改札で困っている生徒がいます。大きなバレーボールのバックが引っかかっかっているのでしょうか？　そうではありません。何度も切符を機械に通しても改札を抜けられなくなっています。

　機械に入れるべき切符は「姫路～京橋」の切符が正解です。どうやら何度も「京橋～姫路」の切符をいれていたのです。初めての経験は子どもたちにとても良い経験になりました。

　朝７：０１の新快速の電車にのり、加古川、西明石、明石、神戸、三宮と、次々に乗車してくきます。生徒達は小さい体で大人に負けじと大切なカバン、大きな荷物を守り自分の場所を確保して立ったままです。大阪駅から環状線、地下鉄に乗り換えと会場に着いたのは９時過ぎでした。

　一休みしたいと思う気持ちを我慢し、緊張した生徒達は会場入りをして、真っ先に横断幕を設置する為に体育館２階応援席に向かいます。

　ユニホームに着替えフロアに降りた頃には９：２５です。

　朝４：３０に起きた生徒、５：００に起きた生徒は、フロアに降りてきてストレッチを始めた頃には表情に疲れが見えていました。

　１０：００に開会式が始まりました。

　今年のバレー部は中学部５名、高等部３名、合計８名です。高等部２名は身体、怪我の事情もあり、コートに立てるのは中学部５名、高等部１名のギリギリ６人で、高等部の試合に参加してきました。

　試合は５人にして交流戦にした方が、怪我無くスムーズに試合進行すると考えていました。しかし、生徒達から熱い要望（「一人の生徒を６人目にいれて下さい！」「立ってるだけでいいです！」「みんなでカバーします！」）がよせられ、公式戦に参加することになりました。
　普通中学校女子ではネットの高さは２ｍ１５ｃｍ、ボールは4号球を使用します。しかし高校では２ｍ２４ｃｍ、ボールは５号球を使用します。

　よって５人の中学部の生徒達には過酷な条件になります。まだまだ小さな体で高いネット、大きなボールで体に負担をかけながらのプレイになります。試合に参加する以上そんな事は言ってられません。

　普段の練習から２ｍ２４ｃｍ、ボールは５号球を使用しています。生徒達はこれが当たり前と思い、日々の練習に取り組んできました。

　今年の夏休みは、体育館天井の工事がありすべて使用できませんでした。

　外に出て練習できるチャンスと生徒達にも考えさせ、多くの体育館でバレーする事を体で感じてもらいました。真夏の暑い中、姫路の大きな体育館から福祉施設の小さな体育館と、自分の足を使い公共交通機関を利用し、汗を流してタオルを持って体育館の場所を探したり、駅の名前、バス停の名前を覚えたり、姫路の地理なども学習できました。

　なにより生徒達が刺激を受けたのは、他校の練習を実際に目の前にして自分たちの普段の練習がまだまだ足りないと感じる事ができた事です。普段当たり前のように使える体育館に感謝もしていました。

　試合結果

姫路―だいせん　１－２　　　姫路―神戸　　２―０　　　姫路―市立　　２―１

　惜しくも、だいせんに負けてしまい優勝はのがしました。しかし勝って満足して終わるより

、負けた理由を考えこれからの練習の励みになって欲しいと思います。

　試合内容は悪いプレイもありましたが、それ以上に普段から毎日我慢して練習に取り組んできたことが試合にしっかりとでていた事が嬉しく思います。

　試合中はコートに六人、七人目ベンチ　八人目職員も一緒になり必死になって姫路聴覚のバレーを盛り上げることができていました。

　みんなでカバーし近畿地区聾学校バレーボール大会に参加できた事を嬉しく思います。

　保護者様　関係者等たくさんのご協力応援のおかけで日々の練習に取り組めております。本当にありがとうございます。また体育館の練習ものぞいていただければ生徒たちも喜ぶと思います。