、皆さんに望む3つの生徒像を実践していけばいいのです。要は、人から愛されるというか、人から好かれる人になることです。挨拶や笑顔の大切さがわからない人は、さて、人から好かれるでしょうか?
最後になりましたが、コロナ感染対策を引き続き徹底し、この3学期を乗り切っていきましょう。そしてこの一年が、生徒のみなさん、先生方も含めて、素晴らしい一年となりますように、そして相生高校がますます発展していきますことを祈りまして、式辞とします。
2021.12.24
みなさん、おはようございます。
今回も放送による終業式としました。他校では全校生徒を体育館に入れての行事を展開し始めている学校もあるようですが、本校はもうしばらくの間この形で行きたいと思っています。
この2学期は、緊急事態宣言を受けて、部活、行事、校外活動ともに極めて厳しい制限の中でのスタートでした。しかし、皆さんの感染予防に対する高い意識と行動、そして先生方の献身的な感染対策により、心配していました学級閉鎖や臨時休校などの措置をとるという混乱もなく、こうして無事に終業式を迎えることができました。改めまして、皆さんありがとうございました。
現在、ワクチン接種が進んだせいか、あるいはウィルス自滅説なのか、それとも日本人に多いとされるファクターXのせいなのか、本当の所はわかりませんが、コロナの感染者数も激減した状態がもう3ケ月過ぎようとしています。ただ、海外で再拡大していることや、新たなオミクロン株が登場したりと、今後がとても心配なところです。2日前には大阪で、そして昨日は京都でオミクロン株の市中感染を確認というニュースはとても衝撃的で、身近に迫りつつあるという恐怖を感じます。3学期早々には、2年生の修学旅行、3年生は共通テストが迫ってきています。皆さんには、これまで以上の感染予防に対する危機意識と体調管理をしっかり行ってください。
本校の教職員そして生徒の皆さんもかなりワクチン接種が進んできたように思います。私も、ワクチンを打ちましたが、私たちが勘違いしてはならないのは、ワクチン接種しても感染をする可能性はあるということです。全国的にも未だクラスターが発生していますし、オミクロン株では2回接種の人も多く罹患しているようです。手指消毒、マスクをしっかりと付けるという感染対策を怠ってはいけないということです。
そして、私たちは、こうした状況を意識しながら、ワクチンを打ちたくても打てない人がいるという事実をしっかりと認識する必要があります。その方々の立場に立った物の考え方をしていく必要があります。
本校において、こうして放送による式をすることや、体育館に全校生徒をまだ入れない事を皆さんには理解していただきたいと思います。今年度のマラソン大会を中止することや、卒業式についても今のところ昨年と同様の制限をしていく予定です。
さて、大学名は忘れてしまったのですが、NHKの番組で、ある大学の学長が、来年度入学してくる学生はとても楽しみだ!と言われていました。
それは、【今の高校3年生の諸君は、実に2年以上にわたり、人生で最も多感で活動的な高校時代をコロナ禍で過ごしてきた。素晴らしい高校時代を、輝かしい青春時代を奪われたと思っている人もいるかもしれない。しかし、このコロナ禍の困難の中、さまざまな制限や制約と多くのストレスがある中で、来年度入学生の諸君の多くは、自分を見失わずに、どうすべきか、どうあるべきかを自問ながら生き抜いてきたのではないだろうか。故に、自らの思考力と発想力で、新たな価値観を創造することができる学生、困難な中でも前に進むことができる学生が多いのではないか、そして、このコロナにより、差別に対する意識や他者への配慮ができる学生が多いのではないか、と期待している。】と言われていました。
コロナによって大きく価値観が変わってしまった世の中で、これを如何に転機と捉え、どう前向きに、どう創造性豊かに生きていくことができるかを私たちは問われているのかもしれません。
私は、1学期から、みなさんの勉強に取り組む真摯な態度や相高祭や体育大会での見事なまでの発想力や団結力を見てきました。相高生としての自信と誇りを感じました。部活動への取り組みも本当に一生懸命で、少しずつ成果を出している部も増えてきています。そして、自分からする挨拶もよくしてくれるようになっていると感じています。朝、校長室の前のドアでわざわざ立ち止まって挨拶をしてくれる人など、元気の良い声が朝から増えてきたように感じています。背後から声をかけてくれる人もいます。声は発せずとも、笑顔で会釈をしてくれる生徒も多いです。とても嬉しく思っています。勇気を持って挨拶をする。勇気を持って手を挙げて質問する。電車等で勇気を持って席を譲る。廊下に落ちているゴミ勇気を持って拾う・・など、日常生活で強い心を作る手段はたくさんあります。どうか強く豊かな心をつくってください。
最後に、3年生の皆さん。いよいよ、共通テストまで1ケ月をきりました。しかし、まだ時間はあります。不安になったら負けです。自分を信じて、死に物狂いでラストスパートをかけてください。そして何より健康に留意することです。
それでは、生徒の皆さん、冬休みを怪我や事故等に巻き込まれることなく、全員が無事に新年を迎え、また元気に3学期の始業式に来てくれることを願い、式辞といたします。